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TCG バトル・ガーディアンズ  作者: あんころもちDX
第2章・全国大会編
46/66

BATTLE:033【鬼と巨人のコラボレーション】

 この話からフォースの個数を示す表示を追加しました。

【▽】このマークは未使用のフォース、【▼】このマークは使用済みのフォースをそれぞれ示しています。

 例えば、4つあるフォースの内3つを使用した場合、


【人物名】

Force【▼▼▼▽】


↑このように表記されます。


 あと、友人からのリクエストでこの作品にも魔法カードのようなサポートカードを登場させてくれという要望があったので【スペルカード】というものがこの話から登場します。


 また、超人カットマンさんが投稿して下さったキャラクター【辰凪 ココロ】ちゃんが少しだけゲストとして登場します。

 1回戦が終わり、イクサとカイトは束の間の休息を楽しんでいた。


「まずは一勝、だな」


「うん。でも、まだあと2回勝たなきゃいけないわけだし」


「大丈夫だって。俺とイクサは何度もタッグを組んでるんだ。コンビネーションなら並みのカードマスターに負けねえって」


「そういう慢心が命取りになるんだよ」


「はいはい、相変わらずイクサは真面目だなぁ」


「カイトが大雑把すぎるんだよ……」


「ええー、そうか?」




「アホ面なのは変わらねえな、戦宮カイト」


「…………え?」


 声のした方へとカイトが顔を向けると、そこには意外な人物が立っていた。

 その人物に、イクサも目を見開く。


「あ、貴方は……」


「よ、久しぶりだな聖野イクサ」


 意外な人物、それは、阿久麻学園の鬼塚キシンだった。


「っていうか、鬼塚! アホ面って俺のことかぁ? ああ!?」


「お前以外に誰がいるって言うんだよ」


「んだと?!」


「なんだよ」


「ちょ、ちょっと二人とも!」


 一触即発なカイトとキシンの間に入り、イクサは二人を制止させる。そこでふと、疑問を覚える。


「ってあれ? なんでカードタウンに鬼塚さんが?」


「ん? ああ、そりゃあ勿論―――」



「―――敗者復活の資格を得るためです」


 そこへ阿久麻学園の巨人の司令塔である極道前ギンカクがやってきた。

 イクサとカイトは茫然とした表情を互いに浮かべる。


「敗者復活ってことは……」


「じゃあ、俺達と同じで……って、阿久麻学園は東京だからわざわざ神奈川まで来るのは手間なんじゃ」


「俺達がわざわざこのカードタウンを選んだのは、キミ達が理由ですよ」


「俺達?」


 イクサは首を傾げる。


「ええ。全国大会本選に行くなら、やはりキミ達とのリベンジがどうしてもしたくてね」


「そのために、ここまで来たって言うんですか?」


「勿論。さっきの試合もちゃんと見てましたよ、タッグバトルのルールを利用した戦術、見事でしたよ」


「いや、そんな」


「順調に勝ち上がれば、いずれバトルする機会が来るでしょう。その時は、互いに最高のバトルをしましょう」


「はい!」


 ギンカクとイクサは握手を交わす。一方で


「また一捻りで倒してやるよ、鬼塚!」


「ああ? ギリギリで勝てた奴がよくそんな口を叩けるなぁおい」


「勝ちは勝ちだろうが」


「そもそもお前、ワールド・バトル・ボードじゃ俺に負けてたじゃねえか」


「へっへーん、最後に勝てたんだからいいんだよ!」


「ああそうかよ……じゃあ今回は俺が勝たせてもらうぜ」


「そうは問屋が卸すかよ!」



「あの二人、懲りないな……」


「あれはあれで、仲が良いんですかね?」


 「はあ」と溜め息を漏らして呆れるギンカクと、「あはは」と乾いた笑い声をあげるイクサ。

 すると、カズノリがギンカクとイクサの元にやってきた。


「ああ、二人とも。ずっと探してましたよ」


「どうしたんですか、前田店長?」


「はい。実はさっき、二組のタッグチームが棄権しましてね」


「棄権?」


「ええ。なんでも、どちらも相手が予選大会を準決勝まで行ったメンバーだと知った瞬間、逃げちゃいましてね」


 カズノリの言葉を聞いたギンカクは「つまり、次の俺達の相手は……」と呟き、カズノリはそれを肯定する。


「はい、それぞれの対戦相手がいなくなってしまったので決勝戦はギンカクさんとキシンさんのペア、イクサくんとカイトくんのペアでの対戦になりましたので、それを伝えに来ました」


