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TCG バトル・ガーディアンズ  作者: あんころもちDX
第2章・全国大会編
37/66

BATTLE:024【波乱を呼ぶ準決勝】

 予選大会前日。



「なあ、イクサ」


「なんだ?」


 自宅に帰る途中、カイトはイクサにとある話をした。




「ディヴァイントライブにはさ、伝説と呼ばれた騎士がいるんだぜ……?」

 カイトのフィールド。


【ディヴァイン・リソース】

SF【1】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【ディヴァイン】

DG【600】

LP【400】


 一方、キシンのフィールド。


【オーガ・スラッシャー】

SF【0】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【オーガ】

DG【0】

LP【500】


 いきなり600ダメージを受けてしまったカイト。

 次のターンで何らかの対策を講じなければ、瞬殺されてしまうだろう。

 カイトのターンだ。


「俺のターン、メインデッキからドロー! フォースチャージ、ドロー!!」


 チャージゾーンには表状態のフォースが2枚。

 バトル用に使用する分を考えると、使用できるのは1枚のみ。

 この1枚に、この先の展開が全て懸かっている。


「俺はフォースを1枚消費して、アシストガーディアン【閃光騎士 ライジング】を召喚(サモン)!」



【閃光騎士 ライジング】

SF【1】

GT【ノーマル/アシスト】

Tr【ディヴァイン】

DG【0】

LP【300】



〈おおっ! このカードは、“あの伝説のカード”の意思を受け継ぐガーディアン【閃光騎士】シリーズだ!!〉


 バトルマスター・レツの声に、会場全体が騒然となる。


「ねえ、ゴウキ。伝説のカードって?」


 ダイナは頭の上に?マークを浮かべ、ゴウキに尋ねた。


「突如、絶版となり今や誰も持っていないと言われているプレミアカードのことだ。アイドルトライブの【ミドルアイドル ネネ】が、その一例だ」


「ふーん。じゃあ、あの閃光騎士っていうシリーズは何なの?」


「手札をコストに能力を発動させる従来のディヴァイントライブとは真逆の動きをするシリーズカードだ。まあ、見てれば分かる」


 ダイナとゴウキは、カイトのプレーイングに注目する。


 カイトは静かに目を閉じ、落ち着いた口調で話す。


「昔、ディヴァイントライブに一人の騎士がいた。名は【閃光騎士 ヒカリ】、ディヴァイン・ナイトの唯一人の戦友にしてライバルだった。彼は、手札(なかま)を切り捨て力を得るディヴァインのやり方が気に入らなかった。だからこそ、ひたすら自分の信じる騎士道(ルール)を貫いた。【手札(なかま)を救い、未来(しょうり)を勝ち取る】――その茨の道を! そして今、その魂を受け継ぐ者たちが現れた! ライジングのアシストアビリティ発動!!」


【閃光騎士 ライジング】

【アシストアビリティ】

【自】(セットフェイズ開始時)

 ┗この効果は1ターンに一度しか発動できない。あなたは自分のジャンクゾーンに存在するカードを2枚まで選び、自分の手札に加える。そして、あなたのアタックガーディアンをXリペアする。(Xは、あなたの手札枚数×100)


「よって、俺はジャンクゾーンに存在するカード2枚を手札に加え、さらにリソースのLPを700回復させる!」


【ディヴァイン・リソース】

DG【600→-100】

LP【400→1100】




――――――――――――――――――


 同時刻・ドラグニティ・ファンタジア



「我ら閃光騎士、ヒカリ様の尊い魂を受け継ぐ光の騎士なり! 誰一人仲間を見捨てることなく、この戦いを乗りきってみせる!!」


 閃光騎士ライジングは、オーガトライブとの戦いに参戦し、その能力で仲間を救った。

 それを、遠目で眺めている者がいた。


 カオス・ナイトだ。



「魂を受け継ぐ……か。あれも一種の……魂の継承(ソウルサクシード)か…」


 カオス・ナイトの頬に涙が伝う。


「私のやってきた事は、決して無駄ではなかったのだな」



――――――――――――――――――――――――――――




 カイトは、ドヤ顔でキシンを見下ろす。


「どーだ、オーガトライブの火力なんて恐くないぜ!!」


「……それで?」


「へ?」


 キシンの淡々とした問いに、カイトは首を傾げた。


「まさか、それが逆転の一手とか言わないよな?」


「え……あの……」


「確かにオーガトライブから与えられたダメージを挽回したが、それだけだよな? 逆転してないし、こっちはまた大ダメージを与えればいいだけだし」


「うっ……」


「良くて現状維持ってとこか?」


「………………」


「どうした? 急に黙って」


 カイトは汗をダラダラと流しながら、えへんえへんと咳き込む。


「も、もちろん! 俺の逆転劇はこんなもんじゃないぜ!!」


 と、言葉だけは強気で言いつつ。

 心の中では……


(うおぉぉぉ! マジか!! 鬼塚キシン、全然ビビってないやーん!!)


