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TCG バトル・ガーディアンズ  作者: あんころもちDX
第1章・学園編
14/66

BATTLE:003【炸裂! 魂の継承!!】

※ストーリーの都合上、いくつか修正しました

「お前、俺とバトルしろ」


 イクサはシンヤに勝負を挑んだ。

 そんなイクサに対して、カイトは目を見開いた。


「お、おい…イクサ。バトルしろったって……お前、たしかデッキ無いはずだろ!?」


「……デッキならある」


 イクサは通学鞄から筆箱を取り出し、中からデッキを出して見せた。


「そんな……いつの間に…」


「昨日、ナミから貰ったんだよ」


「早乙女さんから?」


 カイトはナミの方に顔を向けると、ナミは「ま、まーね」と言って顔を背けた。

 まあ、呪われたデッキとは言えないだろうが。

 イクサはシンヤに振り返る。


「そういうわけだ。次は俺とバトルしろ。それで、俺が勝ったら、部長さんと副部長さんとカイトのカードを返すんだ!」


「別にいいぜ、手に入るカードが増えるだけだ。だが、お前がレアカード3枚に見合うだけのものを出せたらな。そうだな……俺が勝ったら、お前のデッキをいただく。それでどうだ?」


「ああ、いいよ」


 イクサの言葉に、ナミ、カイト、男子生徒、女子生徒の4人が目を剥いた。


「ちょ、イクサ?!」


「何もデッキを賭けなくても!!」


「そ、そうだよ。キミがそこまでする必要は無いんだ!!」


「今すぐ取り消すのだー!!」


 4人の言葉に、今は首を横に振る。

 カードを愚弄したシンヤを、イクサは許せないのだ。

 イクサとシンヤは互いに第1ターンに召喚するカードを手元にキープし、互いのデッキをカット&シャッフル、デッキからカードを4枚引いてあらかじめ手元にキープしておいた1枚を加えた初期手札5枚を揃える。

 イクサは初期手札を見てみるが、そこにSF【2】とSF【3】のカードが無かった。

 これではガーディアンを順々に召喚できない。


「おい、お前」


 そんなイクサの表情を見て、シンヤは1つだけ忠告をする。


「マリガンを知らねぇのか?」


「マリガン?」


「ハッ、マリガンを知らねぇとは、とんだ初心者様だな。まあいい、せめてもの情けだ。バトル・ガーディアンズでは、初期手札の手札バランスが悪い時は、一度だけいらないカードをデッキに戻してシャッフルし、戻した枚数だけデッキからカードを手札に加える手札交換ができる。これがマリガンだ。手札のカードは、なるべくSFが順々に並ぶのがベストだ。それじゃあ、俺はカードを3枚交換する。あと、手元にキープしておいた1枚はマリガンの対象にはできないから注意しろ」


