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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

テンプレ死すべし慈悲はない

勇者ユリウス、4歳。死因:自爆

作者: 脇野やく

テンプレの一つに子供の頃自分で魔法を学ぶ事がある。

さて、魔法とは剣と魔法のファンタジーにおいて剣と同格、現実世界に置き換えるなら銃、もしかするとロケットやミサイル、場合によっては原爆に当たる力です。

それを誰にも教わらずに、自分で学ぶ?

実に面白くない冗談だ。

これはラノベ脳の馬鹿が自分で魔法を使おうとした結末。魔力チート?御冗談

テンプレ否定のところがあるので嫌な方はブラウザバックしてね

それと主人公をクズにしたので、バッドエンドにしてもまあ、ストレスにはならないでしょう。


因みに世界観や背景は私の長編小説そのもので、メインでは29人の勇者のうち死んでいる17人の一人ですが、本編とはちょっと矛盾があるのはまだ本編の修正が終わっていないからです。具体的には勇者が記憶をもって転生する事が

もし面白ければそちらの方もどうぞ、見てみてください。

とは言え、この短編は本編を三十話目ぐらい書いた後書いたものなので、本編の方はこれよりちょっと文筆が劣る。いずれ本編は修正することになる。


では、ちょっと前書きが長かったが、本編をどうぞ。

ユリウス・S・ブレイブ

キラキラとした美しい金髪、海を思わせる綺麗な碧眼、四歳にして多くな女性の心を釘付けにした超がつく程の天に恵まれた顔作り、白くシワひとつない上張りのある完璧な肌は殆どの女性が嫉妬する程の物。

それだけでなく、『・S・』というミドルネームから分かるように特等爵という限定された場において王族に並ぶ権力を持つ爵位をもらっており、『・ブレイブ』という授けられた名字が表すように、勇者という約束されたヒーロー役である。

そしてそんな彼のスペックもまた勇者の名にふさわしいものであり、勇者に対するエリート教育で四歳にして他のものが十歳で学ぶようなものすらも習得済み。

顔、スペック、地位や権力、全てに恵まれた彼が憎きリア()になる未来は最早目に浮かんで見える。爆発しろ

これはそんな彼が異世界転生のテンプレートに倣ってさらなる力を手に入れ、ご都合主義の魔力チートを手に入れる日のはなしです(嘘です)


ユリウス・S・ブレイブには前世の記憶がある。

もともとはヲタクと呼ばれる人種だった彼は毎日コツコツと日課の自宅発電に勤しみ、二次元の嫁にヨダレを垂らし、秘術『リア充爆発しろ』を始めとする様々な魔法を心の中で使う大賢者だ。

それだけでなく、彼はクズでもあった。人に嫉妬し、されど自分では努力せず、清潔感のない生活に自我中。職につけたのも今や亡き親のコネで、正直言って理由さえあればすぐに首な窓際族。働かない癖に給料は新人より貰う、そういうやつだ。

そんな彼が五十歳に誕生日になって大賢者へ昇格して、遂に勇気を出してそういう大人の店に行って卒業しようとした。でも門前払いを食らった。意外かもしれないが、近年、そういう本番ありの大人の店は客をある程度選ぶ。従業員を守る法律もあるし、問題が起きたら店の信用が落ちるから明らかにダメダメな客をちゃんとした店は受け入れないのだ。

そして彼が勇気を出して店に行った時は数日もシャワーを浴びてなかった上に二週間も洗って無かったボロくて汚い服を着ていた。用心棒に店からお追い出されて逆上して、街のケツ持ちによって数本も歯を失うハメになった彼はサツを呼んで逆に豚箱にぶち込められた。

そういう街にもルールがある。もしも暴れた者がいれば証言を統一してケツ持ちの味方をするのは最早暗黙の了解だし、サツも税金の高い店とボロ臭いバカなら店の味方をするのは当たり前のこと。

それに彼の流浪者以下の汚さが警察の心象を悪くしたのと彼が先に暴れた証言が多数有る事によって彼に問題があると判断された。

初犯だからと1日の拘留にした警察の心中はこんな汚いやつを1日以上拘留すると服とかシャワーとかまじしんどいので嫌だとかなんとか。


そしてそういう場所で暴れたという前科が永遠に彼に付く事になった彼は最早社会的に死んだも同様。こんな理由で豚箱一日遊というステキな体験をした事が彼をよく思っていない会社に知られたらどうなるのかなど最早言うまでもない。

