「リズム」「人生」「革命」
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今日はいつもより長いです!
己の力で覆す下剋上では何か物足りない。
そもそも世界が気に入らない。
この世界は強い者が弱い者の上に立つように出来ている。
何故だろうか、そう疑問に思ったのが始まりだった。
弱い者を上に立たせ、強い者がそれを支える世界であったって別にいいじゃないか。
こういった思想を抱くのは僕が弱いから。
そうさ、僕は弱き者。
同じ距離を動くにしたってそうだ。
強き者は一歩でいいところを、弱き者僕は四歩も要する。
楽譜で例えるなら、全音符と四分音符のような関係。
弱き者は強き者にとっての必要以上の音を奏でなければいけない。
そうさ、僕は弱き者。
これは生まれついた時から貼られたレッテル。
恵まれておらず、それでいて弱き者は恵まれており、それでいて強き者には勝てないだろう。
下剋上とは全ての人に与えられたチャンスのように見えるかもしれないが、それが叶うことは今の世の中ではまずないだろう。
四世紀以上昔の言葉なのだ、現代には通用しない。
やはり世の理を抗う術のない理不尽さで覆す革命でないと通用しないのだ。
革命を起こしたい。
しかし、そんなことなど起きるわけがない。
僕はそう思っていた。
だが、そんなことはなかった。
ある日見た夢に女神が舞い降りたのだ。
「革命に熱望する人間。其方に一度きりではあるが、革命を起こす力を授けよう。」
そう言って女神は何処かへ消えてしまった。
目が覚めて、僕は自分の身体を見渡した。
どこか変わったところがあるわけではない。
本当に革命を起こせる力を得たのだろうか。
真っ暗な人生に光を与えることができるのだろうか。
革命、そう強く念じる。
瞬間、世界が変わった。
「ははは、ざまぁねぇな。よくも今まで同胞を踏み潰し、俺らの家を水浸しにしてくれたな。復讐してやる。俺らの味わった苦痛をその身を持って味わえ!」
高らかに笑う人間は僕達を踏み潰していき、地中に作った家をに向かって放水する。
まるで地獄を見ているかのようだ。
どうやら僕は何か勘違いしていたらしい。
僕が弱いのは世界が悪いのではなく、僕が悪いのである。
十分な状態なのに不満だった。
傲慢で愚かだった。
人間であっただけ良かったではないか。
食物連鎖の頂点に立つ人間が底辺に成り下がった世界で僕はそう思った。