「なっ……」


 イクサは思わず驚愕の声をあげる。


「俺達と、極道前さん達で決勝……?」


「「ん?」」


 イクサの言葉を聞いたカイトとキシンは互いに顔を見合わせる。


「へっ、丁度いいじゃねえか」


「だな、ここで決着を着けるぜ」


 カイトとキシンの様子を見て、カズノリはフフと微笑む。


「二人とも、気合い十分のようですね。では、試合は30分後に始めますので」


「わざわざ報告に来て下さり、誠にありがとうございます」


「はい。決勝戦、とても楽しみしていますよ」


 そう言うと、カズノリは他のバトルのジャッジに戻って行った。


「聖野イクサくん、そういうことですから、互いに最高のバトルをしましょう。このバトルに勝った方が、全国大会本選へと出場する資格を得ます」


「はい」


「それでは、また後ほど」


 ギンカクとキシンが立ち去り、イクサとカイトが場に残る。


「決勝戦……」


「それにしても、まさか2チームが同時に棄権なんて。ラッキーっていうか不気味っていうか」




☆☆☆☆☆



「フフフ、おもろいことになりそうやな」


「……ミコトの考えることは分からない」


「オレに言わせれば、無表情なココロちゃんの方が何考えてるか分からんけどな」


 青年『雲永 ミコト』と少女『辰凪 ココロ』がカードタウンの前で会話していた。


「棄権なんて、する必要なかった」


「まあまあ、そう言わんといて。オレ達の学園は既に本選へと進んでんやから、これは暇潰しみたいなもんやし。それになんていったって、イクサくんたちには何としても全国大会に行ってもらわんとなぁ……おっと」


 ミコトの携帯が鳴り、通話ボタンを押す。


「はいはい、もしもし。ああ、アイズさん。ええ、思わぬところで収穫がありましてね、はい。あとは彼らの実力次第と言ったところでしょうなぁ、オレとココロちゃんがわざわざ棄権したんですから、できれば勝ってほしいところですね。それじゃあ、学園へ帰還します」


