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緊急入院⑤ 二月下旬 入院生活の始まり

「あの……首に針とか、それを留置とかちょっと怖いんですけど。点滴治療じゃダメですか?」

「勿論、怖いというものを無理にやりませんし治療を決めるのは患者さん自身です。点滴治療のステロイドバルス等もあります。ただ……」

「ただ……?」

「〇〇さんの場合、症状の進行が早いのです。そうなると、点滴治療の方では症状がおさえこめない可能性があります。回復が遅くなればなるほど、手術の時期も遅まってしまいます。腫瘍も大きいのでなるべく早くに取った方がよいかと……。私的には最善の治療法をとることをお勧めします。見ていて、血漿交換が一番効果が出ることが多いので」

「……少し考えてもいいですか?」

「はい、明日お返事もらえれば大丈夫ですよ。お気持ちはわかりますので」


 そう言いながら、先生はいくつか持ってきた書類を広げた。


「とりあえず、これは治療にあたる際や造影剤

CTを撮るための同意書です。治療にあたり、副作用も起きる可能性があります。その説明をしますね」


 あんまり覚えていないが、とにかく色々なリスクとか副作用について説明された気がする。ほぼ起きることのないことも含めて話されるのだが、これは致し方ない。

 もし本当に何か起きてしまったときに聞いていないじゃ済まないし。まあ、ほとんど上の空で頭に入ってなかったけれど。


 ちなみに、造影剤CTとは造影剤なるものを注射してより鮮明なCT画像撮りますよ的なものですね。私の胸腺腫の状態を手術前に見るためにって感じです。


「では、また明日の朝に伺います。食事は朝ご飯から出ますので」

「わかりました。色々と考えておきます。ありがとうございました……」


 なんかあっという間に救急車乗って入院して、治療始まって、それ終わったら手術になって……

 状況の進みの速さに頭がついていかなかった。っていうか、治療どうしよう。先生の言っていることはわかるけど、やっぱり血漿交換は怖い……


 治療の恐怖にも苛まれながら、頭をグルグルさせていると担当の看護師さんが来た。


「こんばんは、身体の具合どうですか? 不安ですよね。何かあったら言ってくださいね」


 若くて、可愛い看護師さんだった。優しい。好き。


 またもや話し逸れますが、担当の看護師さん次第でその日のテンション割と変化します。

 何度も言いますが可愛いかどうかじゃなくて、優しいかどうかが全てです。一つの思いやりの言葉でメンタル回復したりします。


「あの、点滴とか色々繋がってるんですけどトイレに行きたい時は……?」

「あ、じゃあ付き添いますので行きましょう。トイレ行く時は必ずナースコールで呼んでくださいね」

「あ、でも全然歩けるんで教えてもらえれば一人で行けちゃうんですけど……」

「病気が病気ですので……申し訳ないですけど、しばらくは呼んで下さいね」


 まあ、これも仕方ないなと思いつつ看護師さんとトイレへ。一気に重病人になった気分だった。

 トイレの度に呼ばなければ行けないというのはタイミングや頻度含めて結構気を使うもので、自分の仕事のお客さんの気持ちがよくわかる体験だった。


 まあ、私現場では介護もしていまして沢山のご老人と関わって生きてきたのですが、本当に仕事の価値観に影響を与えられました。

 食べられない、動けない、うまく見えない、倦怠感、行動の制限、声が出ない、バルーン入れられる等、一通りの老人体験しましたので。我が身になってみないと気づけないことって本当に沢山ありますね。


 さて、ここから私の入院初日の長い長い夜が始まります。


 ここで、同室メンバーのご紹介です。


 まずは、私のベッドの向かい側。バリバリ認知症のおじいちゃん。ナースコール鳴らしまくったり、ノリで叫んだりします。中々にクレイジーですね。


 お次は、私のベッドの隣。いびきが轟音のおそらくおじさん。とにかくいびきがやばいし、たまに「ううっ…痛い……痛い」と声が聞こえてきます。メンタルクラッシャーです。


 最後は、ななめ向かいの中々に状態が重たそうなお爺さん。一時間置きくらいに吸引されてました。


 勿論、皆さんそれぞれ苦しみながら闘病されている方々であり、非難するつもりはありません。私も手術後は、夜中でも咳しまくりで同室の方に迷惑かけましたし。


 まあ、とりあえずお察しの通り、私はこの日一睡も出来ずに朝を迎えることになります。


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