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新しい奴隷

ようやくメインキャラ全員集合

「話は聞いております。こちらへどうぞ」


 冒険者ギルドを出て、奴隷商へと向かうと、相変わらずの威圧感を放っているおじいさんが出迎えてくれた。

 このおじいさんのことは苦手なのか、二人はわたしにしがみついたまま、離れようとしない。

 頼ってくれて嬉しいのだが、このままだと歩きづらいので、仕方なく二人を両脇に担ぎ、おじいさんの後を追いかけ地下への階段を降りる。


 地下に降りると、おじいさんは魔法具の準備をしてくると行って、何処かへ行ってしまった。


 地下は上の店舗からは想像できないほど広く、牢屋の数も50は越えている。

 しかし、中に居るのは殆どが女で、男の数はあまりにも少ない。


 気になったので近くにいた奴隷の世話係りの人に聞いてみると、ここにいる奴隷は全員、オーナーが自分で各地を周り色々なところから連れてきており、中に居るのが殆ど女の人なのは、この辺は貴族が多いからだという。

 貴族は愛玩用として奴隷を欲しており、見目麗しい女の奴隷は高く売れるからだとか。ただ、オーナーは何故か売る客を選んでおり、売り上げは良くないらしい。


 聞きたい事は聞けたのでその人にお礼を言って、地下をぐるりとまわってみる。

 正直、わたしは何れでも良いのでミラとサラの二人に選んでもらおうと思ったが、二人とも、奴隷を選ぶという行為を嫌がったので、わたしが適当に選ぶことにした。

 

 一人目はこの世界で初めて見かけた獣人で、人懐っこそうな犬の獣人の15才の少女。初めての獣人ということで、記念に彼女を選んだ。獣人と言ってもショートカットの茶髪から耳が生えてるのと、お尻からしっぽが生えてる以外は普通の人間と変わりないが。

 わたしが彼女を選んであげると、はち切れんばかりに尻尾を振って全身で喜びの感情を表していた。


 もう一人は何故か鎖に繋がれて目隠しと猿ぐつわをされている、地面に届くくらいの銀髪を持つ、肌が異様に白い13才の少女。厄介ごとの気配がプンプンするので最初は選ぶつもりはなかったが、ミラとサラが助けたそうにしていたので彼女を選んだ。

 てっきり人間だと思ったが、、彼女は魔族で吸血鬼らしい。魔族は魔王領に住んでいて、基本的にはそこから出てくることは無いが、この少女は何故かこの国の近くでさ迷っていたらしく、そこをおじいさんが力づくで取り押さえて、捕まえたらしい。

 この少女、かなりの問題児だったらしく、世話係りの人に、引き取ってくれてありがとう、と泣いて喜ばれた。


 二人の奴隷を選び終えたのでおじいさんを呼びに上の店舗に上がると、どうやらお客さんが来ていたみたいだ。

 でも、様子がおかしい。おじいさんからは何時もより、強い威圧感が出ており、口調も鋭く、まるで客を追い出そうとしているみたいだ。

 やがて客である、身なりからして恐らく貴族であろう青年は逃げるように店から出ていった。


「おや、もうお決まりですか」


 先程までの空気を一変させて、比較的穏やかになったおじいさんに獣人の少女と吸血鬼の少女の二人を引き取ることに決めたことを告げる。

 さっきの客と何があったのか聞きたい気持ちもあったが、恐らくは答えてくれないと思うので聞かないことにする。


「ふむ、セリカとシャルロットの二人ですか。しかしシャルロットは………いえ、貴女なら恐らく大丈夫でしょう」

 

 えっ、何その反応。おじいちゃんでもこんな反応するなんて、あの吸血鬼、そんなにめんどくさいやつなの?

 ミラとサラが助けたそうにしてたからえ選んだけど、ちょっとキャンセルしたくなってきた。

 

「契約の内容はどうなさいましょうか」

「セリカは二人と同じ、シャルロットはそれに許可なく人の血を吸わない。自分からわたし以外の誰かを勝手に襲わない。わたしの命令に絶対服従を追加で」


 因みに二人の契約内容はただ一つ、わたしの元から逃げ出さない、これだけだ。二人は良い子なのでこれ以外の条件は付けるつもりは無い。セリカも良い子そうだったので大丈夫だろう。

 シャルロットはどうも問題児っぽいので、少し厳しめの内容で契約することにした。誰かを勝手に襲わない、という契約の内容でわたしを省いたのは、わたしなら襲われても返り討ちに出来るから。それに吸血鬼と戦ってみたいし。


 おじいちゃんは「畏まりました」と言って、一旦、奥に下がり、戻ってきた時には、その手に4つの指輪を持ってきた。


 どうやらこれが刺青を移す魔法具みたいで、主人と奴隷がその指輪に血を垂らすことで契約が完了するらしい。指輪が壊れると契約が破棄されるので扱いには注意が必要だとおじいさんは言う。


