BATTLE:026【準決勝戦の行方・後編】
新年一発目の投稿です。
ついに、準決勝戦も決着です。
では、どうぞ。
現在、フィールド状況。
ギンカクのフィールド。
チャージゾーン:3枚
【アタックゾーン】
【ギガント・ガードナー】
DG【1000】
LP【2500】
【アシストゾーン】
【沈黙召喚したガーディアン】
一方、イクサのフィールド。
チャージゾーン:3枚
【アタックゾーン】
【カオス・ロアー(カオス・ベビーナイトの能力を継承)】
DG【-500】
LP【3000】
【アシストゾーン】
【カオス・巫女・ナイト(カオス・キャノンとカオス・チャージャーの能力を継承)】
そして、ターンはギンカクに移行する。
「俺のターン……メインデッキからドローし、フォースチャージ。さらにドローします」
チャージゾーンのフォースを3枚裏返す。
「フォースを3枚消費し、アタックガーディアン【ギガント・ビルダー】を召喚!!」
【ギガント・ビルダー】
SF【3】
Tr【ギガント】
GT【ノーマル/アタック】
DG【1000】
LP【4500→3500】
「ダイスステップ!」
ギンカクのサイコロの目は、5
【ギガント・ビルダー】
【1】【3】……相手のアタックガーディアンに600ダメージを与える。
攻撃は不発。
よって、ギガント・ビルダーは弱体化する。
【ギガント・ビルダー】
【弱体化】
「ターンエンドだ」
「俺のターン、メインデッキからドロー!」
続いて、イクサのターンだ。
「フォースチャージして、さらに追加ドロー!」
相手のアタックガーディアンは弱体化している。
つまり、ギガントトライブのトライブアビリティを発動させるための条件を満たしているということになる。
よって、カードは慎重に選ばなければならない。
「フォースを3枚消費! 現れろ、俺の新しい仲間!! 【カオス・アドベンダー】を召喚!!」
【カオス・アドベンダー】
SF【3】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【カオス】
DG【-500】
LP【4000→4500】
「トライブアビリティ発動! 魂の継承!!」
【カオス・アドベンダー】
【トライブアビリティ】
【永】
┗【カオストライブ】のガーディアンを召喚した時、前のガーディアンはアピアステップ時にアンダーカードとなり、このガーディアンの下に置かれる。このガーディアンは、アンダーカードの効果を全て受け継ぐ。
「よって、ベビーナイトとロアーの能力を受け継ぐ!」
2体のガーディアンの能力が受け継がれた。
「さらに、アドベンダーのポテンシャルアビリティ発動!」
【カオス・アドベンダー】
【ポテンシャルアビリティ】
【起】(COST:無し)
┗あなたは自分の山札の上からカードを3枚めくって確認し、その中からカードを1枚まで選び、このカードのアンダーカードとする。残りのカードは山札に戻し、シャッフルする。
「3枚を閲覧し、カードを1枚選んでアドベンダーの下に置く」
下に置かれたカードの能力は、アドベンダーにへと受け継がれる。
「そして、カオス・巫女・ナイトに受け継がれたカオス・キャノンのアシストアビリティを発動する!」
【カオス・キャノン】
【アシストアビリティ】
【自】(セットフェイズ終了時)
┗このターン、あなたはダイスステップをスキップしてバトルフェイズを開始する。相手のアタックガーディアンにXダメージ与える。(Xは、あなたの【カオストライブ】のアタックガーディアンのSF×500)
「アドベンダーのSFは3。さらに、ギガント・ビルダーは弱体化しているので、3000ダメージを与える!」
「フッ、今回は大人しく喰らうつもりはないですよ! トライブアビリティ鉄壁防御発動!!」
【ギガント・ビルダー】
【トライブアビリティ】
【自】(相手がダメージ効果を発動した時)
┗この効果は、このカードが【弱体化】している場合にのみ発動できる。このターン、このカードが受けるダメージは半分になり、このカードが受けたダメージを相手のアタックガーディアンにも与える。その後、あなたは自分の山札からカードを2枚ドローする。
「よって、ビルダーが受けるダメージは1500となり、そのダメージをカオス・アドベンダーにも与える!」
「そうはさせない! カオス・巫女・ナイトのカウンターアビリティ発動!」
【カオス・巫女・ナイト】
【カウンターアビリティ】
【自】(カウンターステップ時)
┗1ターンに一度、自分のアタックガーディアンに与えられるダメージ効果をこのカードに変更できる。ただし、ダメージ効果の対象がこのカードである場合、この効果は発動できない。
