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今回はディサップサイドになります。

この離宮に閉じ込められてもうすぐで2年になる。

魔力過多症でたまにどうにも気が狂いそうになる。誰にも理解されない苦しみにひたすら耐える毎日だ。

無理やり連れて来られてからというもの、ここで働いている侍女や兵士の声を聞いたことが無い。

俺が脱走しないように厳重な警備体制が敷かれているのだろうか。


ディサップは歩き回って魔力を探す。


「あった・・・」


探ってみると結界が張られていた。かすかにアリスティアラの気配が残っている。


「対して複雑ではないな」


そう呟くと、体内の魔力を高めて1つずつ結界を解いていった。


「終わった」


軽くため息をつく。3日3晩一睡もしなかったディサップはベッドに倒れこんだ。

その次の日からというもの、ディサップの毎日の楽しみは王宮で働いている人々の話を聞くことになっていた。

「陛下が、」とか「今年は鹿肉が高いね」など本宮にいた頃は聞いたことが無い話は新鮮で興味深い。次期王になるには下々の話を聞くことも大切になってくるだろう。

下々と言っている時点で皇太子としての発言としてどうかと思うが今のディサップはそれに気づく由もない。


柔らかな日差しが窓から差し込み、鳥のさえずりが耳に楽しい昼下がり。


「ディサップ様は今日もご飯を召し上がらないのかい?」

「はい。いらないとおっしゃいました」


ディサップは魔力をエネルギーに変えて生活できるようになっていた。


「それにしてもディサップ様は情けないねぇ」


情けないだと・・?この俺が?


「アリスティアラ様は今日から陛下と一緒に隣国に視察に行かれたそうだよ。

妹が頑張っているというのに比べてディサップ様はずっと部屋に閉じこもって何をしていらっしゃるのやら」


ディサップがなぜ隔離されているのか、その事実は限られた人しか知らない。


「そういえば臨時議会が開かれたそうだよ。何が決められたのかね」


臨時議会?臨時議会は他国との重要なことを決めるときや王女の結婚などの時しか開かれない。

もしかしてアリスティアラが結婚するのか?

まぁ何にしろ俺には関係ない。

だが嫌な予感は心に浮かんで消えなかった。

今日は朝から大雨だ。いつもよりも人の気配が濃く感じられる。


コンコン。珍しくディサップの部屋のドアが叩かれる。


「入るぞ」ドアが開けられた先には父上が立っていた。

「話がある」

唐突に話し始める父。

「時間が無いから単刀直入に言うが、アリスティアラを王位継承第1位にする」


え・・・?


「お前は体調がすぐれていないし、王の激務をこなすのは無理だろう。幸いにもアリスティアラは帝王学も学び、すでに一部の公務も担当している。アリスティアラは健康そのものだ。我が国にとっては好都合だ」


王位継承権?公務?王?どういうことだ。

頭の整理が追い付かず、目を白黒しているディサップに、王は


「お前も辛いだろうが父が一番つらいということを忘れるな。

それから病気が治っても再発するかもしれぬからな、無理に公務はさせない」

と言い放った。


「父上!!お待ちください!!何卒お考え直しください!!」


部屋を出て行こうとする王の足にしがみつくディサップ。

父に醜いと思われても良かった。ディサップは王になりたいという一心だった。


「考え直してくれと言われても困るのだ。私の一存で決めたわけではないからな。

もう議会で話し合って決められたことなのだ。」


忙しいから、と言い、王は扉の向こうに消えていった。

王が部屋を去ると、部屋は再び怖いくらいに静まり返った。

ディサップは茫然とベッドに座り込んだ。

読んでくださりありがとうございます!


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