BATTLE:015【先鋒戦・新システム炸裂!】
皆さん、お久しぶりです。
今回、現野イビツ様が投稿して下さった【エヴォルトライブ】が大暴れします。
ですが、エヴォルトライブにはまだまだ活躍してもらうということで、今回のバトルは一部カットしてます。
エヴォルトライブの本当の強さは、全国大会予選で明らかになります!
あと、新システムも大暴れします。
では、どうぞ!
カイトとエンジの先鋒戦。
先攻は、カイトだ。
「俺のターン、ドロー!」
ドローしたカードを手札に加え、カイトは手札を見つめる。
「フォースチャージして、追加ドロー!」
デッキ構成をし直したカイトの新たなディヴァインデッキ。
果たしてどのような動きをするのだろうか。
「フォースを1枚消費して、アタックガーディアン【ディヴァイン・リローダー】を召喚!」
疑似3Dバトルテーブルの3Dバトルシステムが起動。
カイトの【ディヴァイン・リローダー】の姿が3D投影されて召喚された。
【ディヴァイン・リローダー】
SF【1】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【ディヴァイン】
DG【0】
LP【1000】
〈はあぁぁぁぁ!!〉
青い甲冑を身に纏った銃使いが現れた。
「リローダーのポテンシャルアビリティを発動!」
【ディヴァイン・リローダー】
【ポテンシャルアビリティ】
【自】(このカードを召喚したアピアステップ時)
┗このカードのDGが0なら、あなたは自分の山札からカードを1枚ドローする。その後、このカードをアシストゾーンに召喚し、あなたは自分の山札からSF【1】のアタックガーディアンをフォースを消費せずに召喚し、その山札をシャッフルする。
「デッキからカードを1枚ドロー。そしてリローダーはアシストゾーンに移動。デッキから【スパーク・ディヴァイン】を召喚!」
リローダーは上空に銃口を向け、弾丸を放つ。
弾丸が空を切り裂き、巨大なゲートが現れる。
ゲートの中から、戦士が召喚される。
【スパーク・ディヴァイン】
SF【1】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【ディヴァイン】
DG【0】
LP【1000】
〈フンッ!〉
ゲートから出現したのは、青い甲冑を身に纏い、手から稲妻を出す戦士だった。
「スパークのポテンシャルアビリティを発動!」
【スパーク・ディヴァイン】
【ポテンシャルアビリティ】
【自】(セットフェイズ開始時)
┗この効果は1ターンに一度しか発動できない。あなたは自分の山札からカードを2枚ドローし、手札からカードを1枚選択してジャンクゾーンに送る。
「よって、2枚ドロー。1枚捨てる」
2枚のカードのコンボによって、1ターンで手札を2枚増やした。
「それだけじゃないぜ。リローダーのアシストアビリティを発動する!」
【ディヴァイン・リローダー】
【アシストアビリティ】
【起】(COST:このカードをジャンクゾーンに送る)
┗あなたのターン、この効果はアシストゾーンにいるならコストを支払うことで発動できる。そうしたら、あなたは自分の山札からカードを1枚ドローする。
「リローダーをジャンクゾーンに送り、カードを1ドロー」
「へぇ……。口先だけ、ってわけじゃないんスね」
エンジは口笛を吹き、カイトのプレイングに感心しているようだった。
「そのリローダー、最新弾のカードだよね……前弾のスパークとの連携、中々だよ」
「そりゃあ、どうも。これでターンエンドだ」
「俺のターン、ドロー。フォースチャージして追加ドロー」
手札に加えたカードを横目で見て、エンジはニヤリと笑う。
「だけど残念でならないよ。俺、ホントはそこにいる聖野イクサとバトルしたかったんだよねぇ」
「「え……」」
イクサとカイトは目を見開く。
エンジは肩を竦めながら悪びれることなく言う。
「だって、そうじゃん? あの諸星部長が手加減して混合デッキを使ったにしろ、お前は負けて彼は勝ったんだ」
「くっ……」
カイトは顔を歪めながらチラッとイクサの方を向いた後、すぐにエンジに向ける。
「俺は、もうあの時とは違う! トライブを研究して、強くなったんだ!!」
「それを評価するのはお前じゃない、相手をしてる俺だ。そして、お前が強くなる以上に、周りも強くなる。故に」
エンジはカードを掲げる。
