ノリと勢いとアドリブだけで書いたデスゲームもの
結論:私にデスゲームものは無理‼(どーん‼)
気がついたらデスゲームが始まった。
修学旅行の帰り道、急にバスが止まった思えば、武装した集団が突入。
止めようとした先生が撃たれ、間髪入れずに睡眠ガスをぶち込まれ、クラスメイトごと捕縛。
気がつけば俺――生島登也を含む2年A組は見知らぬ教室のような場所にいた。
目の前の机にはおそらく、武器の入っているであろう袋が置かれている。
そして、首にはおそらくは爆破装置であろう首輪がつけられていた。
間違いない。デスゲームに強制参加させられた。こうしたデスゲーム系を題材にした漫画やラノベをしょっちゅう見ているから、こういう導入は分かるのだ。
「な、なんだよ、これ」「ドッキリか?」「こ、殺し合いって……」
あまりに現実離れした展開を受け入れられないクラスメイト達が狼狽える中、平然と教壇に立って、教師のようにふるまい仮面を被った黒服の男――ゲームマスターがお決まりの言葉を口にする。
「キミたちにはこれから殺し合いをしてもらう」
仮面の下でニヤリと笑っているだろうゲームマスターの宣告に俺もクラスメイトたちも絶望する。
当たり前だ。なにが哀しくて学友たちと殺し合いなどしなければならぬのか。
ゲームはフィクションで見るからこそ良いのだ。
「では、ルールを説明するぞ」とゲームマスターが言った瞬間、一人の男子生徒が立ち上がる。
「ふざけるな‼ 殺し合いなんて馬鹿げている‼」
義憤に駆られ、ゲームマスターに逆らったのは、クラス一のイケメン・城戸蓮であった。
彼は俺が止める間もなく、ゲームマスターに殴りかかる。
(――不味いッ!)
この流れでは彼は見せしめとして最初の犠牲者になってしまう。デスゲームもののお約束だ。
しかし、ゲームマスターは慌てることなく、城戸に胸倉を掴まれるのも気にせず、ルール説明を続ける。
「ルールは簡単だ」
言って、ようやく城戸の腕を掴む。そして――
「お前ら全員でこの俺を殺してみろッ‼」
「へ?」
瞬間、ゲームマスターの肉体は闘気で膨れ上がった。
服は弾け飛び、筋骨隆々の肉体が露になると、城戸をまるでゴミでも捨てるような動作で放り投げる。
「ふん」
「うわあああああああああ⁉」
「城戸ぉぉぉぉぉ‼」
城戸はそのまま窓ガラスを割って、外に投げ出され、森の方へと飛んで行った。
「えええええ……これは予想外……」
本当に予想外だ。普通、こういうデスゲームって、バトルロワイアル形式だろ。
なんでゲームマスター自ら参加してんの!? しかも1VS30よ? 圧倒的不利でしょ。
「ちなみに、お前らの首につけられているのは、裏切り行為を感知すると電流が流れる装置だ。仲間割れなどで全滅されてはつまらんからな」
「まさかの協力プレイ強制スタイル‼」
ありえないルールのデスゲームに思わずツッコミを入れてしまう。
「ふざけやがって‼ そんなに死にたきゃ、殺してやるよ‼」
すると不良の大川が激昂し、袋から拳銃を取り出し発砲。
大川の席はゲームマスターのすぐ近く。あの距離なら素人でも外さない。
「死ねぇぇぇぇぇ‼」
大川の雄たけびと共に弾丸が発射される。だが――
カァンッ‼
『…………え“ッ⁉』
ゲームマスターに銃弾が命中した銃弾は、金属音をならし、ひしゃげた状態で床に落ちた。
「効かんな」
やれやれと首をコキコキ鳴らしながら、ゲームマスターは大川を標的を定め、ゆっくりと恐怖を煽るように近づいていく。
「く、くるなぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」
パァンッ‼ パァンッ‼ パァンッ!!!