 ネタが切れたことを必死に隠して焦っているマジシャンのようになっていた。

 カイトは、後ろの選手控え室にいる面々の表情を横目で伺う。


 聖野イクサ→「あのバカイト……」という表情


 早乙女ナミ→「わくわく! わくわく!」という表情


 園生リンナ→「楽しみなのだー」という表情


 東條ユキヒコ→「……(苦笑)」という表情



「(マズイ……。男性陣はともかく、女性陣の期待の眼差しが痛い……)」


 あそこまで見栄を張ったあげく、実はもうオチてますとは……言えない。

 カイトはそう思いながら、サイコロを掲げる。


「バトルフェイズだ、こんちくしょー!!」


 サイコロを振る。

 サイコロの目は、4。


【ディヴァイン・リソース】

【1】【3】【5】……相手のアタックガーディアンに300のダメージを与える。

【2】【4】【6】……相手の山札の上から3枚をジャンクゾーンに送る。


 フォースを1枚消費し、バトルフェイズ。


「アタックアビリティ発動! 山札を削らせてもらうぜ!!」


 キシンのデッキトップから3枚がジャンクゾーンに送られた。


「ターンエンド!」


「俺のターン、メインデッキからドロー。フォースチャージして、追加ドロー!」


 キシンのターン。

 キシンは手札に加えたカードを見る。


「一体どんな大技を見せてくれるのか知らないけどさ」


 フォースを1枚消費する。


「俺が、全部薙ぎ倒すから。フォースを1枚消費して召喚(サモン)! 【オーガ・レイダー】!!」


【オーガ・レイダー】

SF【1】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【オーガ】

DG【0】

LP【1000】


「んでもって、トライブアビリティ発動! 涙の怒り(ティアーズ・レイジ)!!」


【オーガ・レイダー】

【トライブアビリティ】

【自】(ダイスステップ時)

 ┗このターンのバトルフェイズで発生するダメージ量を全て2倍にする。その後、エンドフェイズ時にこのカードを【弱体化】させる。


「ダイスステップ!」


 キシンのサイコロの目は……2。


【オーガ・レイダー】

【1】【2】【5】……相手の全てのガーディアンに500ダメージを与える。

【3】【4】【6】……相手の山札の上から5枚を、ジャンクゾーンに送る。


「フォースを1枚消費して、バトルフェイズ。全て吹っ飛べ!」


 【ディヴァイン・リソース】と【閃光騎士 ライジング】に、それぞれ1000ダメージが与えられる。


【ディヴァイン・リソース】

DG【-100→900】

LP【1100→100】


【閃光騎士 ライジング】

DG【0→1000】

LP【300→0】


 ライジングはLPが0になり、ジャンクゾーンに送られた。


「あっぶねぇ……っ!!」


 カイトは思わず声を漏らした。

 ライジングを失ったのは痛いが、しかし……ディヴァイン・リソースのLPは残り僅か100となってしまった。確かに、危ない状況だ。

 もしライジングの効果を使っていなければ、このターンで勝負が決まっていた。


「エンドフェイズ時に、オーガ・レイダーは弱体化する」


【オーガ・レイダー】

【弱体化】


「俺はこれでターンエンドだ」


「俺のターン、メインデッキからドロー! フォースチャージして、追加ドロー!!」


 手札を見る。

 現在の手札枚数は8枚。

 しかし、打開策は特に見つからない。


「フォースを2枚消費して、【閃光騎士 フラッシュ】を召喚(サモン)!」


【閃光騎士 フラッシュ】

SF【2】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【ディヴァイン】

DG【900】

LP【2000→1100】


「フラッシュのトライブアビリティ発動! 蓄積と解放チャージング・リリーズ!!」


【閃光騎士 フラッシュ】

【トライブアビリティ】

【自】(セットフェイズ開始時)

 ┗この効果は1ターンに一度しか発動できない。あなたのジャンクゾーンに存在する【ディヴァイントライブ】のカードを3枚まで選び、あなたの手札に加える。そうしたら、あなたのアタックガーディアンを1体選び、Xリペアさせる。(Xは、あなたの手札枚数×100)


「俺のジャンクゾーンには、ディヴァイントライブのカードが2枚ある。これを手札に加え、フラッシュのLPは900回復する!」


【閃光騎士 フラッシュ】

DG【900→0】

LP【1100→2000】


〈戦宮選手! 閃光騎士の効果を上手く使い、オーガトライブによる大ダメージを打ち消した!!〉


「へへっ。ま、なんとか喰らいついていけてるぜ!」


 相手のオーガ・レイダーは効果で弱体化している。

 カイトは絶好のチャンスだと感じた。


「ダイスステップだ!」


 サイコロを振り、出た目は3だ。


【閃光騎士 フラッシュ】

【2】【4】【6】……相手のアタックガーディアンに500のダメージを与える。

【1】【3】【5】……相手のアタックガーディアンにX00のダメージを与える。(Xは、あなたの手札枚数)


「フラッシュのアタックアビリティ発動! フォースを1枚消費してバトル! オーガ・レイダーは弱体化しているから、2倍で1800のダメージだ!!」


 オーガ・レイダーのLPは1000。

 このままいけば、大逆転だ。



「まんまと罠にかかるんだな。少しは警戒しろよ」


 キシンは手札のカードを手にかける。


「カウンターカード【ウィーク・ターン】発動!」


「なにっ?!」


【ウィーク・ターン】

FORCE【0】

【カウンター】

【自】(カウンターステップ時)

 ┗あなたのアタックゾーンに【弱体化】しているアタックガーディアンがいる場合にのみ発動できる。あなたは自分の手札を1枚選んでジャンクゾーンに送り、あなたのガーディアンの【弱体化】を解除する。そうしたら、あなたはフィールド上のガーディアンを1枚まで選んで【弱体化】させる。



