連載小説と巫女さん
私の生まれ故郷については、これまでもわりと頻繁にエッセイのネタにしてきました。
三重県の伊勢志摩地方にある、古い風習の残る漁村。そこまではご存知の方もちらほらといらっしゃるかと思います。
しかし、あまり多くのことを語るとさすがにまずいかなあと思い、最近では故郷ネタは封印してきたわけです。
それを、久々に語っちゃおうかな〜と思ったのは、この連載とはべつに始めた、和風ローファンタジー(っぽい何か)の連載のせいに他なりません。
あっ、ちなみにその物語、妖魔や幽霊が出てくるのにローファンタジーじゃなく、ヒューマンドラマジャンルに投稿してしまい、うっかり読まれた方は「ナニコレ?」となってらっしゃるかも知れません。
ジャンル詐欺、申し訳ないことでございます。
いや、元々は前後編のヒューマンドラマになるはずで書き上げたのに、調子に乗って違う要素をどんどん盛り込むうちに、なんか長くなり、内容まで違ってきてしまった次第です。
これではまるで、お母さんに叱られて、即興で嘘の上塗りをしているお子ちゃまのよう。
でも、お子ちゃまよりは上手く嘘がつけるはずなので、今後とも生暖かい目で見守っていただけると幸いです。
さて、前置きはこの辺にして久々の故郷のお話。
私の生まれ故郷では、人が亡くなって普通にお通夜やお葬式を済ませると《巫女屋》と言われる方のところへ行って、故人からのメッセージを聞くという習慣があります。
その方が元巫女なのか、占い師なのか、霊能者なのかは分かりませんが、私の記憶の中では、中高年の女性であったことは確かです。代々その仕事を受け継いでいらっしゃる家系なのかも知れないし、何軒かそういうお仕事をされているお家があるのかも知れないです。
その巫女屋さんの家に、故人の親族(親、兄弟、子、孫、場合によっては甥や姪、おじ、おばなど)がぞろぞろと連れ立ってお邪魔し、故人が憑依したとされる巫女さんから、「娘よ、今後これこれこういうことに気をつけなさい」とか、「孫よ、○月頃、こんな良いことが起こるよ」とかのお告げをきくというイベントです。(イベントって言っていいのか分かりませんがw)
私も、何度か行ったことがあるのですが、巫女姿のおばさんが、何やら祝詞のような呪文を唱えながら故人の霊を依り憑かせる(?)姿が印象的で、そんなことを思い出しながら、霊能者や妖魔の出てくるお話のイメージを膨らませているのです。