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突然の襲撃と意外なお客 

遅れましてすいません。

ここから前書き書かせていただきます(汗)

ここから話は急展開を迎えます。

どうなるかはみてのおたのしみということで

「信仁遅っそい!いつまで出てくるのに時間かけてるのよ」膨れた表情の西枝にいきさつを話すと、興味深そうに西枝は鉄の玉を手にとった「パラレル様が、信仁にね~。」

さも、なんで私じゃないのよと言いたげな口調で話し続けながら西枝は鉄の球を回しながら見ていたが急にその手を止めた。「西枝、どうした?」俺の問いに西枝は鉄の玉の

一部分を指さすことで応じた「そこに何があるって?」俺は西枝の指さした場所

鉄の玉の一部分を見つめた。「んん?何か書かれている・・・・」 西枝が指した場所

そこには何か文字が書かれているようだった。「なんだろう、この文字・・・」西枝は

袋の中を探って他の鉄の玉も調べはじめた「信仁、これ一つ一つ文字が違うみたい!」

たしかによく見てみると、すべてを確認することはできないが一つ一つ文字は違うようだ

しかもよく見ると絵柄まで書かれている「こっちが火、こっちが水、こっちが緑、これは巨人、これは壁・・・・」美紀は絵柄を一つ一つ確認していく。記憶力からいえば

西枝の方が俺より数倍上だ、絵柄の確認を西枝がしている間に俺は文字をもう一度見つめた、明らかに英語などではない、母がいわゆる韓流な人なので韓国の文字であるハングルも見たことがあるが、それとも全く違う。中国や中東系の国の文字かもしれない、そう考えたとたん、絶対にそうと思えてきて、いますぐ調べたくなってきた。

「おい、西枝、図書館にいこうぜ」俺の言葉に西枝は顔をあげ「うん、この絵柄はすべてわかったけど、文字がまだわかってないもんね。」

図書館に向けて歩きだそうとした俺だったが、ふと背中に誰かの視線を感じた。

「!!」振り向いたが誰もいない「気のせいか。」ほっとして前を向いたおれの眼に

黒いマントをはおった男の姿が映った!「だめだよ、油断しちゃ。」 黒いローブで全身をつつみ、黒いマントをはおり、仮面をかぶったその男、男の手には少し錆びついた小さなカマが握られている。

「うあああ!!」俺の悲鳴に西枝が反応して振り向いた、「信仁!!」西枝も男の手に

カマが握られていることに気づいたようだ。悲鳴を上げながら、走ってくる。

「おそい!」男がカマを振り回す 、「くっ!」間一髪で剣先から逃れることはできた。

しかし、男は変幻自在の方法で、おれに向かってきた。

「なぜ、おれを襲う!」「・・・・・」男は無言のままひたすら切りつけてくる。

「答えろ、お前は俺を殺す気か?」おれの問いに男は初めて答えた「ちがう・・・

わたしが欲するのは、お前ではない・・・・それよりも・・・油断してはいけないと・・・・」男は言葉を区切り「言ったはずです!」一瞬の俺のすきを突き、男はカマで俺の肩を切りつけた。

「うう!」着物ごと右肩がバッサリ切られた、農作業用で小型の、しかも錆びたやつなのにこの切れ味ってありかよ。

「信仁をこれ以上いたぶるんじゃないわよ!」西枝の言葉に男は微笑した「嬢ちゃん、手出ししない方が身のためだよ、君に美しい顔に傷などつけたくないからね、だいたい、武器もない君がどうやって私と戦うのだね?」

「私には、これがある!」西枝はさっきの鉄の玉を取り出した、「??」男は一瞬いぶかしげな表情をしたが、次の瞬間にはその顔を恐怖にゆがめた。

「やめろ!!」叫ぶ男を無視して西枝は鉄の球を投げた。次の瞬間

「うああああ!!」男の悲鳴が響く、というより俺の悲鳴も少し交じっている、

西枝が投げた鉄の球は空中で巨大な火の玉になったからだ、「ぐわあああ!!」火の玉は絶叫する男をまたたくまに飲み込み、そのまま地面に激突した。

「やり!!」グーサインをきめる西枝、あいつってホントあれでも女なのか?

