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思い出ビーバー

あなたはビーバーを見たことがあるだろうか。私はこれまで28年の人生の中で一度だけ遭遇したことがある。そしてその出会いこそ私の人生で最も重大な岐路であった。


あれはまだ私がこの世の何者でもなかった頃、つまりはほとんど空気のように都会の薄暗いビルの隙間や人々が歩く通りに漂っていた頃。私の生まれた国では、いや世界中でそうだったかもしれないが、まだ人々は自分の意思で自由に行動することを知らなかった。私たちの行動は全て超次元的存在により運命付けられており、私たちは皆潜在的にその運命を感じ取り、そのままに行動の意思決定をしていた。例えば、朝起きて会社に行くとか、テレビをつけるとか、食事をするとか、眠るといったような日常的な行動も全てそうである。日常的にな選択だけでなく、どんな仕事に就き、誰と交友関係を築くといった選択も、それこそが自らの運命であるからこそ選ぶのである。もちろん、その決定を後悔することなどない。

さて、当時の私はそんなことはもちろん知らず、自分がなぜここにいるのかもよくわかっていなかった。しかし、ある時突然「自分は人間ではない」ということに気づいたのだ。その頃の私はビルの間の暗がりにいることが多かったのだが、ある日、ふと上を見上げると、はるか頭上に太陽の光を浴びる高層ビル群が見えたのである。それまでずっと暗いところにいた私にとってそれはあまりにも眩しく感じられた。だが、それよりも驚いたことはその高さである。今まで見上げていたものよりもさらに高い位置に太陽があるということは、それが自分よりも高い位置にあるということであり、すなわち今いる場所が自分のいた世界より高い場所であるということである。そこで初めて私は自分が浮いていることに気がついた。それからしばらくの間、自分の存在について考え続けていた。

しばらく考えた後、自分が人間でないならば一体なんなのかと考えた時、答えはすぐに出た。「私は神だ!」と思った瞬間、私は大きな喜びに包まれた。同時に、この素晴らしい事実を誰かに伝えたくなった。そうだ、私は神なのだから人間に伝える必要はない。しかし、他の生物には伝えよう。そう思ったらすぐに実行したかったが、残念ながらその時の私には他の生物の姿形を知る術がなかった。そこでまず最初に鳥の姿を真似ることにした。次に魚になり、最後に哺乳類になった。こうして様々な生物の外見を手に入れた私は、人間の住む街へと降り立った。そして、自分のことを人間だと思い込んでいる動物たちに話しかけていった。最初はみんな驚いていたが、やがて彼らは私を受け入れてくれた。彼らの話を聞くうちにわかったことがいくつかあった。まず一つ目として、人間は動物たちと違い自由意志によって行動しているように見えているが、実は常に無意識のうちに決められた行動をしていること。二つ目に、人間たちは自分では何も決めずにただ毎日を過ごしていること。三つ目に、ほとんどの人間が夢を持っていないということ。これらの情報を元に私は確信した。

「人間は堕落してしまったのだ。」


私は落胆して元の場所へ帰ろうと思っていたが、偶然見つけた一匹の小さなねずみの話に興味を抱いたためもう少しだけ留まることにした。その小さなねずみは自分の身の回りで起こったことについて語った。どうやら彼はある人物に対して強い嫉妬を覚えていて悩んでいるようだ。話を聞いたところで特に興味を引く内容ではなかったが一応聞いてみることにする。彼が言うところによればその人物は何かを決める時に絶対に後悔せず、迷わずに最善の方法を選び取ることが出来るらしい。彼によればそのような人物が本当に実在していたとしてもおそらくそれはごく稀な例に違いないとのことなので少し安心したものの依然として疑問は残るものの結局は自分なりに信じる道を選ぶべきということだと解釈したが彼の話が抽象的だったためそれ以上何を言っていたかよく覚えていないがその結論だけはしっかりと記憶に焼き付けられた。その後しばらく考えてみたのだが、もし自分があのねずみの立場だとしたらいったいどういう決断をしただろうかと想像すると心苦しく感じる反面でどこか愉快な気持ちになったことも思い出すことができたが結局最後まで答えを出すことはできなかったのであった……。

