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アリスティアラ、ランドール王国の王女。

王位継承者で王国1の魔力の持ち主。



「この生活も今日で20年目。」


洗濯物を干しながら、アリスティアラは呟いた。


ここは日本国千葉県。



アリスティアラ、ではなく坂田昌子が暮らしている。

アリスティアラはランドール王国1の魔力の持ち主であったため、王宮の魔導士らから疎まれて日本国という何の関わりもない国に飛ばされたのだ。



千葉郊外で暮らして20年。飛ばされた当初は慣れない環境に戸惑うこともあったがもうすっかり慣れてしまった。


「慣れって怖い」と、昌子は他人事のように呟く。


昌子は毎日代わり映えのしない生活を送っている。


いつものように洗濯物を干しながら考え事をしていた。

すると、突然昌子の足元に魔法陣が現れた。この世界に来てからは1度も見ることの無かったもの。

昌子は吸い込まれるように落ちていった。



目を覚ますと、そこには見慣れない天蓋があった。

ここはどこなのだろう。

何気なく自分の手を見ると、若々しい手。


「昨日の夜、いつもよりも多くハンドクリーム塗ったっけ?」


ハンドクリーム塗ったぐらいで家事によって刻まれたしわが消えるはずない。

こんな綺麗な手、ランドールにいた時以来だ。

この手、天蓋、もしかして、、、


昌子はベッドを降りて、鏡の前に立つ。

鏡には20年ぶりに見る、アリスティアラの姿。

昌子アリスティアラは驚き、その場にバタン、と腰が抜けた。


扉の向こうから人が走る音がする。

バーンと開き、「アリスティアラ様!」とメイドが呼ぶ声がする。

この声は、、アニーの声かな。


「お嬢様!お目覚めですか?」


アニーが私の手を取り、起きるのを手伝ってくれる。


「おはよう、アニー。」

「おはようございます!けがはありませんか?何かお飲み物をお持ちしましょうか?」

「大丈夫、ありがとう。」


アニーは目を潤ませている。


「アニー、どうして泣いているの。」


「だってお嬢様、5年も目を覚まさなかったから。一生目が覚めなかったらどうしようかと思いました。」


ぼろぼろと涙をこぼすアニー。


「心配してくれてありがとう。もう大丈夫。」


アリスティアラはそう言うと、アニーを優しく抱きしめた。

またドアの向こうから人が走ってくる音がする。



読んでくださりありがとうございます

※この作品は2人で作る共同作品になっています。

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