大切な人
次の日、ぼーっとしながら学校へ行った。
昨夜は眠れなかったのだ。
別に悩んでいたわけでもない。
ただ、何となくだ。
教室に入って、提出物を出し、席に着く。
朝読書用の本を出し、それを読む。
「「里沙ちゃん、おはよう。」」
「あ、おはよう瑠璃ちゃん。」
クラスメートの鮎川瑠璃ちゃんと藤本卯月ちゃんだ。
よく一緒にいるので、良い友達である。
だるいね〜など、他愛のない話をするのが日課である。
あと、好きな人の噂とか、誰と誰が付き合ってるとか、
恋の相談などもする。
あたしに好きな人はいない。といつも答えるが、
二人は好きな人がいるので、よく相談に乗っている。
「今ね、好きな人っていうか、好きな人は自分にいるのかなって思ってた。」
瑠璃ちゃんは、あたしと似たような悩みを持っている。
あたしにも、好きな人がいるのかどうかがわからない。
「そうだね。あたしもそんなとこかな。」
「へぇ、里沙子ちゃんもそうなんだ。」
はっ、いってしまった。
あたしは、いつもは、好きな人はいないとしか言わないのに、
瑠璃ちゃんの相談事に同意してしまった…。
まあ、相談に乗ってくれるといいな。
「…気になる人とかいるの?」
「え、ん…。どうかね?」
「いるんじゃないの〜?」
「い、いないと思うよ。自分でもわからないから。」
「そうなの?」
今、目の前を宏樹が通りかかったような気がした。
本物じゃなくて、幻が。
自分は、好きな人はいなくても、大切な人はいるような気がした。
読んで頂きありがとうございます!
文節とか、文章構成とか下手くそで
多分…。いや、絶対読みにくいとは思いますが、
よかったら、感想やアドバイスをもらえると有り難いです。