「よって、1500のダメージは巫女ナイトに向けられる!」
「なにっ!?」
【カオス・巫女・ナイト】
DG【0→1500】
LP【1700→200】
【ギガント・ビルダー】
DG【1000→2500】
LP【3500→2000】
カオス・アドベンダーのLPは4500、ギガント・ビルダーのLPは2000。
ついに、ライフ差を2500にまで引き離すことに成功したのだ。
イクサは、思わずガッツポーズを取る。
その様子に、ギンカクも笑みを溢す。
「まさか、ここまでやるとは……」
「俺は、これでターンエンド」
「俺のターンですね。メインデッキからドローし、フォースチャージ。さらにドローします」
ギンカクはカードを確認する。
「なるほど。やはり、そろそろ認識を改めなければいけないようですね」
確認したカードを手札に加えた。
「キミは、決して弱者ではない。むしろ強者だ。故に、俺も最大限の戦略を持って相手しましょう! 現れろ、巨人の嵐!! フォースを5枚消費して【ギガント・タイフーン】を召喚!!」
【ギガント・タイフーン】
SF【5】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【ギガント】
DG【2500】
LP【7000→4500】
「ギガント・タイフーンのポテンシャルアビリティ発動!」
【ギガント・タイフーン】
【ポテンシャルアビリティ】
【自】(このカードのアピアステップ時)
┗相手フィールド上のアタックゾーンとアシストゾーンに存在する全てのガーディアンに1000ダメージを与える。この効果で相手のガーディアンがジャンクゾーンに送られた場合、あなたの手札のガーディアンカードを1枚まで選んでチャージゾーンに置き、このカードのLPをXリペアする。(Xは、このカードの効果でチャージゾーンに置かれたカードのSF×800)
「よって、キミの2体のガーディアンに1000ダメージを与える。敵を消し飛ばせ、ギガント・タイフーン!!」
「くっ!」
【カオス・アドベンダー】
DG【-500→500】
LP【4500→3500】
【カオス・巫女・ナイト】
DG【1500→2500】
LP【200→0】
LPが0になったことにより、巫女ナイトはジャンクゾーンに送られる。
「タイフーンの効果によってキミのガーディアンがジャンクゾーンに送られたことにより、俺は手札のガーディアンカード1枚をチャージゾーンに置く。置いたカードのSFは4。よって、タイフーンのLPは3200回復する!!」
【ギガント・タイフーン】
DG【2500→-700】
LP【4500→7700】
「ライフが一気に7700に……。でも、カオス・巫女・ナイトのアシストアビリティと、受け継がれていたカオス・チャージャーのポテンシャルアビリティを発動する!」
【カオス・チャージャー】
【ポテンシャルアビリティ】
【自】(このカードがジャンクゾーンに送られた時)
┗あなたは自分のの山札から【カオストライブ】のカードを2枚選び、表状態でチャージゾーンに置く。
【カオス・巫女・ナイト】
【アシストアビリティ】
【自】(このカードがアシストゾーンからジャンクゾーンに送られた時)
┗この効果は、あなたのチャージゾーンのフォースが5枚以上なら発動できる。フォースを2枚消費し、あなたの山札から【カオス・ナイト】をフォースを消費せずに召喚する。
まずカオス・チャージャーの効果を先に発動させ、イクサのチャージゾーンにカードが2枚置く。
元々4枚置かれていたチャージゾーンにカードが2枚置かれたことで合計6枚となったため、次にカオス・巫女・ナイトの効果を発動させる。
「フォースを2枚消費し、デッキから【カオス・ナイト】を召喚!!」
【カオス・ナイト】
SF【5】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【カオス】
DG【500】
LP【6000→5500】
「魂の継承により、カオス・ナイトは下に置かれた全てのカードの効果を受け継ぐ。そして、カオス・ナイトのポテンシャルトアビリティ発動!」
【カオス・ナイト】
【ポテンシャルアビリティ】
【自】(このカードが【カオス・巫女・ナイト】の効果によって召喚された時)
┗相手のガーディアンを1体まで選択し、2000のダメージを与える。
「よって、ギガント・タイフーンに2000ダメージを与える!」
「っ!?」
【ギガント・タイフーン】
DG【-700→1300】
LP【7700→5700】
現在、カオス・ナイトのLPは5500、ギガント・タイフーンのLPは5700。