「お前は相対的に弱いままだ。進化の力を見よ! 【エヴォル・ファースト】、召喚!!」
【エヴォル・ファースト】
SF【0】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【エヴォル】
DG【0】
LP【500】
〈ヤァァ!!〉
小さな藍色の戦士が現れた。
「エヴォルトライブ……」
「そう。前の弾で追加され、最新弾で強化されたこのトライブの力……見せてあげるよ」
エンジはカードに手を乗せる。
「ファーストのポテンシャルアビリティを発動!」
【エヴォル・ファースト】
【ポテンシャルアビリティ】
【自】(このカードを召喚したアピアステップ時)
┗あなたは自分の山札からカードを5枚まで見て、【エヴォル・ネクスト】を1枚まで探して手札に加え、残りのカードを山札に戻してシャッフルする。
「デッキからカードを5枚チェック。……ネクストを、手札に加える」
お目当てのカードがあったらしく、手札に加えた。
「サイコロを振る」
エンジが振ったサイコロの目は、4。
【エヴォル・ファースト】
【1】【4】【5】……相手のアタックガーディアンに100のダメージを与える。
【2】【3】【6】……相手の山札からカードを2枚、ジャンクゾーンに送る。
「フォースを1枚消費して、バトルフェイズ! スパークに100のダメージを与える!」
〈はあぁぁぁ!〉
【エヴォル・ファースト】は小剣を振り上げ、【スパーク・ディヴァイン】を斬り裂いた。
〈うぐっ?!〉
【スパーク・ディヴァイン】
DG【0→100】
LP【1000→900】
「ターンエンドだ」
「俺のターン、ドロー! フォースチャージして、追加ドロー!!」
現在、カイトのチャージゾーンにあるフォースの枚数は2枚。
バトルフェイズ用に1枚除けば、使用できるのは1枚のみである。
「フォースを1枚消費して、アシストガーディアン【ディヴァイン・チェンジャー】を召喚!!」
【ディヴァイン・チェンジャー】
SF【1】
Tr【ディヴァイン】
DG【0】
LP【600】
〈フンッ……〉
右手にカードのような呪符を持った青い髪の男が現れた。
「チェンジャーのアシストアビリティを発動!」
【ディヴァイン・チェンジャー】
【アシストアビリティ】
【自】(セットフェイズ開始時)
┗この効果は1ターンに一度しか、発動できない。あなたの山札の一番上のカードを公開し、そのカードがSF【2】以下の【ディヴァイントライブ】のガーディアンカードなら、そのカードを自分の手札に加える。そうでないのなら、あなたは自分の手札からカードを1枚選んでジャンクゾーンに送り、公開したカードを手札に加える。
「デッキトップを公開!」
カイトはデッキの一番上のカードをめくり、公開する。
SF【2】のガーディアンカードである。
「よし! このカードを手札に加えるぜ」
「着実に手札を増やす……か。まあ、それがディヴァイントライブの特性だよね」
エンジの皮肉めいた物言いに、カイトは眉間に皺を寄せる。
「……なんか文句あるかよ」
「別に。ただ……つまらないトライブだと、思っただけさ」
「なっ?!」
カイトは目を見開く。
向こうの控え席にいるシンヤが額に手を当てて「あの馬鹿……」と呻いている。
「つまらないトライブ……だと?」
「ああ、つまらないね。手札を増やす割りには、大して強力な能力も得られない。ハンデス相手には滅法弱い。ドロー能力に長けてるからデッキを削られたらお陀仏。良い所を見つける方が苦労するよ」
「ぐっ……」
カイトは肩を震わせ、エンジを睨む。
「好き勝手言いやがって……コイツらは、俺の大事な相棒だ! バカにすんな!!」
「ふーん。まあ、吠えるだけなら犬にもできるよね。……負け犬とか」
「……っ」
カイトの奴、頭に血が昇ってる。
あれでは、エンジの思う壺だ。
「カイ――」
「聖野くん、駄目だ」
カイトを一喝しようしたイクサを、ユキヒコは首を横に振って止めた。
「と、東條部長……でも!」
「俺は言ったはずだよ。どれだけ成長したのか見せてもらうって。確かに阿久津くんの言葉は相手を逆撫でするものだが、あの程度の言葉でリズムを崩すようなら、戦宮くんはその程度のカードマスターということだ。厳しいかもしれないが」
「ど、どうして……」
