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*視線*

最初はただ見ているだけでよかった。

よかったのに…。

いつからだろうか妹で抜く様になったのは…。

そのたびに俺は妹を汚している。

わかってる。

わかってるけど…

俺は妹に恋をしている。

しかし妹の視線が俺に注がれる事はもうないだろう。俺は過ちを犯した。

どうしても押さえられなかったんだ!!

俺は世界でたった一人の妹を最愛の人を犯してしまったんだ……。





歯止めが効かなかった。

奈緒の泣き顔を見ても辞めてやれなかった…。

むしろさらに欲情した。

大切な大切な妹だったのに…。

その日を境に奈緒の視線が俺に注がれる事は無くなった………。

『自業自得』

そうかもしれない…。

でもこうでもしなきゃ奈緒は他の男のものになっていただろ?

耐えられなかった…。

俺はこんなにも奈緒が好きなのにどうして妹というだけで諦めなければならないのだろう。

最愛の人が妹だった…。

ただそれだけなのに……。

許されることのない恋だってわかってたよ。

でも妹の視線がアイツに向いた時胸をナイフでえぐられた様に痛かったんだ。

小さい時。

俺達は本当に仲が良かった。

泣き虫な奈緒を3つ年上の俺は泣き止むまで頭を撫でて一緒にいてやったんだ。転んでビービー赤ん坊の様に泣く奈緒を家まで負んぶして帰ったこともあったっけ。

いつも俺がいないとなんも出来ない奈緒を見て俺は可愛いと思ったんだ。

奈緒の事は俺が一番知ってる。

アイツなんか奈緒の事もなにも知らないくせに……。


違う!!

怖かったんだ。

奈緒を取られる気がして。奈緒は俺の妹でそれは揺るぎない真実で…認めるのが怖かった。

兄ぢゃ奈緒を手には入れられないから。

神様…せめて俺が兄ぢゃなかったら奈緒が妹ぢゃなかったらこんなに罪悪感に見回れる事は無かったと思ってもいいですか?

この後ろめたさが少しでも薄らいでいたと思ってもいいですか?


今日も奈緒の視線を得る事は出来なかった。

もう兄としても失望されてしまっているだろう。

俺は奈緒を忘れるために女を抱いた…。

何人もの女を抱いた。

抱いても抱いても満たされない心。

抱いても抱いても満たされない体。

この体が心が欲しているのは…奈緒。お前だけだよ。お前の目に写っていたのは兄の俺で、分からしてやりたかったんだ。

俺も奈緒。お前の事を愛している男の一人なんだと。




ごめん。

もう遅いけど、謝って済む事でもないけれど、奈緒。好きになってごめんな。


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