第2話 どこに向かう?
なんとか続いています。第2話
3日坊主にならないように頑張ります。
世界の侵略者を倒すべく仲間を集める僕と救世主様
2人目の仲間を加え、
次の旅への方針を決めます。
村を出た後、僕たち3人は照りつける砂漠を歩いていた。
『も、もうすぐですかね』
「まだ出発したばかりだろ。すぐ弱音吐いていてどうする」
カインがあきれてつぶやく
しばらく間をおいて
サラが問いかけた。
「ねえ、次の目的地はどこ?」
『・・・・』
「・・・・」
僕もカインも無言になった。
「まさかあんたたち、目的地も決めないまま進もうとしてたわけ?」
『そういや、そうでした。』
「・・・」
カインも恥ずかしそうに俯いて黙っている。
サラはため息交じりの声で言った。
「あんたたちって、天然?まあいいわ、ここらへんで作戦会議をしましょう。」
僕たち3人は大きめの岩場の日影になるぶぶんで向かい合いながら座った
「まずこの旅の目的はあと2人の仲間を集めて、侵略者とやらを倒す・・・だったかしら」
「そう今この世界が侵略者の手によって、滅亡の危機にさらされているのは知っているね?」
カインの問いにサラはうなずき答えた
「ええ。それは世界中で同じことね。一見人に見えるけれども肌が黒く、赤い目を特徴としているのが侵略者。その侵略者に仕える獣のような怪物を妖魔と呼んで区別しているわね。侵略者は不思議な力を使い、普通の人間ではまず太刀打ちできない。結界を張って退けるのがやっとというところ。北の大陸の塔を本拠地として、そこから世界中に散らばって人々を襲い、物や食べ物を奪っている。最近では結界を破る妖魔も現れて、そこで逃げのびた村人がまた新たな村を作って何とか生き残っている。まさか私の結界が破られるとは思わなかったけど。
ていうかそもそも侵略者って何者?そして目的は何なの?」
カインは答えた
「それは誰にもわからないんだ・・・・・
30年前、奴らは北の大陸にある町に突如現れ、一瞬で焼きつくした。
北の大陸に住む者生き残った者は何とか大陸を抜け出し、どこかに移り住んだんだ。10年ほどで北の大陸に人間はいなくなり、死の大陸と呼ばれるようになった。
その後は世界中で城や街はすべてなくなり、人々が逃げて作った村が点々とするだけ・・・
やつらがどこから来たのかも、何か目的があるのかも、ただ楽しんでいるだけなのかも何もわからない。
唯一手がかりとなるのがロンド村の預言書でその中には大まかにこのような記述がされている。
1.右手に神の痣を持つ者は世界を救う救世主となるだろう。
2.神の子の力が成熟する時、自分を含む4人の救世主を集める旅に出なさい。
3.4人の救世主の力を合わせ邪悪なる者の<王>を倒しなさい。 <王>を倒すとすべての邪悪なる者は消え去り、平和が訪れるでしょう。
その預言をもとに旅に出て、大陸中を歩き回り南の村でを訪れたとき、
不思議な力を使う神の子が、中央砂漠の村にいると言う噂を聞いたんだ。そこで今にいたるってわけ。」
カインがここまで語るとサラは
「神の痣というのはこれね。」
サラは右手の<目>の痣を見せた。
カインは頷いた。
サラは続けて聞いた。
「預言の書っていってもふんわりしすぎてて良くわからないわね。誰が預言したかも、本当なのかもわからない。・・・でも情報がそれしかないならとりあえず信じて行動してみるしかなさそうね。
まずは仲間集めて、北の大陸の侵略者の王とやらを倒せばいいわけね。他の仲間の情報は?」
カインと僕は首を振った。
サラはカバンから世界地図を取り出した。
「私のギフトは<精神のギフト>つまり精神にかかわる能力を持っているの。
攻撃的なところでいうと、人の脳や神経を破壊したり、操る。
逆に人の再生能力を活発化させて傷を直したり。
それと、千里眼っていうのかな。自分の感知範囲を世界中に広げて探しているものの場所を特定することができる。
あとは普通の人がするような物を操ったり、結界張ったりとかかな。」
