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広くて長い廊下を歩いていると、突然鼻を突くような強い香水の匂いがアリスティアラの鼻孔を襲った。
あんまり良い思い出の無い匂い。
「あら、アリスティアラ様、ごきげんよう。」
やっぱりアピア様か。
趣味の悪い派手な色でレースをふんだんに使っているドレス。
見た目だけは完璧で性格は魔王よりも悪い、とアリスティアラは思っている。
「5年ぶりに目が覚めたとお聞きしましたわ。体調は大丈夫なんですの?」
「ええ、大丈夫です」
「そう、なら良かったわ。私とても心配しておりましたのよ。」
そんな心配していないくせによく言うわ。
「ありがとうございます」
「あ、そういえば」
ふと思い出したような素振りを見せるアピア様。
「先日庭園でトマス様にばったりお会いしましたの。トマス様、それはそれはアリスティアラ様のことを心配なさっておられましたわ。」
トマス・・・
あー婚約者か。
忘れてた。
トマスのことは置いといて、私が目覚めてまだ数時間しか経っていない。
私が目覚めたことは家族と宰相、鑑定士のラミーさんしか知らないはずの情報。
ー
なのにどうしてアピア様が知っているんだ。
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