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4/7

EYE

レビュー執筆日:2019/12/21

●これまでとは異質な雰囲気を放つ、ダークなコンセプトアルバム。


【収録曲】


1.LOVE SONG

2.Blue Flower

3.ANTI-HERO

4.夜桜

5.Monsoon Night

6.Food

7.SOS

8.Re:set

9.ドッペルゲンガー

10.エデン

11.すべてが壊れた夜に

12.Witch

13.スターゲイザー


 前作から実に約4年ぶりとなるSEKAI NO OWARIのアルバム。今作は2作同時発売されたもののうちの一つとなっており、彼らのダークな一面が表現された一枚となっていますが、その内容を詳しくひもいていくと色々と興味深い点が見えてきます。前述の通り、全体的に暗い雰囲気の曲が多いのですが、そういった一定なトーンを持ちながらも、ジャジーでゆっくりと忍び寄るような怖さを表現する『ANTI-HERO』だったり、EDMサウンドを前面に押し出して直接的な攻撃性を炸裂さくれつさせる『Food』や『Re:set』だったり、逆に音数を極限まで絞ってFukaseのボーカルを聴かせることに特化した『エデン』だったりとバラエティに富んだ楽曲を聴かせてくれます。また、冒頭の2曲のイントロがかなり似ていたり、全体的に短い曲が多かったり(同時発売された同じ曲数の『LIP』と比べてもこちらの方が10分ほど短くなっています)という点から、「アルバム全体で1曲」と捉えることもでき、前作とは違う意味で「コンセプトアルバム」の要素が強い作品と言えるでしょう。


 サウンドに関しては色々と新しいものを取り入れている印象がありますが、その一方で、歌詞に関しては初期の彼らに近いものを感じられました。メジャーデビュー後の彼らにはあまり見られなかった「行間」を読ませるような歌詞が戻ってきたように思えます。『すべてが壊れた夜に』はタイトルとは裏腹な明るい曲調や歌詞がむしろ不穏さを際立たせていますし、『スターゲイザー』は「死体が腐敗していくように」や「学校へ毎日通うように」等といった様々な「ように」で終わる表現を重ねた後に「スターゲイザー」とまとめる点には強い文学性を感じられます。


 今作はあえて「ポップさ」をある程度差し引いている印象があり、それゆえに今までの彼らの作品と比べるとかなり異質に感じられるのですが、コンセプトアルバムとしての隙の無い構成と歌詞の良さから個人的にはかなり満足のいく出来だったと思います。「SEKAI NO OWARIは明るい曲しか知らない」という方もいると思いますが、もしそうだとしたら、このアルバムを聴いて彼らの違った一面を体感してみるのも面白いかもしれません。


評価:★★★★★

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