「カードマスターにとって敵とは、自分以外の全てであり同時に内に存在する弱い心の自分自身でもある。今回の練習試合はギャラリーが少ないけど、全国大会となれば観客からの“視線のプレッシャー”というのは、確実にプレイヤーの精神を蝕み、弱い自分を表に出しやすくする」
「弱い……自分自身?」
「別の言い方をすれば、勝利を諦めた自分のことだ。モチベーションや精神的余裕が無くなれば、誰しも勝利への執念が消える。だから、カードマスターは自身のバトルペースのリズムを崩してはいけない。崩した方から負ける。それがバトルの世界というものだ。戦宮くんの今後の成長のことを考えるのなら、ここは見守るに限るよ」
「………」
イクサは、返事をすることができなかった。
カードバトルは楽しいゲーム。
そこに、厳しさが存在していいのか。
その現状にイクサはまだ認めることができない。
そんなイクサの思いがカイトにも伝わってしまったのか、カイトはイクサの方を向いた。
カイトは、ただ笑っていた。楽しそうに。
「そんな顔するなよ、イクサ。俺は負ける気は更々ないんだからな」
「か、カイト……」
「ふぅ、参るなぁ……ホント。仲間にそんな顔させてる俺に……ホント参るなぁ…」
カイトはエンジの方に向き直る。
その表情は、いつものカイトのものだった。
「あーあ、こんなんじゃ道理で強い奴に勝てねえわけだよ、あーあ」
「どういうことだ?」
首を傾げるエンジに、カイトは意気揚々と答える。
「つまり、だ。もう誰にも弱いだなんて言わせねえってことだよ! 俺も、俺のトライブも! 弱いかどうかは、俺に勝ってからほざけ!!」
カイトはサイコロを親指で弾く。
「さあ、バトらせてもらうぜ!」
カイトのサイコロの目は、3。
【スパーク・ディヴァイン】
【1】【2】【3】………相手の山札からカードを6枚、ジャンクゾーンに送る。
【4】【5】【6】………相手の手札を2枚まで選び、ジャンクゾーンに送る。
「雷の一撃、喰らいやがれ!」
エンジのデッキからカードが6枚、ジャンクゾーンに送られた。
「これでターンエンドだ」
「俺のターン、ドロー」
エンジはデッキからカードをドローし、手札のカードを選択し、チャージゾーンに置く。
「フォースチャージして、ドロー! 俺のガーディアンは、次の世代にへと進化する!」
フォースが1枚消費される。
「【エヴォル・ネクスト】を召喚!」
【エヴォル・ファースト】は光に包まれ、雄叫びをあげる。
〈うおぉぉぉぉ!!〉
【エヴォル・ネクスト】
SF【1】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【エヴォル】
DG【0】
LF【1000】
ファーストはネクストに進化した。
辺りに、進化の余波によって発生したオーラが漂う。
「ネクストのトライブアビリティを発動!」
【エヴォル・ネクスト】
【トライブアビリティ】
【自】(このカードのアピアステップ時)
┗前のガーディアンが【エヴォル・ファースト】なら、【エヴォル・ファースト】をマテリアルカードとして、このカードの下に置く。そしてあなたの山札から【エヴォル・トライアル】を1枚探して手札に加える。その後、あなたは自分の山札をシャッフルする。
「これがトライブアビリティ【進化の契約】!! よって、ファーストはマテリアルカードとしてネクストの下に置かれる!」
「ま、マテリアルカード?」
初めて聞く名称にイクサが首を傾げていると、ユキヒコが説明してくれる。
「マテリアルカードって言うのは、アタックガーディアンの下にコストとして裏状態で置かれるカードのことを言うんだ。これは、新弾で追加されたシステムなんだよ。ただ、聖野くんのカオストライブのはカードを表状態で置くアンダーカードだから、マテリアルカードとは違うけど」
「な、なるほど」
マテリアルカード、新システム。
それに未知の力を持つエヴォルトライブ。
これから一体どんなバトルが展開されるのか、イクサは不安になる。
「ファーストをマテリアルカードにし、デッキから【エヴォル・トライアル】を手札に加える。そして……」
エンジはネクストのカードに手を置く。
「ネクストのバーストアビリティ発動!!」
「バーストアビリティ……」
【エヴォル・ネクスト】
【バーストアビリティ】
【起】(COST:マテリアルカードを1枚、ジャンクゾーンに送る)
