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何のために俺は幼いころから厳しい訓練や教養を身に付けるための授業に耐えてきたのか。
何のために日に日に多くなっていく魔力に対して恐れ、痛みに苦しんできたのか。
何のために兵士や侍女からの冷たい視線や屈辱に耐えてきたのか。
もう何もかもが馬鹿馬鹿しい。
これから何を頑張っても俺は一生幽閉され続けるのだ。
父上が死んだらアリスティアラに仕えなければならない。
血がつながっているとはいえ、アリスティアラは妹だ。
妹に頭を下げることなど俺には到底できない。
元はといえば俺がこんな風になってしまったのも父上が俺のことをほったらかしにしていたからだ。
自分で魔力を抑えられなくなったあの日、気づいたら自室のベッド、机、装飾品、何もかもが壊れていた。
泥棒でも入ったのかと思ったけど部屋には自分しかいなかった。
魔力過多症である、と父上に告げた医者はクビになった。
父上は出来損ないの俺のことが恥ずかしかったのだろう。
父上が、俺が病気だと認めたのは話をしてから3週間が経ってからのことであった。
しかもそれはアリスティアラが父上に話をしたからだった。
俺が話しても治療を受けさせるどころか病気だと認めもしなかったのに、だ。
アリスティアラ、アリスティアラ・・・
父上だけではない母上だって宰相だって兵士だって侍女だってみんなアリスティアラのことばかりだ。王位継承者は俺だというのに。
ディサップは深くため息をつく。
ずっと俺を閉じ込めほったらかしにしていた父に復讐をしよう、ディサップは心に固く誓った。
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