わずか1ターンで、2500あったライフ差があっという間に200にまで縮まった。
互いのガーディアンの能力を駆使して行われる戦いに、二人の間で緊張が走る。
気を抜いたら、一気に引き離される。そう思いながら。
しかし一方で、二人とも笑っている。
互いに小さく笑う。
「聖野イクサくん……と言ったね」
「はい」
「そうか。じゃあ、イクサくん……キミは強いカードマスターです。キミのことを侮っていた自分が、とても恥ずかしくなってしまうほどに」
「そんなことないですよ。あなたの方が、俺よりも余程強い。現に、あなたは程よくダメージをコントロールしてる。……正直言うと、俺はあなたの掌で踊らされてる……そう思わずにはいられません」
「フフッ」
ギンカクはもう一度小さく笑う。
そして、自身のサイコロを掴む。
「この大会、俺を楽しませてくれるのは“彼”だけだと思っていましたが、どうやらとんでもない大穴を見落としていたのかもしれません」
静かにサイコロを落とす。
落ちたサイコロはクルクル回転する。
「あなた達を一番小馬鹿にしていたのはキシンではなく、他でもない俺自身だったようですね。――ですが」
サイコロの回転が止まり、目が確定する。
「勝ちを譲る気は毛頭ありません」
ギンカクのサイコロの目は、6。
【ギガント・タイフーン】
【1】【6】……次のあなたのターンのドローフェイズ開始時まで、このカードと相手のガーディアンはダメージ効果を発動できない。
「フォースを1枚消費し、バトルフェイズを開始。タイフーンのアタックアビリティ発動! 次の俺のターンのドローフェイズまで、タイフーンとキミのガーディアンは互いにダメージを与えることはできない!」
「だ、ダメージ効果が封じられた?!」
「次の俺のターンで決めさせてもらいますよ。ターンエンド」
「俺のターン、メインデッキからドロー!」
手札を確認する。
このターン、ギガント・タイフーンにダメージを与えることはできない。
「フォースチャージして、さらに追加ドロー!」
ドローしたカードを確認する。
(カオス・ドラゴン……か)
イクサはカオス・ドラゴンを見つめる。
このターン、カオス・ナイトは何もできない。
だったら、LPを上げておくことが先決だろう。
「俺はフォースを6枚消費して、召喚!! 現れろ、【守護龍 カオス・ドラゴン】!!」
【守護龍 カオス・ドラゴン】
SF【6】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【カオス】
DG【500】
LP【7000→6500】
カオス・ドラゴンの姿に、会場全体が騒然となる。
――お、おい……あれって……
――ああ、守護龍だ……守護龍のカードだ!!
――あれって実在したのか! てっきり都市伝説かと思ってたぜ!!
――すげぇ、まさか予選大会で守護龍を拝めるなんて!!
〈なんとなんと! 聖野選手、伝説の守護龍のカードを召喚したぞー!!〉
バトルマスター・レツも興奮を隠せないのか、今まで以上にハイテンションになっている。
「………」
ギンカクは一瞬だけ目を見開いたが、どこか納得したかのように何度も何度も頷く。
「そうか。やはりキミ“も”……守護龍に選ばれてたんですね」
「キミ……も? ってことは……」
「……さあ、まだキミのターンですよ? どうするんです?」
「俺は……これでターンエンド」
「なら、俺のターンです。メインデッキからドローし、フォースチャージ。そしてドロー」
ギンカクのチャージゾーンにはカードが7枚。
そしてアシストゾーンには沈黙召喚されて裏向きでセットされているカードが1枚。
この状況は、炉模工業高校で行われた練習試合の大将戦に極めて酷似している。
無意識に、イクサの身体全体が強張る。
「さあ、今こそ沈黙を解放する時です。出でよ、我が最強の下僕! 覚醒降臨! 【覚醒龍 ギガント・RE:LORD】!!」
【覚醒龍 ギガント・RE:LORD】
SF【7】
GT【ライズ/アタック】
Tr【ギガント】
DG【1300】
LP【9000→7700】
「ギガント・RE:LORDのサモンコンディションを適用!」
【覚醒龍 ギガント・RE:LORD】
【サモンコンディション】
┗このカードを手札から召喚する場合、裏状態であなたのアシストゾーンに召喚される。あなたのチャージゾーンのカードが7枚以上になった時にこのカードを表状態にしてあなたのアタックゾーンにフォースを消費しないで召喚する。
「よって、そのままアタックゾーンに召喚される」
「覚醒龍………」
再び、会場全体が騒然となる。
――おいおい、守護龍の次は覚醒龍かよ!!