大川の拳銃が再度火を吹くも、命中したはずの弾丸はすべてカンッと空しく弾かれ、薬莢が床に転がるだけ。
やがて、全弾撃ち尽くし、恐怖で腰が抜けた大川は、その場にへたり込み、鼻水と涙でくしゃくしゃにしながら絶望の表情を浮かべた。
(か、勝てる気がしない……)
武装したとは言え、高校生30人皆殺しにするのに肉体一つあれば十分なのだ。
こいつは人間じゃない。化け物だ。
本能的にそれを察し、クラスメイト達の戦意は消えていった。
あるのは絶望。それだけだった。
「死ね」
最早、相手にすらならないと判断したのか。
ゲームマスターは大川にとどめを刺そうと、腕を振り上げる。
「やめろぉぉぉぉぉぉ‼」
俺はせめて大川の命だけは助けようと、凶行を止めるために後先考えずに割り込んだ。
その瞬間――
「⁉ き、貴様は‼」
「あんたは――‼」
ゲームマスターの攻撃を防いだのは、ゲームマスターに負けずとも劣らぬ屈強な肉体の持ち主であった。俺たちはその男の顔をよく知っている。
「せ、先生ッ⁉」
そう、俺たちが拉致られた時、頭を撃たれて死んだはずの我らが担任、山崎光一先生であった。
「ほう、頭に銃弾を受けてよく生きていたな?」
「氣で肉体を硬質化したからな……‼ まだこんなことを続けてきたのか……兄者‼」
「兄者!?」
まさかの事実に驚愕する俺たち。
え? あんたら、兄弟なの!?
「ほう、まだ我を兄と思っていたのか? 愚かな弟よ」
「あぁ……同じ師の下切磋琢磨した双子の片割れだからな。だが、それも今日限りだ。生徒たちに手を出すならば、兄殺しの汚名を被り、我が身朽ち果てようとも貴様を倒す‼」
デスゲームそっちのけで始まる兄弟対決。なんてことだ。ジャンルが熱血バトルものに変わってしまった。
「お前たち‼ 城戸を回収して、逃げろ‼ ここは俺がなんとかするッ‼」
「でも、先生‼ 結構な高さから結構な速度で落ちましたよ⁉」
「大丈夫だ‼ 俺はあいつを信じる‼ 行けぇぇぇぇぇぇ‼」
「せ、先生ぇぇぇぇぇ‼」
山崎先生の叫びを背に、俺たちは大川や腰の引けた生徒を補助して、教室から脱出。
俺たち全員が逃げ出すのを見届けるや否や、ゲームマスターと先生の闘いは本格化。
教室を吹き飛ばすほどの衝撃を背にして、その場を離脱するのであった。
――こうして、俺たちのデスゲームは始まった。
「みんな! 無事だったのか?」
「城戸! お前、生きてたのか⁉」
「先生の言ったとおりだったな‼」
「運よく木にひっかかってな……あばら折れたけど……」
「……ホント、よく生きてたな」
「まったくだ……」
あの高さから落ちても尚、無事であった城戸と合流し、俺たちは態勢を立て直しつつ、ゲームマスターを倒すための作戦会議を始めた。
しかし、あばらの折れた城戸と心が折れてPTSDを患った大川は、もう駄目だろう。
残り28人。
このメンバーであの化け物染みたゲームマスターを倒さなければ、このゲームは終わらない。
「とにかく、全員の武器を確認しよう。あのゲームマスター、銃弾弾くくらいに鍛えてるけど、どれか一つは有効的なものがあるだろう」
「わかった」
俺の指示に従い、一斉に袋の中身を開ける。
「俺はRPG|《対戦車ロケットランチャー》か……」
クラスでもガタイのいい田所は、いい武器を手に入れたようだ。
これなら流石にゲームマスターもひとたまりもないだろう。
「俺はマシンガン……」