職を失い、近所にひそひそ言われ、更には周辺一帯の子供に避けられる様になった彼はその欠けた歯を病院に行って修復してもらう気すら起きず、夜道を歩く女性を襲った。

が、彼にとって不幸で、世間的に幸いなのは、その女性が警察だったのとケツ持ちによる怪我が治っていないせいでもともと弱い彼が更に弱くなり、初撃で女性が大した怪我を負わずに済み、反撃できる状況にあった。

彼の前世の最後、それはその女性にボコられて辛うじて逃げ出したあと、追いかけられて大通りに飛び出して、走っているトラックにスタイリッシュなキスを決めて地面にアクロバティックダイブを決める記憶だった。

因みに、彼を轢いたトラックの運転手は公訴されなかったので、受けた損は来年の保険料が上がったことだけだったし、襲われた女性も無事だった。最も損を受けたものはもしかすると保険会社かも知りません。


さて、話を今に戻そう。そんな元犯罪者くんなユリウス、彼はそんな過去に全く持って罪悪感とかを感じていない。

『悪いのは俺じゃない、この社会だ』を地で行く彼は転生して赤ん坊になった際、こう思った

(これってまさか、異世界転生?

キタコレ!

きっと前世の事は神の手違いだったからお詫びで転生させてもらったんだ!

これでハーレムを作ってヤリ捨て放題、ぐへへへ)

そしてその思いは勇者という特権で更に深まり、今や彼は自分こそが主人公と思い込んでる。

今、すでにして世話役のメイドに抱き着いてお山様を嫌らしい手つきでぐにゃんぐにゃんにしたりしている彼がもしも精通したらどうなるのか、最早言うまでもないでしょう。そして勇者故にそれは恐らく許されてしまう。何とも嫌な未来だ。爆発しろ


では、今彼は何をしているのでしょうか?

「クソ、何が『覚醒の儀までは魔力を扱ってはなりません』だ

何が『付きましては魔力の感知や操り方をお教えする事ができません』だ

理由を聞けば『暴走によって体の内側から爆発して死にます』とか、フザケンナ!

そんなのどうせ雑魚どもが無能だから勝手に死ぬだけだろうが

俺は勇者だぞ!主人公だぞ!

そんな雑魚共と一緒にしやがって!

クソが!」

どうやら彼は今、魔法を学ぼうとして断られた事にムカついている模様。その整えた顔はいま怒りによって歪められており、それがまたかっこよく見えてしまう当たり、まじムカつく。爆発しろ

更には八つ当たりでそこら辺のものを蹴ったり投げたりしているせいで部屋は今やグチャグチャになっている。

あっ!足の小指がベッドの角に当たった!

「ってぇ!クソがクソがクソがクソがクソがクソがクソガクソガクソガアアアアアアァァァァァァァァ!!」

ざまあ~ざまあ~いい気味ですね、その痛みに歪められた顔~

もっとくrコホンコホン


暫くして落ち着いたのか、ユリウスはまたブツブツと考え事をし始めた。

「それに子供の頃から魔力を使えば魔力が上がるってんのはラノベでは定番だろ

他にもいるっていう勇者の連中もきっとやるだろうが!

この俺があんな屑どもに越されたらどうする!」

うわあ、ゲーム脳ならぬラノベ脳に自我中、マジないわ~

「そういえば子供に魔法を使わせない世界で主人公が魔法を先に使うラノベの魔力チートって確か他のよりも更につええ気がするな

て事は!」

うん、確かに子供に魔法を教えるのが遅いだけで禁止はしないというラノベよりも子供の魔法使用を禁止する系のほうが魔力チートが凄い気がするし、このテンプレートは初めはそれこそ文字通り使った量だけ増えるという倍倍ゲームだったね。でもユリウス、ここがあなたにとっての現実だという事、分かっているのでしょうか?

いえ、愚問でしたね。どう見ても浮かれて現実と幻を分別できていない顔をしている。


「そうだ、きっとそうだ!

これは神が俺以外の勇者に魔力チートを得られないように図ってくれたのだ!

