BATTLE:003【炸裂! 魂の継承!!】
※ストーリーの都合上、いくつか修正しました
「お前、俺とバトルしろ」
イクサはシンヤに勝負を挑んだ。
そんなイクサに対して、カイトは目を見開いた。
「お、おい…イクサ。バトルしろったって……お前、たしかデッキ無いはずだろ!?」
「……デッキならある」
イクサは通学鞄から筆箱を取り出し、中からデッキを出して見せた。
「そんな……いつの間に…」
「昨日、ナミから貰ったんだよ」
「早乙女さんから?」
カイトはナミの方に顔を向けると、ナミは「ま、まーね」と言って顔を背けた。
まあ、呪われたデッキとは言えないだろうが。
イクサはシンヤに振り返る。
「そういうわけだ。次は俺とバトルしろ。それで、俺が勝ったら、部長さんと副部長さんとカイトのカードを返すんだ!」
「別にいいぜ、手に入るカードが増えるだけだ。だが、お前がレアカード3枚に見合うだけのものを出せたらな。そうだな……俺が勝ったら、お前のデッキをいただく。それでどうだ?」
「ああ、いいよ」
イクサの言葉に、ナミ、カイト、男子生徒、女子生徒の4人が目を剥いた。
「ちょ、イクサ?!」
「何もデッキを賭けなくても!!」
「そ、そうだよ。キミがそこまでする必要は無いんだ!!」
「今すぐ取り消すのだー!!」
4人の言葉に、今は首を横に振る。
カードを愚弄したシンヤを、イクサは許せないのだ。
イクサとシンヤは互いに第1ターンに召喚するカードを手元にキープし、互いのデッキをカット&シャッフル、デッキからカードを4枚引いてあらかじめ手元にキープしておいた1枚を加えた初期手札5枚を揃える。
イクサは初期手札を見てみるが、そこにSF【2】とSF【3】のカードが無かった。
これではガーディアンを順々に召喚できない。
「おい、お前」
そんなイクサの表情を見て、シンヤは1つだけ忠告をする。
「マリガンを知らねぇのか?」
「マリガン?」
「ハッ、マリガンを知らねぇとは、とんだ初心者様だな。まあいい、せめてもの情けだ。バトル・ガーディアンズでは、初期手札の手札バランスが悪い時は、一度だけいらないカードをデッキに戻してシャッフルし、戻した枚数だけデッキからカードを手札に加える手札交換ができる。これがマリガンだ。手札のカードは、なるべくSFが順々に並ぶのがベストだ。それじゃあ、俺はカードを3枚交換する。あと、手元にキープしておいた1枚はマリガンの対象にはできないから注意しろ」
諸星はそう言うと、手札からカードを3枚取り、デッキに戻してシャッフルし、デッキからカードを3枚ドローして手札に加えた。
「お前はどうする?」
「俺も、3枚交換する」
デッキにカードを戻してシャッフル、カードを交換した。
「んじゃ、先攻は譲ってやるよ」
「分かった」
イクサとシンヤは自身のサイコロをテーブルの上に置いた。
「「ダイス・セット!!」」
バトル開始だ。
「俺の先攻、メインドロー! フォースチャージして、更に追加ドロー!」
手札を見てみる。
先程の手札交換のおかげでバランスが良くなったのが分かる。
「フォースを1つ消費して、アタックガーディアン【カオス・シューター】を召喚!!」
【カオス・シューター】
SF【1】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【カオス】
DG【0】
LP【1500】
「俺はこれでターンエンド!」
イクサとシンヤのカードバトルを見守るカイト達4人は、イクサが使用するカードに目を見開いた。
「東條部長、あんなカード見たことありますか?」
「い、いや……見たことが無いね。初めて見るトライブだよ」
「じゃあ、リンナ副部長は?」
「リンナも見たことがないのだー」
カイトの問いに男子生徒と女子生徒は首を横に振る。
カイトはナミの方を向く。
「それじゃあ、早乙女さんは何か知らない? たしか、早乙女さんがあのデッキをイクサに渡したんだよね?」
「え…あ、うん。そうなんだけど、さ。私自身、あのデッキがどういうのか分かってなくて。あのデッキも、元は爺ちゃんの私物なんだよね」
「早乙女さんのお爺さんの?」
ナミが頷くと、カイトは再びイクサの方に顔を向ける。
あのデッキがどうであれ、カイトはただイクサの勝利を祈る。
ターンはイクサからシンヤに移行する。
「俺様のターン、メインドロー! カオストライブとはまた、見たことのないトライブだな。まあいい、最強の俺様が負けるわけが無ぇ! 手札を1枚フォースチャージして追加ドロー!!」
シンヤはカードを手札に加えた。
「手札からこのカードを出すぜ! アタックガーディアン【スプラッシュ・イーター】を召喚!」