お調子者の春山もいい武器を引いた。
「俺は手榴弾」
中里も強力な武器を手に入れた。
ここまでは特に異常はなかった。しかし、徐々におかしなものが出てきた。
「俺は……本?」
「本?」
「本」
剣道部の宮本の袋には一冊の本が入っていた。
タイトルにはこう書かれていた。
『山崎流抜刀術秘伝書~作・山崎光一~』
「いや、これ、先生書いたやつじゃん!?」
すると、他の生徒も騒ぎ始める。
「俺のは『山崎流空手術秘伝書~著・山崎光一~』だ」
「俺のは『山崎流少林寺拳法秘伝書~著・山崎光一』」
「僕のは『すぐ身につく、山崎流カポエラのすべて~著・山崎光一』」
「拙者のは『サルでも身につく、バトル漫画の必殺技全集~著・山崎光一』……」
「いや、多いな! 先生の著書‼」
こっち30人しかいないのに、なんで本だけで5冊もあるの⁉
そりゃ確かに山崎先生、銃弾で撃たれても平気で、デスゲームマスターとも互角に闘り合っていたけど‼ 格闘技の本まで出していたとは知らんかった‼
ていうか、本渡されても、習得するまでの時間ないんですけど⁉
「どうすんだよ⁉ こんなもん渡されても、戦えないだろ‼」
「ととととりあえず、他のみんなの袋も確認しよう‼」
頭を抱えてツッコみまくる生島をクラスメイトの一人が宥めながら、武器の確認を再開。
「俺は……鉄バットか」
「接近戦なら役に立つな」
正直、あの化け物みたいなゲームマスターに効きそうにない――って言うか飴細工みたいに捻じ曲げられそうだが、本よりはマシだろう。
そう俺が思っていると、太谷は急に泣き出した。
「う、うぅ……グス……」
「ど、どうした太谷!?」
突然泣き出した太谷を落ち着かせ、事情を聴くと……
「高校球児にとって大事なバットで人を殴るなんて……僕にはできない……」
「そんな理由!?」
まぁ確かに太谷、野球に情熱注いでいるけど‼
来年こそ甲子園出場目指しているけど‼
『未来の大〇の再来』を自称しているけども!!!
今そこは置いておけ‼
「でも、みんなのために堪えなければオロロロロ……」
「吐くほど駄目か‼」
「仕方ねぇ、俺の手榴弾と交換しよう‼」
そう言って中里と交換する。
まぁ、彼の剛速球ならあの怪物にも命中させることも不可能ではないだろう。
すると今度はゴルフ部の大河が……
「このゴルフクラブ……前から欲しかった奴だ……」
「……うん」
「……」
「……」
「……(チラッ)」
「我慢しなさい。緊急事態でしょ!」
うるんだ瞳で見つめる大河に。
状況を考えろよとツッコミを入れるも、モチベーションが下がって死んだら元も子もない。
捨てられたチワワのような瞳に負けて、仕方なく俺はOKを出す。
「……仕方ない。その辺に置いておきさい。代わりに岩とか武器になりそうなの探してこい」
「! ありがとう‼」
そう言って大河はクラブを仕舞い、代わりの武器を探しに森の中へ。
「じゃあ次は……」
「あの、生島君……私の武器なんだけど……」
「春日さん、どうかしry……」
気を取り直して、武器の確認を再開すると、クラスのアイドル春日さんが遠慮しがちに話しかけてきた。
なにごとかと振り返った瞬間、俺は我が身を疑った。春日さんの持っていたもの。それは……
「……蟹?」
「そう、蟹」
「それが袋に……?」
「どうしよう……」
いや、本当にどうしよう?
なんで武器の中に蟹が入っているの? これ、袋の中でうごうご蠢いてたの?