――これホントに予選大会か?! レベル高すぎだろ!!
――お、おい……誰かカメラ無いか? ネットにアップしようぜ!!
〈守護龍VS覚醒龍! これはまさしく前代未聞の対決だぁぁぁぁ!! この場に立ち会えたことを、俺は神に感謝したい気分だぞ!!〉
バトルマスター・レツは、先程より一層興奮が増している。
しかし、対峙しているイクサは気が気でない。
覚醒龍は、イクサにとって越えなければならない過去のようなものだ。
「ギガント・RE:LORDのトライブアビリティ発動!! 鉄壁防御!」
「えっ?!」
イクサの表情が驚愕に染まる。
なぜなら、ギガントトライブはその性質上、相手の攻撃がトリガーとなって発動する能力だからだ。
【覚醒龍 ギガント・RE:LORD】
【トライブアビリティ】
┗あなたは1ターンに一度、どちらかの効果を発動できる。
・【起】(COST:自分の手札を3枚選び、ジャンクゾーンに送る)
┗フィールド上のアタックゾーンに存在する全てのガーディアンを【弱体化】させる。
・【自】(相手がダメージ効果を発動した時)
┗このカードが受けるダメージを半分にし、そのダメージを相手のガーディアンにも与える。
「手札を3枚捨て、カオス・ドラゴンとギガント・RE:LORDを弱体化させる!」
「っ?!」
【守護龍 カオス・ドラゴン】
【弱体化】
【覚醒龍 ギガント・RE:LORD】
【弱体化】
「さあ、ダイスステップ!」
ギンカクはサイコロを振る。
サイコロの目は、4。
【覚醒龍 ギガント・RE:LORD】
【1】【2】【3】【4】【5】【6】……相手のアタックガーディアンにXダメージを与える。(Xの値は、このカードのLP)
「フォースを1枚消費して、バトルフェイズ! ギガント・RE:LORDのLPは7700。そしてカオス・ドラゴンは弱体化しているので、15400ダメージを与えます!!」
「い、15400?!」
イクサは手札を見る。
手札を切る。
「手札のプリベントアビリティを発動! さらにフォースを1枚消費して、カウンターカード【ハーフダメージ】を発動!」
【カオス・ガードウイング】
【プリベントアビリティ】
【自】(ダメージ効果が発動された時)
┗手札のこのカードをジャンクゾーンに送り、あなたのガーディアンをこのカードのLPの値だけリペアする。
【守護龍 カオス・ドラゴン】
DG【500→-2500】
LP【6500→9500】
【ハーフダメージ】
FORCE【1】
【カウンター】
【自】(カウンターステップ時)
┗あなたは自分のガーディアンを1体まで選び、そのカードが受けるダメージ効果1つの数値を半分にする。
「よって、カオス・ドラゴンが受けるダメージは7700になる!!」
【守護龍 カオス・ドラゴン】
DG【-2500→5200】
LP【9500→1800】
「なんとか、耐えきったみたいですね」
「………」
「しかし、これはもう詰みですよ。ギガント・RE:LORDは弱体化しています。つまり、次のターンにあなたが攻撃しようと、その攻撃はあなた自身に襲いかかります。俺はこれでターンエンドです」
「……俺のターン」
デッキに手を伸ばした瞬間、
――情けない
「えっ……」
突如、頭に響く声。
低く、おぞましさすら感じる声。
それは、イクサにとって懐かしさすら感じる声でもあった。
――情けないぞ、聖野イクサ
「カオス・ドラゴン……なのか?」
――ああ、そうだ。貴様に我が力を託したのは間違いだと、我の口から言わせたいのか貴様は。なんだこの体たらくは
「言わせるか……」
――ん?