ていうか、男の僕が女の西枝に助けられるなんて・・・・なんかな~

「西枝、お前なんであそこで鉄の球を投げよと思ったんだ?」西枝は鼻を鳴らした

「パラレル様がわざわざ信仁に渡したんでしょう?絶対なんかあると思ったから投げたのよ。お守りの威力絶大よね~、一撃必殺っていうか、瞬殺だもんね!さすがパラレル様。」

「・・・・・」たしかにパラレルという占い師はすごい、でもそれより重要なのはこの鉄の玉の正体だ、空中で突然火の玉となり、相手に襲いかかるって、まるで魔法だ。

しかもパラレルは幕屋を出る寸前に、このことを予想していたかのように、鉄の球を渡した。パラレルは人間じゃないんじゃないか・・・・

そんなことを考えていると西枝にこつんと頭をたたかれた「いつまでぼ~としてるのよ、早く図書館に行こう、行く予定だったでしょう、信仁が言い始めたんじゃない。」

西枝にせかされ、おれは図書館に向かってひた走った。

しかし走りながら、おれは不安を抱えていた、あの男・・・・火に包まれた消えていった男がしたいとなって発見されれば事件になる、いや火の玉に包まれて死体が燃え尽きたとしても、巨大な火の玉の後は残る、絶対明日あたり、町中大騒ぎになる、誰も西枝が鉄の球を投げているのを見ていなければいいが・・・・

そんなことを考えながらも俺は走りつづけた。




「ふう、やっと着いた」俺も西枝も息が荒い、何しろ男に襲われた場所から2キロ近く

走りっぱなしだったから、肺が苦しくて仕方無い。

「とりあえず、休もう。一休みしてから調べようぜ。」へばっている俺を西枝は憐れんだ目で見つめた「まったく、女子より体力がないなんて、やっぱり信仁、女・・・・」「ちがう、ちがう、ちがう!!」さすがに女呼ばわりはされたくない、すぐさま飛び起きて

中国語の辞書とアラブ文字の辞書(こんなのあったんだ!)を探し出し、鉄の玉の文字と比較してみた。

「ちがうわね~?」西枝が首をかしげる、おれも同意見だった。やはり、中国語でも

アラブ文字でもない、未知の文字と考えるほかないようだ。

「帰ろうぜ」俺が出口に向かいかけた時「信仁!ちょっと来て。」西枝が嬉しそうな声を上げた「なんだよ」西枝は一冊の本を手に取っていた「ルーン文字と北欧神話?」その本の題名だ「ルーン文字に間違いないわ、よく見てみなさいよ。」西枝に渡された本に載ってるルーン文字と鉄の玉の文字を見比べてみる。「ホントだ・・・」たしかに鉄球の文字はルーン文字と同じだ。

「早速、暗号解読、開始!」西枝は乗り気で本と鉄球の文字を見比べながら『解読』を始めている。

「まったく・・・」そんな西枝を横目に見ながら俺は残りの鉄の球を見つめていた。

その時袋の中に一枚だけ紙が入っているのを見つけた「これは?・・」その紙を手に取ってみると、そこにも謎の文字が・・・・ルーン文字だろう、これも西枝に解読してもらうしかないな。

