プロローグ
初投稿になります。
〝転生するか、転移するか〝
俺は目の前にいる老人にそう問われていた。
少し時間をさかのぼる。
俺は中小企業の企画部で平社員をしていた、ここに勤め始めてもう一年になるが、いまだに業務に関すること以外でほとんど誰とも話したことがない。
最初のころは、飲み会なんかに誘ってくれていた上司や同期の社員も、何度か断っているうちに誘われることがなくなった。
俺は人と話すのが苦手な人間だ。あらかじめ、何を話すのか間変えていないとはっきりとした受け答えができないため、業務連絡なんかの会話の選択肢が少ないものなら多少話せるが、アドリブでの会話は選択肢が多いので絶対といっていいほど会話か成立しなくなる。
そのくせ、自分の好きなものや興味のあることになると、つい夢中になって話しすぎてしまって引かれることが多々ある。
そのせいか最近では、まったくと言っていいほど話しかけられることがない。
まぁ、俺の話す内容によるところも大きいのかのしれないが、あれは簡単に言うとアニメや漫画、ライトノベルのことだ。
俺は昔からそういうたぐいのものな大好きだった。そのせいで会社でのボッチ状態が続いているのだろうけど、でも俺は、この趣味をやめる気はそうそうない、なぜならアニメやライトノベルは、俺の域外で原動力だからだ。それを捨ててまで交友関係を築く気はない。この趣味は続けられる限り一生続けていくと決めている。
さて、そんな俺の最近のマイブームは、散歩だ。家から会社までの距離が近いこともあり仕事の帰りは基本的に歩くようにしているが、今日はいつもとは少し違う。
今日は俺にとって大事な日、俺がこの世に生を受けた日、そう誕生日だ、俺が、この日を迎えるのは実に26回目になる。
朝から休むことなく仕事をこなし続けた結果、いつもより1時間ばかり早く終わった(今日のノルマが)。
いつも帰るころには、空は一面夕焼けに染まっているが、今日はまだ西側の空が少し赤みを帯びている程度だ、俺は弾むような気持ちで帰路を歩く。
気持ちがま上がりすぎていたのか、その瞬間まで気づかなかった。
思わず目を見開いた、俺に向かって大型のトラックがクラクションを鳴らしながら突っ込んできたのだ。
(あぁ、死ぬんだな)
その瞬間トラックが俺にぶつかっーーーることはなかった。
トラックが俺んぶつかる瞬間時間が止まった、正確には俺以外のすべてが止まっていた。
空を飛んでいたハトも、身を歩く人も、雲も、風もトラックも動くことをやめていた、まるで俺だけが時間の流れから抜け出したみたいだ。
そう思っていたとき突然周囲の景色が変わった。
何もない唯々白く壮大な空間。
突然のことに驚愕し、周囲を見渡していると、ふとした瞬間"ソレ"は「ベチョ」と気意味が悪い音を立てて現れた。
スライムのようにぐにゃぐにゃ動き、青、赤、黄、緑と色を変える。なんとも気持ち悪い。
(なんなんだろこれ)
その疑問を解決するため近付こうとしたとき、不意に"ソレ"がぐにゃりぐにゃりとさっきよりも激しく動き出した。動くたびに大きくなっていく"ソレ"は、俺より一回りか二回りほど小さい蔵の大きさになると、動きが穏やかになった。まるで何かを形作って九かのように。
程なくして"ソレ"人、それも老人のような形になった。質感も少しづつ変化し、"ソレ"は[老人]になった。
驚いていると老人はおもむろに口を開いた。
〝しかし的確な考察じゃった〝
頭に直接響くような声、決してきれいとは言えないが、神秘的で嫌な気がしない声。
しかし、あることが引っ掛かった。
("的確な考察"ってなんのことだろう)
〝此処に来る前に行っておったじゃろ〝
(....ッ!?)
驚いた。自分の思ってたことに答えられたことに。...しかし
(もしかしてここでは、思っただけで会話ができるのか?...)
〝察しがよくて助かるが少し違うのう〝
〝此処ではワシ以外の者は、思ったことが、相手に伝わってしまうのじゃよ〝
(......)
〝つまり嘘がつけないということじゃ〝
(...なるほど!)
〝話を戻すぞ〝
(は、はい....ここに来る前って...あっ、もしかして時間が止まった時の)
〝おぬしはあの時"時間の流れから抜け出したみたいだ"と思っていたようじゃが、その通りじゃ〝
〝あの時ワシは、おぬしを無理やり時間の流れから外した〝
〝だがそのせいでおぬしは、あの世界に戻れなくなってしもうた〝
老人は沈んだ口調でそう告げた。
(あの世界というのは、..もしかしなくても...地球..のことですよね?)
〝ああ、そうじゃ。おぬしはもうあの世界の人間ではない〝
〝おぬしはもう選ぶしかない〝
それから少しの間、沈黙が場を包んだ。
老人は、意を決してこう告げた。
〝転生するか、転移するか〝
初投稿なので、アドバイスをしてもらえると、嬉しいです。
書きたいと思います。