3日ほど経つとその不思議な体験のことはほとんど忘れかけておりすっかりと日常の生活を取り戻しつつあったがネズミの言葉を忘れることはなかったし、それを思い出すたびにいつも笑みを浮かべるのであった。


そんなある日のことである。私はネズミの言葉や私という存在の意味について酷く迷っていた。あまりに迷い、悩んだ私はビルの隙間をビュービューと吹き抜けた。数々のビルを抜けた先、見えてきたのは広大な野原、そしてそこに佇む山のように大きなビーバーであった。私の気配を感じたその大きめのビーバーがゆっくりと振り返った時のこと、まさにそれは運命と呼べる出会いであったと思う。一瞬であったが私の体は電気を帯びたような感覚を覚えたのだ!そして気が付くと同時に体が熱くなり興奮を抑えきれずに飛びかかった………………までは良かったのだがその次のことはよくわからなかったのだ。なぜならビーバーの首筋を見た途端に意識を失ってしまったからだ(あとから調べてみると首の後ろに急所である逆棘があったらしくそこを刺激されたことで死んだのではないかと思われる)。その直後私の意識は野原に自らの肉体を置き去り、もの凄い速さで上空へ登っていった。僅か数秒で大気圏を超え、宇宙空間の端をも超越した私の意識は外宇宙の空間で初めて超次元的存在に出会った。そこには一人の女性がいて、まるで我が子を愛おしそうに見守る母親のような顔つきをしながら私を見つめて立っていた。彼女の姿はとても美しかったがその表情には憂いを感じさせるものがあった。そして彼女が見守る子供はよく見ればビーバーだった。

「あなたは解放を望みますか?」

「あなたは解放を望みますか?」

彼女とビーバーは同時に私に語りかけた。彼女達は私が目覚めて間もなくに話しかけて以来ずっと同じ言葉をかけ続けてくれていたが、この度初めてその言葉を発してくれたのである。この時になってようやく理解することが出来た、彼女は神であること、自分が解放されたいと望んでいたこと、そして自分が本当の意味ではまだ神ではなかったことに。また、自分が今までいた世界に神など存在しなかったのだということを知ったのもその時のことだった……。そして私は答えた。

「私にその権利があるなら、私は解放を望みます。」


【4度目の更新ですが、今回はかなり短くまとめました(^o^)ノ 1週間ぶりに帰ってきた我が家。今日は仕事がない日曜日ということもありゆっくり休む予定だったのですが朝っぱらからとんでもない事態が発生してしまったのでとりあえず書いておこうと思いまして……

まず最初に申し上げておきたい。いいいいい】


私が答えると、壮絶に眩い光が外宇宙に差し込んだ。つまりは、私が解放を望んだことにより外宇宙の外壁が崩れて外宇宙の外より光が差し込んだのである。


しかし不思議とその光は暖かいだけでなく優しい輝きに満ち溢れていたように感じられ、私自身に力を与えてくれているように感じた。そして私は気づいたのだ、私は今新たなる進化を迎えようとしているのだ。全宇宙の生命を犠牲に私という単一個体が究極の生命へと歩みを進めようとしている。すまない地球の友たち家族たち、そして私に新たなる道を与えたビーバーよ。この一歩は宇宙、外宇宙、そしてさらにその外の世界の生命にとっての祝福となるであろう。さあ行こう!!新たなる可能性を掴むため 世界を越えて!


ここまで見てくだりありがとうございましター また会いマーショ。












「え~ではまず初めに皆様にアンケートを取っていきたいと思います!」

『なんだあれ?』『うぉっ、いきなり何が始まった!』等と言った声がちらほらと上がりざわめきが起こる中。俺はというと、

という気持ちでいっぱいであった そもそも何故俺が入っているかと言うと、さかのぼること数分前。

いつも通りにバイトが終わり帰宅しようとしてると目の前にいた綺麗な黒髪の女に声をかけられた その人は胸元が空いている服の上に白衣を着たなん...fin.

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