「そ、そんな……っ!!」


「よって、レイダーの弱体化は解除され、受けるダメージは900になり、お前のフラッシュは弱体化する」


【オーガ・レイダー】

DG【0→900】

LP【1000→100】


【閃光騎士 フラッシュ】

【弱体化】



「……ターン、エンドだ」


「俺のターン。メインデッキからドローし、フォースチャージ。さらにドローする」


 キシンは、自身の3枚の手札を凝視する。


「まあ、こんなもんか。フォースを3枚消費して、【オーガ・キラーブレイク】を召喚(サモン)!」


【オーガ・キラーブレイク】

SF【3】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【オーガ】

DG【900】

LP【3000→2100】



〈なんと鬼塚選手! フォースを全て使いきってしまった! ここは防御に徹するのだろうか?!〉


「防御? 笑わせるな」


 バトルマスター・レツの実況に、キシンは小さく笑ってさらに手札を切る。


「鬼が戦う事にビビってどうすんだよ。アシストガーディアン【鬼神器 オーガ・ブラスター】を召喚(サモン)!!」


【鬼神器 オーガ・ブラスター】

SF【0】

GT【ノーマル/アシスト】

Tr【オーガ】

DG【0】

LP【200】


「オーガ・ブラスターのアシストアビリティ発動!」


【鬼神器 オーガ・ブラスター】

【アシストアビリティ】

【永】

 ┗あなたのアタックゾーンに【オーガトライブ】のガーディアンが存在し、さらに相手のガーディアンが【弱体化】している場合にのみ、あなたはこのターンのバトルフェイズをフォースを消費しないで開始できる。


「そんな!?」


「それだけじゃない。次にオーガ・キラーブレイクのトライブアビリティを発動する! 涙の怒り(ティアーズ・レイジ)!」


【オーガ・キラーブレイク】

【トライブアビリティ】

【自】(ダイスステップ時)

 ┗このターンのバトルフェイズ時に発生する効果量を全て3倍にする。そうしたら、エンドフェイズ時にこのカードを【弱体化】させる。


「さ……3倍?!」


「行くぞ、ダイスステップ!」


 キシンのサイコロの目は、4!


【オーガ・キラーブレイク】

【1】【2】【3】……相手の山札の上から5枚を、ジャンクゾーンに送る。このバトルフェイズ中、相手がカウンター効果を発動させなかったら、あなたは自分の山札からカードを2枚ドローする。

【4】【5】【6】……相手のアタックガーディアンに700のダメージを与える。このバトルフェイズ中、相手がカウンター効果を発動させなかったら、あなたは自分の山札からカードを1枚ドローする。


「よって、トライブアビリティによって3倍の2100ダメージになり、そしてフラッシュは弱体化しているから、さらに2倍で合計4200ダメージを与える!!」


「くっ!」


 SF【3】のガーディアンとは思えない大火力。

 カイトは、手札を切って宣言する。


「手札からプリベントアビリティ発動!!」


【ディヴァイン・ディフェンダー】

【プリベントアビリティ】

【自】(ダメージ効果が発動された時)

 ┗手札のこのカードをジャンクゾーンに送り、あなたのガーディアンをこのカードのLPの値だけリペアする。



【閃光騎士 フラッシュ】

DG【0→-3000】

LP【2000→5000】


 オーガ・キラーブレイクの攻撃が、フラッシュに命中する。


【閃光騎士 フラッシュ】

DG【-3000→1200】

LP【5000→800】


「……ふん、間一髪か。トライブアビリティによって効果量は全て3倍になるので、3枚ドロー! そして、キラーブレイクは弱体化する」


【オーガ・キラーブレイク】

【弱体化】



「そして、オーガ・ブラスターのもう1つのアシストアビリティを発動」


【鬼神器 オーガ・ブラスター】

【アシストアビリティ】

【自】(エンドフェイズ時)

 ┗このカードをジャンクゾーンに送る。そうしたら、あなたのアタックゾーンの【弱体化】している【オーガトライブ】のガーディアンを1枚まで選び、【弱体化】を解除する。


「よって、キラーブレイクの弱体化は解除される。ターンエンド!」


「俺のターン……メインデッキからドロー!」


 カイトは手札を見る。

 これといって、決定打となるカードは無い。


(ここは下手にSFの低いガーディアンを召喚するより、防御に徹するに限る……か)


「フォースチャージして、追加ドロー! フォースを4枚消費して、【閃光騎士 ライトニング】を召喚(サモン)!」


【閃光騎士 ライトニング】

SF【4】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【ディヴァイン】

DG【1200】

LP【4000→2800】



「トライブアビリティ発動! 蓄積と解放チャージング・リリーズ!!」


【閃光騎士 ライトニング】

【トライブアビリティ】

【自】(セットフェイズ開始時)

 ┗あなたのジャンクゾーンに存在するカードを3枚まで選び、あなたの手札に加える。この効果で手札に加えたカードが全て【ディヴァイントライブ】のガーディアンカードなら、その枚数だけあなたは自分の山札からカードをドローする。この効果は1ターンに一度しか発動できない。