つまりこれで俺が魔法を自分で学べば勇者の中の勇者、最高の天才として扱われるに違いない!

そしてそれで得られる魔力チートで俺つええええで無双して

ぐへへへへへへへ、あっひっひひひひひひ、ぐぁッハッハッハッハッハッハ!

やっぱり俺こそが、俺こそが主人公!異世界ハーレムが俺をまっているぜ!

感謝するぜ!神様!

俺は自分で魔法を学んで、最強無双チーレムを作ってやる!」


善は急げと言わんばかりに、部屋から走り出すユリウス。

「おい、そこのメイド!

俺を案内する光栄を与えてやる!さっさと俺を書庫へ連れていけ!」

「は、はい!か、畏まりました!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー勇者移動中ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おい!魔法に関する本はどこだ!」

天楽城皇城内の書庫の一つにアポ無しの突如来訪をかましたユリウス、彼は司書が彼を見て反応するよりも速くそう宣った。

「え?あ、あの、ユリウス様、魔法は、魔法は!」

「うるせえ!てめえ、まさか俺に逆らう気か?アアァ?

この勇者の俺様に逆らう気か?」

「ヒィィィ、申し訳ございません!申し訳ございません!申し訳ございません!

で、ですが、魔法は、魔法hっぐぇ」

可哀想な司書くん、賄賂でこの職について三日目にして人生最大のピンチに遭うとは実に運が悪い。

パンチで顔面を殴られた彼は意外にも頭が良く、二撃目を受けたら気絶する振りをする事を思いついた。

が、うん、二撃目はユリウスの全力の蹴りで、胃袋の中身を吐き出してしまった彼がそんな思い付きを実行に移す事は遂に無かった。

あえぐ彼はそのままユリウスが呼んできた兵士によって地下牢へ連れ去られて行く。これからのことを思えば彼は実に運が良い。何せ勇者死亡の責任を負わずに済むのですから。


司書で腹いせしたクズ(ユリウス)は今、新しい司書がついていない書庫で目当ての本を探している。

「『猿でもわかる魔法』

『ごぶりんでもできる!はじめてのまほう』

『クソ雑魚の君への魔法入門書』

……ざけんな!誰だこんなクソみたいな本を書いた奴は!

まともなのはいねえのかよ!

……

……

お!これだな!『基本魔法入門』」

うん、イミフというより煽っているとしか思えないタイトルの数々、正直言ってユリウスでなくともムカついて読みたくないでしょう。

でもね、天才となにかは紙一重という言葉があるのって知ってる?

『猿でもわかる魔法』はハイエルフの大賢者が書いたものであり、その世界の構成の説明などから魔法使いなら必ず読まなければならないと言われている代物。因みに「猿」はエルフ以外を指す差別用語だ。

『ごぶりんでもできる!はじめてのまほう』は何故子供が魔法を使ってはならないのかなどについて丁寧に書いてた上に、殆ど全てのページにそれについての警告をつているのでちょっとウザイが、良心的な値段で買える事とその安全への注意からこの世界最も一般的な魔法入門書である。ちょっとうざいがね。

『クソ雑魚の君への魔法入門書』はというとこんなタイトルなのに書いている魔法や原理は最上級のみ、嘗て『スーパーウルトラ最強無敵大賢者』と自称する超越者、マーリンが「雑魚」という名の弟子たちのために書いた本であり、皆超一流の魔導師だった。


では、ユリウスくんが今見ている本はというと、それはとてもいいものとは言えない物だ。とある文才のない宮廷魔導師が書いたもので、一応は彼なりの魔法への理解もあるから全くの無駄とは言えないが、それを除けば全てにおいて『ごぶりんでもできる!はじめてのまほう』より劣る。そしてその本の最も大きな劣化点とはすなわち、安全にある。

とは言えユリウスの事だからたとえ本にどれだけそれについて書かれても無視するかも知りませんがね。


「ほほう、自分の血を使って魔法陣を書いた後、手をかざして呪文を詠唱することで魔法を発動させる。これの感覚を覚えることで魔力を感じれる様になれると

ち、血を出すとかマジでめんどくせえ

もっとマシな方法がねえのかよ」

そう言いながら探すも見つけることができなかったユリウスは仕方なく護身用にと渡された短剣で指先を切った。

書庫であることなどお構いなしと地面に最も基本な魔法の一つ、『ライト』の魔法陣を書いたユリウスは本を見ながら右手を魔法陣にかざしてこう詠唱した

「万物を構成する大いなるマナよ、我が血を贄とし、我が魔力をもって命ずる、小さき光となれ!『ライト』!

があああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」

変化は速やかに現れた。

まずは魔法陣の中央に小さな光の球体が現れた。『ライト』の効果である

次にユリウスの手が真っ赤になった。そこからまるでひび割れていくガラスのように赤黒い線がユリウスの右手から全身まで伸びていき、たった一秒でユリウスの全身が赤黒いネット状のなにかに埋め尽くされた。よく見るとそれは外部からのものではなく内側からのものだとわかる。苦しみによっておよそ人が出してはならない、言葉にならない叫びがユリウスの口から出る。その声には魔力が多く込められており、皇城全体から聞こえるほどのもの。不気味な声に皇城の者共は耳を塞ぐも意味をなさず、気の弱い者や魔力への耐性がない者は気絶し、それよりはマシな者もつられて泣き出したりと混乱を極めた。

それでもすぐに駆けつけてきた騎士たちがみた光景、それは体のところどころが凹んだり、あらぬ方向にへし折られたり、そしてもっと多くのところがまるで風船のように膨らんでいき、SANチェック待ったなしの状態で全身から魔力を、そして呪いを出しているユリウスだったもの。

「ひいいいいい」

「おえぇええ」

「まだ、生きていやがるのか?」

「イアイアzxcvざしづqう」


「な!速やかに退避しろ!

聖なる光よ、彼の者は邪悪なる物!…………」

歪んだ姿がますますやばくなるユリウスに怯んでいる騎士たち

彼らは続いてやってきた宮廷魔導師長による一喝によってどうにか逃げ出した。

「『ホーリープリズン』!」

宮廷魔導師長がそう叫んで聖属性の結界魔法をかけた次の瞬間、膨らんでいたユリウスは爆発した。

「だ’ず’げ’ろ’アアアアアアァァ」ギュウウオオオオンンンン

内側から押し破られた彼、でも内蔵どころか骨も見えなかった

爆発してでたものは血の霧、呪いと魔力の崩流のみ

それらは宮廷魔導師長がわざと上と下に穴を開けた結界の穴を通って赤黒い柱となり、皇城を貫いた。

それでも抑えきれなかった力、天井や床、そして地面によって反射してしまった一部の余波のよって皇城と貴族区画でかなり多くの者が意識を失う羽目になるが、幸い、それによる死者はゼロ人。

現場に残ったのは魔力のみ、ユリウスだったものは跡形もなく消え去った。


ユリウス・S・ブレイブ、前世を入れて享年54歳

覚醒の儀による魂の固定の前に魔法を使うことによって魂と器の繋がりが歪み、魂の力がマナと同質化したことによって器から離脱。

それはさながら風船に不安定な化学物質をいれたかの様。自動車のエアパック以上の反応によって骨も残らず自爆した。

また、勇者を作り上げるための邪法の残り滓がその自爆の威力を強化してしまい、天龍帝国帝都、天楽城の大結界が一時的にシャットダウン。幸い、呪いのせいで魔物が襲って来なかったものの、帝都は一時的とっても危険な状態に陥た。

歴史家の彼に対する評価はとっても低く、一言で言うと彼に対する評価とは「愚者」である。

人を容易く丸焼きにできる魔力を素人が無理矢理操るというだけでも危険ですが、そもそもの話としては魔力と言ってもみんな同じとは言えないでしょう?

作品次第でそういったものが違うのと同じように、こういった罠もやっぱり世界次第です。それに気づかずにはしゃいで魔法を使うラノベ脳の主人公共は単なるバカだと思います。


因みに司書は地下牢にぶち込まれたおかげてお咎め無しどころか、バカ勇者に唯一抵抗したおかげてちょっとだけ英雄扱い。

修復を最優先にするために責任はバカ勇者にあるとしてこの件は有耶無耶になった。


もし面白ければブックマークや感想、それと誤字報告、して下さると嬉しいね~

更には本編の方も~

それとツイッターもよろしくお願いします~

(PS:うわ、この作者まじうぜと自分でおもった)

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