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LIP

レビュー執筆日:2019/12/25

●多様な楽曲を楽しめるのは良いが、やはり歌詞が物足りないか。


【収録曲】


1.YOKOHAMA blues

2.RAIN

3.Mr.Heartache

4.向日葵ひまわり

5.サザンカ

6.千夜一夜物語

7.Error

8.Hey Ho

9.ラフレシア

10.Goodbye

11.Missing

12.蜜の月

13.イルミネーション


 前作から実に約4年ぶりとなるSEKAI NO OWARIのアルバム。今作は2作同時発売されたもののうちの一つとなっており、ダークな世界観を一つのコンセプトとして見せる『EYE』とは対照的に、全体的に明るい曲が多い作品となっています。アルバムとしてのコンセプト性も弱く、『EYE』に合わない曲をこちらにまとめて収録したような印象を受けます(実際にはどうだったかは分かりませんが)。ただし、バラエティに富んだ曲を聴かせるという点では『EYE』と共通していると言えるかもしれません。『YOKOHAMA blues』は気だるげで都会的な空気をまとったこれまでの彼らには無かった楽曲になっていますし、『RAIN』はAqua Timezを彷彿ほうふつとさせるファンタジックなナンバー。『Mr.Heartache』は全英語詞のEDMナンバーで、『Missing』は儀式めいた怪しげな雰囲気が醸し出されています。単純に曲の多様性で言ったらこれまでの彼らの作品の中で最高と言えるのではないでしょうか。


 ただ、こちらのアルバムに関しては、やはりこれまでと同様に歌詞にやや「深み」が欠けているように感じられます。『サザンカ』はありがちな応援歌になっている点が否めませんし、物語性の強い歌詞を聴かせる『Error』は「ロボットの恋」というテーマ自体は面白いのですが「これはこういうストーリーですよ」と一から十まで説明しているように聞こえてしまいます。全体的にボーカルのFukaseが手掛ける歌詞はそういう傾向になっているように思えますが、その一方で、今作で唯一リーダーのNakajinが作詞し、ボーカルも彼自身が担当した『Goodbye』では彼なりの死生観というものが説明的になり過ぎないように上手く表現されており、個人的には「Nakajinがもっと作詞した方が良いのでは?」と思いました(『EYE』に収録されている暗い雰囲気の歌詞に関してはFukaseの方が上手いと思うのですが)。


 そういった点もあるのですが、全体的に言えば、やはり分かりやすいメロディと多様な音楽性を楽しめるアルバムに仕上がっているのではないでしょうか。「傑作」と呼ぶには少々物足りないところもありますが、そういう点も含めて(特に、メジャーデビュー後の)彼ららしい作品になっていると思います。


評価:★★★★

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