泣きそうな顔をして、空を見上げると、殺伐な状況とは裏腹に空は快晴。
晴れ渡る空の下、俺は思った。
今日が俺たちの命日か、と。
「い、生島! 気を確かに持て‼」
「そうだ‼ まだ、他の連中の武器が残ってるはずだ‼」
「そうだよ‼ そういえば、生島君の武器まだ見てないんだけど、確認したらいいんじゃないかな!?」
「あ、あぁ……そうだな……」
クラスメイトの励ましに我に返った俺は、袋に手を入れ、中身を確認。
そこから出てきたのは……
「……鍋」
『………………』
全員の同情の視線が痛かった。
袋に入っていたステンレス製の鍋を手に持ち、俺たちは雲一つない空を仰ぎ、同じことを思った。
『最後の晩餐はカニ鍋にしよう……』
「さて、気持ちを切り替えて、あの人間やめちゃっているゲームマスターをどう倒すかだが……」
丁度30人分あった蟹を食べ終え、気持ちも落ち着いた俺は、話を軌道修正。
どうにか全員で生き残る道を探し始める。正直、白旗上げたいくらいだが。
しかし、現実は非情である。
「ッ⁉ みんな避けろ‼」
『うわあああああああああッ⁉』
突如、凄まじい勢いで何かが飛んできて着弾。衝撃で全員が吹き飛ばされてしまった。
「な、なんだ⁉」
なんとか起き上がり、土煙が立ち込める中、飛んできたものの正体を確かめると……
「せ、先生!?」
「くっ……お前たち、逃げろ……」
あの国民的に有名なかませ犬のポーズで倒れた山崎教諭であった。
山崎は息も絶え絶えになりながら、教え子たちに逃げるように指示。しかし……
「このゲームからは逃げられぬ‼」
「がはっ‼」
『うわぁぁぁぁぁぁぁ!?』
「せ、先生ぇぇぇぇぇ‼」
それを妨げるように、ゲームマスターが山崎の上に着地。
再度衝撃で吹き飛ばされるクラスメイト達。
ゲームマスターはコキコキと首を鳴らしながら「さぁ、ゲーム再開だ!」と近づいてくる。
「くそッ‼ 全員、覚悟キメろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼」
『うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼』
最早これまで、腹を括り総攻撃が始まった。
俺の号令の下、重火器チームが一斉掃射を始める。
「死にやがれ‼」
「先生の仇だ‼」
「これでも喰らえ‼」
ロケットランチャーやマシンガン、ボウガンの矢に手榴弾。
すべてが、デスゲームマスターに直撃する。
しかし……
「や、やっ「効かんなぁ?」早い早い早い早い!」
フラグを立てる間もなく、無傷で姿を現した。
「くそぉ‼ 怪獣王でも相手にしている気分だぜ‼」
「ならば奴の土俵で戦うまで‼ 近接戦闘隊‼ 俺に続け‼」
『うぉぉぉぉぉぉぉ‼』
宮本が太谷の金属バットと日本刀の二刀流で先陣を切り、その後ろをレスリング部の吉口、王子様系女子でフェンシング部の八王子、サッカー部の司、陸上部の留学生・ロバート・オカルト研究部の寺馬・アニメ研究会の秋葉原がツッコんでいく‼
「いや、後半おかしいのいた‼」
って言うか、あんな化け物に肉弾戦なんて自殺行為だろ。
……そう思っていた時期がありました。
「喰らえ‼ 山崎流抜刀術奥義・双頭龍破斬ッ‼」
宮本が振るったバットと太刀から龍の幻影が見えるほどの凄まじい斬撃が放たれた。
それに続くようにみんなの攻撃が次々と放たれる。
「山崎流48都道府県形象拳・秘境群魔バスター‼」
「山崎流フェンシング術奥義・ファングストライク‼」
「山崎流カポエラ術・残影脚‼」
「山崎流槍術・山脈突貫‼」
「山崎流怨霊操作術・白金の星光拳打‼」
「山崎流アニメ格闘技再現術・破ぁぁぁぁぁ‼」
「いや、どうやってだしたの⁉」
最早やりたい放題のクラスメイト達。もしや、先ほどの書物で覚えたというのか⁉
こいつらの才能がすごいのか、本で覚えさせた先生の指導力がすごいのか。
最早、訳が分からない!