「信仁!一つ目の鉄の玉の解読ができた。」西枝は俺にノートの切れ端を投げてよこした

「よし、なになに『大地よ怒れ、地の精ノームよ汝の怒りを今こそ示せ、地の表を槍の如く立たせたまえ、絶対唯一の主の名において』ってまるで魔法の呪文じゃん」

まさにこれは魔法の呪文だ、それ以外に考えられない。

「ああ、そうだ西枝、他の鉄球に取り掛かる前に、この紙の文字を解読してくれないか?」

西枝は嫌そうな顔をしながらも「わかった」といい作業に取り掛かった。

俺は西枝の解読が終わるまでの間に携帯を開いて、ニュースを見ることにした。

こんな時にニュースを見る必要もないと思うかもしれないが、もともと家族がニュースをよく見るせいで俺もニュースを見る癖が付いてしまったのだ。

「ここが、謎の焦げ跡が残る現場です!!」ニュースを付けてとたん男性アナウンサーの緊迫した声が飛んできた。「ごらんのとおり、道路に巨大な円状の焦げ跡が付いています

付近の住民の話によると、男の悲鳴が聞こえたと思ったら、次の瞬間には振動があり

おそろおそる窓から外を見ると、巨大場焦げ跡が地面についていたということです。

警察は何らかの事後があったと見た調べを進める方針ですが、今までにないタイプの

騒動に警察も頭を悩ませることになるそうです。」やっぱり、残ったんだ焦げ跡が・・・

そう思ったとき急に肩が痛み出した「そういえば、肩を切られてたんだっけ・・・」

走るのに夢中で肩の傷のことなんかすっかり忘れていたが、刃物で切られたのだ

痛まないはずがない、「いててて・・・」いったん自覚するとあっという間に痛みが増してきた。

「信仁、解読が・・・って血が!」西枝の悲鳴のような声が聞こえた、そして俺の意識は

西枝の声を聞いたと思ったら、すうっと遠のいていった。

「信仁・・・、起きて信仁・・・」かすかに西枝の声が聞こえた気がした、しかし気のせいかと思い、また深い暗闇の中に落ちていく。「おきて!おきなさい!おきろ!!!」

「うあ!!」西枝の怒鳴り声で俺の意識は現実に引き戻された「西枝?・・・」

「信仁、目が覚めたんだね。よかった」西枝は安心した表情を見せた「ここは?」

不思議そうな表情をする俺に西枝は笑いを抑えながら言った。

「ここは病院よ、あんた出血がひどくて、私が解読してる間に意識を失ったのよ。

いそいで、119番呼んで近くの病院に搬送されたの、あんたの両親は医者の説明を聞いてる。」よく見渡してみるとたしかに病院の一室にいるようで、肩には包帯が巻かれている、「まったく、怪我したのなら教えてくれればいいのに。何も知らなかったからびっくりしたじゃない!」まあ、西枝の言うことももっともなんだが、「わるい、わるい。それはそれとして、あの紙には何が書かれていたんだ?」西枝は苦笑いしながらも紙を差し出した「そこに解読結果が書かれてるわ。でも誰がこの紙を入れたんだろうな?」

なぜ西枝が首をかしげたのか、最初は俺には分からなかったが、紙を読み進めていくにしたがって、おれにもわかってきた。

「わが主、セレナ。貴方を守護するは我の役目、我が使役し20の精霊汝がために捧ぐ。汝の守護者ローラン」ローラン?人の名前だろうか、文面から察するにこのローランという人物は「セレナ」を守る立場の者の名前らしい。

「しかしな、あの鉄の玉の所有者がこの『ローラン』っていう奴だとしたら、なぜ、セレナは自分に命の危機が迫っていたのにその力を遣わなかったんだろうな?」

西枝も頷きながら言った「たしかに、普通の民間人である私や信仁にも扱えるんなら、

呪いをかけるほどの力を持っていた彼女なら簡単に扱うことができたのにね?」

つまり、死刑にされた『セレナ』はその運命から逃れるすべを持っていたにもかかわらず自ら滅びの運命を選んだということになる・・・・

いったい彼女はどうしてそんな選択をしたのだろうか? どう考えてもわからん。

「それはそれとして、信仁。あんたの家族への説明はどうすんのよ。あんたの親父、相当怒り狂っていたわよ。」親父が?不安そうな顔をした俺を見て吹き出しそうになりながらも西枝は続けた「あんたに対してじゃなくて、あんたの肩を切った犯人に対してよ。

もうすごかったわ、『あいつから犯人の特徴を聞き次第、直ちに犯人を捕獲し半殺しにしてやる!!!』って息巻いてたからね~。」おいおいおい・・・・。

だいたい犯人を捕まえようにも、その犯人は西枝が「消滅」させてしまったし、凶器に使われたカマも巨大な火の玉により溶けて消え去ってしまった。つまりどう探しても犯人は見つからないってことだ。

しかし、そんなこと親父に話せるわけがない。 どうやって説明すればいいんだ?