【スプラッシュ・イーター】
SF【0】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【スプラッシュ】
DG【0】
LP【500】
「また違うトライブのカードを……」
「俺のデッキはトライブに縛られない強力なレアカード達で構築されている。雑魚が使う統一デッキとは違うんだよ!」
確かに混合デッキは強いと言える。
変幻自在な戦い方は、こちらのあらゆる対策を無にする。
しかしだからと言って、統一デッキが弱いという結論になるわけではない。
そう強く思うイクサの表情を見て、シンヤはニヤリと笑う。
「そう怒るなよ、クククッ。さらにフォースを1つ消費して、アシストガーディアン【補給部隊】を召喚!!」
【補給部隊】
SF【1】
GT【ノーマル/アシスト】
Tr【メタル】
DG【0】
LP【600】
「さらに、【補給部隊】のアシストアビリティ発動!!」
【補給部隊】
【アシストアビリティ】
【永】
┗あなたのターンのバトルフェイズ開始時に発生するフォースの消費は0になる。
「サイコロを振るぜ!」
シンヤのサイコロは【3】の目を出した。
【スプラッシュ・イーター】
【1】【2】【6】………相手のアタックガーディアンに100のダメージを与える。
【3】【4】【5】………相手のデッキからカードをX枚、ジャンクゾーンに送る(Xの値はバトルフェイズ開始時の手札の枚数)
「【スプラッシュ・イーター】のアタックアビリティを発動!! 俺様の手札は4枚、よってお前のデッキからカードを4枚、ジャンクゾーンに送る!」
「………っ」
デッキからカードが4枚、ジャンクゾーンに送った。
アシストガーディアンやカウンターカードが流れてしまった。
「俺様のターンエンドだ」
「俺のターン、メインドロー! フォースチャージして、更に追加ドロー!」
イクサは手札を見てみる。
シンヤのアシストゾーンの【補給部隊】。あれがある限り、先攻でありながら、相手より強力なガーディアンの召喚がワンテンポ遅れてしまう。
加えて先程のカイトのバトルであったように、インセクトトライブが持つフォースの回復封じをされてしまえば、さらに悲惨なことになってしまうだろう。
イクサは手札のカードから何か対抗手段を探す。
………あ。ある1枚のカードに視線が行く。
このカードならば、ワンテンポ分の穴を埋められる。イクサはそう確信した。
確認のために、もう一度カードテキストを読む。
テキストを読み終え、イクサはフォースを1枚裏返す。
「フォースを1つ消費し、手札からアタックガーディアン【カオス・ロアー】を召喚!!」
【カオス・ロアー】
SF【2】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【カオス】
DG【0】
LP【2500】
「なっ…?! おいおい、そのカードはSF【2】だぜ? 召喚できるわけねえだろうが」
「それは、このカードのポテンシャルアビリティのおかげさ!」
「ぽ、ポテンシャルアビリティだと?!」
【カオス・ロアー】
【ポテンシャルアビリティ】
【永】
┗自分フィールド上のアタックゾーンに【カオストライブ】のカードがあるなら、手札のこのカードはSF【1】として扱う。
「ぬ、ぬぅ……潜在能力を持ったガーディアンだったのか!」
「そうさ。そして、この効果は統一デッキだからこそ発動できるアビリティ。お前のような混合デッキでは、不可能だ!!」
「ぐっ……」
「さらに、カオストライブのトライブアビリティを発動する! 仲間の魂は、次の世代にへと受け継がれる……【魂の継承】!!」
「そ、魂の継承だと?!」
【カオス・ロアー】
【トライブアビリティ】
【永】
┗【カオストライブ】のガーディアンを召喚したアピアステップ時、前のガーディアンはアンダーカードとして、このガーディアンの下に置く。このガーディアンは下に置かれたアンダーカードの効果を全て受け継ぐ。
「なっ?! 能力を継承するだと!?」
「ああ! 魂の継承により、【カオス・ロアー】は【カオス・シューター】のアタックアビリティを受け継ぐ! サイコロを振る!!」
振ったサイコロの目は【1】だった。
【カオス・ロアー】
【1】………相手のアタックガーディアンに400のダメージを与える。
【2】………相手のデッキからカードを8枚、ジャンクゾーンに送る。
【1】のアタックアビリティは元々は【カオス・シューター】のものである。
カオストライブのアタックガーディアンは全て、アタックアビリティを一種類しか持っていない。
