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奴隷オークション①

 カスケードへと帰る道中は平和そのもの。

 それもこれもスキルを複数同時使用する “たすモード” のおかげなのは間違いない。


 テッテは最後まで私についてこようとしていたが振り払ってきたので、1人きりの竜車は少々暇だ。

 

 こんな時仲間がいてくれたらな。

 

 と、ふと思う。


 テッテに「わたしがいるじゃありませんの!」などと言われそうだが、一応家族の括りのになるのでちょっと違う。

 あと、おっさん3人組は私を女神だと思っている勘違いファンみたいなものだから仲間とは呼べない。


「やっぱり仲間は奴隷買った方が手っ取り早いかな……」


 ハイドのはからいで多めの報酬を貰っている。

 全額町の復興資金にあてる予定だったが、カジノで儲けたお金もあることだし、半分ぐらいは自分の為に使ってみようと思っていた。

 ガイドブックにも奴隷を仲間にするのはアリみたいなことが書いてあったし。


「御者さん!」


「はいよ、何だい?」


「ここらへんで奴隷を売っているところで有名な場所ってありますか?」


「奴隷商か。そうだなオヴスール盆地になるかの。あそこは国境線が曖昧な場所でな、どこの国が取り締まるのか有耶無耶になっておる。そこを逆手に取って非合法な奴隷でも取引しとるらしいからな。各地から奴隷商がわんさか集まるらしいぞ」


「そこに行けば私も奴隷買えるかな」


「当然、金さえありゃ。何人でも売ってくれるさ。なんてったって、あいつら奴隷より金の方が好きだからな。本気で行のか?」


「遠い?」


「いんや、行けなくはないが、今日中にカスケードに着かなくなるぞ」


「だったらオヴスール盆地ってとこまででいいよ。そこから先は私で何とかするから」


「運賃もらってるかなの、そーゆーわけにゃーいかんて」


「大丈夫、気にしないで」


「お嬢ちゃんがそれでええなら、ええけど」


 と、言うことで急遽行き先を変更。

 奴隷商人の集まるオヴスール盆地に行くことにした。


 盆地というだけあって、山越えをしなければならないので距離的にはそんなになくても時間が掛かってしまい夕方ぐらいになってしまった。


 竜車を降りてみて思ってことは、予想以上に人が多かったことだ。これには御者のおじさんも、初めてみたらしく驚いていた。


 奴隷を並べている出店が何十件とありグルグルと回ってみたが、まだ子供で金を持ってないと思われてたのか、私をまともに相手をする奴隷商人などいなっかった。ほとんどは奴隷商人同士で交渉や取引をしているようだった。


 外に立っている奴隷たちは見栄えはとても良いが、奴隷の証である奴隷印を見えやすい手の甲や肩などに押され足には重そうな鎖がされている。

 中には同じぐらいの子供もチラホラ見えた。


 値札が貼ってあるわけではないので、値段交渉を盗み聞きしておおよその額を把握していく。


 年ごろの見た目のいい女で、大体400万メルク~600万メルク。

 これは貴族に買われるのを前提とした愛人奴隷がほとんだ。良く見せるために化粧をしてドレスを着ている奴隷もいるぐらいだ。

 労働奴隷はそれより値段が安く、男も女も100万メルクから150万メルク。子供は安く30万メルクから50万メルクになっている。

 亜人族の女は種族によってピンキリで高いと愛玩奴隷で800万メルクがいた。亜人族の男は戦闘奴隷が多く値段は強さに応じて上がっていくようだった。


 ここでは人の命をお金で換算するのが当たり前、可哀そうなどと口を挟んではいけない。


「おっと、ここから先はお嬢さんのような方が来るようなところではありませんよ」


 一番奥のテントに入ろうとしたとき、シルクハットを被った男性に止められてしまった。


「これでも一応、冒険者ですけど」


「そうでしたか、お金はお持ちですか?」


「金貨なら1800枚空間収納に入ってるけど」


「! それは、それは大変失礼いたしました」


「オークションはもう始まっていますが途中参加もできますので、こちらをお読みください」


 オークションがしたいわけではなったが、気になったので入ることにした。

 渡された紙にはオークションに出るであろう奴隷たち。いわゆる奴隷オークションだ。


 出てくる奴隷達の説明が書かれているが、肩書が元○○家の御令嬢だったり、亜人の中でも滅多に見ない種族で珍しい奴隷ばかりだ。


 本当に合法なのか疑わしいものばかりで、逆にここだからこそオークションが成り立つのかもしれない。


「こちらの人魚、まだ14歳で、とても若い人魚となります。長命であまり子を作らない種族なので、子供となると希少価値はとても高くなっております。では金貨1000枚1000万メルクから参ります!」


「1100!」


「はい、1100入りました。1100、1100」


「1200!」


「1300!」


「1500!」


「はい、1500入りました。1500、1500」


「2000!」


「はい、2000入りました。2000、2000、2000より上ございませんか?」


 金額も普通の奴隷たちとは全然違ってくる。最低落札価格は一律1000万メルクだ。

 そこからガンガン上がっていくのだから、金持ちの道楽でしなかい。


「2000より上ございませんか?最後のコールです。2000より上ございませんか?」


 チリチリン♪


 とベルが鳴るとその競りは終了となる。


 奴隷は高く競り落とされて喜ぶ者や、出てくるなり涙目になって俯く者と様々だ。

 ここに立つ理由がそれぞれあるのだろう。


 その後も奴隷オークションが続き、最後の目玉奴隷ともなると会場がソワソワしはじめる。


「本日最後となりました。注目のヴァンパイアでございます。こちらのヴァンパイアは力を封印されており、殆ど人族と変わりないぐらいまで力が衰えております。なので日光を浴びても焼けどをする程度で灰にはなりませんし、食事も血ではなくパンと水で十分とのことでございます」


(ん! ヴァンパイア!!)


 一覧を見たときから気になっていたヴァンパイアの女の子。

 どんな姿なのか一目見たいという好奇心が駆り立てられていた。

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