「おお、目が覚めたか!!」まずい、親父だ・・・・

「今、医者からの説明を受けた。ナイフで切り付けられたんだってな。切りつけた奴の顔は覚えているか?」覚えているかといわれれば覚えているが、素直に話すわけにいかない「いや、何しろ急だったから、それに怖くてパニック状態だったもんで。」ああ、自分は

虚言をしている・・・・

「だから、お前は女と言われるんだ。男はパニックになどならず堂々としてるもんだ!」妻との離婚騒動の時、パニックに陥って、挙句の果てにうつ病になり、仕事を失くしたあんたに言われたくないよ・・・・と思いながらも俺は親父の演説をその後30分聞かされる羽目になった。

「大変だったね。信仁。」西枝が心から心配する声で言った。こういうところが西枝の良いところだ。親父がらみのことや、家族関係に関することではいつも西枝はこのように心配してくれる。まあ、親父の演説の後、5時間かけて、同じような会話を駆けつけてきた祖父母を始めとする親戚一同に話し続け、すでに体力精神力共に底を尽きかけ、ぐったりしている姿を見れば、だれだって多少は心配するだろうが。

「あんたは疲れていると思うし、正直もう誰とも話したくないだろうけど。あなたへの面会者があと1人だけ来ているの。」 あと1人だけ?もう夜中の11時だ、西枝は世話係という名目でこの個室に出入りすることを許されているが、すでに面会時間はとっくの昔に過ぎた、というよりまず、すでに病院は緊急外来以外は空いていないはずだ。

今日中に来れなかった親戚が今の時間にきたというのは信ぴょう性に欠ける、だとすれば誰が?・・・・

「誰が来たのかって顔してるわね。」西枝が面白そうに言う「その人はもうこの部屋に来てるわ。」この部屋に?ベットから体を起こして周りを見渡す。

小さな冷蔵庫、花瓶、カード式のテレビ 、西枝、退屈そうにイスに座る若い女、わざわざ持ってきた本棚・・・・・ってイスに座ってる若い女?

改めて女の顔をよく見る「あ、あ!まさか!」イスに座るおねえさん、パラレルはニヤッと笑った。「いやあ、愉快愉快!」一体いつどうやって病院に入ったんだ?っていうか、まず、パラレルってこんな恰好していたっけ「当たり前じゃろ。いつもあの占い師の格好をするとでも思っているのか。第一ここに入り込むのにあの恰好ではまずいじゃろう?」このおねえさん、いやパラレルは心を読めるのかよ・・・「当たり前じゃ、私は大魔術師パラレルじゃぞ!」パラレルは半分怒ったような表情で言った。

「まあ、それはさておき。」パラレルは表情を引き締めた「本題に移ろうかの。」

パラレルは一枚の写真を出した「おおよその事情はつかめた。お前を襲ったのはこの男か?」パラレルが差し出した写真の男。間違いないあの時俺を襲った男・・・

「その険しい表情からして間違いないと見えるな。」パラレルは今度は紙を差し出した

「これは、なんですか?」受け取った西枝が訊ねる「お前の相方を襲った犯人についてのメモじゃ。その男についての詳細はそこに書かれているが、おおよそのことはわしから話そう。」パラレルは一呼吸置いて話し始めた「その男の名前は澤田鉄吉。職業は米農家、

この近くの敷地に田を持っていてそこでコメを作りつつ、運送会社でトラック運転手も兼ねているタフな男だ。彼は昼の2時頃から連絡が取れなくなり警察に捜索願が出ておるが見つかってはおらん。彼は新興宗教であるロゴス教に所属していた。そこの教えにより

お前を襲ったらしい。」普通の米農家の男と言われても信じられない、あの切り口、サビたカマできられたにもかかわらずズバッと切れた。あんなの米農家の平凡な男にできるだろうか。そもそも何でおれを狙ったんだ「いや、奴の本当の狙いはお前ではなかったらしい。」おれの心を読んだらしくパラレルはタイミング良く答える「本当の狙いは彼女だったようじゃ。」パラレルに指さされた西枝は困惑した表情を浮かべる「わ、わたし?」

