告白から変わる、人生。
「僕と!付き合ってください」
この日、人生で初めての告白をした。
結果は惨敗。見事に振られたわけだ。
告白した相手は、よくある話で学園一の美少女。しかもクラスメイト。
別に成功すると思って告白したわけではなく、実際にフラれた。
一言も話したことがないのだ。当然である。
だが、どうしても告白したかったのだ。
男の子としては、誰もが憧れる存在で、あんな人と付き合えたらな。とか。もしかしたらワンチャン、あるんじゃないか?とか。そんなことを考えてしまったのだ。
馬鹿げた話である。
でも、その恋は本物だった筈だ。
クラスで見かければ視線は奪われ、彼女の声には耳を傾けた。毎日のように彼女との進展を妄想し、結果は何もしない。
だから、今日。告白した。
一世一代の告白は、かなり緊張した。心臓はバクバクで、何を言おうか迷いに迷い、言葉を噛まないかとドギマギし、オッケーされたらどうしよう。失敗したらどうしよう。いろんなことが浮かんでは消えた。
ただ、失敗した瞬間。恋は冷めた。
ああ、やっぱり彼女は僕のことなんて好きではなかったんだな。と。ただそれだけを思った。
それは、考えるまでもなく、当たり前のことで、何をどうして、そうなったのかもわからない。
いいや、どこかで僕は、僕だけは特別なんだと、そう思っていたのだ。
そんなはずはないのに。
だがまあ、振られたことで現実に引き戻された。
この経験は、僕にとっては悪くないものだった。
けど。
今日は学校に行きたくない。
と、朝。目を覚ました僕は考える。