普通の人ってとこに僕はピクっとなった。
『え?じゃあ、オアシスの村にいた大王イカは?生き物を生み出すってのはちょっと違うし』
「ああ、あれは私がこの大陸に船で来た時に襲われて、その時洗脳して村までつれてきたの。
かわいくなついてたのに誰かがイカ焼きにしてくれたけど・・・・」
なんかすごいことさらっと言ったぞ、砂漠まで引きずってきたのか・・・
『サラはもともとあの村の出身じゃないの?』
サラは俯いて悲しそうに答えた。
「わたしは北の大陸から逃げてきた。20年前、突然強力な侵略者が現れて、親や兄弟仲間全員殺されて私だけなんとか逃げてきたのよ。特別な力を持った私をなんとか生き延びさせようと必死に逃がしてくれた。
船に乗って逃げて、大王イカに襲われて、手なずけた大王イカに乗って砂漠を中央付近まで来て、力尽きて倒れたところを村長に拾われた。大王イカも干からびかけて、オアシスで一命を取り留めたってわけ。
あ、そうだ。あの時の大王イカは大丈夫よ。やけどがひどかったけど何とか回復させて今もオアシスを守ってくれてるわ。」
カインは申し訳なかったのか、ビビっているのかアブラ汗をかいている
サラは続けた
「そして数日後のある日、妖魔の群集に襲われた。その時に一人で村人たちを守って追い払い、神の子とあがめられるようになった。その時はここまで妖魔が襲ってくるとは思ってなかったから、あわてて結界を張ったわ。
その後、他の村に逃げて移った人もいるから南の村の方にも噂が伝わったのね。」
僕は不思議に思った。
『なんで妖魔の群集を追い払ったほどの力のあるサラが、北の侵略者から逃げてきたんだ?あと結界を張って近づけないようにしなかったんだ?』
サラは答えた
「力はあるといっても10歳程度だったし、それに侵略者は尋常じゃなく恐ろしかった。当時は今ほど強力ではなかったけど結界も破られ、物理的な攻撃も当らない。精神攻撃も聞かない。打つ手がなかった。
兄も並外れたギフトの持ち主で、剣技もずば抜けたものがあったけど何もできずにあっさり殺された。」
ん?10歳?
僕は言ってはいけないことを漏らしてしまった。
『てことはサラって30・・・』
「それ以上言ったら殺す・・・」
サラの殺意の波動に目覚めたように僕を睨みつけた
『ご、ごめんなさい。もう触れません』
サラは気を取り直して元の表情を戻して続けた。
「さっきカインが言ってた力が成熟するってやつかな。今は妖魔や並みの侵略者程度には破れない結界が張れるけれども、それにしてもその侵略者は異常だった。今はある程度対抗できると思うけれども一人ではやられる。だから預言の書の中の救世主ってのも、ほんとに4人と飼い犬1匹で太刀打ちできるのかと疑問に思うところはあるわね。」
か、飼い犬・・・
息を吐くように毒をお吐きになられる。
と思ったら、察したようにサラが睨みつけた。
まさか、やっぱり心を読む能力もあるのでは・・・
「っと、話が大分それちゃったけど、私の千里眼の能力で他の仲間がどこにいるのか探して見るから、それを元に行先を決めましょう。
まずこの世界地図なんだけど、
<中央大陸>私たちがいる大陸で西側にあるのがロンド村。あなたたちがいたところで世界のへそに位置するところね。そして少し東に行くと中央砂漠があり今私たちがいるところでオアシス村もここにある。
<北の大陸>ここが侵略者が拠点としている別名<死の大陸>大陸の一番北には塔がそこを本拠地としているので、王もそこにいるんじゃないかな。
<東の大陸>ここはめずらしく人が集まっている地域ね。力の強い人たちが集まっているのか、侵略者も手を出し辛いのかな。平和ってわけではなさそうだけど、商業だったり漁業だったりがまだ盛んな地域もある。
<西の大陸>ここは城があって、侵略者が支配している。村も数えるほどで、北の大陸のようになるのも時間の問題。
