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カクテル片手に異世界召喚されたら、王子がSNSで病みカキコしてたんですけど

作者: なぐも

「え、めっちゃ伸びとるやん……」

夜の12時過ぎ。私は布団に入ってるはずが、スマホ片手にTikTokをスクロールしてた。日中に上げた『カクテルの作り方動画』がちょっとだけバズっているらしい。と言っても1万再生程度だけど、私にとっては大事件。


「コメント欄、ありがとうございます……“ゴリラ要素は? 何がもっちもち?” ってツッコミ多すぎ」

そもそも私、SNSのアカウント名が「もっちもちゴリラ」。深夜ハイテンションで適当に付けたアカウント名だけど、地味にインパクトあるせいかフォロワーはそこそこ増えてる。


そんな私のところに突然届いたのが、謎のアバターからのDM。

ユーザー名は「ヴァイオレット伯爵∞公式」。アイコンは黒猫に王冠が載ってるイラスト。

内容は「カクテル作りに興味あるなら、コレをお試しください」というリンクひとつ。


「怪しすぎるんだけど……どうせ中国系のスパムとか……いや、英語じゃないし……」

とはいえ、ちょっと気になってクリックしちゃうのが私の悪いクセだ。リンクを踏むと妙なECサイト風ページが出てきて、商品名は『異世界シェイク・フルーツカクテル(半熟ver.)』とか書いてある。


「絶対やべぇ……でもレビュー数ゼロ? 誰も買ってないのか……」

好奇心に負けて「ポチッとな」と購入ボタンをタップしてしまう。こんな夜中なのに24時間以内配送OKと書いてあるし、まぁ何かのネタになればいいや……。


ところがどっこい、30分後にはインターホンが鳴った。


「はい? こんな時間に宅配? え、ちょ、待って、顔ヤバいし……」

おそるおそるドアを開けると、フードを深く被った配達員っぽい人が無言で小包を差し出し、何も言わず去っていった。

中を開けると銀色のパウチに入ったジュースみたいなものと、説明書が入っている。


【飲むときは一気に。もふもふゴリラのことは忘れよ】……何このメッセージ。

怖すぎるけど、謎を解き明かしてバズりたいという承認欲求がフツフツと湧いてきた。私、軽率なZ世代代表だもん……やるしかない。


「いただきます……ゴクッ……うわ、意外と美味……」

口に含むとマンゴーみたいな味が弾け、まろやかな舌触り。ほんのり南国のフルーツ感?

と思いきや、急に頭がクラクラして視界がじわーんと歪んでいく。


「やば、何これ……強アルコール入ってるの……? うぐ……」


次の瞬間、部屋の床が沈むような感覚に襲われ、意識がスコンと落ちた。

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