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家に帰るとお母様とアニーが私を待ち構えてた。
「アリスちゃん、1か月後なんだけどね、アリスちゃんの復帰パーティーをすることになったの。それでね、パーティーに着ていくドレスを作りたいと思うんだけど」
「ドレスですか・・・作らなくてもクローゼットにたくさんありますけど・・・」
「そんなのだめよー何て言ったってアリスちゃんが主役のパーティーなんだから。
ね、アニー?」
「アレクシア様の言われる通りですわ。それにもうデザイナーの方に来ていただきましたもの」
え、もう呼んじゃったの?
実はアリスティアラはドレス合わせがあまり得意ではない。
しかし逃げようにもこの2人がいる限りアリスティアラは逃げられない。
はあ、アリスティアラは覚悟を決めてデザイナーの待つ部屋へと向かう。
「初めまして。アリスティアラと申します」
「アリスティアラ様!初めまして!わたくしデザイナーのチャーリーと申します。以後お見知りおきを」
なんだか少し大げさな方ね。
おおー、チャーリーさんはアリスティアラの姿を見ると感嘆の声をあげた。
「透き通るような陶器肌、銀河のように煌めく髪と宝石のような瞳。細くて可憐な手足。
こんなにも美しい方には今まで出会ったことがありません」
「ありがとうございます」
アリスティアラは照れながら答える。
そこまで褒められるとお世辞のように聞こえるわね。
アリスティアラは国内1の美女だと言われているが、本人は全く気付かないらしい。
「アリスティアラ様、」
改まって話始めるチャーリー。
「王妃様からはパーティー用のドレスをということでしたが、デザインはどのようなものになさいますか?」
デザインか・・・
「着られればなんでも良いんですけど・・・そういう訳にも参りませんよね。
チャーリーさんにお任せいたします」
「良いんですか?」
「はい。ご迷惑でなければですけど」
「迷惑だなんてとんでもない。アリスティアラ様のご衣裳を作らせていただけるとは身に余る光栄です」
「それではお願いいたします」
そう言って始まったドレス合わせ。
「まずはドレスの種類を1つに絞らなければいけません。Aラインでもいいしマーメイドでもいいし、いっそのことゴージャスなものにする?いやいや、それではだめよチャーリー。
それだとアリスティアラ様の可憐な美しさを消してしまう。かといっておとなしすぎるものでもいけないし。
ああ。どうしよう」
とまあさっきからチャーリーさんは一人でしゃべっている。
そして結局はエンパイアドレスに決まった。
エンパイアドレスとはバストのアンダー部分に切り返しがあり、そこから裾に向かって落ちるような
シルエットが特徴的なドレス。ハイウエストでどんな人にも似あうドレス。
衣装に無頓着な私がこんなに詳しいのは全部チャーリーさんの受け売りだから。
色はというと、
「淡い色にすると普通過ぎる・・・。かといってオレンジや赤にすると派手すぎる。
ああ、意表を突いてグリーンとか?いやこれはちょっと時代遅れになるわね。
グラデーションも入れたいんだけど。アリスティアラ様の個性を消すようなことをしてはいけないわ」
これもまた悩んでいらっしゃったけど、最終的にはグラデーションを入れたブルーのエンパイアドレスに決まった。
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