炬燵の中の銀河
見切り発車ですどうしたらいいのか
うたた寝をしていた。自宅の炬燵に肩まで入り、うっとりと。
ーーあれ?
寝返りを打てる広さの炬燵だったが、なんだか右に転んで涅槃のようなポーズをした時に、男の視界にキラリと違和感が走った。
ーーひかり……? 光が覗いた?
小さな違和感は束の間のうちに去り、やがて足元からは冷気がのぼって来てしまう。
夢ではない。
「嘘だろ……?!」
男は炬燵に向き合う形で正座をし、恐る恐る炬燵布団をめくった。
ーーその中に、見事に。
小さな銀河が広がっていた。
冷たく熱く、銀河は誘う。
男はなんだか面白くなってきてしまい、銀河の中へ飛び込んだ。
『スペースシップ白兎へようこそ!!』
銀河に飛び込んだ男はすっかり無重力を味わえると思っていたが、吸ったのは常と変わらない酸素と程よい空調の効いた大気だった。
足元は白い大理石のような床、上にはやはり白い低めの天井。左右には見渡す限りに壁はなく、正面と後ろには銀河の様子が写されている。
これが窓の向こうだとしたら、外にはやはり間違いなく男が惹かれた銀河が広がっているようだった。
アナウンスのような声が日本語で男にふってくる。
『スペースシップ白兎は貴方を歓迎いたします!』
ファンタジーや神秘を期待した男は突然のSFに少し肩を落とした。
どうしたらいいのか凹