 諸星はそう言うと、手札からカードを3枚取り、デッキに戻してシャッフルし、デッキからカードを3枚ドローして手札に加えた。


「お前はどうする?」


「俺も、3枚交換する」


 デッキにカードを戻してシャッフル、カードを交換した。


「んじゃ、先攻は譲ってやるよ」


「分かった」


 イクサとシンヤは自身のサイコロをテーブルの上に置いた。


「「ダイス・セット!!」」


 バトル開始だ。


「俺の先攻、メインドロー! フォースチャージして、更に追加ドロー!」


 手札を見てみる。

 先程の手札交換のおかげでバランスが良くなったのが分かる。


「フォースを1つ消費して、アタックガーディアン【カオス・シューター】を召喚(サモン)!!」


【カオス・シューター】

SF【1】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【カオス】

DG【0】

LP【1500】



「俺はこれでターンエンド!」



 イクサとシンヤのカードバトルを見守るカイト達4人は、イクサが使用するカードに目を見開いた。


「東條部長、あんなカード見たことありますか?」


「い、いや……見たことが無いね。初めて見るトライブだよ」


「じゃあ、リンナ副部長は?」


「リンナも見たことがないのだー」


 カイトの問いに男子生徒と女子生徒は首を横に振る。

 カイトはナミの方を向く。


「それじゃあ、早乙女さんは何か知らない? たしか、早乙女さんがあのデッキをイクサに渡したんだよね?」


「え…あ、うん。そうなんだけど、さ。私自身、あのデッキがどういうのか分かってなくて。あのデッキも、元は爺ちゃんの私物なんだよね」


「早乙女さんのお爺さんの?」


 ナミが頷くと、カイトは再びイクサの方に顔を向ける。

 あのデッキがどうであれ、カイトはただイクサの勝利を祈る。

 ターンはイクサからシンヤに移行する。


「俺様のターン、メインドロー! カオストライブとはまた、見たことのないトライブだな。まあいい、最強の俺様が負けるわけが無ぇ! 手札を1枚フォースチャージして追加ドロー!!」


 シンヤはカードを手札に加えた。


「手札からこのカードを出すぜ! アタックガーディアン【スプラッシュ・イーター】を召喚(サモン)!」


【スプラッシュ・イーター】

SF【0】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【スプラッシュ】

DG【0】

LP【500】



「また違うトライブのカードを……」


「俺のデッキはトライブに縛られない強力なレアカード達で構築されている。雑魚が使う統一デッキとは違うんだよ!」


 確かに混合デッキは強いと言える。

 変幻自在な戦い方は、こちらのあらゆる対策を無にする。

 しかしだからと言って、統一デッキが弱いという結論になるわけではない。

 そう強く思うイクサの表情を見て、シンヤはニヤリと笑う。


「そう怒るなよ、クククッ。さらにフォースを1つ消費して、アシストガーディアン【補給部隊】を召喚(サモン)!!」


【補給部隊】

SF【1】

GT【ノーマル/アシスト】

Tr【メタル】

DG【0】

LP【600】


「さらに、【補給部隊】のアシストアビリティ発動!!」


【補給部隊】

【アシストアビリティ】

【永】

 ┗あなたのターンのバトルフェイズ開始時に発生するフォースの消費は0になる。


「サイコロを振るぜ!」


 シンヤのサイコロは【3】の目を出した。


【スプラッシュ・イーター】

【1】【2】【6】………相手のアタックガーディアンに100のダメージを与える。

【3】【4】【5】………相手のデッキからカードをX枚、ジャンクゾーンに送る(Xの値はバトルフェイズ開始時の手札の枚数)