┗このターン、あなたはコストを支払うことで発動できる。あなたの手札に【エヴォル・トライアル】があるなら、フォースを1枚消費して召喚できる。このターン、あなたはバトルフェイズを行う事ができない。
「マテリアルカードをコストとして消費する事で発動される能力……これがバーストアビリティ。フォースを1枚消費して、【エヴォル・トライアル】を召喚!!」
【エヴォル・トライアル】
SF【3】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【エヴォル】
DG【0】
LP【3000】
「SF【3】のガーディアンが……」
カイトは苦虫を噛み締めた表情を浮かべる。
そんなカイトに対し、エンジはクスクス笑っている。
「いやぁ、ごめんね。後攻の分際で先にSF【3】のガーディアンを出しちゃってさ。あーあ、このターン、バトルができないのがとても残念でならないね」
カイトのチャージゾーンにはフォースが2枚。
次のターン、フォースチャージしても、フォースは3枚。バトル用に1枚残せば、SF【2】のガーディアンしか召喚できない。
「ターンエンドだ」
「俺のターン、ドロー! フォースチャージして、さらにドロー!!」
カイトはどのような戦術で臨むのか。
「フォースを2枚消費して、【テクニカル・ディヴァイン】を召喚!」
【テクニカル・ディヴァイン】
SF【2】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【ディヴァイン】
DG【100】
LP【2000→1900】
〈はあぁぁぁ!〉
マジシャンのような風貌の青い戦士が現れた。
イクサは目を見開いた。
カイトはSF【2】のガーディアンを召喚したのだ。
「ここは、バトルできなくてもSF【3】のカードを出すしか……」
「聖野くん」
ユキヒコは笑顔を浮かべている。
「あれでいいんだ」
「え、でも……」
「たとえ阿久津くんに対抗してSF【3】のカードを召喚したところで、バトルはできない。だが、それではライフ差が広がる一方だ。ここはSF【2】を召喚して、ライフ差を少しでも縮めた方がいい。目先の状況に囚われず、自我をしっかりと保ち、未来を見据える。それがカイトくんの長所だ」
たしかに、カイトの目からは闘志が消えていない。
カイトは、勝つ気でいるのだ。
最初から最後まで、その信念を貫いている。
一度決めたら決して曲げない。
ユキヒコが言うように、それがカイトの強さなのだ。
「へえ、単純なキミのことだからてっきり俺に釣られてSF【3】のガーディアンを召喚すると思ってたのに」
エンジの挑発をカイトは鼻で笑う。
「この戦宮カイトを舐めるなっての!」
カイトはフォースを1枚消費した。
「バトルだ!」
サイコロの目は、3。
【テクニカル・ディヴァイン】
【1】【2】【3】……相手のアタックガーディアンにX00ダメージを与える。(Xはあなたの手札の枚数)
【4】【5】【6】……相手のアタックガーディアンに400ダメージを与える。
「俺の手札は11枚! よって、1100のダメージを与えるぜ!!」
「……くっ」
【テクニカル・ディヴァイン】は、タロットカードを【エヴォル・トライアル】に投げつける。
〈はあぁぁ!!〉
〈ぐあっ!〉
【エヴォル・トライアル】
DG【0→1100】
LP【3000→1900】
一気に二人のライフが並んだ。
「この程度の逆境でめげちまうんだったら、全国大会なんて夢のまた夢だ。俺は、絶対に諦めない!」
「ふーん、中々言うね。でもさ、俺……そういう熱血ものみたいな暑苦しいの、嫌いなんだよね」
エンジは無表情だった。だからこそ不気味で、次のターンはどう攻めてくるのか全く分からない。
そして戦いは、激闘が続くことになる。
進化の力を駆使し、マテリアルカードを消費してバーストアビリティを発動することで、カイトを追い詰めていった。
しかし、それでもカイトは諦めなかった。
手札を着実に増やし、手札枚数を参照するアタックアビリティでの大火力でエンジに追い付く。
二人の戦いは、まさに平行線。互角だった。
あれから互いに6ターンが流れた。
カイトの場のカード。
【ヴァルキリー・ディヴァイン】
SF【5】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【ディヴァイン】
DG【2000】
LP【3000】
