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初期症状④ 一月半ば 総合病院にて

 書かれた紹介状は、同様に眼科への紹介状だった。

 頭の検査を目的にしてこの病院に来たものの、症状的には目に出ている為とりあえず眼科受診を通らねばならないらしい。


 流石の総合病院。人が多く、診察までにだいぶ待った気がする。


 そして、やっと順番にて呼ばれる。

 軽く症状を確認された後、やはり「頭の可能性が一番怖いから、MRI撮りましょうか」と、検査場へと案内された。



 さて、MRIを撮ったことがある人というのはどれくらいいるのだろうか。

 そりゃまあ、沢山いるのだろうけれど。若く健康な人達はあまり縁がないのかもしれない。

 私も、これが初めてのMRI検査だった。


 検査前に、色々と説明されつつ確認される。


「閉所恐怖症とかないですか? あ、検査中工事現場みたいな大きな音しますんで、ヘッドホンつけますからねー」


 え、なに? そんな狭いの? 

 しかも、轟音するの? 怖っ……。


 とかなんとか、痛くもかゆくもない検査に対して過度にビビりながら準備に入る。


「動きに弱い検査なので、検査中は動かないで下さいねー。気分悪くなったら、握ってるボタン押してくださいー」


 そんな風にやけに明るく説明されつつ、機械の中に入っていく。

 全然関係ないけど、検査担当のお兄さん、爽やかな見た目なのにやけに喋り方がチャラかった。


 検査中は、謎に怖くてずっと目を瞑っていた気がする。本当に自分は過度にビビりなのだなと。

 絶叫系も、お化け屋敷もてんでダメだからなあ……。


 そんなどうでもいいことは置いておいて、検査は長くもなく短くもなくという感じだった。

 

「お疲れ様でしたー!」


 またしても明るくお迎えをしてくれたお兄さんの声に安堵しつつ、検査を終えた私は再度眼科へと戻る。


 この待ち時間は、最高潮にドキドキした気がする。


 こういうものはただ結果を受け入れ、治療をするしかないのだけれど、受容や覚悟をするには時間が必要だ。

 悪いイメージばかりが頭に浮かび、ソワソワが止まらなかった。


「○○さん、診察室へお入り下さい」


 アナウンスが入り、心臓をバクバクさせながら診察室へ。

 中に入ると、医者が撮ったMRI映像を何か難しそうな顔をしながら見ている。


 この時、俺は"あっ……ダメだ。これ"と、結果の悪さを覚悟した。

 そして、緊張感MAXの中、遂に先生の口が開く。


「うん。僕、頭の専門じゃないから専門の先生に見てもらおうね。脳神経外科行ってきて下さいー」


 いやいや。なら、眼科のワンクッションの必要性あった? 最初から脳神経外科案内しろよ。俺の心臓へのダメージを返せ。



 とかなんとか思いつつも……まあ、流れ的に必要なのだろうと自分に言い聞かせながら、私は脳神経外科への階段を登って行った。


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