「【スプラッシュ・イーター】のアタックアビリティを発動!! 俺様の手札は4枚、よってお前のデッキからカードを4枚、ジャンクゾーンに送る!」


「………っ」


 デッキからカードが4枚、ジャンクゾーンに送った。

 アシストガーディアンやカウンターカードが流れてしまった。


「俺様のターンエンドだ」


「俺のターン、メインドロー! フォースチャージして、更に追加ドロー!」


 イクサは手札を見てみる。

 シンヤのアシストゾーンの【補給部隊】。あれがある限り、先攻でありながら、相手より強力なガーディアンの召喚がワンテンポ遅れてしまう。

 加えて先程のカイトのバトルであったように、インセクトトライブが持つフォースの回復封じをされてしまえば、さらに悲惨なことになってしまうだろう。

 イクサは手札のカードから何か対抗手段を探す。

 ………あ。ある1枚のカードに視線が行く。

 このカードならば、ワンテンポ分の穴を埋められる。イクサはそう確信した。

 確認のために、もう一度カードテキストを読む。

 テキストを読み終え、イクサはフォースを1枚裏返す。


「フォースを1つ消費し、手札からアタックガーディアン【カオス・ロアー】を召喚(サモン)!!」


【カオス・ロアー】

SF【2】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【カオス】

DG【0】

LP【2500】



「なっ…?! おいおい、そのカードはSF【2】だぜ? 召喚できるわけねえだろうが」


「それは、このカードのポテンシャルアビリティのおかげさ!」


「ぽ、ポテンシャルアビリティだと?!」


【カオス・ロアー】

【ポテンシャルアビリティ】

【永】

 ┗自分フィールド上のアタックゾーンに【カオストライブ】のカードがあるなら、手札のこのカードはSF【1】として扱う。



「ぬ、ぬぅ……潜在能力を持ったガーディアンだったのか!」


「そうさ。そして、この効果は統一デッキだからこそ発動できるアビリティ。お前のような混合デッキでは、不可能だ!!」


「ぐっ……」


「さらに、カオストライブのトライブアビリティを発動する! 仲間の魂は、次の世代にへと受け継がれる……【魂の継承(ソウルサクシード)】!!」


「そ、魂の継承(ソウルサクシード)だと?!」


【カオス・ロアー】

【トライブアビリティ】

【永】

 ┗【カオストライブ】のガーディアンを召喚したアピアステップ時、前のガーディアンはアンダーカードとして、このガーディアンの下に置く。このガーディアンは下に置かれたアンダーカードの効果を全て受け継ぐ。



「なっ?! 能力を継承するだと!?」


「ああ! 魂の継承(ソウルサクシード)により、【カオス・ロアー】は【カオス・シューター】のアタックアビリティを受け継ぐ! サイコロを振る!!」


 振ったサイコロの目は【1】だった。


【カオス・ロアー】

【1】………相手のアタックガーディアンに400のダメージを与える。

【2】………相手のデッキからカードを8枚、ジャンクゾーンに送る。



 【1】のアタックアビリティは元々は【カオス・シューター】のものである。

 カオストライブのアタックガーディアンは全て、アタックアビリティを一種類しか持っていない。

だが魂の継承(ソウルサクシード)のことを考えれば、その疑問も頷けるだろう。

 このトライブは召喚する度に前のカードの力を受け継ぐ。そして徐々にだが確実に成長していく。

 まさに“絆”をテーマにしたトライブと言えるだろう。


「フォースを1枚消費してバトルフェイズ! 【カオス・シューター】のアタックアビリティを受け継いだ【カオス・ロアー】の攻撃! 相手のアタックガーディアンに400のダメージを与える!!」



