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魔力

「とりあえず対処法1を進めていく感じでいいよね」


 1つ目にやることは両親と話すことだけど―――。


 コンコン 「お嬢様、少しよろしいでしょうか」


 さっき部屋から出ていったメイド――、レナが戻ってきたようだ。

 返事をして部屋へ入らせる。


 「お父様とお母様はどうでしたか?」


 「その……、お嬢様がお目覚めになられたことはお喜びになられていたのですが………、お二人とも頑なにお嬢様にお会いになろうとしなくて……。」


 ああ、やっぱりか……。まあ、こうなることは大体わかっていたけどね。


 「ねぇ、レナ。お父様とお母様はどうして私にお会いになられないのかしら?子供が嫌いと言う訳ではないみたいだし、私のことが嫌いだからとしか思えないのだけれど。」


 昔、外出する父と母……、いや、お父様とお母さまを見ても顔は似ているから別に愛人の子と言う訳ではなさそうですけれど。


 「えッとそれは…………、少し言いにくくて」


 「お願い。理由を聞かないとお父様とお母様に好かれようがないわ。私を生んでくれた方だもの、仲良くなりたいわ。」


 悲壮感を醸し出してレナをベッドの上から見つめるとやっと折れたのか、


 「わかりました。少し長くなりますがお話いたしますね」


 レナは私に近ずいてきて話し始めた。


 「15年ほど前、旦那様は宰相になりたいという夢を持っておられました。そのために勉学だけでなく、精霊魔法や剣術もたくさん練習なさっていました。

 しかし、旦那様の3つ上のお兄様であるルドラーク様もライティア精霊王国の宰相を目指しておりました。

 

 ルドラーク様は幼少期から神童と呼ばれるほどたくさんのことに優秀でした。なので時期宰相はルドラーク様だといわれ、もてはやされておりました。しかし、就任の儀の際に選ばれたのは旦那様でした。

 実は、ルドラーク様は幼少期から神童だ、一族の誇りだなどを言われておられたため次第に増長し周りに横暴な態度を取られるようになりました。

 そのことが王家に伝わったのでしょう、ルドラーク様の次に賢い旦那様が選ばれました。

 しかし、増長したルドラーク様は旦那様を逆恨みし、暗殺者を送ってきたり事故に見せかけて崖から落とそうとしたりしてきました。

 ……だから、お嬢様がそれに巻き込まれないためわざと距離を置いているのだと思われます。」


 なるほど。つまり私が非力なので殺されてしまわない様にしたと。


 「なんか悔しいですわね。レナ、ステータスを見る方法を教えてもらえるかしら?本当は7歳と同時に教会の方に教えてもらえるはずですが、まぁ、ばれなきゃ大丈夫ですわ。円満な家庭を築くためにも急いで戦闘能力、ついでに賢い頭も必要になってくるはずですわ。誕生日まであと1か月程度ですし。もしもばれたら責任は私が取りますわ。でも、私に何があっても誰にも話さないでちょうだい。」


 円満な家庭が築けるぐらいなら責任なんて幾らでも負える。まあばれずにやり過ごす自信もあるしね。


 「………はぁ、わかりました。ではお嬢様は魔力を感じ取ることはできますか?」


 ふむ。こういうのはたいてい、おへその方か心臓にあるはずだ。えーっと、ああ、あった。心臓の方にあったようだ。


 「ええ、感じ取れましたわ。」


 レナに返事をする。レナが目をまん丸にしているが、こんな一瞬で感じ取れたことに驚いているのだろう。私は鈍感ではないからね。ということはやはり私にもチートがあるのだろうか。


 「え、えっと、そうしたら両手を前へ出して器のようにしてください。そうして《ステータス》というと出てきますよ。」


 私はレナに言われたように手を器にして呪文を唱えた。


――――――――――

 メルティア・フォン・ライトバード(6)  職業・公爵令嬢


 魔法・全属性


 称号・なりかけの悪役令嬢、神々の巫女

――――――――――

 「……あれ?」


 私が神々の巫女(・・・・・)という所を見たとたん頭にもやがかかり、本日2度目のブラックアウトを果たすのだった。

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