「ジャンクゾーンに存在する2枚のガーディアンカードを回収! そして、2ドロー!!」


 カイトの手札は、一気に12枚となった。


 キシンは「フン」と鼻を鳴らす。


「いくら手札を増やしたところで、この状況はひっくり返らないぞ」


「そりゃあな。でもよ、俺にはとっておきの秘策があるのさ!」


「……またハッタリか?」


「チッチッチッ」


 カイトは人差し指を左右に振る。


「残念ながら今度のはハッタリじゃないぜ。お前に勝つとっておきの策を思い付いたのさ」


 カイトは高らかに宣言する。


「勝つためなら何だってする! それが、この戦宮カイトっていう男だ!!」


「………なら、その秘策を楽しみにしておいてやるよ」


「おうよ! 俺はこれでターンエンドだ!!」


「俺のターン、メインデッキからドロー!」


 手札にカードを加える。


「フォースチャージし、追加ドロー! フォースを4枚消費して【オーガ・ブレイダー】を召喚(サモン)!」


【オーガ・ブレイダー】

SF【4】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【オーガ】

DG【900】

LP【4000→3100】


「ブレイダーのトライブアビリティ発動! 涙の怒り(ティアーズ・レイジ)!!」


【オーガ・ブレイダー】

【トライブアビリティ】

【起】(COST:手札2枚をジャンクゾーンに送る)

 ┗このターン、コストを支払うことで発動できる。そうしたら、あなたはこのターン、フォースを消費せずにバトルフェイズを開始できる。


「ダイスステップ!」


 キシンが振ったサイコロの目は、5。


【オーガ・ブレイダー】

【1】【2】【3】【4】【5】【6】……相手のアタックガーディアンに2000のダメージを与える。


「効果発動! 2000ダメージを与える!!」


「そう慌てんなって! カウンターカード発動! 【停戦契約】!!」


「っ?!」


【停戦契約】

FORCE【0】

【カウンター】

【自】(カウンターステップ時)

 ┗あなたと相手は互いに自分の山札からカードを1枚ドローし、山札の一番上のカードをチャージゾーンに表状態で置く。そうしたら、この効果を発動させたターンのバトルフェイズを強制的に終了させてエンドフェイズを開始させる。バトルフェイズ時に発動されたアタックアビリティは全て無効となるが、【弱体化】はしない。



「よって互いに1ドローし、デッキトップのカードで1枚チャージ」


「なんのつもりだ、これは?」


「なるべく、あんたからのダメージは受けたくないんだよこっちは」


「………。ターンエンド」


「よっし、俺のターンだ。メインデッキからドロー、フォースチャージして更にドロー!!」




 必死にキシンに喰らいつくカイトに、ダイナは大声をあげる。


「うおぉぉぉ! まるで別人のようじゃないアイツ!!」


 ダイナの言葉に、ゴウキは頷く。


「ああ。あの全国上位ランカーの鬼塚キシンと互角に渡り合っている」


「秘策っていうのも気になるわね!」


「秘策……か。一体どんな逆転劇を見せてくれるのか……見物だな」





 カイトはキシンのハンド枚数をチェックする。


(アイツの手札枚数は3枚。こっちは13枚だ。よしよし、後は最後の仕込み。このターンと次の俺のターン……これで最終調整だ)


「俺はフォースを5枚消費し、【ヴァルキリー・ディヴァイン】を召喚(サモン)!」


【ヴァルキリー・ディヴァイン】

SF【5】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【ディヴァイン】

DG【1200】

LP【5000→3800】


 3Dビジョンによって、美麗な聖なる戦乙女が出現した。


「これが俺のデッキのアイドルカードにして、秘策のための布石だ! トライブアビリティ発動! 蓄積と解放チャージング・リリーズ!!」


【ヴァルキリー・ディヴァイン】

【トライブアビリティ】

【起】(COST:手札を1枚ジャンクゾーンに送る)

 ┗あなたのターン、コストを支払うことで発動できる。そうしたら、あなたは自分の山札から【ディヴァイン・ナイト】を1枚まで選び、あなたの手札に加え、このカードのLPをX回復する。(Xは、この効果でジャンクゾーンに送ったSF×300)


「カードを1枚捨てて、デッキからディヴァイン・ナイトを手札に加える。俺がジャンクゾーンに送ったカードのSFは、4。よって、ヴァルキリーのLPは1200回復する!!」


【ヴァルキリー・ディヴァイン】

DG【1200→0】

LP【3800→5000】


「よーし、ダイスステップだ!」


 カイトは自身のサイコロを振る。

 サイコロの目は、3だ。


【ヴァルキリー・ディヴァイン】

【1】【2】【3】……相手のアタックガーディアンに2000のダメージを与える。このバトルフェイズ中に相手がカウンター効果を発動しなかったら、あなたは自分の山札から1枚ドローする。

【4】【5】【6】……相手の手札を1枚選び、ジャンクゾーンに送る。このバトルフェイズ中に相手がカウンター効果を発動しなかったら、あなたは自分の山札から1枚ドローする。


「アタックアビリティ発動! オーガ・ブレイダーに2000のダメージを与える!!」


【オーガ・ブレイダー】

DG【900→2900】

LP【3100→1100】


「うっしゃ! 攻撃が成功したから、1ドロー! これでターンエンド!!」


「くそっ! 俺のターン、メインデッキからドロー! フォースチャージして、追加ドロー!!」


 キシンは苦々しい表情を浮かべる。


「いい気になるなよ……」


 そして、手札を切る。


「フォースを5枚消費、【オーガ・クラッシャー】召喚(サモン)!!」


【オーガ・クラッシャー】

SF【5】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【オーガ】

DG【2900】

LP【5000→2100】


「トライブアビリティ・涙の怒り(ティアーズ・レイジ)!!」


【オーガ・クラッシャー】

【トライブアビリティ】

【起】(COST:手札2枚をジャンクゾーンに送る)