【スプラッシュ・イーター】

DG【0→400】

LP【500→100】


「くっ……マジかよ…?!」


 ニヤついていたシンヤの顔が一気に驚愕に染まった。


「俺のターンは、これで終了だ」


「チッ……初心者が調子に乗ってるんじゃねえぞ!! 俺様のターン、メインドロー! フォースチャージして、追加ドロー!!」


 カードを手札に加え、シンヤは手札を凝視する。


「くそっ、このカードを出すか……フォースを2つ支払い、アタックガーディアン【メタルブレイカー】を召喚(サモン)!!」


【メタルブレイカー】

SF【2】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【メタル】

DG【400】

LP【2000→1600】



「サイコロを振るぜ!」


 諸星が振ったサイコロの目は【6】。


【メタルブレイカー】

【1】【2】【3】………相手のアシストガーディアンに600のダメージを与える。

【4】【5】【6】………相手のアタックガーディアンに800のダメージを与える。



「【メタルブレイカー】のアタックアビリティ発動! 【カオス・ロアー】に、800のダメージを与える!!」


【カオス・ロアー】

DG【0→800】

LP【2500→1700】


「ターンエンドだ」


「俺のターン、ドロー!」


 ライフはイクサの方が100だけリードしている。

 このまま一気に差を広げるべきだろう。


「フォースチャージして、ドロー!!」


 ドローして引いたカードは【カオス・巫女・ナイト】のカードだった。

 このカードは、イクサの夢に出てきた少女である。

 ふと、チャージゾーンを見てみる。

 イクサのチャージゾーンにはフォースが3枚。

 バトルフェイズ用に1枚引いても、残るのは2枚。

 SF【3】のガーディアンはどのみち出せないが、2枚余るのならこのカードが出せる。


「フォースを2つ消費して、手札からアシストガーディアン【カオス・巫女・ナイト】を召喚(サモン)!!」


【カオス・巫女・ナイト】

SF【2】

GT【ノーマル/アシスト】

Tr【カオス】

DG【0】

LP【1700】



「サイコロを振る!」


 サイコロを振って出た目は……【4】


【カオス・ロアー】

【1】………相手のアタックガーディアンに400のダメージを与える。

【2】………相手のデッキからカードを8枚、ジャンクゾーンに送る。


 サイコロの目に該当する効果なし。


【弱体化】


 【カオス・ロアー】の状態が縦向きから横向きになった。


「えっ……弱体化?」


 イクサの戸惑いの声に、ナミが答える。


「サイコロの目の数がアタックガーディアンのアタックアビリティに該当しなかったら、ガーディアンは弱体化しちゃうの! 弱体化したら、次の相手ターンで発生するダメージ量が2倍になっちゃうんだよ!!」


「ええっ?!」


 イクサは思わず驚愕の声をあげる。


「ガーハッハッ、俺にもツキが回ってきたってことか?」


 シンヤの顔にあの忌まわしいニヤつきが戻ってきた。


 これもバトル・ガーディアンズのゲームの特徴である。仕方ないとしか言い様がない。


「ターン、エンド……」


「俺様のターン、メインドロー! フォースチャージして、更に追加ドローだぜ!!」


 追加ドローで手札に加えたカードを見てシンヤは笑う。


「フッ……残念だが、お前とのバトルはこれでおしまいだ! フォースを3つ支払ってアタックガーディアン【スパイラルノドン】を手札から召喚(サモン)だ!!」


【スパイラルノドン】

SF【3】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【ジュラシック】

DG【400】

LP【2500→2100】



「サイコロを振るぜ!」


 サイコロの目は【2】


【スパイラルノドン】

【1】【2】【3】【4】【5】【6】………相手のアタックガーディアンに1000のダメージを与える。



「【スパイラルノドン】のアタックアビリティにより、【カオス・ロアー】に1000のダメージを与える! さらに弱体化により、2倍のダメージ量だ!!」


 総ダメージ量2000。

 【カオス・ロアー】の残りライフは1700。


「そんな……俺の…俺の……負け」


(こんな奴に、負けるのかよ…っ!!)


 拳を強く握り締める。

 すると、


――諦めないで下さい――


「え……?」


 声のした方向……【カオス・巫女・ナイト】のカードを見つめた。

 【カオス・巫女・ナイト】は、光り輝いていた。

 次の瞬間、イクサの意識が身体を離れた。



☆☆☆



「ここは……カオス・キャッスル?」


 気が付けば、夢の中で訪れた、カオス・キャッスルの中庭に立っていた。

 負けたショックで、気を失ったのだろうか? イクサはそう思って辺りを見回す。



「私はまだ、信じていますよ?」


 背後を振り返れば、【カオス・巫女・ナイト】がイクサを見つめていた。

 とても、悲しそうな瞳で。


「……ごめん、でも、もう俺の負けだよ。どうにも、ならないんだ」


「そんなことはありません!」


 【カオス・巫女・ナイト】はイクサの手を握って詰め寄って言う。


「諦めなければ、まだ勝つ可能性だってあります! 一発逆転のチャンスだって、舞い込んできます! だからどうか、勝つことを諦めないで! 私が貴方を信じたように、貴方も、私達の力を信じて下さい!」