一方で、エンジのフィールドのカードは
【エヴォル・ファイナル】
SF【6】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【エヴォル】
DG【3000】
LP【3000】
互いにライフ差は無い。
そして、カイトのターンが始まる。
「俺のターン、ドロー! フォースチャージして、追加ドロー!!」
カイトはフォースを6枚消費する。
「フォースを6枚消費して、アタックガーディアン【ディヴァイン・ナイト】を召喚!!」
【ディヴァイン・ナイト】
SF【6】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【ディヴァイン】
DG【2000】
LP【6000→4000】
「このターンで、決める! トライブアビリティ発動!!」
【ディヴァイン・ナイト】
【トライブアビリティ】
【起】(COST:自分の手札からカードを4枚選んでジャンクゾーンに送る)
┗あなたのターン、コストを支払うことで発動できる。そうしたら、あなたはこのターンはフォースを消費せず、ダイスステップをスキップしてバトルフェイズに移行する。相手のアタックガーディアンにX000ダメージを与える。(Xの値はバトルフェイズ開始時の自分の手札の枚数)
「手札を4枚捨てる。残った手札枚数は、11枚!! よって、11000ダメージを与える!」
ダメージ11000の攻撃。
これならば、防ぎようがないだろう。
「甘いよ、戦宮カイト」
エンジは自身のフォースを1枚消費する。
「手札からカウンターカード【ハーフダメージ】発動!」
【ハーフダメージ】
FORCE【1】
【カウンター】
【自】(カウンターステップ時)
┗あなたは自分のガーディアンを1体まで選び、そのカードが受けるダメージ効果1つの数値を半分にする。
「それでも5500のダメージは免れない!」
「最新弾で追加されたシステムは、マテリアルカードだけではない! 手札からプリベントアビリティを発動!」
「プリベントアビリティ!?」
【エヴォル・バリアード】
【プリベントアビリティ】
【自】(ダメージ効果が発動された時)
┗手札のこのカードをジャンクゾーンに送り、あなたのガーディアンをこのカードのLPの値だけリペアする。
「このガーディアンのLPは3000。よって、ファイナルのLPが3000リペアする!」
【エヴォル・ファイナル】
DG【3000→0】
LP【3000→6000】
「なっ、てことは……!!」
ディヴァイン・ナイトの一撃がエヴォル・ファイナルに命中する。
【エヴォル・ファイナル】
DG【0→5500】
LP【6000→500】
なんとエンジは、あの攻撃を防いだ。
信じられない現状に、カイトは言葉を失う。
「た、ターンエンド……」
「俺のターン、ドロー!!」
エンジはカードをドローし、小さく笑う。
「フォースチャージして、追加ドロー。正直、ここまで俺をてこずらせるなんて、大したものだよ。でもね」
エンジはファイナルに、手をかざす。
「ファイナルのトライブアビリティを発動! 進化の契約!!」
【エヴォル・ファイナル】
【トライブアビリティ】
【起】(COST:手札のカウンターカード1枚をジャンクゾーンに送る)
┗あなたのターン、コストを支払うことで発動できる。このカードのマテリアルカードに【エヴォル・エンゲージ】があるなら、相手は自分の手札からカードを5枚選択し、ジャンクゾーンに送る。
「くっ!」
前のターンにも発動されたファイナルのトライブアビリティ。これで、カイトの手札は一気に6枚となってしまった。
「キミと俺との間にある埋めようのない現実を教えてあげるよ。フォースを7枚消費して、現れよ! 進化を司りし大いなる龍【守護龍 エヴォル・ドラゴン】!!」
『っ?!』
イクサ達は目を見開いた。
守護龍のカードが、召喚されたのだ。
【守護龍 エヴォル・ドラゴン】
SF【7】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【エヴォル】
DG【5500】
LP【7000→1500】
「そして、ポテンシャルアビリティとトライブアビリティとバーストアビリティ……全て発動!!」
【守護龍 エヴォル・ドラゴン】
【ポテンシャルアビリティ】
【自】(このカードのアピアステップ時)
