始まりの時
創精龍暦元年、後の世でこう呼ばれる人異大戦
この戦争は人が暮らして居たこの星と空間の亀裂から現れた
人とは違う知性のある多様な姿を持つ化物との戦いであった。
人類とこの異界から現れた化物達の戦いは全人類が魔法と言う力を持ってしても総人口が半分以下になるまで敗戦が続いていた、人類がもう滅ぼされると絶望を抱き始めたその時
奇跡が舞い降りた、全ての力の源である7つの精霊と星が遣わした強靭な肉体を持つ龍
精霊と龍は適性のある人類に力を渡し共に化物と戦うのであった、戦いの中で人類は精霊や龍と同化し人から8つの種族と人族のまま9つに分岐していった
8種族から一人ずつ巨大な力を持つ英雄と唯一、人の身から英雄にまで成長した人間が力を合わせ異界からの化物を撃退したのであった...
『って本当にこんな事が昔にあったのか、爺ちゃん』
そうやって隣の龍人族に話しかけた人族のこの男
名前をカミノ・ユウキ
17歳の青年だ
『種族自体はその本に記されてる通り8種族と変化しなかった人族が居るのは間違いないが戦争の事は遥か昔過ぎて合ってるのかわからんのぉ』
そう答えたのはユウキの養祖父で名を
プラド・インストガリアと言う
答えが出ないこの話に飽きたのか
『本を読むのも良いけど早く外で稽古を付けてくれよ、早く爺さんから一本取って世界を旅する許可をくれ』
『ユウキ、まだそんな事言ってるおるのか?
人であって魔法の使い方もわからず精霊人でも、龍人族でもないおまえさんが旅に出れる訳なかろうに』
ユウキは本当に旅に出れると思ってないこの顔を見ると無性に腹が立って殴りたくなるが怒りに身を任せて殴りかかっても絶対勝てない事をわかっていた、なんせこの爺さん引退した身ではあるが龍人族の元騎士団長である
『だから爺さんに闘い方や型を教わってるんだろ!!』
『そうなのじゃがわしが教えられるのは龍人族としての闘い方や型、後は自分の身を守る為の武器の扱い方
強靭な爪や鱗、尾がないおまえさんに教えた所で完全に生かしきれておらんじゃろ』
ぐうの音も出ない正論に負けそうになったがここで負けたら旅に出れない
『でもじいさんが前に型は完璧なんだって言ってたじゃないか、だったらもっと経験を積めば良いって事なんじゃないのか?だから今日も外の森で待ってるから早く来てくれよ!!』
『確かに型は完璧なんじゃが龍人族としての強靭な身体能力が足りないのじゃ、ってもうこの家から出おってからに
それじゃ今日も身の程と言うものを馬鹿孫にわからせてやるかのぉ』