「キミ達の、力………」


 イクサは、彼女の手を握り返した。

 気づけば、イクサとカオス・巫女・ナイトの周りを囲うようにカオストライブのガーディアン達が集結し、イクサの手に触れる。


「皆……」


 イクサの声に、カオスの戦士たちは一様に頷く。


「皆……。俺の勝利を、信じてくれるの?」


「はい! 私達が、力を貸します!!」


 【カオス・巫女・ナイト】の言葉に、カオスの戦士全員が大きく頷いた。


「巫女ナイト……俺、戦うよ。約束する。戦って勝って、必ず、キミ達のマスターになる」


 イクサの言葉を聞いて、【カオス・巫女・ナイト】は涙を流した。


「その言葉は、真ですか?」


「うん、勿論」


「ならば」


 【カオス・巫女・ナイト】は腰に携えた鞘から剣を抜き取り、それを地面に深く刺した。

 その後、片膝を着いてイクサに頭を下げた。


「我らは聖野イクサを守る剣となり、勝利を約束することを、ここに誓います」


 彼女は最後に、顔を上げてニッコリと微笑んだ。


「貴方が諦めない限り、私達は貴方と共に戦い続けます」



☆☆☆



「ッ…!」


 意識を取り戻し、辺りを見渡す。

 荒らされた部室、目の前にはシンヤ。

 総ダメージ量2000が、【カオス・ロアー】に襲いかかろうとしている場面だった。


(【カオス・巫女・ナイト】、力を貸してくれ!)


 イクサは声高々に宣言する。


「【カオス・巫女・ナイト】のカウンターアビリティ発動!!」


「なにっ?!」


「このアビリティは、カウンターステップ時に発動できる!」


【カオス・巫女・ナイト】

【カウンターアビリティ】

【自】(カウンターステップ時)

 ┗1ターンに一度、自分のアタックガーディアンに与えられるダメージ効果をこのカードに変更できる。ただし、ダメージ効果の対象がこのカードである場合、この効果は発動できない。



「攻撃対象を【カオス・巫女・ナイト】に変更!」


【カオス・巫女・ナイト】

DG【0→1000】

LP【1700→700】


「なん…だと……」


「勝負はまだまだこれからだ、諸星!!」


「くっ……ターンエンド!!」


「【カオス・巫女・ナイト】が繋いでくれたチャンス、無駄にはしない! 俺のターン、ドロー!!」


 ドローしたカードを手札に加え、チャージゾーンに別のカードを置く。


「フォースチャージ! そしてドロー!!」


 反撃の時間だ。


「フォースを3つ消費して、アタックガーディアン【カオス・ストライカー】を召喚(サモン)!」


【カオス・ストライカー】

SF【3】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【カオス】

DG【800】

LP【3500→2700】



「そして、魂の継承(ソウルサクシード)!!」


 【カオス・ストライカー】は、【カオス・シューター】と【カオス・ロアー】の能力を受け継いだ。


「サイコロを振る!」


 出た目は、【3】!!