<南の大陸>中央は山で覆われていて中はどうなっているのかわからない。山の外側は、村が点々としているけど特に特徴はないわね。中央は神の聖地と噂されていて、昔、修行僧が山をわたってお参りに行っていたみたいだけど一般的に何があるのか知られていない。
と大まかにこの世界は5つの大陸わかれているのね。
んで神の痣を持つものがどこにいるのかというと・・
んーーー」
サラは目を閉じ集中した。
「まずは・・・・一人は東の大陸の南の方になかなか見られない位大きい村が見える。そこにある寺院の修行僧の中に神の痣を持つ僧がいるわ。まずその人に間違いはなさそうね。
次に・・・・ここは西の大陸かな。中央の侵略者の城そこの近辺に感じるのだけど。村はなさそうだしいつ侵略者が襲ってくるかもわからないところにいるのはおかしい。・・・地下かな?なにかの組織のリーダーのようだけど。
・・・てなところだけどどう?」
カインは少し考え
「まずは確実に場所がわかっている東の大陸に行くのはどうだろうか。そこで仲間を迎え入れて、西の大陸に渡り情報を集め次の仲間と接触する。」
「オッケーそれじゃそうしましょ。で、あんたはどうすんの?」
サラは突然僕に尋ねた。意図がわからなかったので僕こう答えた。
『??いや、一緒について行こうかと思っているけど・・・』
「それは分かっているけど、あなたの記憶の手がかりとなる所へ行かないの?」
『それが分からないから苦労してる・・・・あそうか』
「ほんと鈍いわね。私が見てあげるわよ。」
サラはめんどくさそうに言った。
とりあえず突っかからないと気が済まんのか・・・
サラがこっちを睨んでいる。
やっぱり心の中を読まれてる。
変なこと思わないように気を付けよう。
サラが再び目を閉じて念じる。
「--っと。あれ?おかしいわね。何も見えない。真っ白。・・・どういうこと?」
『え?ほんとに』
僕は不安そうに尋ねた。
「ちょっと待って、ぼやっとしているけど、なんだろう・・・空?足元は・・・ッキャー!」
さらに動揺して
『ド、ドシタノ?』
カタコトの外人みたいになってた。
サラはちょっと息を切らしながら言った。
「・・・なんか青い空がぼんやり見えて、雲がやけに近いなーと思って足元見たら数百m位上空でにいて、すごいびっくりした。なんか心当たりある?」
『高いところねー。記憶にはないけれどさっき思ったのが、北の大陸の侵略者塔か後は、南の大陸の山?』
「足元に地上が見えた感じだったから、山というよりも塔の方が近いかなー」
サラが答えたところで、カインが割って出た
「まあどちらにせよ、明確な場所が分からないし、このまま一緒に旅を続けるしかなさそうだな。」
「そうね。でも足ひっぱらないでよ!」
サラはいたずらっぽく言った。
『もう、いつも一言多いんだけど!どうにかなりませんかね。ツンデレって年でもないでしょうに』
サラがムッとして返した
「いつ私がデレっとした!!・・・ん?年ってどういうことだ!おばさんとでもいいたいのか」
あまりの剣幕に子犬のようにしゅんとした
『いえ。言ってません。お嬢様です。』
「ちなみに30も行ってませんからね。」
それはほんとに言ってません。気にしてるのか?
まあこの性格じゃ30過ぎてもカリカリして、婚期逃すんじゃないか。
って、しまった!この人心が読める疑いがあるんだ
『ご、ごめんないさい』
慌てて声に出して謝ってしまった。
サラは不思議な顔で
「な、何よ。何も言ってないでしょ」
あれ?読んでない?
ほんとビックリさせやがってこのヒステリ女が・・・・・
とサラを見るとものすごい形相でこちらを睨みつけている
・・・ど、どっちーー?
カインはクスクス笑いながら
「それではこのまま東に向かって砂漠を抜けて、中央大陸の東の港まで行こう。そこで船に乗って東の大陸に向かい、南の村を目指す。」
『了解でーす。』
「はいはーい。」
二人は元気よく答える。
まだまだ、暑い砂漠が続きそうだ。
てかずっと砂漠にいないか??
無事抜けられますように・・・・
まずは完成させることを目標にがんばってます。