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出会い(2)


 「何であの森の中に?」

 

 腕の中の獣人の少女を見つめる。

 獣人はとても、希少でとんでもない額で手に入れようとする貴族が多い。なので、普通森の中にいることはない、森に入る前にすぐに見つかり保護されるからだ。

 そして、保護された先で飼い主を見つけられ、愛玩用として、ペットとしてそばに置かれることが多いのだ。

 

 それに、獣人はとても従順で、人間のような見た目をしているが癒やしの力を持っている。精霊を見ることもできるし他にも固有魔法もあるから尚価値がある。

 

 

 しかし、この獣人の姿は……?

 

 服もボロボロで髪も伸び放題、それに細く、汚れている……酷い扱いを受けていたのか? この耳と尻尾を見るに猫の獣人か…。

 

 そんなふうに自分が抱えた獣人のことを考えていると馬車を止めてある道に出た。

 馬車に近づくと

 

 「ライネス様!」

 使用人が叫ぶ。

 

 俺の抱えたものに直ぐに気づき、毛布を持ってきた。使用人は、耳と尻尾に気がついて声を上げ…そうになったので口を塞ぐ。

 

 「目が覚める」

 使用人はすぐに落ち着き頷く。


 叫ばないのを確認し、ネットを呼ぶ。

 

 「何だ?」

 

 顔を出したネットは、俺の抱えたものを見て目を見開いたあと、シワを寄せる。

 

 「ライネス…俺は契約獣を探してもらったはずなんだが…何か増えてないか?」

 

 「拾ったんだ」

 

 「おいおい、平然と言ってるが、それ獣人だろ? それも幼い…」

 

 「そうだな」

 

 

 「ライネス、森の中に行ったよな? この獣人は森の中にいたってことか?」

 

 「あぁ、契約獣と契約してたぞ」

 するとネットは、目を見開く。

 

 「俺の見つけたうさぎの契約獣とか?」

 「そうだ」

 すると、ネットは眉間を抑える。

 

 

 「おい、ライネス…獣人はどうするつもりだ?」

 

 「俺の家で保護するよ」

 

 「ほ、本気か!?」

 

 何でそんなに驚いているんだ…

 

 「ライネス! どうしたんだ!」

 

 「何が?」

 

 「ライネスは大の女嫌いだろ!」

 

 「幼い獣人だよ」

 首を傾げる、ふと何故自分がこの獣人をそばに置こうとしているのか考える。自分が提案した事だが、自分に驚く。自然と口から出てしまっていたのだ。

 

 「いーや、お姫様抱っこってお前…それに、保護するだって!? どういう心境の変化だ! 前、俺が寂しいひとり暮らしにどうだと勧めたら断固拒否だったじゃねぇか!」

 はぁ、煩いな。それは自分でも分からないんだから答えようがない。

 

「さっさと、馬車を出せ」

 

「話を聞けぇぇえええ!!」

 

 そして、馬車は走り出した。

ネットもライネスも同い年です(^^)

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