第一章
人生で初めての執筆となります。
稚拙な文章になってしまったり誤字脱字があったりすると思いますが、暖かく見守っていただければと思っています。
「続いてのニュースです。
今朝、大阪府内の高等学校で生徒が倒れているのが発見され、死亡が確認されました。」
あのニュースを見た日のことを今まで忘れた事はなかった。
10年たった今でも目を瞑ればあの場所が浮かぶ。
あのシーンが目に焼き付いて離れない。
あれからあの場所には行っていない。
どうしても思い出してしまうから。
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もう入学式が懐かしい。一年前は新しい少し大きな制服に身を包んで、どきどきしていた。今では考えられないことだ。
校長の長い話が終わって、クラス発表の紙が配られ、指定された新クラスの教室に足を運ぶ。
見覚えのある顔がちらほらあった。自分の出席番号が書かれた席を見つけ座った。また窓側だ。しかし、毎年憂鬱なはずの窓側の席は当たりだった。
ちょうど門の周りに並ぶ桜の木や、街並みが見渡せた。いつもならこんな景色を見てもなんとも思わないのに妙に気に入った。
担任の先生を待つ。前の席が空いているのが気になったが、本を読んでしばらく待っていると、教室が静かになった。
去年と同じ先生だった。
「このクラスには転校生が来ることになりました。その子の自己紹介が終わったら出席をとります。」
そういって先生は今来たばかりの教室を出た。
一気に教室が騒がしくなった、もちろん話題は転校生の事だった。女の子かな、イケメンかな、頭いいのかな、編入ってことはすごいんじゃない?
よくある疑問ばかりだと思っていると後ろから突然肩を叩かれた。
「なんだ律か」
去年も同じクラスで特に仲の良かった吉田律だった。去年と同様、また前後だったのだ。
「何その言い方ー!それよりさ、転校生どんな子かな、女の子かなぁ、仲良くなりたいなぁ、早く来ないかな。」
「もうすぐ来るよ、それに深月も今年も一緒だね。」
それから律と話していると先生が生徒を一人連れて戻ってきた。