「そうじゃ、おぬしじゃ。彼の真の狙いはお前だったようじゃ。」西枝が不安げに言う「どうして、私が狙いとわかったんですか。」パラレルは一枚の紙を差し出した

「そこに答えが書かれておる。」その紙には『ロゴス教団本部より澤田鉄吉へ。教祖ロゴスの名において西枝美紀を捕らえよ』と書かれている。

「なんで、私を?・・・」戸惑う美紀にパラレルは諭すように話し始めた「それは、ワシにもわからん。じゃが、一つだけわかったことがある。お主たちの力じゃ。」

俺たちの力?「そうじゃ。お主たちの力じゃ。お前たち2人とも強力な精神力を備えておることがわかった。その証拠にお前たちはあの男を破った。」「でも、あれはパラレル様がくれた鉄球のおかげ・・・・」西枝がそれを言うのを予想していたかのようにパラレルは答えた「いや、あの鉄球は私には扱えん。単に持っていただけじゃ。あの紙を見なかったのか?。」 パラレルが指差す先にあるのは西枝が解読した紙・・・「それに書かれていたじゃろう『我が使役し20の精霊、汝がために捧ぐ』とな。あれを扱えるのはセレナの守護者であったローラン、あるいはセレナと同等の精神力を持ったものでなければ扱えぬ。あるいは、お主たち2人がセレナとローランであれば扱えるであろうが・・・」

パラレルは改めて、俺たちを見据えた「残念ながら、真逆の存在だったようじゃ。」

真逆?・・・つまりセレナとローランの立場と逆にいる人物、ローランとセレナの敵というわけか!「その通り、あの占いの時にワシが驚いたわけがわかるか?お主たちの運命を調べたとき。2人とも先が見えなかったからじゃ。つまり予測不能・・・こんなことは普通の人間ならあり得ぬ。どんな人間でも運命は最初から組み込まれるはずじゃ。それが

ないということは、お主たちは運命に左右されず。時の流れにも影響されない特殊な人種であるといえる。つまり断言しておくがお主たちは人間ではないじゃろう。」

人間じゃない?!馬鹿な、俺はこの地球という惑星の日本という島国の中の一国民として平凡な家庭に生まれ、平凡な毎日を送ってきた、スポーツが下手で学力もそんなにない

高校生だぞ。人間じゃないってどういうことだ?!

「お前さんたちが人間じゃないと言われても、いきなりすぎてわからんかもしれんな。

よし、それなら証拠を見せてやる。」パラレルはゆっくりと左手をローブの中に入れ、次の瞬間には拳銃を握っていた!。

「なにするつもりですか!」西枝が悲鳴を上げる、「そうですよ、こんなところで銃をぶっ放そうって言うんですか!」パラレルはゆっくりと首を上下に振った。

「安心しろ、この銃の音はこの部屋だけにしか聞こえん。ワシ自身が精神力によって、この部屋全体を防音壁のように覆っておるんじゃ。よってこの部屋で起こる銃声は、外には響かん。」やっぱりパラレルは人間じゃない・・・「その通り、ワシは人間ではない。いや、元人間だったかも知れんが、その記憶はない、たとえるなら人間の皮をかぶった化け物みたいなものかの。」

「そこは、もう分りました!私が聞きたいのは・・・」「パラレル様が本当に私たちを撃つか・・・ということじゃろう。」パラレルは心が読める。それは十分に分かっているんだが、改めて思い知らされる。

「もちろん撃つぞ、お前さんがた、私をずっと味方だと勘違いしておるがな、ワシは一言もお前さんがたの味方だとは言っておらんぞ?」まさか、じゃあパラレルは最初から

俺たちを殺るつもりで、近づいていたのか?・・・・・迂闊だった、このままじゃ

俺も西枝も・・・・・

「ジ・エンドじゃよ。」パラレルはニヤッと悪魔のような笑みを浮かべ、その手に握られたけん銃を俺たちに向ける「たとえ、お前さんたちが私と同じように『人間ではない』としても、精神力の使い方も知らない未覚醒の状態であれば私に勝つことはできない。

さあ、地獄への旅路にご案内・・・」パラレルの手に握られている拳銃が火を噴いた!