だが魂の継承のことを考えれば、その疑問も頷けるだろう。
このトライブは召喚する度に前のカードの力を受け継ぐ。そして徐々にだが確実に成長していく。
まさに“絆”をテーマにしたトライブと言えるだろう。
「フォースを1枚消費してバトルフェイズ! 【カオス・シューター】のアタックアビリティを受け継いだ【カオス・ロアー】の攻撃! 相手のアタックガーディアンに400のダメージを与える!!」
【スプラッシュ・イーター】
DG【0→400】
LP【500→100】
「くっ……マジかよ…?!」
ニヤついていたシンヤの顔が一気に驚愕に染まった。
「俺のターンは、これで終了だ」
「チッ……初心者が調子に乗ってるんじゃねえぞ!! 俺様のターン、メインドロー! フォースチャージして、追加ドロー!!」
カードを手札に加え、シンヤは手札を凝視する。
「くそっ、このカードを出すか……フォースを2つ支払い、アタックガーディアン【メタルブレイカー】を召喚!!」
【メタルブレイカー】
SF【2】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【メタル】
DG【400】
LP【2000→1600】
「サイコロを振るぜ!」
諸星が振ったサイコロの目は【6】。
【メタルブレイカー】
【1】【2】【3】………相手のアシストガーディアンに600のダメージを与える。
【4】【5】【6】………相手のアタックガーディアンに800のダメージを与える。
「【メタルブレイカー】のアタックアビリティ発動! 【カオス・ロアー】に、800のダメージを与える!!」
【カオス・ロアー】
DG【0→800】
LP【2500→1700】
「ターンエンドだ」
「俺のターン、ドロー!」
ライフはイクサの方が100だけリードしている。
このまま一気に差を広げるべきだろう。
「フォースチャージして、ドロー!!」
ドローして引いたカードは【カオス・巫女・ナイト】のカードだった。
このカードは、イクサの夢に出てきた少女である。
ふと、チャージゾーンを見てみる。
イクサのチャージゾーンにはフォースが3枚。
バトルフェイズ用に1枚引いても、残るのは2枚。
SF【3】のガーディアンはどのみち出せないが、2枚余るのならこのカードが出せる。
「フォースを2つ消費して、手札からアシストガーディアン【カオス・巫女・ナイト】を召喚!!」
【カオス・巫女・ナイト】
SF【2】
GT【ノーマル/アシスト】
Tr【カオス】
DG【0】
LP【1700】
「サイコロを振る!」
サイコロを振って出た目は……【4】
【カオス・ロアー】
【1】………相手のアタックガーディアンに400のダメージを与える。
【2】………相手のデッキからカードを8枚、ジャンクゾーンに送る。
サイコロの目に該当する効果なし。
【弱体化】
【カオス・ロアー】の状態が縦向きから横向きになった。
「えっ……弱体化?」
イクサの戸惑いの声に、ナミが答える。
「サイコロの目の数がアタックガーディアンのアタックアビリティに該当しなかったら、ガーディアンは弱体化しちゃうの! 弱体化したら、次の相手ターンで発生するダメージ量が2倍になっちゃうんだよ!!」
「ええっ?!」
イクサは思わず驚愕の声をあげる。
「ガーハッハッ、俺にもツキが回ってきたってことか?」
シンヤの顔にあの忌まわしいニヤつきが戻ってきた。
これもバトル・ガーディアンズのゲームの特徴である。仕方ないとしか言い様がない。
「ターン、エンド……」
「俺様のターン、メインドロー! フォースチャージして、更に追加ドローだぜ!!」
追加ドローで手札に加えたカードを見てシンヤは笑う。
「フッ……残念だが、お前とのバトルはこれでおしまいだ! フォースを3つ支払ってアタックガーディアン【スパイラルノドン】を手札から召喚だ!!」
【スパイラルノドン】
SF【3】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【ジュラシック】
DG【400】
LP【2500→2100】
「サイコロを振るぜ!」
サイコロの目は【2】
【スパイラルノドン】
【1】【2】【3】【4】【5】【6】………相手のアタックガーディアンに1000のダメージを与える。
「【スパイラルノドン】のアタックアビリティにより、【カオス・ロアー】に1000のダメージを与える! さらに弱体化により、2倍のダメージ量だ!!」
総ダメージ量2000。
【カオス・ロアー】の残りライフは1700。
「そんな……俺の…俺の……負け」
(こんな奴に、負けるのかよ…っ!!)