 ┗あなたのターン、コストを支払うことで発動できる。そうしたら、あなたは自分のフォースを1枚消費してバトルフェイズを開始し、相手のアタックガーディアンにXダメージを与える。(Xは、この効果でジャンクゾーンに送ったカードのSFの合計値×500)


「俺がジャンクゾーンに送ったのは、SF【4】とSF【6】……よって、5000ダメージを与える!!」


「勝ちを急いだな! さっきのライトニングの効果で、俺はジャンクゾーンに送られたプリベントガーディアンを手札に回収したんだ! プリベントアビリティ発動!!」


【ディヴァイン・ディフェンダー】

【プリベントアビリティ】

【自】(ダメージ効果が発動された時)

 ┗手札のこのカードをジャンクゾーンに送り、あなたのガーディアンをこのカードのLPの値だけリペアする。


【ヴァルキリー・ディヴァイン】

DG【0→-3000】

LP【5000→8000】


 オーガ・クラッシャーの攻撃が、ヴァルキリー・ディヴァインに命中した。


【ヴァルキリー・ディヴァイン】

DG【-3000→2000】

LP【8000→3000】


「ふぅー、危ねぇ……」


「チッ、ターンエンドだ」


「うっし、俺のターン! メインデッキからドローして、フォースチャージ! さらにドロー!!」


 カイトはニンマリと笑い、手札を切る。


「ついに来たぜ、俺の相棒の輝かしい勇姿を見せる時が!! フォースを6枚消費して、アタックガーディアン【ディヴァイン・ナイト】召喚(サモン)!!」


【ディヴァイン・ナイト】

SF【6】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【ディヴァイン】

DG【2000】

LP【6000→4000】


「そして、アシストガーディアン【閃光騎士 ライジング】を召喚(サモン)!!」


【閃光騎士 ライジング】

SF【0】

GT【ノーマル/アシスト】

Tr【ディヴァイン】

DG【0】

LP【300】


「ライジングのアシストアビリティ発動!!」


【閃光騎士 ライジング】

【アシストアビリティ】

【自】(セットフェイズ開始時)

 ┗この効果は1ターンに一度しか発動できない。あなたは自分のジャンクゾーンに存在するカードを2枚まで選び、自分の手札に加える。そして、あなたのアタックガーディアンのLPをXリペアする。(Xは、あなたの手札枚数×100)


「ジャンクゾーンから仲間を回収! 俺の手札は12枚なので、ディヴァイン・ナイトのLPは1200回復する!」


【ディヴァイン・ナイト】

DG【2000→800】

LP【4000→5200】


「そしてそして! ディヴァイン・ナイト必殺のトライブアビリティ発動! 蓄積と解放チャージング・リリーズ!!」


【ディヴァイン・ナイト】

【トライブアビリティ】

【起】(COST:自分の手札からカードを4枚選んでジャンクゾーンに送る)

 ┗あなたのターン、コストを支払うことで発動できる。そうしたら、あなたはこのターンはフォースを消費せずにダイスステップをスキップしてバトルフェイズに移行する。相手のアタックガーディアンにX000ダメージを与える。(Xの値はバトルフェイズ開始時の自分の手札の枚数)


「俺の手札は12枚。よって、4枚捨ててオーガ・クラッシャーに8000のダメージを与える!」


〈出たぁぁぁ! オーガトライブのガーディアンに勝るとも劣らないディヴァイン・ナイトのトライブアビリティだ!! これで勝負が決まるのか?!〉



「勝負が決まる……? まさか……」


 キシンは俯き、ニヤリと笑う。


「んなわけ……ねぇだろうが」


 キシンは未使用のフォースを1枚裏返す。


「カウンターカード発動! 【真実の鏡】!!」


【真実の鏡】

FORCE【1】

【カウンター】

【自】(カウンターステップ時)

 ┗あなたは相手のダメージ効果の対象を変更し、半分のダメージを変更したカードに与えることができる。



「攻撃対象をディヴァイン・ナイトに変更! 4000のダメージを受けろ!」


「くっ!!」


【ディヴァイン・ナイト】

DG【800→4800】

LP【5200→1200】



「……ターン、エンド…」


「俺のターンだな。メインデッキからドロー! フォースチャージ、追加ドロー!!」


 キシンは「ククク……」と低く笑う。


「まさか俺がここまで追い詰められるとはな……。正直、驚きが隠せねえよ。だからこそ、俺の全身全霊で完膚なきまでに叩き潰してやる! フォースを6枚消費し、現れろ戦場の悪鬼! 【戦鬼神 アラハバキ・皇牙(オーガ)】!!」


【戦鬼神 アラハバキ・皇牙(オーガ)

