1/1
三女 大川明音
私は、所謂大家族の真ん中。三女だ。
25才の長兄を筆頭に、22の長女、二十歳の次女、17の私、15の次男、11の三男、8歳の末妹の7人兄弟の三女に位置する。
父親は寡黙で少し気難しいところがあるが、いつも家で私達兄弟を見守っている。
兄弟を見守っているといっても、長兄と長女は既に家を出て独り立ちしているので、家で生活しているのは、両親と私を含む兄弟七人だ。
母は忙しく、夜も昼もなくパートに出ていて余り家にいる記憶がない。
従って家事は、次女と私が切り盛りしている。
少し大所帯ではあるが、賑やかで普通の家庭と何ら変わりないと思う。
いや、この時はそう思っていた。