拳を強く握り締める。
すると、
――諦めないで下さい――
「え……?」
声のした方向……【カオス・巫女・ナイト】のカードを見つめた。
【カオス・巫女・ナイト】は、光り輝いていた。
次の瞬間、イクサの意識が身体を離れた。
☆☆☆
「ここは……カオス・キャッスル?」
気が付けば、夢の中で訪れた、カオス・キャッスルの中庭に立っていた。
負けたショックで、気を失ったのだろうか? イクサはそう思って辺りを見回す。
「私はまだ、信じていますよ?」
背後を振り返れば、【カオス・巫女・ナイト】がイクサを見つめていた。
とても、悲しそうな瞳で。
「……ごめん、でも、もう俺の負けだよ。どうにも、ならないんだ」
「そんなことはありません!」
【カオス・巫女・ナイト】はイクサの手を握って詰め寄って言う。
「諦めなければ、まだ勝つ可能性だってあります! 一発逆転のチャンスだって、舞い込んできます! だからどうか、勝つことを諦めないで! 私が貴方を信じたように、貴方も、私達の力を信じて下さい!」
「キミ達の、力………」
イクサは、彼女の手を握り返した。
気づけば、イクサとカオス・巫女・ナイトの周りを囲うようにカオストライブのガーディアン達が集結し、イクサの手に触れる。
「皆……」
イクサの声に、カオスの戦士たちは一様に頷く。
「皆……。俺の勝利を、信じてくれるの?」
「はい! 私達が、力を貸します!!」
【カオス・巫女・ナイト】の言葉に、カオスの戦士全員が大きく頷いた。
「巫女ナイト……俺、戦うよ。約束する。戦って勝って、必ず、キミ達のマスターになる」
イクサの言葉を聞いて、【カオス・巫女・ナイト】は涙を流した。
「その言葉は、真ですか?」
「うん、勿論」
「ならば」
【カオス・巫女・ナイト】は腰に携えた鞘から剣を抜き取り、それを地面に深く刺した。
その後、片膝を着いてイクサに頭を下げた。
「我らは聖野イクサを守る剣となり、勝利を約束することを、ここに誓います」
彼女は最後に、顔を上げてニッコリと微笑んだ。
「貴方が諦めない限り、私達は貴方と共に戦い続けます」
☆☆☆
「ッ…!」
意識を取り戻し、辺りを見渡す。
荒らされた部室、目の前にはシンヤ。
総ダメージ量2000が、【カオス・ロアー】に襲いかかろうとしている場面だった。
(【カオス・巫女・ナイト】、力を貸してくれ!)
イクサは声高々に宣言する。
「【カオス・巫女・ナイト】のカウンターアビリティ発動!!」
「なにっ?!」
「このアビリティは、カウンターステップ時に発動できる!」
【カオス・巫女・ナイト】
【カウンターアビリティ】
【自】(カウンターステップ時)
┗1ターンに一度、自分のアタックガーディアンに与えられるダメージ効果をこのカードに変更できる。ただし、ダメージ効果の対象がこのカードである場合、この効果は発動できない。
「攻撃対象を【カオス・巫女・ナイト】に変更!」
【カオス・巫女・ナイト】
DG【0→1000】
LP【1700→700】
「なん…だと……」
「勝負はまだまだこれからだ、諸星!!」
「くっ……ターンエンド!!」
「【カオス・巫女・ナイト】が繋いでくれたチャンス、無駄にはしない! 俺のターン、ドロー!!」
ドローしたカードを手札に加え、チャージゾーンに別のカードを置く。
「フォースチャージ! そしてドロー!!」
反撃の時間だ。
「フォースを3つ消費して、アタックガーディアン【カオス・ストライカー】を召喚!」
【カオス・ストライカー】
SF【3】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【カオス】
DG【800】
LP【3500→2700】
「そして、魂の継承!!」
【カオス・ストライカー】は、【カオス・シューター】と【カオス・ロアー】の能力を受け継いだ。
「サイコロを振る!」
出た目は、【3】!!
