この世界について説明しよう!
俺とザックはすっかり呑み明かし、窓の外を見るとだいぶ日が沈んでいた。俺はザックに今日の宿泊場所があるのか聞くと、
「それはここやで。ここの酒場は宿もやっとるんや」と答えた。それも早く言えとザックを軽く殴り、俺は宿の部屋に入った。こじんまりとした部屋だが素材が木製だからか木の香りがしてとても落ち着く。
おれは気分が上がってベットに飛び込んだ。
「ひゃっほーッ!!これだよこれ!旅の醍醐味は」
俺がベットに飛び込んでいるのを見てザックは冷めた目で見てくる。やつはわかってないな、このベットダイビングの素晴らしさを。俺の奇行を無視してザックは荷物の整理を始めた。俺はベッドでゴロゴロしながら休んでいると気になることがたくさん浮かんで来た。そもそもこの世界について女神からほぼ説明がなかったからなんにも知らない。そう思って俺はザックに聞くことにした。ザックは質問されたのが嬉しかったからかめちゃくちゃ饒舌に話してくれた。
ザックの話を要約するとこうだ。この世界はアイルゼンという名前らしく魔法も魔物もいる世界らしい。魔物ってなんだって聞いたら驚いた顔をされたがきちんと説明してくれた。魔物っていうのはその名のとおり魔のものらしく人間や動物に敵対している生き物らしく有名なのはスライムやゴブリン、ドラゴンなどらしい。そこらへんの魔物は俺も聞いたことがあって興奮した。ザックは呆れた目で見てきたがそうか、この世界にとって魔物がいるのは当然なんだ。早速カルチャーショック的なのを受けたよ。んで、ザックが言っていた魔法。俺は昔からのハリーポッターファンだから魔法と聞いて胸の動悸が治らなかった。俺も魔法が打てるのかとザックに聞いたら適性があれば魔法は打てるらしい。魔法には8個の属性があり、火、水、雷、風、地、光、闇、無らしい。最初の5つは想像できたが光闇無だけわからなかったので聞いてみると光は回復やバフ、闇は呪いやデバフ、無はここの属性に属さないものを言うらしい。無だけなんでもありすぎないかと聞いたがそれはそういうものらしい。
俺は魔法の説明にワクワクしていたが一つ気になったことがあった。それはスキルの存在だ。魔法とスキルの違いを聞くと興味深い答えが返ってきた。ザック曰く魔法は適正がないとできないがスキルは人間に必ず一つは授けられる固有の能力らしい。二つや3つもつものは珍しいが0だったやつはいないらしい。俺は気になったからザックにスキルを聞いたが
「商人が自分の手札を晒すわけないやろ。まあメグルはいずれみるだろうから楽しみに待っとけ」とか吐かしやがった。また殴るかと悩んだがこのままでは俺は暴力が大好きなやつかと勘違いされそうなのでやめとくことにした。ザックが言っていたが異世界からきた人間は他の人間とは比べ物にならないくらいの特殊で絶大な力があるみたいだ。ザックも気になって聞いてきたが自分のスキルを言わなかったやつに言う必要はない。
ザックは残念がったが話を続けた。ここまではこの世界アイルゼンの基礎的な話をしたが今度は国の話を聞いた。俺たちが今いる国の名前はアインズライン王国という国らしく、アイルゼンでも大国らしい。それで同じく大国が二つあって後は小国がちらほらあるがらしいが説明は省かれた。その国々はいずれ回る際に説明してくれるらしい。だがザックが唯一説明してくれた国があった、いや国というより地域かな。それは魔王が占領していると言われているアゼリア地方だ。なんでもこの世界は魔王に人間の生命が脅かされているらしい。さっき説明した魔物とかも魔王が生み出したとか。まあ俺には関係ない話だ。どうせ異世界人とやらがいるのなら俺じゃなくてもいいだろう。魔王退治はそいつらに任せて俺はガイドブック作りだ。そのあとザックが説明してくれたのが、このアインズライン王国の南西にあるのが俺たちがいる街ヨークシアという田舎にしては発展していて賑やかな街らしい。俺とザックはこの町でこの世界を回る準備を整える。そして俺が初めて描き示す町でもある。つまるところ俺にとってスタートラインってことだ。とりあえず明日からこの街を探索するために今日はねることにしよう。俺は一つしかないベッドを占領して異世界初の眠りについた。ザックの文句が聞こえた気がしたが知らん。
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目を覚ますとザックはベッドの下の床に寝ていた。多分あまり気持ちよく眠れてなかったのだろう。苦しそうな表情を浮かべながらいびきをかいている。心なしか目元にくまがあるような…。まあ一旦無視してベッドから降り、部屋を出る。部屋を出て下に降りると宿の強面の親父がカウンターで何か作っている。よく見るとぬいぐるみを縫っているようだった。