しかし、その威力は絶大だった。
「ぬおおおおおおおおおお!?」
なんとあのデスマスターを押している。
なんか「あやつ、まさか、あれだけの流派の技を書物だけで伝授したとでもいうのかッ⁉」と叫んでいるが、これは好機‼
「よし! みんな俺たちも行くぞ‼」
俺の号令の下、全員で一気に畳みかける。
そうすれば、勝てる! そう思っていたその時であった‼
「この程度で我を倒せると思うなぁぁぁぁぁ‼」
『うわぁぁぁぁぁ!?』
突如、デスゲームマスターの気が大きく膨れ上がり、黄金の奔流となりクラスメイト達を吹き飛ばした。
「くそっ! やはり強いッ‼」
「ここまでか……ッ‼」
「いや、諦めるのにはまだ早い‼」
デスゲームマスターの強さに全員の心が折れかけた時、将棋部の藤丼が声を上げた。
「藤丼! なにか策があるのか⁉」
「僕はみんなの戦いを見て、どうすれば勝てるかずっとシュミレートしていたんだ‼」
見れば、おそらくはシュミレートによる負荷であろう。藤丼は鼻や耳から流血し、両の眼から血の涙を流していた。
「奴は今、俺たちの対処に集中している。その集中力を途切れさせれば……」
そう言って藤丼の視線の先に目を向けると、そこには山崎先生の姿が。
よく見れば、手がぴくぴくと動き、さらに目に秘めた闘志は折られていなかった。
山崎先生は満身創痍の状態になっても、俺たち生徒を守ろうとしているのだ。
(つまり、一瞬の隙を生み出し、先生に止めを刺してもらう。これが最善手ということか)
しかし、どうやって隙を作る?
閃光弾も催涙ガスも効果は薄い。
なにか、なにか他に手は?
俺は辺りを見渡し、戦いに使えるものを探す。
そこで、あるものに気がついた。
先ほど、蟹を茹でた鍋がある。
「そういえば、先生って甲殻類アレルギーだったよな……?」
たしか、修学旅行中、旅館でそんなことを言っていたのを思い出す。
そして、双子で同じアレルギー反応を持つことがあることも。
ならば、これを掛ければ……
「試す価値はあるな……‼」
そう思い、俺は鍋を持ち上げ、ゲームマスター目掛けて蟹を茹でたお湯をぶっかけた。
「くっ‼」
案の定、とっさに躱すゲームマスター。
しかし、それを抑え込む者の姿があった。
「駆け込み乗車はお止めください‼」
「鉄道研究部の方保谷‼」
満員の乗客を無理矢理押し込む駅員さんを彷彿させる動作で、拘束する方保谷。
「お、おのれぇぇぇぇぇ‼」と声を上げ、さらに気を放出するゲームマスター。
たまらず、吹き飛ばされるが、その僅か一秒にも満たない攻防が勝敗を分けた。
「兄者あああああ‼」
「‼ ぬおおおおおおおおお‼」
復活した先生の貫手による一撃が決まった。
迎え撃とうとする一撃をするりと躱し、交差する兄弟。
ゲームマスターは口から血を吐くとただ「見事なり……‼」と呟き、先生に覆いかぶさる。
「兄者……‼」
それは降り出した雨か、懺悔の涙か。
土砂降りの中、先生はただ、兄弟の屍を抱きしめ慟哭した。
こうして俺たちを巻き込んだデスゲームは終わった。
誰一人欠けることなく、元の日常に戻ることができたのは、素直に喜ぶべきだろう。
だが、あの戦いに勝者はいない。いたのは、悲しき宿命に翻弄された兄弟の姿だけ。
そんな学生時代の苦い思い出を俺は、蟹を食うたびに思い出す。
◆登場人物◆
・生島登也
今回の語り部にしてMVP。
彼の活躍がなければ、勝利はなかったかもしれない。
後日、ツッコみすぎて喉痛めた。
・クラスメイトの皆さん
「藤丼」だの「太谷」だの「吉口」だのどこかで聞いた名前がいるけど、この作品はフィクションなので実際の登場人物とは関係ございません。ご了承ください。
・デスゲームマスター
諸悪の権化にして山崎教諭の兄。
かつては彼もまた教師であったが、教育現場の腐敗を目の当たりにし、いつしか道を踏み外してしまった。
その後は、学生ばかりを狙うデスゲームで富を経て、今回の事件につながる。
・山崎光一
御年45歳のベテラン教諭にしてデスゲームマスターの弟。
道を違えた兄を図らずも殺害したことで警察に出頭。
情状酌量の余地もあり懲役15年の判決を言い渡される。
服役後、様々な事情で学校に通えない子供たちのための私塾を開く。
面白いと思っていただければ、お手数ですが「いいね!」もしくは、下の☆☆☆☆☆から評価ポイントを入れて下されると幸いです。
むしろ、両方やってください!
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