【カオス・ストライカー】
【1】………相手のアタックガーディアンに400のダメージを与える。
【2】………相手のデッキからカードを8枚、ジャンクゾーンに送る。
【3】………相手のアタックガーディアンに1200のダメージを与える。
今度はサイコロの目を当てることができた。
「フォースを1枚消費してバトルフェイズ! 【カオス・ストライカー】のアタックアビリティ発動! 【スパイラルノドン】に1200のダメージを与える!!」
「ぐっ!?」
【スパイラルノドン】
DG【400→1600】
LP【2100→900】
一気に追い詰めることに成功した。これでバトルの流れは再びイクサの方へと傾いた。
「これで俺のターンを終了する!」
「俺様のターンだ、メインドロー! フォースチャージして、追加ドロー!!」
シンヤは手札からカードを選んだ。
「フォースを4つ支払って、アタックガーディアン【ヒドロ・アクター】を召喚!!」
【ヒドロ・アクター】
SF【4】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【スプラッシュ】
DG【1600】
LP【4000→2400】
「しゃらくせぇ! サイコロを振るぜ!!」
シンヤのサイコロは【4】
【ヒドロ・アクター】
【2】【3】【4】………相手のアタックガーディアンに1500のダメージを与える。
【1】【5】【6】………相手のアシストガーディアンに800のダメージを与える。
「【ヒドロ・アクター】の効果により、【カオス・ストライカー】に1500のダメージを与えるぜ!」
【カオスストライカー】
DG【800→2300】
LP【2700→1200】
「これで、ターンエンドだ」
「俺のターン、ドロー! フォースチャージして、1枚ドロー!!」
これでイクサのチャージゾーンにはフォースは5つ。
SF【4】のカードを召喚できる。
「フォースを4つ消費して、アタックガーディアン【カオス・ブレイズ】を召喚!!」
【カオス・ブレイズ】
SF【4】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【カオス】
DG【2300】
LP【4500→2200】
「トライブアビリティ、魂の継承発動!!」
【カオス・ブレイズ】に【カオス・シューター】、【カオス・ロアー】、【カオス・ストライカー】の能力が受け継がれていく。
「サイコロを振る!」
サイコロの目は【2】。
【カオス・ブレイズ】
【1】………相手のアタックガーディアンに400のダメージを与える。
【2】………相手のデッキからカードを8枚、ジャンクゾーンに送る。
【3】………相手のアタックガーディアンに1200のダメージを与える。
【4】………相手のデッキからカードを15枚、ジャンクゾーンに送る。
「フォースを1枚消費してバトルフェイズ! 【カオス・ロアー】の能力を受け継いだ【カオス・ブレイズ】の攻撃!!」
現在、【カオス・ブレイズ】は【ヒドロ・アクター】よりライフが下回っている。
よって、シンヤがカイトとのバトルで使用していたカウンターカード【自己犠牲自己修復】の効果は発動できない。
シンヤのデッキからカードが8枚、ジャンクゾーンに送られた。
「チッ、デッキをかなり削られちまった……」
「これで俺のターンは終了だ。諸星、お前のターンだ」
「言われるまでもねえよ。俺様のターン、メインドロー! そんでもってフォースチャージ!! 追加ドローだ!」
シンヤはデッキの残り枚数をチラチラと確認している。
そして、手札からカードを選択した。
「フォースを5つ支払い、手札からアタックガーディアン【メタル・トルーパー】を召喚!!」
【メタル・トルーパー】
SF【5】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【メタル】
DG【1600】
LP【5000→3400】
ライフ差は1200、少し危険かもしれない。
「それじゃあ、サイコロを振るぜ!」
諸星のサイコロの目は【6】
【メタル・トルーパー】
【1】【2】【3】【4】………相手のアタックガーディアンに1000のダメージを与える。
【5】【6】………相手のデッキからカードを15枚、ジャンクゾーンに送る。
「【メタル・トルーパー】のアタックアビリティにより、デッキからカードを15枚、ジャンクゾーンに送る!!」
デッキからカードが15枚、ジャンクゾーンに送られた。
SF【5】などのカードが流れてしまった。
「ターンエンドだ」
「……俺のターン、ドロー!」
ドローしたSF【5】のカードじゃない。そして、手札にはSF【5】のカードは無い。
全ては追加ドローにかかっている。
「フォースチャージして、更に1枚追加ドロー!」
ドローしたカードを確認する。
SF【5】のカードだ。
「フォースを5つ消費して、【カオス・インパルス】を召喚!!」
【カオス・インパルス】
SF【5】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【カオス】
DG【2300】
LP【5500→3200】
「そして、魂の継承!!」
【カオス・インパルス】に、魂を繋いだ4体の仲間の力が宿る。
「サイコロを振る!」
サイコロの目は【5】!