 通話ボタンを切り、ミコトはココロに向かって言う。


「ほな、もう帰ろうか、ココロちゃん」


「……うん」


 孤高学園所属であるミコトとココロはその場を去った。




☆☆☆☆☆☆



〈さて、ではこれより極道前ギンカクくんと鬼塚キシンくんペアと聖野イクサくんと戦宮カイトくんペアでの決勝戦を開始したいと思います!〉


 ショップ大会決勝戦。

 テーブルを挟み、二組のタッグチームが揃う。


〈それでは行きますよ! ダァァァイス!!〉



「「「「セット!!」」」」



 先攻はイクサとカイトのチームである。


「ドローフェイズ、ドロー! チャージフェイズ、フォースチャージして追加ドロー!」


「同じくドロー! フォースチャージして追加ドローだぜ!」


【イクサ&カイト】

Force【▽▽】


 デッキからカードを手札に加え、召喚するカードを選択する。


「手札からミクロナイトのポテンシャルアビリティを発動!」



【カオス・ミクロナイト】

【ポテンシャルアビリティ】

【永】

 ┗あなたのアタックゾーンに【カオストライブ】のガーディアンがいないなら、手札のこのカードはSF【0】として扱う。


「この効果により、カオス・ミクロナイトをノーコストで召喚(サモン)!」



【カオス・ミクロナイト】

SF【1】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【カオス】

DG【0】

LP【1500】



「カイト!」


「ああ!」


 カイトは手札からカードを選択する。


「俺は手札からアタックガーディアン【ディヴァイン・ストーム】を召喚(サモン)だ!」



【ディヴァイン・ストーム】

SF【0】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【ディヴァイン】

DG【0】

LP【500】



「さらに手札からポテンシャルアビリティを発動!」


【ディヴァイン・ウィザード】

【永】

 ┗自分フィールド上にガーディアンカードが2枚存在する場合、このカードは召喚制限を受けずに召喚できる。



「よって、召喚制限を無視してフォースを2枚消費して、アタックガーディアン【ディヴァイン・ウィザード】を召喚(サモン)!」


 イクサとカイトのチャージゾーンに表状態で置かれた計2枚のフォースを裏返し、カイトは新たなガーディアンを召喚する。


【ディヴァイン・ウィザード】

SF【2】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【ディヴァイン】

DG【0】

Tr【ディヴァイン】


【イクサ&カイト】

Force【▼▼】



「これで俺達のターンは終了だぜ!」


 カイトのターンエンド宣言によって、ギンカクとキシンのターンに移行する。


「俺達のターンですね。ドローフェイズ、ドロー! フォースチャージし、追加ドローを選択!」


「同じくドロー! んじゃ部長、俺は追加チャージを選択しますよ!」


 ギンカクはデッキからさらに1枚ドローし、キシンは自分の手札からカードを1枚選んでさらにチャージした。

 これで、ギンカク達のチャージゾーンにはフォースが3枚。


【ギンカク&キシン】

Force【▽▽▽】


 キシンは手札からカードを選択する。


「フォースを1枚消費し、手札からアタックガーディアン【オーガ・サルベイジャー】を召喚(サモン)!!」


【オーガ・サルベイジャー】

SF【1】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【オーガ】

DG【0】

LP【1000】


【ギンカク&キシン】

Force【▼▽▽】


「部長、サルベイジャーの効果をどうぞ」


「ああ。サルベイジャーのポテンシャルアビリティ発動!」


 サルベイジャーの効果発動をギンカクが宣言した。

 その行為に、イクサは目を見開く。


「そんな、鬼塚さんのカードの効果を極道前さんが使用するなんて……」


「何も驚くようなことはありませんよ。聖野くん、これは貴方も使った戦術ですよ?」


「俺が使った、戦術?」


「そう、タッグプレイヤー同士のアタックガーディアンとアシストガーディアンは共有される。先程の試合で貴方が披露した戦術と同じですよ。よって、俺がキシンのオーガ・サルベイジャーの効果を使用することは可能ということです」


「なるほど……」



【オーガ・サルベイジャー】

【ポテンシャルアビリティ】

【自】(このカードのアピアステップ時)

 ┗あなたは自分の手札からカードを1枚選んでジャンクゾーンに送り、自分の山札からアシストガーディアンとスペルカードをそれぞれ1枚ずつ選んで手札に加える。その後、その山札をシャッフルする。



「サルベイジャーの効果により、俺は手札のカード1枚を捨て、デッキからアシストガーディアンとスペルカードを手札に1枚ずつ加えます」


「スペルカード?」


「ええ。今回の新弾で追加された新たなサポートカードです。カウンターカードがカウンターステップ時にしか発動できないのに対し、スペルカードは自分のターン限定ですが、セットフェイズ中の任意のタイミングに発動させることができるのです」


「そんなカードが追加されてたなんて……」


「では、俺は手札からスペルカード【フィールド・クリエイト】を発動! その効果により、俺はデッキからドメインカードを1枚選んで手札に加える!」


【フィールド・クリエイト】

SP【1】

【ノーマルスペル】

【起】(COST:手札のこのカードをジャンクゾーンに送る)

 ┗あなたは自分の山札からドメインカードを1枚まで選び、自分の手札に加える。その後、その山札をシャッフルする。



 ギンカクはデッキからドメインカードを1枚選び、自分の手札に加えてデッキをシャッフルする。


「俺はフィールド・クリエイトの効果で手札に加えたこのカード【マグネティック・ギガントマキア】をセット!」


 ギンカクのドメインゾーンにドメインカードが置かれる。


【マグネティック・ギガントマキア】


「そして、俺はフォースを1枚消費して手札からアタックガーディアン【ギガント・マーチ】を召喚(サモン)!」



【ギガント・マーチ】

SF【1】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【ギガント】

DG【0】

LP【2500】


【ギンカク&キシン】

Force【▼▼▽】


「キシン」


「分かってますとも! ギガント・マーチのポテンシャルアビリティを発動!」


【ギガント・マーチ】

【ポテンシャルアビリティ】

【自】(このカードのアピアステップ時)

 ┗あなたは自分の手札からカードを1枚選んでジャンクゾーンに送り、自分の山札からアシストガーディアンを2枚まで選んで手札に加える。その後、その山札をシャッフルする。



「ポテンシャルアビリティにより、俺はハンドを1枚切ってデッキからアシストガーディアンを2枚選んで手札に加える! そして手札からアシストガーディアン【鬼神器 オーガ・ソード】を召喚(サモン)!」


【鬼神器 オーガ・ソード】

SF【0】

GT【ノーマル/アシスト】

Tr【オーガ】

DG【0】

LP【100】



 オーガ・ソードの姿を見たカイトは思わず顔を歪める。


「鬼神器ってことは……」


「そうだ、オーガ・サルベイジャーのトライブアビリティ発動! 涙の怒り(ティアーズ・レイジ)!!」



【オーガ・サルベイジャー】

【トライブアビリティ】

【起】(COST:無し)

 ┗この効果は1ターンに一度しか発動できない。あなたのターンのバトルフェイズ中に発生するダメージ量を2倍にする。その後、このターンのエンドフェイズ時にこのガーディアンは【弱体化】し、あなたは自分の山札からカードを1枚ドローする。