【カオス・ストライカー】

【1】………相手のアタックガーディアンに400のダメージを与える。

【2】………相手のデッキからカードを8枚、ジャンクゾーンに送る。

【3】………相手のアタックガーディアンに1200のダメージを与える。



 今度はサイコロの目を当てることができた。


「フォースを1枚消費してバトルフェイズ! 【カオス・ストライカー】のアタックアビリティ発動! 【スパイラルノドン】に1200のダメージを与える!!」


「ぐっ!?」


【スパイラルノドン】

DG【400→1600】

LP【2100→900】


 一気に追い詰めることに成功した。これでバトルの流れは再びイクサの方へと傾いた。


「これで俺のターンを終了する!」


「俺様のターンだ、メインドロー! フォースチャージして、追加ドロー!!」


 シンヤは手札からカードを選んだ。


「フォースを4つ支払って、アタックガーディアン【ヒドロ・アクター】を召喚(サモン)!!」


【ヒドロ・アクター】

SF【4】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【スプラッシュ】

DG【1600】

LP【4000→2400】


「しゃらくせぇ! サイコロを振るぜ!!」


 シンヤのサイコロは【4】


【ヒドロ・アクター】

【2】【3】【4】………相手のアタックガーディアンに1500のダメージを与える。

【1】【5】【6】………相手のアシストガーディアンに800のダメージを与える。



「【ヒドロ・アクター】の効果により、【カオス・ストライカー】に1500のダメージを与えるぜ!」


【カオスストライカー】

DG【800→2300】

LP【2700→1200】


「これで、ターンエンドだ」


「俺のターン、ドロー! フォースチャージして、1枚ドロー!!」


 これでイクサのチャージゾーンにはフォースは5つ。

 SF【4】のカードを召喚できる。


「フォースを4つ消費して、アタックガーディアン【カオス・ブレイズ】を召喚(サモン)!!」


【カオス・ブレイズ】

SF【4】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【カオス】

DG【2300】

LP【4500→2200】



「トライブアビリティ、魂の継承(ソウルサクシード)発動!!」


 【カオス・ブレイズ】に【カオス・シューター】、【カオス・ロアー】、【カオス・ストライカー】の能力が受け継がれていく。


「サイコロを振る!」


 サイコロの目は【2】。



【カオス・ブレイズ】

【1】………相手のアタックガーディアンに400のダメージを与える。

【2】………相手のデッキからカードを8枚、ジャンクゾーンに送る。

【3】………相手のアタックガーディアンに1200のダメージを与える。

【4】………相手のデッキからカードを15枚、ジャンクゾーンに送る。



「フォースを1枚消費してバトルフェイズ! 【カオス・ロアー】の能力を受け継いだ【カオス・ブレイズ】の攻撃!!」


 現在、【カオス・ブレイズ】は【ヒドロ・アクター】よりライフが下回っている。

 よって、シンヤがカイトとのバトルで使用していたカウンターカード【自己犠牲自己修復】の効果は発動できない。

 シンヤのデッキからカードが8枚、ジャンクゾーンに送られた。


「チッ、デッキをかなり削られちまった……」


「これで俺のターンは終了だ。諸星、お前のターンだ」


「言われるまでもねえよ。俺様のターン、メインドロー! そんでもってフォースチャージ!! 追加ドローだ!」


 シンヤはデッキの残り枚数をチラチラと確認している。

 そして、手札からカードを選択した。


「フォースを5つ支払い、手札からアタックガーディアン【メタル・トルーパー】を召喚(サモン)!!」


【メタル・トルーパー】

SF【5】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【メタル】

DG【1600】

LP【5000→3400】


 ライフ差は1200、少し危険かもしれない。


「それじゃあ、サイコロを振るぜ!」


 諸星のサイコロの目は【6】


【メタル・トルーパー】

【1】【2】【3】【4】………相手のアタックガーディアンに1000のダメージを与える。

【5】【6】………相手のデッキからカードを15枚、ジャンクゾーンに送る。



「【メタル・トルーパー】のアタックアビリティにより、デッキからカードを15枚、ジャンクゾーンに送る!!」


 デッキからカードが15枚、ジャンクゾーンに送られた。

 SF【5】などのカードが流れてしまった。


「ターンエンドだ」


「……俺のターン、ドロー!」


 ドローしたSF【5】のカードじゃない。そして、手札にはSF【5】のカードは無い。

 全ては追加ドローにかかっている。


「フォースチャージして、更に1枚追加ドロー!」


 ドローしたカードを確認する。

 SF【5】のカードだ。


「フォースを5つ消費して、【カオス・インパルス】を召喚(サモン)!!」


【カオス・インパルス】

SF【5】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【カオス】

DG【2300】

LP【5500→3200】


「そして、魂の継承(ソウルサクシード)!!」


 【カオス・インパルス】に、魂を繋いだ4体の仲間の力が宿る。


「サイコロを振る!」


 サイコロの目は【5】!


