表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/47

詩和翔太一周年記念番外Ⅴ 二次元部デート前編

今回の番外編は、〝展ラブ〟と〝死姫〟のコラボです。

読んでいない方に興味を少しでも持っていただけたらなぁ、という詩和の考え(宣伝)です。

本編にはまったく関係ないのでご注意を。

 そうして、月曜日――魈と綾が帰る日が来てしまった。本来なら学校に行かなければいけないのだが、どういうわけか、魈と綾はナギ高の近くにある大型ショッピングモールの中にいた。


「ねぇ、光崎さん。どうして俺達ここにいるのかな?」

「えっと、どうしてだろうね?」

「お、来たか」


 二人が突然のことに戸惑っていると後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。それは、二次元部に誘ってくれた人物で、SaM集団戦最強のALICE in Wonder NIGHTの一人。そして、ここに呼び出した張本人である夜だった。その後ろにはやっぱりあかり達がいた。傍から見れば美少女五人を侍らせているように見えるだろう。流石ハーレム王である。本人には言えないが。


「ちょっと、夜君。今日学校だよ? どうしてこんなところに呼び出したの?」

「あぁ、学校なら心配すんな。理事長に許可出してもらったからさ。それに、今日が二人がいる最後の日、なんだろ? なのに勉強して部活して帰りますじゃ物足りないと思ってな、二人には悪かったかもしれないけど今日はみんなで遊びつくすことにした」

「別にそこまでしなくてもよかったのに……、なんなら休日とかに連絡くれれば遊びに来るよ?」

「確かにな、でもさ。二次元部(、、、、)としていられるのは今日が最後だろ?」


 魈の言う通り、確かにこれからも遊ぶことは出来るだろう。これが今生の別れになるわけがないのだから。だが、それは友達としての関係で、二次元部としての関係ではない。魈と綾は元の学校に戻るのだから二次元部は退部することになってしまうのだ。だからこそ、今日遊びつくすことにしたのだ。二次元部最後としての思い出を作りたくて。


「なるほどね。なら遊び尽くさなきゃいけないね。理事長を説得してくれたみんなのためにも」

「そうだね。わざわざ頼んでくれたんだもん。楽しまなきゃね」

「はは、そう言ってもらえると助かる。それじゃあ、行くか」


 魈と綾がいる二次元部最後の活動が始まった。




 ショッピングモールへと入った夜達二次元部は早速口論を繰り広げていた。内容としては何処に行くのかという議論だった。正直、どっちも行けばいいのでは? と思うだろう。勿論、どちらにも行く。だが、順番決めが問題だったのだ。


 それなら別れていった方がいいのでは? とも思うことだろう。しかし、それはあかり達女の子組が確固として認めなかった。理由は、後程わかるだろう。


「ここはやっぱりアニメートだろ? 二次元部たるものアニメートに行かなくてどうすんだよ!?」


 一つ目の場所――アニメートに行きたいと言っているのは、夜と魈、夏希と玲奈だ。二次元部だからという夜の理由はどうでもいいが、やはりアニメ専門ショップは見ておきたい、というのが魈の言い分である。夏希と玲奈はそれぞれ欲しいゲームとラノベがあるらしい。


「私は何処でもいいわ。というか、順番なんかどうでもいいじゃない……」

「まぁまぁ、梨花クン落ち着いて。お互い譲れないんだよきっと。あ、私も何処でもいいよ」


 梨花と瑠璃は何処でもいいらしい。というか、この口論自体が面倒なようだ。確かに、順番とかどうでもいいことではあるのだが、今更後に引けないのである。


「いや、わたし達は洋服を見たいです! そして、おにいちゃんに選んでもらったものを……」


 二つ目の場所はブランド品が並ぶ洋服店だった。ここに行きたいと言っているのはあかりと綾の二人。二人とも理由は同じ、好きな人に自分に似合う服を選んでもらいたいとのことだ。まぁ、女の子だ。選んでもらいたいと言う気持ちは二次元の作品を知っている夜と魈は少しくらいはわかる。でも、今じゃなくてもよくない? と思ってしまうのだ。


 しかし、アニメートに行きたいという人が四人、洋服店に行きたいというのが二人。何処でもいいという梨花と瑠璃の二人を除くとしてもアニメートの方に軍配が上がる。


「ふっ、これで最初に行く場所はアニメートに……」

「あ、僕もナイトに服選んでもらいたい!」

「デートの取材にその、いいかもしれません……」

「え?」


 ここでまさかの裏切り。夏希と玲奈があかり・綾軍の方に寝返ってしまった。このままでは夜・魈軍の方は負けが決まってしまう。つまり、洋服店に行かなくてはいけなくなる。


 別に行きたくないという訳ではないのだ。ただ、選んでほしいというのが困るのだ。魈はまだいいが、夜の場合きっと五人分を選ばなくてはいけないのだ。しかも、真剣に。これでいいんじゃね? なんて言ってしまった日には夜のアニメートへ行ける時間がなくなってしまうのだ。


「じゃあ、洋服店でいいんじゃないかな?」

「は? おい魈、俺を裏切るのか!?」

「いや、裏切るも何も多数決で決まったんだからしょうがないじゃん。頑張ってね、洋服選び。俺は外の方で待ってるから」

「え、何を言ってるの如月君。私の服も選んでもらうよ? 如月君に」

「……」


 魈さんフリーズ。どうやら夜が全員分選ぶと思っていたらしい。しかも、それを楽しもうとしていたのだ。だからなのか、どうやら天罰が下ったようである。魈はギギギと夜の方を向く。