「行くぜ、戦宮! ダイスステップだ!」


 キシンは自分のサイコロを手に持ち、勢いよく振った。

 出た目は【3】


【オーガ・サルベイジャー】

【1】【3】……相手のアタックガーディアンに100ダメージを与える。その後、あなたは自分の山札からカードを1枚ドローする。

【4】【6】……相手の手札を1枚選び、ジャンクゾーンに送る。



「フォースを1枚消費してバトルフェイズ!」


【ギンカク&キシン】

Force【▼▼▼】


「トライブアビリティによってダメージ量は2倍になっている。よって、カオス・ミクロナイトに200のダメージを与える! そして1ドロー!」


「っ!!」


【カオス・ミクロナイト】

DG【0→200】

LP【1500→1300】



「エンドフェイズ時、オーガ・サルベイジャーは弱体化し、俺はデッキからカードを1枚ドローする」


「弱体化したってことは……」


 カイトの言葉に、キシンはニヤリと笑う。


「そうだ、オーガ・ソードのアシストアビリティを発動させる!」


【鬼神器 オーガ・ソード】

【アシストアビリティ】

【自】(エンドフェイズ時)

 ┗このカードをジャンクゾーンに送る。そうしたら、あなたの【オーガトライブ】のガーディアンを1枚まで選んで【弱体化】を解除し、さらに相手は自分の手札を1枚選んでジャンクゾーンに送る。


「さあ、手札を1枚捨ててもらおうか!」


「イクサ、ここは俺が1枚捨てるぜ」


 カイトは自分の手札を1枚選んでジャンクゾーンに置いた。

 次の瞬間、カイトは笑う。


「今、ジャンクゾーンに送られたガーディアンカード【聖なる踊姫】のポテンシャルアビリティ発動するぜ!」


「なにっ?!」



【聖なる踊姫】

【ポテンシャルアビリティ】

【自】(このカードが相手のカード効果によって手札からジャンクゾーンに送られた時)

 ┗あなたは相手フィールド上のガーディアンカード1枚を選んで【弱体化】させる。


「弱体化させるのは当然、オーガ・サルベイジャーだ!」


「っ……」


【オーガ・サルベイジャー】

【弱体化】


「カイト、上手い!」


「へっへーん! 1回戦ったことある相手なんだ。そうそう遅れは取らせねえよ!」


 イクサと喜び合うカイトを見ながら、キシンは「くくく」と笑う。


「戦宮、今はタッグバトルなんだ。そう簡単に差は開かせないぜ。俺達はこれでターンエンドだ!」


「へっ、負け惜しみは見苦しいぜ! 俺達のターン、ドロー! フォースチャージしめ追加ドロー!」


「ドローしてフォースチャージ! 俺も追加ドローを選択!」



【イクサ&カイト】

Force【▽▽▽▽】


 イクサはフォースを2枚裏返す。


「フォースを2枚消費してアシストガーディアン【カオス・巫女・ナイト】を召喚(サモン)!」


【カオス・巫女・ナイト】

SF【2】

GT【ノーマル/アシスト】

Tr【カオス】

DG【0】

LP【1700】


【イクサ&カイト】

Force【▼▼▽▽】


「さらに、手札からポテンシャルアビリティ発動!」


【カオス・ロアー】

【ポテンシャルアビリティ】

【永】

 ┗自分フィールド上のアタックガーディアンに【カオストライブ】のカードがあるなら、手札のこのカードをSF【1】として扱う。



「よって、フォースを1枚消費して召喚(サモン)!」


【カオス・ロアー】

SF【2】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【カオス】

DG【200】

LP【2500→2300】


【イクサ&カイト】

Force【▼▼▼▽】


「カオス・ロアーのトライブアビリティ発動! 魂の継承(ソウルサクシード)!!」


【カオス・ロアー】

【永】

 ┗【カオストライブ】のガーディアンを召喚した時、前のガーディアンはアピアステップ時にアンダーカードとなり、このガーディアンの下に置かれる。このガーディアンは、アンダーカードの効果を全て受け継ぐ。