 早速、ミラとサラの二人との再契約を済ませ、その手から刺青が消えたのを確認する。


「うわ、凄い」

「本当に消えるんですね」


 二人は感心したように、目線を指輪と手の甲にいったり来たりさせている。

 なくすと不味いので、その指輪をアイテムボックスに突っ込む。これで万が一にも壊れることは無いだろう。


 二人の契約を済ませると、地下に降り、先にセリカとの契約を済ませる。


「あ、あの、ありがとうございます!精一杯頑張るので宜しくお願いします!」

「よろしく。二人と仲良くして」


 セリカは緊張でガチガチだが、ぺこりと可愛らしいお辞儀をする。

 元気もあって良い子だし、この分なら三人とも仲良くやれそうだ。


 セリカLv7 才能8


 スキル

 ・鍛冶Lv5

 ・ハンマーLv7

 ・回避Lv3


「鍛冶?」


 ステータスを見てみると鍛冶スキルがあった。

 鍛冶なんて男臭い事をするようには見えないのでちょっと意外だ。


「あっ、はい!父が鍛冶をやっておりまして、その手伝いをしていたらスキルを手に入れていたみたいです」


 ふむ、この世界では、そのスキルに乗っ取った行動を取ることでスキルを手に入れられるのか。

 セリカのステータスを見ると、レベルが上がっているからそこそこ魔物との戦闘経験もそこそこあるのだろう。これなら戦闘ではそこまで心配する必要は無いかな。


 セリカとミラとサラも自己紹介を済まし、仲良さそうに話している。

 そんな三人を引き連れて、最後の一人の檻の前まで来る。

 流石に三人をこの檻の中に入れるのは危険なので、中に入るのはわたしとおじいさんだけだ。


 身動きがとれないようになっているので、契約事態は簡単に済ませられる。問題はこれからだ。

 契約をしている最中も、鎖を千切ろうとしていたから、鎖を解いたら間違いなく襲ってくるだろう。


 シャルロット・アリステルLv1 才能10


 スキル

 ・魔法《闇》Lv1

 ・飛行Lv5

 ・自己回復Lv1

 ・格闘Lv1

 ・回避Lv1


 まあ、このステータスを見る限りでは、襲ってきたとしても何も問題無いけど。

 今のレベルなら、他の3人でも何とかなるんじゃないかな。

 指輪をアイテムボックスに入れてから、鎖を解く作業に入る。


 右手の鎖を外す。殴りかかってくるが全くダメージが無いので無視。

 左手の鎖を外す。首を絞めてくるが苦しくないので無視。

 右足の鎖を外す。わき腹を蹴ってくるが痛く無いので無視。

 左足の鎖を外す。体が自由になったので、飛び掛かってくる。流石に鬱陶しいので、でこピンで弾き飛ばす。

 シャルロットが痛みで悶えている隙に残りの目隠しと猿ぐつわを取ってやる。


「き、貴様!人間風情が高貴なる吸血鬼である妾に、このような真似をしてただで済むと思うなよ!」


 いや、涙目でそんな凄まれても怖くもなんともないからね。




 

「ありがとうございました。貴女の旅に神の加護があらんことを」


 おじいさんのその言葉を背に、奴隷商を後にする。

 外に出ると太陽は既に真上に昇っており、吸血鬼であるシャルロットに、太陽に当たっても大丈夫なのかと聞いてみたら、彼女は高位の吸血鬼らしく、下位の吸血鬼と違って太陽が苦手では無いらしい。

 ただ、夜行性なので昼間の間は眠いらしく、頻りに目を擦って欠伸を堪えている。

 時々、憎々しげに太陽を見ていることから、苦手では無いが太陽は嫌いなのだろう。

 そんな彼女を連れ出すのに若干手間取ったが、わたしの命令には逆らえないので、今は大人しくついてきている。


「私はサラよ。よろしく」

「私はミラです。よろしくお願いします」

「私の名前は、セリカです。よろしくお願いします」


 後ろでは、サラ、ミラ、セリカの3人が頻りにシャルロットに話しかけているが、シャルロットは不機嫌な顔のまま、そっぽを向いて何も答えようとしない。

 ただ、その耳が赤くなっているから、恥ずかしがってるだけで、悪い子では無いのだろうと思う。

 こうしてみると、種族はそれぞれ違うが、仲の良い姉妹に見える。長女がセリカで次女がサラ、三女がミラで四女がシャルロット。もし、そこにわたしが入るならポジションは恐らく次女だろう。セリカには色々と体の成長で負けてるし。そういえば、この世界の女の人は何がとは言わないが、大きい人が多い。他の三人も成長期はこれからなので、まだまだ大きくなるだろう。あれ、そうすると一番小さいのって…… いや、これ以上考えるのはよそう。まだ、大丈夫な筈だ。

 

 そう言えば、なんで吸血鬼であるシャルロットが、こんなところに居るのか聞いてなかった。

 ……まあ、それはそのうち聞けばいいかな。


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