Tree
レビュー執筆日:2019/12/11
●「テーマパーク」というコンセプトは非常に面白いが、歌詞がやや深みに欠けるか。
【収録曲】
1.The bell
2.炎と森のカーニバル
3.スノーマジックファンタジー
4.ムーンライトステーション
5.アースチャイルド
6.マーメイドラプソディー
7.ピエロ
8.銀河街の悪夢
9.Death Disco
10.broken bone
11.PLAY
12.RPG
13.Dragon Night
『Dragon Night』等のヒット曲が多数収録されたSEKAI NO OWARIのアルバム。この時期、彼らはまるでテーマパークのようなライブイベントを積極的に開催していましたが、このアルバム自体にもそういった要素が強く感じられます。『炎と森のカーニバル』は非日常の空間に足を踏み入れた時の高揚感を表現しているようですし、『スノーマジックファンタジー』や『マーメイドラプソディー』はファンタジックな世界観をモチーフとしたアトラクションを、『PLAY』や『RPG』は場内を練り歩くパレードを想起させます。また、今作は『スノーマジックファンタジー』をクラシックホールで録音したり、『Dragon Night』でEDMサウンドの中にカントリーの要素を入れたりと色々と凝ったサウンドを導入しており、少なくとも前作で見られたサウンドから来る「安っぽさ」はほとんど感じられません。
ただし、歌詞に関しては物足りないところも。前述の『スノーマジックファンタジー』や『マーメイドラプソディー』は絵本等にありそうなストーリーをそのままなぞっているような印象が拭えませんし、『PLAY』や『RPG』はありがちな「前向きソング」に聞こえるところも。全体的に歌詞がやや「深み」に欠けるという点は否めず、その面では前作の悪い部分を引きずってしまったように思えました。
彼らの持つポップな要素と「テーマパーク」というコンセプトは非常に相性が良く、サウンド面でも色々と工夫している点も充分に評価できるのですが、そういった「工夫」を歌詞の方にも施してほしかったと感じずにいられないアルバムでした。
評価:★★★★