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王は部屋に帰ると細作を呼んだ。


「トマスの身辺調査を行え。特に最近行ったところ、連絡を取った相手を割り出すんだ」

「分かりました、調べ次第、ご報告に参ります」

「急げ、またアリスティアラの身に何かあってからでは遅いんだ」

「はっ!」


そこから4日が経ち、調査の結果が伝えられた。


「陛下、ご報告いたします。

トマス様はアリスティアラさまが眠られる1年ほど前から、月1単位でディサップ様の病室に通われていました。また、そこでトマス様は魔導士方宛の手紙を受け取っていたようです。

トマス様が病室に出入りしていたことは病室の出入り口の兵士、看護をする侍女らからも確認を取っております」

「なに!ディサップだと!?」


思わぬ名前の登場に驚きを隠せない王。


「あいつは危険だから周りに誰も近づけないようにと厳命していたではないか!」

「はい」

ディサップとはアリスティアラの兄だ。魔力過多症を患っているため、王位継承権は第2位に下げられ、今は離宮に隔離されているのである。


「詳しい話をと思いまして、離宮の責任者を連れてまいりました」

「よくやった、入れ!」


国王に言われ、連れられてきた責任者。何を言われるのかと、びくびくしている。


「なぜディサップに第三者を接触させた!」

「申し訳ありません・・・」

責任者は平身低頭でひたすらに謝る。


「今さらお前が謝っても仕方ない。兵士らはなぜ命に背いたのだ。金か?」

「いえ、兵士と侍女は今でも何が何だか分からないようなのです。どうしてトマス様を通してしまったのか・・・?と口々に申しておりました」

しどろもどろに弁明する責任者。

「あやつ、魔術を使いおったな」

怒りで机をドンと叩く。


「兵士と侍女は新しい人員に変えよ。世話もほどほどにし、半径5メートル以内に近づかないようにするんだ。

ディサップの部屋は二重鍵にし、より強固なものにしろ。

ディサップと接する場合は魔力を使っても干渉できない結界を張るように。

調査隊は引き続きトマスの動きに注意しろ。自宅謹慎を命じているが、ディサップに向けて伝書鳩を飛ばすかもしれぬ。

それから、魔導士の塔とシューマン侯爵家に調査隊を送れ」


宰相に矢継ぎ早に命令を下す。


「分かりました。直ちに仰せの通りにいたします」

「分かったら行け。絶対にディサップを部屋から出してはならぬ。良いな」

「御意」


細作と塔の責任者が出て行くと、続きの間からアリスティアラが出てきた。


「お父様、本当にお兄様が・・・?」

「まだはっきりとは言えないがな」


アリスティアラと王に緊張が走った。

細作・・・

 忍びの者、間者


2か月ぶりの投稿です。お待たせしました!


読んでくださりありがとうございます!

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