〔閑話〕ポーション?
テッテとヨシエも村を見回る中である事を気にかけていた。
ケーナがポーションと言って使ったアイテムについてだ。
「ヨシエ、ポーションは今ありますの?」
「今手持ちは3本程ございます」
「そのポーションであの母親の傷は治せますの?」
「あのえぐるように欠損した傷を何もなかったかのように治すのは無理でございます」
「ではアレはポーションではないのですね?」
「予想の域を出ないのですがエピック級アイテムのフルポーションや万能ポーション、もしかしたらエリクサーの可能性も」
確認されているエピック級回復薬は全部で5種類ある
売れば国が買えると言われる完全回復薬、別名エリクサーと呼ばれている物。
死者を確実に蘇らせるとされている蘇生薬。
全ての病気、如何なる状態異常も回復させる万能薬。
傷や怪我、多少の欠損部位にいたるまで元の状態に回復させるフルポーション。
万能薬とフルポーションの両方の効果を持つ万能ポーション。
似たような名前でもそれぞれ微妙に効果が違ってくる。
共通しているのはどれも製造方法が不明でダンジョンや遺跡で見つかったものしか残っていないことや、既に全部使用されてその記録だけしか残っていないことだ。
「エリクサーなんて本当にあるのか信じられませんわ」
「現存するエリクサーは確認されておりません」
「仮にあれがフルポーションだとしてヨシエは見ず知らずの者にフルポーションを使えますの?」
「私はテッテお嬢様が一番大切です。使うのはテッテお嬢様以外ありえません」
「まぁヨシエならそうおっしゃると思っていましたわ」
「フルポーションはそれほど貴重で手に入りにくいものだからです。以前競売にかけられたときは1瓶で1億4200万メルクの値が付けられ競り落されたと聞いています」
「となると本当にフルポーションだとして躊躇なく使えるケーナ姉様はどこまでお優しいのか見当も付きませんわ。私も怪我をしてケーナ姉様に癒してもらいたいですわ」
「冗談でもおやめくださいね。怪我をされたテッテお嬢様の姿など見たくありません」
「わかっているわよ」
どんな傷でも治すと言われているので、喉から手が出る程欲しがっている者は多い。
現存が確認されて管理されている物が66瓶。
そのほとんどが王国や貴族、教会の管理下にあると言われている。
それだけ貴重な物だけに持ってるだけで噂になり、使用したとなればその話が広まる。
そして現存数が減れば減るほど貴重になるというわけだ。
「ケーナ姉様はもしかして凄い錬金術師なのでしょうか? きちんと職業を聞いたことがありませんでしたわ」
「そうですね、武器といえば腰にあるダガーナイフしか見たことありませんし、ハッキリとした職業はわかりませんね」
「魔法も凄いのですのよ。魔族顔負けですわ。あぁ、あの綺麗な魔力を思い出したらまた魔力を合わせたくなってきてしまいましたわ」
「ダメですよ。抑えてくださいお嬢様」
出発の合図を受け、気持ちを高ぶらせたまま竜車に戻るテッテ。
だが人数の関係上、御者台にケーナが見張りを兼ねて御者と一緒に座り、中では片方の列にマトン、ヨシエ、母親、もう片方にテッテと3人の子供達になった。
「まぁ、そうなりますわよね。わたしは大丈夫ですわ。お子様扱いもちょっとの辛抱ですわ」
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