SF【6】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【オーガ】

DG【2900】

LP【6000→3100】



「これで終わりだ、戦宮カイト!!」





 観客席にて、ダイナは溜め息を漏らす。


「はあー、ダメだったかー」


「………」


「ゴウキ? どうしたの?」


「いや……。あいつ、笑っている…」


「え……?」


 ダイナはゴウキの言葉を聞き、改めてカイトの表情を見る。


「ほ、ホントだ……。なに? 頭でもおかしくなったわけ?」


「あるいは……」


 ゴウキは目を細める。

 以前のタッグ戦、聖野イクサに勝利への糸口を指し示した男……戦宮カイト。

 今度は一体、どんな逆転劇を見せてくれるのか。

 ゴウキは、内心ワクワクしていた。



 キシンはトドメを指すと言わんばかりに宣言する。


「アラハバキのポテンシャルアビリティ発動!」


【戦鬼神 アラハバキ・皇牙(オーガ)

【ポテンシャルアビリティ】

【自】(このカードを召喚したサモンフェイズ終了時)

 ┗このカードをXリペアする。(Xは、あなたのジャンクゾーンに存在する【鬼神器】と名の付くガーディアンカードの枚数×1000)。


「俺のジャンクゾーンには、鬼神器と名の付くガーディアンは3体、よって、アラハバキのLPは3000回復する!!」


【戦鬼神 アラハバキ・皇牙(オーガ)

DG【2900→-100】

LP【3100→6100】



「そして俺の手札の最後の1枚……【鬼神器 オーガ・カリバーン】を召喚(サモン)!!」


【鬼神器 オーガ・カリバーン】

SF【0】

GT【ノーマル/アシスト】

Tr【オーガ】

DG【0】

LP【400】


「カリバーンが場に在ることにより、アラハバキのトライブアビリティが発動する! 涙の怒り(ティアーズ・レイジ)!!」


【戦鬼神 アラハバキ・皇牙(オーガ)

【トライブアビリティ】

【起】(COST:フォースを1枚消費する)

 ┗この効果は、あなたのアシストゾーンに【鬼神器 オーガ・カリバーン】が存在する場合にのみ、コストを支払うことで発動できる。ダイスステップをスキップし、バトルフェイズを開始して相手のアタックガーディアンにXダメージを与える。この効果を発動させたターンのエンドフェイズ時に、このカードは【弱体化】する。(Xは、あなたのジャンクゾーンに存在する【鬼神器】と名の付くガーディアンの枚数×2000)



「フォースを消費してバトルフェイズ! ディヴァイン・ナイトに6000のダメージを与える!!」


「……信じてたぜ…」


「……え?」



 カイトの言葉に、キシンは目を見開いて呆然とする。


「この展開、信じてたぜ!! 手札からカウンターカード【カウンター・リサイクル】発動!!」


「っ?!」


【カウンター・リサイクル】

FORCE【0】

【カウンター】

【自】(カウンターステップ時)

 ┗あなたは相手のジャンクゾーンに存在するカウンターカードを1枚まで選び、そのカードの効果をフォースを消費せずに発動できる。



「なん……だと?!」


「俺が選択するカウンターカードは【真実の鏡】だ!」


【真実の鏡】

FORCE【1】

【カウンター】

【自】(カウンターステップ時)

 ┗あなたは相手のダメージ効果の対象を変更し、半分のダメージを変更したカードに与えることができる。



「まさか、これで俺のアラハバキにダメージを!?」


「いーや、違う」


「へ……?」


 呆然と目を見開くキシンに対してカイトは軽く笑い、オーガ・カリバーンを指差した。


「俺が変更する攻撃対象は、オーガ・カリバーンだ!」


「な、なに?!」


「鬼神器は、弱体化を解除させる効果があるからな。これで潰させてもらうぜ!」



【鬼神器 オーガ・カリバーン】

DG【0→3000】

LP【400→0】


 LPが0になったことで、オーガ・カリバーンはジャンクゾーンに送られた。

 そしてエンドフェイズ時、アラハバキは自身の効果で弱体化する。


【戦鬼神 アラハバキ・皇牙(オーガ)

【弱体化】


「まさか……お前の秘策っていうのは……」


「ああ。ディヴァイン・ナイトのトライブアビリティを囮にして、お前にカウンターカードを使わせる。んで、そのカウンターカードを【カウンター・リサイクル】で再利用して、次の俺のターンでトドメを刺す。これが、俺のとっておきの秘策だ」


「ど、どうして俺がカウンターカードをあの時使うと思った!?」


「あのディヴァイン・ナイトの攻撃は、プリベントアビリティでは防ぎきれない。いや、防ぎきれない数値に調整したのさ。閃光騎士とヴァルキリーの能力を使って、な。あの攻撃を防ぐには、お前はカウンターカードを使う必要があった」


「ぐっ……俺は、まんまとお前に踊らされてたというのか……」


「そういうこと。言ったはずだぜ、俺は勝つためなら何でもする、ってな。たとえそれが、相手のカードを利用するような戦い方であろうと」


「……ターン、エンドだ」


「俺のターン、メインデッキからドロー!!」


 カイトは高らかに宣言する。


「これで終わりだ! ディヴァイン・ナイトの蓄積と解放チャージング・リリーズ!!」


 現在のカイトの手札は9枚。

 4枚捨て、残される手札は5枚。

 よって、アラハバキに5000のダメージが与えられる。

 しかし、アラハバキは弱体化している。すなわち、そのダメージ量は最終的に10000となる!



【戦鬼神 アラハバキ・皇牙(オーガ)

DG【-100→9900】

LP【6100→0】



〈接戦に接戦! 激しい攻防を制したのは、東栄学園先鋒・戦宮カイト選手だああああ!!〉


――うおぉぉぉ!!


 会場中が、歓声に包まれる。


――すげえ!