┗前のガーディアンが【エヴォルトライブ】なら、このカードのマテリアルカードとして下に置く。
【トライブアビリティ】
【自】(サモンフェイズ終了時)
┗このカードのマテリアルカードに【エヴォルトライブ】のカードがあるなら、あなたは相手の手札を3枚選び、次の相手ターンのエンドフェイズ時まで使用不可にする。
【バーストアビリティ】
【起】(COST:全てのマテリアルカードをジャンクゾーンに送る)
┗このターン、あなたはコストを支払うことで発動できる。コストとしてジャンクゾーンに送ったマテリアルカードの枚数まで、相手の手札をジャンクゾーンに送る。
「トライブアビリティで3枚を使用不可。バーストアビリティで手札2枚をジャンクゾーンに送くってもらうぞ」
「っ……」
なんということだろうか、11枚あったカイトの手札が、僅か1ターンで1枚になってしまった。
「この攻撃からは逃れられない! ダイスステップ!!」
エンジのサイコロの目は、6。
【守護龍 エヴォル・ドラゴン】
【2】【4】【6】……相手のアタックガーディアンにXダメージを与える。(Xは、あなたのジャンクゾーンに存在する【エヴォルトライブ】のカード×500)
【1】【3】【5】……自分の手札を3枚選び、ジャンクゾーンに送る。あなたのチャージゾーンのカードを2枚まで選択して表状態にする。
「俺のジャンクゾーンにはエヴォルトライブのカードが8枚ある。よって、4000のダメージを与える」
「く……」
「その様子だと、最後の手札はプリベントアビリティでもカウンターカードでもなさそうだな。もしプリベントアビリティ持ったカードをデッキに投入していれば、あるいは勝てたかもしれないけど」
エヴォル・ドラゴンの咆哮が、ディヴァイン・ナイトを包み込む。
【ディヴァイン・ナイト】
DG【2000→6000】
LP【4000→0】
「ま、けた……」
カイトは呆然としながら、立ち尽くすしかなかった。
全く、歯が立たなかった。
「ちくしょう……ちくしょう……!!」
「………」
エンジはカードをデッキホルダーに仕舞い、カイトの様子を横目で見て控え席に戻る。
「おい、阿久津」
「何スか、部長」
シンヤはエンジを呼び止め、エンジのヘッドホンを指差す。
「ヘッドホン、ズレてるぞ」
「えっ……」
エンジは慌ててヘッドホンを掴み確認する。
いつの間にズレていたのか、試合中気づかなかった。
エンジはもう一度カイトの方に向き直る。
「おい、戦宮」
「………」
「……全国大会で待ってる。まあ、期待はしてないけど」
「っ?!」
カイトは俯いていた顔を上げ、エンジを見つめた。
そして涙を拭い、エンジに言う。
「おう……次は、負けねぇ。絶対、全国大会に行ってみせるからな!!
カイトの言葉を聞いたエンジは小さく笑い、席に着いた。
「すみません、部長。負けちゃいました」
カイトは頭を下げてユキヒコに謝罪した。
ユキヒコはカイトの謝罪に慌てた。
「そんな別に謝ることはないよ! 戦宮くんのプレイングはすごく良かったし、なにより……」
ユキヒコはシンヤ達の方を見ながらニヤリと笑いながら言う。
「向こうにプレッシャーを与えることができたし、手の内も見せてもらえたからね」
☆☆☆☆☆
「阿久津が守護龍のカードを出さなければ、負けていた……か」
シンヤは先程の戦いを冷静に分析していた。
「エヴォル・ドラゴンは、できれば全国大会の決勝まで隠しておくつもりだったというのに。こうもあっさりお披露目となるとは……。ユキヒコと聖野イクサにばかり気を取られていたが、認識を改めるしかないか……」
そして、水晶玉を持つ少女『朽木 サラサ』に言う。
「朽木、こちらの手の内を全て晒すのは流石にまずい。次の試合、守護龍は絶対に使うな」
「………」
「返事は?」
「……(コクリ)」
「なら良し。行ってこい」
サラサは立ち上がり、3Dバトルテーブルに立つ。
対するは、園生リンナ。
「カイトくんの仇を取るのだー」
独特の口調が特徴の、掴みどころのない少女だ。
中堅戦が、始まる。
【〜更新停止していた頃の作者の出来事〜】
・予備校の夏期講座で忙しくて更新できませんでした、すみません。
・友人がPCを使って製作してくれたバトル・ガーディアンズで遊んでました。すみません! あ、因みに僕はカオスデッキで友人はアイドルデッキを使いました。