【カオス・インパルス】

【1】………相手のアタックガーディアンに400のダメージを与える。

【2】………相手のデッキからカードを8枚、ジャンクゾーンに送る。

【3】………相手のアタックガーディアンに1200のダメージを与える。

【4】………相手のデッキからカードを15枚、ジャンクゾーンに送る。

【5】………相手のアシストガーディアンに2000のダメージを与える。



「バトルフェイズ! 【カオス・インパルス】のアタックアビリティ発動! 【補給部隊】に2000のダメージを与える!!」


 これで【補給部隊】をアシストゾーンから取り除くことができる。


 だが、


「甘いんだよ! 手札からカウンターカード【ダメージチェンジャー】発動!」


 シンヤはカウンターカードを発動させた。


【ダメージチェンジャー】

FORCE【0】

【カウンター】

【自】(カウンターステップ時)

 ┗あなたのジャンクゾーンのカードの枚数が相手より少ない場合に発動できる。ダメージ効果を1つ選択し、そのダメージ効果をアタックガーディアンのリペア効果に変更する。



「よって、俺様の【メタル・トルーパー】のライフは2000回復する!」


【メタル・トルーパー】

DG【1600→-400】

LP【3400→5400】



「そ、そんな……!!」


 ここにきてライフが大幅に逆転してしまった。

 先程からシンヤがジャンクゾーンのカードの枚数を気にしていたのは、このカウンターカードの効果を発動するためだったようだ。


「どうした? ターンエンドか?」


「っ……ターンエンド」


「なら、俺様のターン、メインドロー! フォースチャージして、更に追加ドロー!!」


 引いたカードが余程良かったのか、シンヤは大層ご機嫌だった。


「まさか初心者が俺様をここまで追い詰めるとは思わなかった。誉めてやろう……だが、所詮は俺様の足元にも及ばないことを、思い知らせてくれる!! フォースを6つ支払い、手札からアタックガーディアン【アルティメットレックス】を召喚(サモン)!!」


【アルティメットレックス】

SF【6】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【ジュラシック】

DG【-400】

LP【6000→6400】



「そして、【アルティメットレックス】のトライブアビリティを発動!」


【アルティメットレックス】

【トライブアビリティ】

【起】(COST:あなたの手札とフォースを全てジャンクゾーンに送る)

 ┗あなたのターンに、コストを支払うことで発動できる。そうしたら、このターンのバトルフェイズをフォースを消費しないで開始し、相手のアタックガーディアンにX000ダメージを与える。(Xの値はジャンクゾーンに送られたカードの合計枚数)



「見たか、【デスドラザウルス】のトライブアビリティを超える暴君の力を!! 俺様の手札は4枚、チャージゾーンのフォースは6枚…合わせて10枚。合計ダメージ10000だ! これこそがジュラシックトライブが誇る最強竜の攻撃だ!!」


「えっ?!」


 合計ダメージ10000。

 いまだかつてないダメージ量にイクサは目を剥く。



――マスター、私の命を……――


 アシストゾーンの【カオス・巫女・ナイト】が光った。


 ライフが残り700しかない巫女ナイトに10000ダメージを与えることにイクサは胸を痛める。

 しかし、自分を信じてくれた思いに応えるために、イクサは宣言する。


「【カオス・巫女・ナイト】のカウンターアビリティを発動!! 攻撃対象を【カオス・巫女・ナイト】に変更する!」


「ぬぅ、しまった……! すっかり忘れていた……」


【カオス・巫女・ナイト】

DG【1000→11000】

LP【700→0】


 ライフが0になった【カオス・巫女・ナイト】は、ジャンクゾーンに送られた。

 ありがとう、巫女ナイト。イクサは心の中で感謝の意を巫女ナイトに伝える。


――マスター、ご武運を……――



 巫女ナイトの思いを受け取ったイクサは、最後の決戦に臨む。

 恐らく次のターンが、イクサにとっての最後のターンとなる。自然と身が引き締まる。

 そんなイクサに対して、シンヤは舌打ちをする。


「チッ、俺様のターンは終了だ。だがまあ、お前じゃ俺様の【アルティメットレックス】には敵わねえよ」


「……巫女ナイトの犠牲は、俺に勝利をもたらす!」


――その通りだ――


「………え?」


 あの不気味な声が聞こえてきた。


――まさか貴様が我々をここまで使いこなすとは思わなかった。大義である。巫女が貴様を主と認め、自らの剣を捧げたのならば、我も貴様を主と認め、我が咆哮を捧げようではないか。受け取るがいい、守護龍の力を!!――