――全国上位ランカーの鬼塚に勝ちやがった!!


――ナイスバトルだったぜ!!



「か……勝った…」


 カイトは、思わずその場にしゃがみ込んだ。


「久々に……勝てた気がする……」


「お疲れさま、戦宮くん!」


 すると、ナミがカイトの背中を叩いた。


「あれ? なんで早乙女さんが?」


「次は中堅戦だもん。見てて、このままストレート勝ちにするからさ!」


「相変わらず頼もしいなぁ、早乙女さんは。んじゃあ、後は任せるよ」


「うん!」


 ナミとカイトはハイタッチし、カイトは控え室に行き、ナミは3Dバトルテーブルの前に立つ。



〈さあ、続く中堅戦! 強豪校の阿久麻学園から見事白星を勝ち取った東栄学園からは、アイドルトライブの使い手『早乙女ナミ』選手! 対するは、もう後がない阿久麻学園の中堅、美しき鬼娘『鬼桜マヤカ』選手!〉



「もう後がない……ねぇ」


 阿久麻学園の中堅――鬼桜マヤカは、あくびを漏らしながら3Dバトルテーブルの前に立つ。


「この私が負けることなんて、100%あるわけないのに」






 控え室にて、カイトは全員とハイタッチしていた。


「イエーイ! 見事勝ちました!!」


「おめでとう、戦宮くん」


「おめでとうなのだー」


「おめでとう、ナイスバトルだったよ」


 全員からの祝福の言葉を受け、カイトは「てへへ」と顔がニヤける。


「さーて、これで早乙女さんがストレート勝ちすれば、いよいよ決勝戦ですね!」


「いや、そううまくいくかな」


 カイトの言葉に、ユキヒコは言葉を濁す。


「早乙女さんの対戦相手は、“あの鬼桜マヤカ”だから」


「え……?」


 カイトだけでなく、リンナとイクサも首を傾げる。


「どういうことですか、東條部長?」


 イクサの問いに、ユキヒコは重々しく答える。


「鬼桜マヤカは、コンボデッキを使うんだ。コンボが成立する前に倒さなければ、たとえ早乙女さんでも勝ち目はない」


「そ、そんなに強い人なんですか、鬼桜マヤカさんって?」


「彼女は……『1キルの女王』と呼ばれているカードマスターだ」





 一方、試合は既に開始され、マヤカの先攻1ターン目である。


「私のターン、メインデッキからドロー。フォースチャージ、追加ドロー!」


 マヤカは手札にカードを加える。


「精々、2ターンといったところかしらね。フフッ」


 マヤカはフォースを1枚消費する。


「フォースを1枚消費して、アタックガーディアン【スタートアイドル サークル】を召喚(サモン)!」


【スタートアイドル サークル】

SF【1】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【アイドル】

DG【0】

LP【700】


「わ、私と同じアイドルトライブ?!」


「フフッ、そうね。でも、あなたのデッキとはまったく違う動きだと思うけど、ね。トライブアビリティ、貴方のための晴れ舞台(ライブ・フォー・ユー)発動!!」


【スタートアイドル サークル】

【トライブアビリティ】

【起】(COST:手札からカードを1枚選んでジャンクゾーンに送る)

 ┗あなたのターン、コストを支払うことで発動できる。そうしたら、あなたは自分の山札からSF【1】以下の【アイドルトライブ】のカードを1枚まで選び、自分の手札に加える。


「私は手札を1枚捨てて、デッキからSF【0】の【スイーツアイドル シャーベット】を手札に加えるわ。これでターンエンドよ」


「よーし、私のターン。メインデッキからドロー! そしてフォースチャージしてドロー!!」


 ナミは手札にカードを加え、選択する。


「アタックガーディアン【アイドル候補生 シング】を召喚(サモン)!」


【アイドル候補生 シング】

SF【0】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【アイドル】

DG【0】

LP【600】


「このまま、ダイスステップ!」


 ナミは自身のサイコロを振る。

 サイコロの目は、3。


【アイドル候補生 シング】

【1】【2】【3】【4】【5】【6】……相手のアタックガーディアンに200のダメージを与える。


「よって、サークルに200のダメージを与えるよ!」


「そうはさせないわ。カウンターカード【停戦契約】発動!」


「えっ?!」



〈おおーっと、これは先程の試合でも戦宮選手が使用したカウンターカードだ!!〉



【停戦契約】

FORCE【0】

【カウンター】

【自】(カウンターステップ時)

 ┗あなたと相手は互いにカードをドローし、山札の一番上のカードをチャージゾーンに表状態で置く。そうしたら、この効果を発動させたターンのバトルフェイズを強制的に終了させてエンドフェイズを開始させる。バトルフェイズ時に発動されたアタックアビリティは全て無効となるが、【弱体化】はしない。



「互いに1ドロー、デッキトップをチャージゾーンに。はい、貴女のバトルフェイズはおしまい」


「う〜っ……」


 マヤカはクスクス笑い、ナミは膨れっ面で言う。


「ターン……エンド……」


「はい、私のターン。メインデッキからドロー、フォースチャージして追加ドロー」


 手に取ったカードを見て、マヤカは笑みを溢す。


「ごめんなさいね、早乙女ナミさん?」


「へ?」


「私の必勝コンボ、もう完成しちゃったわ」


「え……」


 マヤカは手札を切る。


「フォースを2枚消費して、【ハニーアイドル リリカ】を召喚(サモン)!!」


【ハニーアイドル リリカ】

SF【2】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【アイドル】

DG【0】

LP【1500】


「さらに、アシストガーディアン【スイーツアイドル シャーベット】を召喚(サモン)