「「……」」
気まずい空気のなか長い時間がすぎたの後最初に声を出したのはおっさんだった。
「別にいいだろ……」
「俺は悪いなんていってないけど」
おっさんが朝からぬいぐるみを作っていたのは驚いたが俺は人の趣味は馬鹿にしない男だ。なぜなら学生時代に散々ガイドブックを馬鹿にされてたからな。だからおっさんの気持ちもわかる。
「だから、安心しろよ。おっさん。ぬいぐるみ趣味は誰にも言わない」
おっさんは俺の言葉に目を見開いた。馬鹿にされるとでも思ったのだろうか。
「坊主…お前いいやつなんだな」
「当たり前だろ。俺も地図馬鹿だったからな」
「ザックのやろうは突っ込み待ちか!って叩いてきたけどな」
あいつ最低だな。だが、やりそうではある。俺が必ず正義の鉄槌を喰らわせてやる。
怖いおっさんかと思ったが可愛いとこもあるじゃん。俺はそのままおっさんのぬいぐるみを縫う作業を手伝った。そしたら朝の10時ごろだろうかザックが部屋から降りてきた。ザックは寝違えたのか首に手を当てながらほぽ瞼を閉じた状態で文句を言ってきた。
「メグル、自分のせいでワイは体中が痛いねん、どうしてくれん痛ッ!なんで痛い首叩くねん!」
俺はザックの開口一番今のザックの弱点であろう頸に強烈なチョップを喰らわせた。
「人の趣味を笑う奴には罰が必要だろ?」
「なんの話やねんッ!!ワイは昨日ベッドで寝れてへんねん。体中痛くて辛いのに」
こいつ…反省してないな。
「あちょーッ!!」
「痛ッ!だから首やめろやッ!!自分ワイのこと親の仇がなにかやと思ってるやろ」
一通り叩き終わって満足…いや成敗できたとこで床でのたうち回っているザックに俺は外にいきたいと言った。実際昨日は街に入ってから真っ直ぐこの宿に直行してなにも見れてないからこの街のガイドブックの作り用がない。昨日は疲れていたから爆睡したが内心新たな世界に対して興奮しぱっなしだった。俺のこのドキドキは止められないぜ状態ですぐにでも外を散策したい。
だがザックは「散策ぅ?そんな時間あらへんで?今からワイは馬車や商品の補充やら貴族に支援のお願いやらで忙しいから見る時間はないで」とか抜かしやがった。終わった。俺のガイドブック作り。するとバツが悪くなったのかザックはため息をつきながら、
「せやな。しゃーないしやな。メグル一人で見てくるならええぞ。」
「え!マジで!?」
ザックは渋々頷いた。異世界の街を俺一人で自由気ままに散策していいと。昨日は横を通ることしかできなかったバザーや祭りの屋台のように出してる飲食店、明らかに怪しい雰囲気がプンプンでてた寂れた酒場など気になる場所が多すぎる。俺はすぐに立ち上がり宿の外に出ようとしたが、ザックに首根っこを押さえられ止められた。
「そんな焦らなくてもええやろ!自分子供かッ!」
「嫌だ!!異世界逃げちゃうもん」
「異世界は逃げへんからッ!!はあ...金がないと行っても何もできひんやろ?」
それは確かに。少し焦りすぎたか?いや異世界眼の前にしといて我慢できるやついるか、いやいない。ザックは俺の逸る気持ちに溜息と悪態を吐きながら銀貨らしきものを5枚くれた。そのままザックがお金の価値の説明をしてくれた。話が長く途中何度飛び出そうとしたか。だが、聞いた意味はあった。まあ簡単に要約するとこの世界は鉄貨、銅貨、銀貨、金貨、王金貨の五つの硬貨で経済が回っており、10進法で計算するらしい。ザックによると鉄貨一つでパンが買える値段で銅貨ひとつで散髪ができ、銀貨一つで上下の服が揃えられて、金貨一つで庶民が数ヶ月生活できて、王金貨一つで街の予算に匹敵するらしい。つまりザックはかなりのお小遣いを俺にくれたみたいだ。
俺はお金を受け取るとルンルンで宿から飛び出した。俺は昨日ザックと歩いてきた大通りを目指し歩き歩いたがなかなか大通りにでない。割とノリで進んだのが良くなかったのかもうどこを歩いているのか全くわからない位置にまできてしまった。
「異世界2日目にしてバッドエンドルートかこれ…」
俺は元の場所に戻る方法に悩んでいると一つ閃いた。
「あ、そういやこれあるじゃん。[トラベラー]スキル発動、マップ」
そう呟くと俺の目の前に一枚の羊皮紙が浮かび上がる。
「やっぱこれすごいよな。俺は…ここか」
羊皮紙の上に多分自分がいるだろう場所を表してる赤い点は大通りとはかなり外れた位置に止まっていた。俺はこの地図の能力に感動しながら大通りに今度こそ向かった。
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