いつもの朝
チュピピピピ…
(起きて…起きて!)
「んむぅ…」
チュンチュン…ツンツン
「いっ! 耳痛いよ!」
ピクピクと、耳を動かしてたら突かれちゃった…
もう朝…? 眠い、私ってなんで寝ても寝ても眠いんだろう??
チュン
「イテテ、分かったよ起きるぅ…」
もそもそと起き上がるといつもと変わらない綺麗な花畑。
小鳥たちがユナ、ユナって呼んで鳴いてる。いっつも起こしてくれるこの子達大好きだけど…二度寝は許してくれない。二度寝くらいさせてくれてもいいのに…
いつもの川に顔を近づけて顔を洗う。
「ふぁー、気持ちいい」
冷たくてようやく目が冷めた。
「ふぅ…」
ジッと川に映った自分を見る。
頭にふわふわの先の尖った耳がピコピコ動いてる…白い肌に小さな顔、明るい金色の長い髪…長いまつ毛に青い瞳、歯には小さな八重歯。お尻からは金色の毛なみの長い尻尾。七歳くらいに見える青いワンピースを着た少女…。
はぁ、まだ慣れない。なんで、こんな姿になってるんだろう? いつも自分の姿を見るとそう考える。
気づけば私はここにいた。何でここにいたのか、親はいないのか、自分は誰なのか…。
私はこの姿になるまでは人間だった。でも、人間だったときの記憶がない。人間だった、のは覚えてるのに……。
私が目を覚ますと、もう私はこの姿で小鳥に突かれてた。
何となく、動く気になれなくて一日中ボーッと、してたら私の側に小鳥やうさぎ、リスみたいな小動物がきのみのような物を集めていた。何となく、食べてって言ってるのがわかったから食べた。
そしたら、目からいっぱい涙が出て、私一人じゃないって分かって安心した。
それから、小鳥たちが私をユナって呼んだ。なんでか胸が締め付けられて涙がでた。
ここは凄くあたたかいから場所、私はまだ、花畑の外に出たことがない。出なくても、小鳥たちや動物たちが居てくれるし、花畑には実のできる木が数本真ん中に生えてて食べ物にも困ってないから。
それに、動物たちが心配する。一度興味本位で出てみようと足を踏み出すと動物たちが集まってきて私を止めた。
(ユナ、危ないよ)
って、それから出ようとしたことはない。
過保護な動物たちに囲まれるのが幸せだったから。