「よって、ロアーはミクロナイトの効果を受け継ぐ!」


「よし、イクサ。あとは俺に任せろ!」


 カイトは手にサイコロを持って思いっきり振った。


「ダイスステップだ!」


 サイコロの目は【1】


【ディヴァイン・ウィザード】

【1】【3】……相手のアタックガーディアンに500のダメージを与える。

【4】【6】……相手のデッキからカードを5枚、ジャンクゾーンに送る。

【2】【5】……自分の手札をランダムに2枚、ジャンクゾーンに送る。


「よし、フォースを1枚消費してバトルフェイズ!」


【イクサ&カイト】

Force【▼▼▼▼】


「よって、俺はオーガ・サルベイジャーにダメージを与え――」


「そうはいきませんよ」


「え?!」


 ギンカクの言葉にカイトを驚愕の声をあげる。

 ディヴァイン・ウィザードはオーガ・サルベイジャーへの攻撃を中断した。いや、正確には身体が動かないと言った方が正しいか。


「な、なんで……」


「俺のドメインカード【マグネティック・ギガントマキア】がある限り、貴方達二人の攻撃の矛先は俺のギガントトライブにへと向けられる」


【マグネティック・ギガントマキア】

【ドメイン】

【永】

 ┗このカードがドメインゾーンに存在する限り、相手が発動させたダメージ効果の対象は全て【ギガントトライブ】のガーディアンカードに変更される。


「よってキミ達の攻撃は、磁石に引き寄せられる金属のように、俺のガーディアンを攻撃するしかないのです」


「そして戦宮、俺と部長のコンビネーションはこんなものじゃないぜ。カウンターステップ時、手札からカウンターカード【ウィーク・ターン】を発動!」


【ウィーク・ターン】

Force【0】

【カウンター】

【自】(カウンターステップ時)

 ┗あなたのアタックゾーンに【弱体化】しているアタックガーディアンがいる場合にのみ発動できる。あなたは自分の手札を1枚選んでジャンクゾーンに送り、あなたのガーディアンの【弱体化】を解除する。そうしたら、あなたはフィールドのガーディアンを1枚まで選んで【弱体化】させる。



「よって、俺はサルベイジャーの弱体化を解除し、部長のギガント・マーチを弱体化させる!」


【ギガント・マーチ】

【弱体化】


 ディヴァイン・ウィザードの攻撃が、弱体化しているギガント・マーチに向かう。


「そんな! ってことは」


 カイトは恐る恐るギンカクの方を見る。ギンカクはニッコリと笑いながら効果の発動を宣言する。


「ギガント・マーチのトライブアビリティ発動! 鉄壁防御(メタリック・イージス)!!」


【ギガント・マーチ】

【トライブアビリティ】

【自】(このカードがダメージ効果の対象となった時)

 ┗この効果はこのカードが【弱体化】している場合にのみ発動できる。このターン、このカードが受けるダメージ量は半分になり、このカードが受けたダメージ量の分だけ相手のアタックガーディアンにもダメージを与える。



「よって、ギガント・マーチが受けるダメージは500、そのダメージをディヴァイン・ウィザード自身にも与えます!」


「っ、巫女ナイトのカウンターアビリティを発動!」


 イクサは咄嗟に巫女ナイトのカウンターアビリティの発動を宣言した。全国大会予選の準決勝でギンカクと戦ったイクサは、ギガントトライブに対してライフ差を生むのはマズイと判断したからだ。


【カオス・巫女・ナイト】

【カウンターアビリティ】

【自】(カウンターステップ時)

 ┗1ターンに一度、自分のアタックガーディアンに与えられるダメージ効果をこのカードに変更できる。ただし、ダメージ効果の対象がこのカードである場合、この効果は発動できない。



「よって、ディヴァイン・ウィザードが受けるダメージは巫女ナイトが代わりに受ける!」


【ギガント・マーチ】

DG【0→500】

LP【2500→2000】


【カオス・巫女・ナイト】

DG【0→500】

LP【1700→1200】


「イクサ、サンキュー」


「いや、これはただのその場しのぎに過ぎないから、まだまだ安心できないよ」


「ああ、だな」


 イクサとカイトはギンカクとキシンを見つめる。

 両者とも、イクサとカイトがそれぞれ準決勝で戦った相手。準決勝では勝てたが、両者共にカードマスターとしてトップクラスの実力の持ち主、今その二人の力が合わさったことで、イクサ達は窮地に立たされている。

 最強の攻撃力を誇るオーガトライブと最強の防御力を誇るギガントトライブ。

 鬼と巨人のコラボレーションに、イクサとカイトは戦慄を感じた。

 また長くなると感じたので、今回はここまで。続きは次回に。


【次回予告】


 オーガトライブの強靭的な火力、そして全ての攻撃がギガントトライブに向かうことで発生する圧倒的な防御力。

 この史上最悪の組み合わせを、イクサとカイトはどのように崩すのか。


 次回、【2対の装着騎士】

 お楽しみに。


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