天国
このお話では少々不気味、不穏な描写があることがあります。苦手な方はご注意ください。また、何か嫌な感覚を覚えた場合直ぐに閲覧をやめることを推奨します。
最後にあとがきとして解説を上げています。他の解釈などがある場合は是非ともコメントなどお願いします。
私は今とても天国にいるような気分です。
体はポカポカと暖かく下半身はついてないように軽く感じます。視界は少しぼんやりと白く霧がかかったような感じがします。
頭は何も考える必要も無く真っ白なキャンバスのようです。
今は少しヌルりとした感触の海を漂っているような感じです。
ああ、暖かくて体が軽い。
少し眠くなってきたのか意識が薄れてきました。
ああ、視界の霧もいっそう濃くなってきた。
寒いな。体の中が寒い。血管一本一本に空気が通っているようだ。視界が真っ暗になった。
鉄臭い。そろそろ立ち上がりたいけど足が動いてくれないな。
解説
語り手である主人公は既に下半身を失い失血死寸前です。意識が薄れる、視界が白くボヤける、体が暖かい所から急激に寒く感じる、鉄臭い等から推測できます。
また、下半身がないのは最後の一文「足が動いてくれない」や下半身がついてない。などからわかります。