「夜君、今すぐ逃げよう」

「……お前を置いて逃げてもいいか?」


 夜と魈は醜い争いを始めた。お前裏切ったんだからな!? とか、まさか俺が選ぶなんて思ってなかったんだよ! とか言っている。しかし、そんな争いは最初から無意味である。何故なら、


「おにいちゃん」「如月君」

「「何処に行こうとしてるのかな?」」


 この二人が許すわけがない。がしっとそれぞれの想い人の肩を掴んだ二人は洋服店を目指し歩き出す。その後ろをなんとか逃げ出そうともがく二人の男。しかし、抵抗虚しくとぼとぼとあかりと綾の後ろを付いていった。


「なんかあの二人似てるわよね……」

「あかりクンと綾クン、夜クンと魈クンがかい? まぁ、確かに似ているね」


 梨花と瑠璃はそんなことを言いながら後を追った。夏希と玲奈も確かに似てるなと笑いながら後ろを付いていくのだった。




 洋服屋に一緒に行った(連行された)夜と魈は試着室の前に立っていた。立たされていた、と言った方が正しいような気もするが取り敢えず立っていた。立っていなければいけなかったのだ。あかりと綾が試着室に入る前……。


「「いなくなったりしたらダメだよ?」」


 といい笑顔で言うものだから逃げる訳にもいかなかったのだ。あれではお願いではなく脅迫である。


「はぁ、どうしてこうなったんだろうな……」

「俺に聞かれてもわからないよ……」

「「はぁ……」」


 やっぱり二人は似た者同士だった。ため息のタイミングまで同じである。因みに、夏希達までも試着室に入っている。試着室の数が多すぎる気がするが……。


「なんか最近同じようなことしたような気がするんだが……」

「やっぱりハーレム築いてるんじゃないか、夜君」

「そんなつもりはないんだけどなぁ……、傍から見ればそう見えるんだもんなぁ……」

「自覚はあったんだ」

「そりゃあるだろ。あそこまで好意向けられて気付かない奴……あ、いたわ」


 夜は魈の顔を見た。魈は何のことやら? と首を傾げる。


「はぁ、光崎さんも大変だな。お前の方がよっぽどラブコメの主人公じゃねぇか」

「いやいや、こんな至って普通の俺がラブコメの主人公な訳ないじゃん」


 顔とか成績とか運動神経とか関係なく鈍感なところがラブコメの主人公にそっくりなんだよ、と夜は言いたくなったが堪える。ここで綾は魈のことが好きと言ってもそれは綾のためにならない。きっと、否、絶対自分の言葉で伝えたいはずである。いつになるかはさておき。


 そんなことを話していると、試着室のカーテンが開かれた。どうやら着替え終わったらしい。


「おにいちゃん、どうかな?」

「その、似合ってるかな?」


 恥ずかしそうにしながらも似合っているか聞いてきたあかりと綾は水着を着ていた。あかりは水色と白色の縞縞模様のビキニを、綾は桜色と白色のチェックのビキニを。


 どうやらあかり達が試着していたのは水着だったらしい。話によれば、夏休みにみんなで海に行きたいから水着を新調しよう! とのことだ。


「あぁ、まぁ似合ってるんじゃないか?」

「うん、二人とも似合ってると思うよ」

「「ほんとに?」」


 二人とも褒められてご満悦である。相当嬉しかったらしい。好きな人に褒められたのだから嬉しいのは当たり前だろうが、二人の喜び方は少し普通とは違っていた。


「おにいちゃんに褒められた……。おにいちゃんはわたしが好きおにいちゃんはわたしが好き……」

「に、似合ってるって、如月君が言ってくれた……。美琴ちゃん、私やったよ!」


 色々と飛躍しすぎていると思うが、二人が幸せそうならそれでいいじゃないか、そうだそうに違いない。例え、妹ちゃんが勘違いを発動していても、クラスメイトが離れている親友に何か言っていようと、幸せならいいじゃないか。


 その後、夜と魈は試着の度に似合っているかどうか聞かれ、「うん、似合ってるよ」としか言わないロボットと化したのは言うまでもないことだろう。そして、その度にえへへ……とだらしない笑みを浮かべる女の子達がいたということも言うまでもないことだろう。


ども、詩和です。お読みいただきありがとうございます。

さて、今回で終わると思ってたのに思いの外書きたいものが多くって長くなりそうだったので分けました。因みに、まだ書き終わってないです。すみません。

今回はいかがでしたでしょう。楽しんでいただけたなら幸いです。

いやぁ、相変わらずあかりは暴走してますし、綾はキャラ崩壊おこしてますしで滅茶苦茶ですw

きっと死姫の本編でショウと綾が再開したらあんな風に暴走するんだろうなぁ……。うわぁ、怖いw

でも、あの水着のシーンは展ラブの本編で近々出てくると思います。四章終わったら夏休みに入るので。

次回は二日後か三日後になるかと。それまでお待ちください。

因みに、今の時点で二周年で書きたいことが決まっているっていう……。まぁ、展ラブと死姫がまだ続いているのなら、ですけど。多分続いているでしょうし、新作も書いていないでしょう。今の時点で大変なので。

さて、今回はこの辺で。

それでは次回お会いしましょう。ではまた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