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始まりは
真っ暗な空間だった。
どこまで続いているのかはわからない。
俺はそこで、ただただじっとしてた。
手足の感覚、というより、なんの感覚も無かった。
俺の身体が、ここに無い、というはぼんやりと理解できた。
これが、死後の世界というやつなのだろうか。
いや、俺がいつ死んだかなど、全く覚えていないし、そもそも今の俺が生きているのか死んでいるかもよくわからないのだが。
どれだけ時間が経ったのか。
それの始まりは、唐突だった。
まず、最初に感じたのは体温だった。
そして、次の瞬間には爆発的な痛みだ。
叫び声を上げていた。
自らの声で震える喉で、俺が肉体を取り戻した事に気づいた。
叫び声を上げながら、のたうちまわり、唾液と涙を振り撒きながら、何が起こっているのか、恐れ慄いた。
そして、終わりも唐突だった。
「魂の定着を確認しました。それではご機嫌よう」
一瞬で痛みが消え去り、そんな声が聞こえた。
全くもって訳がわからない。
だが、脳を取り戻したからか、前世の記憶と、今の俺が何なのかは理解できた。
今も身体と魂の変容は続いている。
今は、それが終わるのを待つしか無かった。