強烈!マグロとチョコのハーモニー(笑
シーンと静まり返った部屋、『セーブしますか? YES・NO』がずっと出ているテレビ画面。
そして、音也。
・・・・、静かに寝息をたてて寝ている。
俺の太ももを枕の代わりにして。
くそっ、なんで音也の寝顔はこんなに可愛いんだ・・・。
何気なく頭を撫でると
髪が柔らかくてさわり心地がいい。
(音也が女子だったらよかったんだけどなぁ、もったいない奴め)
なんて事言えねぇわ。
かれこれ音也は俺の太ももの上で30分くらい寝ている。
うーん、気まずい。
何となくだが、視線を感じる気がしてなお気まずい。
早く、起きてくれないかなぁ・・・・。
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「和喜~」
「なんだ~?」
「かぁずぅきぃ」
「・・、何だよ」
子犬の様な笑顔を向けて、やけに上機嫌な音也。
「あのさぁ、ジュースと間違えてビール飲んじゃったぁ♪」
え。
ビール・・。
「なんかぁ、《強烈!!マグロとチョコのハーモニー》って書いてある缶が置いてあったから何だろうと思って飲んだんだけど・・」
その、《強烈!!マグロとチョコのハーモニー》で気づくよね?
絶対気づくよねぇ??
飲んだらヤバイ事になるぐらいわかるよねぇ?!おい!!
グデングデンに酔ってしまったらしい音也は俺を後ろから抱きしめる。
「ん~・・、和喜良い匂い・・」
「お前なぁ、それは彼女さんができたときに、彼女に言ってあげなさい」
ドサリ。
そのまま寝てしまったらしく
前に倒れる音也。
スゥスゥと寝息をたてて。
仕方なくソファに運んだ。
疲れたので音也の隣に座ると、音也がモゾモゾと動いて俺の太ももに。
いわゆるアレではないか。
「膝枕・・////」
っと、危ない危ない。
後ちょっとで音也に惚れ・・ゲホゲホッ
みとれるところだった。
あ、今のでごまかせてる、かな・・。
にしても困った。
音也の可愛い寝顔を見れるのはいいが、ずっとこのままっていうわけにもいかない。
できれば早く起きて欲しい
お願いだから。
ほんと、お願い起きて。
「可愛い寝顔ですね~♪♪まるで女の子みたいです」
シーンとしている中で響く高い声。
今、何か聞こえたような・・。
見渡したところで俺と音也しかいないし・・?
姉ちゃんかな?
いや、でも姉ちゃんはもっと声低いし。
空耳だろう、きっと。
また音也の頭を撫でていると
「ふふっ、ニートさんはそんなにパートナーのことが好きなんですね?」
なんて声が。
・・・ゆー・・れー?
いやいやっ、俺の部屋に幽霊という二文字の怖いものは存在しない、はずだっ!
てゆーか、今『ニート』って?
さっきから?が出っ放しだ。
「んも~、ニートさんってば、ココですよ~」
なんて、アニメでよくあるような台詞。
「ここだってばぁ!・・ぐすっ、なんで、気づいてくれないんですかぁ・・」
幽霊さん、何だか泣いている模様。
テレビから出る光が強くなった気がして振り向くと。
セーブ画面が消えて
スライム少女が泣いていた。
うそぉん・・・。
「私はここですよぉ、パートナーばっかりでっ、ひっくっ・・ぐすっ・・かまってくれないなんてぇ・・・」
手で涙、をぬぐっているスライム少女。
「ご、ごめん」
思わず反射的に出た言葉。
すると、スライム少女は
「ふぇぇ・・ニートさぁぁぁん!気づいてくれたのですね~、嬉しいです」
と、たちまち笑顔に。
もしかしてだけど
会話、なりたっちゃってないか?
スライム少女と俺、会話してないか!?
テレビ画面越しで会話が!
でも、だって、そんな!!
嘘、だろ・・・・・・・・・・・・・。
和喜、音也起こしてあげればよかったんですけどねぇ・・、可愛すぎて起こす事ができにゃかったかw