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第3話

月日はあっという間に過ぎて行ったらしい。

もうレイがいなくなって数ヶ月・・・

昨日のことのように思い出す。

3人で過ごした日々を。

レイがいなくなった翌日からもじじいは何も変わらなかった。

まるでレイが存在していなかったかのように。

俺は不思議だった。

だから、レイがいなくなって少し経った時に聞いたんだ。


「なんでそんなに普通に過ごせるんだよ。レイがいなくなって悲しくねぇのかよ。」


次の瞬間、じじいが放った言葉に耳を疑った。


「レイ?誰だそいつは。俺とお前の2人しかここにはいないだろう。」


「は・・?何言ってんの・・?」


「ノエルー、頭おかしくなったのか?」


ニヤニヤしながらじじいは言う。


どうしたんだよ。


忘れた?レイを?


ありえないだろ!


この時辺りからだった。俺がじじいに不信感といらだちを覚え始めたのは。

何かあるたびに俺はじじいに強く当たるようになってしまった。でもじじいはいつも通りニヤニヤと笑いながら返事をする。それに俺はまた腹を立てる。悪循環だった。

いつしかじじいとはあまり話さなくなっていった。


ある日、いつものように俺たちが収容されている部屋の扉が開いた。出てきたのは物品運搬用ロボット。

あぁ、飯か。

すると、じじいがロボットに寄って行った。

じじいは最近、運搬用のロボットを見ることをしている。

まじで何やってんだろ。

じじいはまじまじとロボットを見ている。今にも飛びかかりそうな鋭い目つきだ。

すると、


「そんなっ、まさか・・・」


何かを言いかけるとじじいははっとしたような顔をして黙り込んだ。


「なんだよ。なんかあった?おーい!」


「ん?あぁ、なんのことだ?」


俺が聞いても隠そうとするじじいに腹が立った。


「はぁ?とぼけんな。なんか言ってたじゃねぇか。」


「落ち着け、ノエル。ただロボットの形が変わったなと思ってな。」


形?そんなことか。どうでもいい。

でも、じじいはその日一日中うなだれている様子だった。元気がない。俺にも分かった。


そして次の日の朝、俺はじじいより早く起きたらしい。あいつはまだ寝ている。

次の瞬間


「レイ!」


と叫んだと同時にじじいが飛び起きた。

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