「俺はまだ、諦めちゃいない。勝手に横から口出しするな」
――……フッ。だが、奴の言うように貴様は詰んでいる。それでも諦めてはいないと言うのか?
「ああ。最後の最後まで、諦めない。勝利を諦めたら、絶対に勝てないんだ!」
――なるほど。ならば、貴様に……我の更なる力を貸してやろう。喜ぶがいい
「更なる……力?」
――ああ。覚醒龍など目じゃない。我のとっておきの力だ
次の瞬間、イクサのサイドデッキが赤く光った。
――さあ、手に取るがいい。その手で、勝利を掴み取れ!!
「……サイドデッキから、ドロー! フォースチャージ!!」
サイドデッキから引いたカード。
赤く輝き続けるカード。
覚醒龍を超える、新たなカオス・ドラゴンの力。
「カオス・ドラゴン! 激情化、起動!!」
【激情龍 カオス・ドラゴン・LIBERATION】
SF【8】
GT【レイジング/アタック】
Tr【カオス】
DG【5200】
LP【9000→3800】
【サモンコンディション】
┗このカードは、あなたのアタックゾーンにLPが2000以下の【守護龍 カオス・ドラゴン】が存在し、尚且つあなたのチャージゾーンにカードが8枚以上ある場合にのみ、手札からフォースを消費せずに召喚できる。また、前のガーディアンはこのカードのアピアステップ時にアンダーカードとなる。あなたのエンドフェイズ時に、アンダーカード・手札・山札・ジャンクゾーンから【守護龍 カオス・ドラゴン】を1体選び、フォースを消費せずに召喚する。
【ポテンシャルアビリティ】
【永】
┗このカードがジャンクゾーンに送られる場合、ジャンクゾーンに送られる代わりにサイドデッキに戻す。その後、サイドデッキをシャッフルする。
「ど、激情龍だと?!」
「このカードで、俺は貴方を倒します!!」
カオス・ドラゴン・LIBERATIONに手をかざす。
「トライブアビリティ発動! 魂の継承!!」
【激情龍 カオス・ドラゴン・LIBERATION】
【トライブアビリティ】
【起】(COST:自分のフォースを全て裏状態にする)
┗このターン、ダイスステップをスキップしてフォースを消費せずにバトルフェイズに移行する。相手のアタックガーディアンにXダメージを与える。(Xの値は、このカードのアンダーカードの枚数×1500)
「カオス・ドラゴン・LIBERATIONのアンダーカードの枚数は6枚。さらに、ギガント・RE:LORDは弱体化しているので、18000ダメージを与える!」
「攻撃、ですか……。一体何をするかと思えば。……忘れたんですか? ギガント・RE:LORDのトライブアビリティを!! 鉄壁防御発動!!」
【覚醒龍 ギガント・RE:LORD】
【トライブアビリティ】
┗あなたは1ターンに一度、どちらかの効果を発動できる。
・【起】(自分の手札を3枚選び、ジャンクゾーンに送る)
┗フィールド上のアタックゾーンに存在する全てのガーディアンを【弱体化】させる。
・【自】(相手がダメージ効果を発動した時)
┗このカードが受けるダメージを半分にし、そのダメージを相手のガーディアンにも与える。
「よって、ギガント・RE:LORDが受けるダメージは9000となり、その攻撃をカオス・ドラゴン・LIBERATIONにも与える! これにより両者のガーディアンのLPは同時に0となり引き分けとなる。だが、大会のルール上、俺たち阿久麻学園が勝者となります!!」
「俺は手札から、プリベントアビリティを発動!!」
【カオス・ガードウイング】
【プリベントアビリティ】
┗この効果はバトルフェイズにて発動できる。このカードをジャンクゾーンに送り、あなたのガーディアンにこのカードのLPの値を加える。
【激情龍 カオス・ドラゴン・LIBERATION】
DG【5200→2200】
LP【3800→6800】
「無駄ですよ! それでは9000ダメージに耐えることはできない!!」
―――――――――――
「ゴウキ……」
「なんでしょうか、ボス?」
観客席にて、フジミは試合を見つつゴウキに話しかけた。
「お前、たしかこの試合を録っていたよな?」
「? はい、このハンディカメラで」
「貸せ。映像を見る」
「あ、はい……」