【カオス・インパルス】
【1】………相手のアタックガーディアンに400のダメージを与える。
【2】………相手のデッキからカードを8枚、ジャンクゾーンに送る。
【3】………相手のアタックガーディアンに1200のダメージを与える。
【4】………相手のデッキからカードを15枚、ジャンクゾーンに送る。
【5】………相手のアシストガーディアンに2000のダメージを与える。
「バトルフェイズ! 【カオス・インパルス】のアタックアビリティ発動! 【補給部隊】に2000のダメージを与える!!」
これで【補給部隊】をアシストゾーンから取り除くことができる。
だが、
「甘いんだよ! 手札からカウンターカード【ダメージチェンジャー】発動!」
シンヤはカウンターカードを発動させた。
【ダメージチェンジャー】
FORCE【0】
【カウンター】
【自】(カウンターステップ時)
┗あなたのジャンクゾーンのカードの枚数が相手より少ない場合に発動できる。ダメージ効果を1つ選択し、そのダメージ効果をアタックガーディアンのリペア効果に変更する。
「よって、俺様の【メタル・トルーパー】のライフは2000回復する!」
【メタル・トルーパー】
DG【1600→-400】
LP【3400→5400】
「そ、そんな……!!」
ここにきてライフが大幅に逆転してしまった。
先程からシンヤがジャンクゾーンのカードの枚数を気にしていたのは、このカウンターカードの効果を発動するためだったようだ。
「どうした? ターンエンドか?」
「っ……ターンエンド」
「なら、俺様のターン、メインドロー! フォースチャージして、更に追加ドロー!!」
引いたカードが余程良かったのか、シンヤは大層ご機嫌だった。
「まさか初心者が俺様をここまで追い詰めるとは思わなかった。誉めてやろう……だが、所詮は俺様の足元にも及ばないことを、思い知らせてくれる!! フォースを6つ支払い、手札からアタックガーディアン【アルティメットレックス】を召喚!!」
【アルティメットレックス】
SF【6】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【ジュラシック】
DG【-400】
LP【6000→6400】
「そして、【アルティメットレックス】のトライブアビリティを発動!」
【アルティメットレックス】
【トライブアビリティ】
【起】(COST:あなたの手札とフォースを全てジャンクゾーンに送る)
┗あなたのターンに、コストを支払うことで発動できる。そうしたら、このターンのバトルフェイズをフォースを消費しないで開始し、相手のアタックガーディアンにX000ダメージを与える。(Xの値はジャンクゾーンに送られたカードの合計枚数)
「見たか、【デスドラザウルス】のトライブアビリティを超える暴君の力を!! 俺様の手札は4枚、チャージゾーンのフォースは6枚…合わせて10枚。合計ダメージ10000だ! これこそがジュラシックトライブが誇る最強竜の攻撃だ!!」
「えっ?!」
合計ダメージ10000。
いまだかつてないダメージ量にイクサは目を剥く。
――マスター、私の命を……――
アシストゾーンの【カオス・巫女・ナイト】が光った。
ライフが残り700しかない巫女ナイトに10000ダメージを与えることにイクサは胸を痛める。
しかし、自分を信じてくれた思いに応えるために、イクサは宣言する。
「【カオス・巫女・ナイト】のカウンターアビリティを発動!! 攻撃対象を【カオス・巫女・ナイト】に変更する!」
「ぬぅ、しまった……! すっかり忘れていた……」
【カオス・巫女・ナイト】
DG【1000→11000】
LP【700→0】
ライフが0になった【カオス・巫女・ナイト】は、ジャンクゾーンに送られた。
ありがとう、巫女ナイト。イクサは心の中で感謝の意を巫女ナイトに伝える。
――マスター、ご武運を……――
巫女ナイトの思いを受け取ったイクサは、最後の決戦に臨む。
恐らく次のターンが、イクサにとっての最後のターンとなる。自然と身が引き締まる。