「西枝、早くこっちに!」病室のテレビ台の後ろに隠れる俺と西枝にパラレルは容赦なく銃撃を浴びせてくる。このままじゃ二〇秒とかからずテレビ台が破壊されて丸見えになる。

そのため、ドアから外に逃げ出そうとしたのだが『ビイーン』とういう何とも奇妙な音とともに俺と西枝はドアに跳ね返されしまった。「ふふふ、無駄さ。言ったろこの部屋全体をワシの精神力で包んであると。お前たちは檻の中に閉じ込められた哀れな獲物なのさ。」

笑いながらパラレルはさらに銃を撃ってくる。

「くそ、どうしたらいいの?!」西枝が叫ぶ「西枝!あの袋は?鉄球の袋!」西枝はポケットを探る。「あった!よ~しこれを使えば・・・」「勝てるとでも?」パラレルが嘲笑う。

「絶対に勝てる!だって私は使えたもん!」西枝は袋の中から取り出した鉄球をもち、投げる態勢に入った。

「ええい!!」西枝が思い切り投げた鉄球は空中でいくつもの鉄の槍へと変わった!

「ふん、そんな攻撃が私に聞くと思っているのかい。まあ、この技を使えるだけでもたいしたもんではあるがね。しかし私相手じゃ分が悪かったね。」

パラレルはローブの中に手を入れて拳銃をしまった・・・と思った次の瞬間にはパラレルの手には小さな本が握られていた。

「さあ、お前さんがたに私の精神力を見せてあげよう。」

パラレルは本を見ながら鉄の槍が飛んでいくわずかな時間の間に何かぶつぶつと呪文?のようなものを唱えた。

「全てのまやかしを無に帰せ!ゴットライジング!!」パラレルの両手を漆黒の渦が包んでいく。

「なによ、あれ・・・。」西枝と俺があっけにとられる中、黒い竜巻が一直線に空を飛ぶ槍に向かっていく。次の瞬間、鉄の槍を竜巻が包み、すさまじい騒音が鳴り響いた。

「そんな、ウソでしょう・・・」西枝が声を震わせる。俺も声が出ない。空中を飛んでいた槍は影も形もなくなっていた。

「これが格の違いってもんさ。さあ、覚悟はできてるんだろうね。言っとくが今のお前さんたちでは私に勝つことは不可能だよ。」

俺は唇をかんだ。西枝の大技(といっても彼女自身の能力ではないが)も効かないんじゃもう打つ手がない。もう、俺たちには反撃の手段がないのだ。

「さあ、2人仲良く、あの世に行きな。もっとも人間じゃないお前さんたちを神様が許すかどうかは知らないがね。すべてのマヤカシを無に帰せ、ゴットライジング!!」

再びパラレルの両手が光り輝く。すさまじい光に視界が閉ざされる。

ここでおれたちは死ぬんだ・・・・・せめて、あと1年は行きたかった・・・後一年で念願のアメリカへ行くことができたのに・・・・ってこんなときになにをくだらないことを考えているんだおれは・・・・ってまだ眩しいけどいつまでたっても騒音が来ない?

「そこまでしといたほうがいいぞパラレル。」部屋の入り口から声が・・・・ってこれって親父?・・・・

「おまえ、まさか!」パラレルの声が引き付く「その、まさかさ。俺の大事な『光』を

消させるわけにはいかない。」「ふん、貴様に何ができる!」パラレルの手から光が再び飛び出す!「やれやれ、さっきの光を俺が消滅させたこともわからないのか?」親父が手をスッと空中に上げ光を切る動作をすると向かってきた光は空中で真っ二つになって消えた!

「なに!・・・・」 パラレルが困惑した表情を浮かべる。「前より弱くなってないか。パラレル。かつての力はどこに行った・・・まあ、いい、今は片づけるほうが先だ。」

親父が懐からメモ帳?を出した。

「全能の神よ汝の拳を振りおろしたまえ、我が示すものを封じ込めたまえ!ゴットストーン!」

親父が叫ぶとともに突然、部屋の天井にぽっかりと穴が開いた・・・と思ったとたん

そこから巨大な手がとびだし、そのままパラレルを押しつぶした!・・・・

「やれやれ、これで片付いたな。大丈夫だったか?信仁と美紀ちゃん。」

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