ゴウキは、フジミにハンディカメラを手渡した。
フジミは受け取ったハンディカメラを操作し、映像を見る。
「拡大にして……このシーンだ」
フジミの台詞に、ゴウキ、ダイナ、アイズの三人がハンディカメラの映像を覗き見る。
ハンディカメラのモニターには、とあるカードのイラストが拡大で表示されていた。
イラストを見て、フジミは「フッ」と笑う。
「聖野イクサ……“あのカード”を使う時だぜ」
――――――――――
「カオス・ドラゴン・LIBERATIONに受け継がれた【カオス・リフレクター】のカウンターアビリティ発動!!」
「なにっ?!」
【カオス・リフレクター】
【カウンターアビリティ】
【自】(カウンターステップ時)
┗1ターン一度、このカードが受けるダメージ効果1つを半分にできる。
「そ、そんなカード……ゲーム中に見た覚えがないです……一体いつの間にアンダーカードになっていたのですか!」
「カオス・アドベンダーの効果……覚えてますか?」
「カオス・アドベンダー……まさかっ!?」
ギンカクの脳内に、イクサの声が再生される。
――3枚を閲覧し、カードを1枚選んでアドベンダーの下に置く。
「あ、あの時ですか……」
「ええ。……リフレクターの効果により、カオス・ドラゴン・LIBERATIONが受けるダメージは4500になる!!」
カオス・リフレクター……それは、フジミとのカードバトルでイクサが使ったカードであり、逆転の糸口を見出したカードでもある。
両者のガーディアンに、攻撃が命中する。
【覚醒龍 ギガント・RE:LORD】
DG【1300→10300】
LP【7700→0】
【激情龍 カオス・ドラゴン・LIBERATION】
DG【2200→6700】
LP【6800→2300】
〈き、決まったっっ――――――!!! この空前絶後の戦いを制したのは、なんとなんと!! 今年初出場のルーキー校・東栄学園だぁぁぁぁぁ!!!!〉
――うおぉぉぉぉ!!
辺りに響く歓声。
よくやった、ナイスバトル……様々な声が聞こえてくる。
「勝った……の?」
イクサは呆然としながら、辺りの歓声に耳を向ける。
「はい。あなたの勝ちですよ、聖野イクサくん」
そこへ、ギンカクが声をかけてきた。
ギンカクは右手を差し出す。
「おめでとうございます。これで、いよいよ決勝進出ですね」
「……。はい!」
イクサとギンカクは、握手を交わす。
未だに信じられないのか、イクサは少し辺りを見渡す。
そんなイクサの様子に、ギンカクは笑みを溢す。
「フフッ、夢ではないですよ?」
「あ、すみません……」
「いえいえ」
握手を解き、ギンカクは自身のデッキを手に取る。
「俺も、まだまだ精進が足りないようです。次会う時は、今度こそ俺が勝たせてもらいますよ」
「望むところです」
次の瞬間、
――しーん………
あれほど騒がしかった会場内の歓声がピタリと止んだ。
「え?」
イクサは困惑気味に辺りを見渡した。
一体、どうしたというのだろうか。
「聖野イクサくん……ついに来ますよ」
「……え?」
「最強の……カードマスターが」
「それって……」
〈さあ、ついにお待ちかねの決勝戦! 見事な快進撃を行い、決勝進出を果たした東栄学園! 対するは、最強のカードマスター・孤高センリ率いる孤高学園!! さあ、絶対的王者の登場だぁぁぁ!!〉
――うおおおぉぉぉぉぉぉぉおおっっっ!!!
先程よりも響く観客席からの歓声。
選手入場口からスモークが放たれ、煙の中から登場する五人。
孤高センリ率いる、孤高学園。
「待ちくたびれたぞ、聖野イクサ」
「孤高…センリ……」
ついに、宿命の決勝戦が……始まる!!
今回のギガント・タイフーンのアタックアビリティは、超人カットマンさんが提案して下さった『何もしない』というのを参考にしました。
ストーリーの都合上、仕様が変わっていますが。
超人カットマンさん、貴重なご意見ありがとうございました!
【次回予告】
ついに始まる決勝戦。
その先鋒戦は、カイト。
優勝を目指すカイトの想い。
そして、カイトのデッキに託された想いとは……
「俺は証明するんだ、このデッキが……最強だってことを!!」
次回、【託されたデッキ】