そんなイクサに対して、シンヤは舌打ちをする。
「チッ、俺様のターンは終了だ。だがまあ、お前じゃ俺様の【アルティメットレックス】には敵わねえよ」
「……巫女ナイトの犠牲は、俺に勝利をもたらす!」
――その通りだ――
「………え?」
あの不気味な声が聞こえてきた。
――まさか貴様が我々をここまで使いこなすとは思わなかった。大義である。巫女が貴様を主と認め、自らの剣を捧げたのならば、我も貴様を主と認め、我が咆哮を捧げようではないか。受け取るがいい、守護龍の力を!!――
気づけば、
「ドロー……」
イクサは自らの意思とは関係なく勝手にカードをドローしていた。
ドローしたカードを見る。
【守護龍 カオス・ドラゴン】。
「フォースチャージして、更にドロー……」
このカードが、イクサを勝利に導く鍵。
「フォースを6つ消費して、【守護龍 カオス・ドラゴン】を召喚!!」
『なっ?!』
その場にいた全員が驚愕した。
「なんで、イクサが……守護龍のカードを?!」
カードに詳しいカイトもかなり驚いており、その様子からカオス・ドラゴンがとても希少価値のあるカードであることが伺える。
「コイツはたまげた……まさかこんな初心者が守護龍のカードを持っているとは……ギヒヒ、奪い取ってやるぜ!!」
「奪い取れるものなら、奪い取ってみろ!!」
【守護龍 カオス・ドラゴン】
SF【6】
GT【ノーマル/アタック】
Tr【カオス】
DG【2300】
LP【7000→4700】
「トライブアビリティ、魂の継承発動!! 仲間達の力を【守護龍 カオス・ドラゴン】に!! サイコロを振る!!」
振ったサイコロの目は……【6】
【守護龍 カオス・ドラゴン】
【1】………相手のアタックガーディアンに400のダメージを与える。
【2】………相手のデッキからカードを8枚、ジャンクゾーンに送る。
【3】………相手のアタックガーディアンに1200のダメージを与える。
【4】………相手のデッキからカードを15枚、ジャンクゾーンに送る。
【5】………相手のアシストガーディアンに2000のダメージを送る。
【6】………相手のアタックガーディアンにXのダメージを与える(Xの値は自分のジャンクゾーンに存在するカオストライブのカード×500)
「さあ、6つの効果欄が全て埋まった! 【守護龍 カオス・ドラゴン】のアタックアビリティ発動! 俺のジャンクゾーンに存在するカオストライブのカードは全部で16枚! よって、【アルティメットレックス】に8000のダメージを与える!!」
「なっ…そんなバカなっ?!」
「お前に倒された仲間達の無念を、今こそ晴らす時!! カオス・ドラゴンの攻撃だぁぁぁ!!」
「ぬわぁぁぁぁぁ!!」
【アルティメットレックス】
DG【-400→7600】
LP【6400→0】
【号外! フィニッシュカード特集!!】
イクサ「勝てました」
カイト「ちくしょう! なんで俺が勝てなかった相手に勝ってんだよ!!」
イクサ「主人公だからだよ。どうも、聖野イクサです」
カイト「同じく主人公、戦宮カイトだ!」
イクサ「お前は主人公じゃないから。さて、今回紹介するフィニッシュカードは【守護龍 カオス・ドラゴン】だ」
カイト「守護龍のカードいいなぁ、俺も欲しいぜ!」
イクサ「カオス・ドラゴンが持つアタックアビリティは、ジャンクゾーンに存在するカオストライブのカードの枚数×500のダメージを、相手のアタックガーディアンに与えるんだ」
カイト「8000ダメージなんて中々叩き出せないほどの大火力だったぜ!」
イクサ「でも、カオストライブのカードは魂の継承のせいでジャンクゾーンに送られないため、カオス・ドラゴンの能力とは一致していない。完全に相手任せだ」
カイト「イクサに似て、中途半端なカードだな」
イクサ「うっさい」
カイト「さて、次回はバトルはお休みで、俺のディヴァインデッキのデッキレシピを紹介するぜ!」
イクサ「俺も帰ってデッキの見直しをするか」
次回もお楽しみに☆