【スイーツアイドル シャーベット】

SF【0】

GT【ノーマル/アシスト】

Tr【アイドル】

DG【0】

LP【200】



「シャーベットのアシストアビリティ発動」


【スイーツアイドル シャーベット】

【アシストアビリティ】

【自】(このカードのアピアステップ時)

 ┗このカードをXリペアし、あなたは自分の山札からカードを1枚ドローする。(Xは、あなたの手札枚数×150)



「私の手札は4枚。よって、シャーベットのLPは600回復する」


【スイーツアイドル シャーベット】

DG【0→-600】

LP【200→800】


「そして1ドロー。次にリリカのトライブアビリティ発動! 貴方のための晴れ舞台(ライブ・フォー・ユー)!!」


【ハニーアイドル リリカ】

【トライブアビリティ】

【起】(COST:あなたは自分の手札を1枚選んで自分の山札に戻す)

 ┗あなたのターン、コストを支払うことで発動できる。そうしたら、あなたは自分の山札からSF【1】以下のガーディアンを召喚する。その後、その山札をシャッフルする。


「【バックダンサー ルル】を、デッキから召喚(サモン)


【バックダンサー ルル】

SF【1】

GT【ノーマル/アシスト】

Tr【アイドル】

DG【-600】

LP【600→1200】


「ルルのアシストアビリティ、発動」


【バックダンサー ルル】

【アシストアビリティ】

【自】(このカードを召喚時に発生したアピアステップ時)

 ┗このカードのDGを500増やし、あなたは自分の【アイドルトライブ】のアタックガーディアンを1体選択する。選択したアタックガーディアンを500リペアする。



【ハニーアイドル リリカ】

DG【0→-500】

LP【1500→2000】


【バックダンサー ルル】

DG【-600→-100】

LP【1200→700】


「そして、ジャンクゾーンに送られた【スイーツアイドル シャーベット】のポテンシャルアビリティ発動」


【スイーツアイドル シャーベット】

【ポテンシャルアビリティ】

【自】(このカードがジャンクゾーンに送られた時)

 ┗相手のアタックガーディアンのLPを100ダウンさせる。そして、あなたのアタックガーディアンに300ダメージを与える事でこのカードをあなたの手札に戻すことができる。


「効果により、貴女のシングのLPは100下がる」


【アイドル候補生 シング】

DG【0→0】

LP【600→500】


「さらに、リリカのLPを300下げることで、シャーベットを回収」



【ハニーアイドル リリカ】

DG【-500→-200】

LP【2000→1700】


「これで、“1サイクル”。手札から再び、シャーベットを召喚(サモン)


【スイーツアイドル シャーベット】

SF【0】

Tr【アイドル】

DG【-100】

LP【200→300】


「新たなガーディアンが召喚されたことで、ルルのポテンシャルアビリティを発動」



【バックダンサー ルル】

【ポテンシャルアビリティ】

【自】(新たなアシストガーディアンを召喚したアピアステップ時)

 ┗アシストゾーンに置かれているこのカードをなたの山札に戻す。その後、その山札をシャッフルする。


「よって、ルルはデッキに戻る。そして、シャーベットの召喚に成功した事で再びシャーベットのアシストアビリティが発動するわ。手札は先程と同じ4枚、よってシャーベットのLPは600上がり、1ドロー」


【スイーツアイドル シャーベット】

DG【-100→-700】

LP【300→1000】



「ま、まさか……」


「再び、リリカのトライブアビリティを発動……。ルルをデッキから召喚、ジャンクゾーンに送られたシャーベットは貴女と私のガーディアンのLPをそれぞれ100と300下げて私の手札に戻り、ルルの効果で私のガーディアンのLPは500回復。手札からシャーベットを召喚、ルルは自身の効果でデッキに戻り……後はもう…言わなくても分かるわよね?」


「無限……ループ……?」


 マヤカはニンマリ笑う。


「正解♪」




【アイドル候補生 シング】

DG【0→0】

LP【500→400】


【アイドル候補生 シング】

DG【0→0】

LP【400→300】


【アイドル候補生 シング】

DG【0→0】

LP【300→200】


【アイドル候補生 シング】

DG【0→0】

LP【200→100】



【アイドル候補生 シング】

DG【0→0】

LP【100→0】




 全国大会予選準決勝中堅戦は、マヤカの無限ループコンボによって、僅か2ターンで終了となった……。

 久々のノーカットバトルでした。

 まあ、今回の話……何が一番大変だったかというと、カイトの手札調整並びに鬼桜マヤカの無限ループコンボですね。

 書き終えた時の達成感がまたなんとも言えないです。指の疲労感がマックスすぎてヤバイです。

 次回も、ノーカットで頑張ります。



【次回予告】


――私、何もできなかった……

 そう漏らし、人知れず涙を流すナミ。

 ナミの無念を晴らすため、イクサは大将戦に臨む。


「このバトル、絶対に勝つ!」


 そして、鹿羽フジミの前に現れる、孤高グループ会長『孤高アイズ』。彼の口から語られる……衝撃の事実とは?!


 次回、【準決勝戦の行方】


 お楽しみに!

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