 気づけば、


「ドロー……」


 イクサは自らの意思とは関係なく勝手にカードをドローしていた。

 ドローしたカードを見る。

 【守護龍 カオス・ドラゴン】。


「フォースチャージして、更にドロー……」


 このカードが、イクサを勝利に導く鍵。


「フォースを6つ消費して、【守護龍 カオス・ドラゴン】を召喚(サモン)!!」


『なっ?!』


 その場にいた全員が驚愕した。


「なんで、イクサが……守護龍のカードを?!」


 カードに詳しいカイトもかなり驚いており、その様子からカオス・ドラゴンがとても希少価値のあるカードであることが伺える。


「コイツはたまげた……まさかこんな初心者が守護龍のカードを持っているとは……ギヒヒ、奪い取ってやるぜ!!」


「奪い取れるものなら、奪い取ってみろ!!」


【守護龍 カオス・ドラゴン】

SF【6】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【カオス】

DG【2300】

LP【7000→4700】


「トライブアビリティ、魂の継承(ソウルサクシード)発動!! 仲間達の力を【守護龍 カオス・ドラゴン】に!! サイコロを振る!!」


 振ったサイコロの目は……【6】


【守護龍 カオス・ドラゴン】

【1】………相手のアタックガーディアンに400のダメージを与える。

【2】………相手のデッキからカードを8枚、ジャンクゾーンに送る。

【3】………相手のアタックガーディアンに1200のダメージを与える。

【4】………相手のデッキからカードを15枚、ジャンクゾーンに送る。

【5】………相手のアシストガーディアンに2000のダメージを送る。

【6】………相手のアタックガーディアンにXのダメージを与える(Xの値は自分のジャンクゾーンに存在するカオストライブのカード×500)



「さあ、6つの効果欄が全て埋まった! 【守護龍 カオス・ドラゴン】のアタックアビリティ発動! 俺のジャンクゾーンに存在するカオストライブのカードは全部で16枚! よって、【アルティメットレックス】に8000のダメージを与える!!」


「なっ…そんなバカなっ?!」


「お前に倒された仲間達の無念を、今こそ晴らす時!! カオス・ドラゴンの攻撃だぁぁぁ!!」



「ぬわぁぁぁぁぁ!!」




【アルティメットレックス】

DG【-400→7600】

LP【6400→0】

【号外! フィニッシュカード特集!!】


イクサ「勝てました」


カイト「ちくしょう! なんで俺が勝てなかった相手に勝ってんだよ!!」


イクサ「主人公だからだよ。どうも、聖野イクサです」


カイト「同じく主人公、戦宮カイトだ!」


イクサ「お前は主人公じゃないから。さて、今回紹介するフィニッシュカードは【守護龍 カオス・ドラゴン】だ」


カイト「守護龍のカードいいなぁ、俺も欲しいぜ!」


イクサ「カオス・ドラゴンが持つアタックアビリティは、ジャンクゾーンに存在するカオストライブのカードの枚数×500のダメージを、相手のアタックガーディアンに与えるんだ」


カイト「8000ダメージなんて中々叩き出せないほどの大火力だったぜ!」


イクサ「でも、カオストライブのカードは魂の継承(ソウルサクシード)のせいでジャンクゾーンに送られないため、カオス・ドラゴンの能力とは一致していない。完全に相手任せだ」


カイト「イクサに似て、中途半端なカードだな」


イクサ「うっさい」


カイト「さて、次回はバトルはお休みで、俺のディヴァインデッキのデッキレシピを紹介するぜ!」


イクサ「俺も帰ってデッキの見直しをするか」


 次回もお楽しみに☆

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