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占い師 パラレル

俺は西枝とは違って占いなどに興味はなかったので西枝を送ったらすぐ帰るつもりだったが占い館まできて唖然とした。「うそだろう?!」なんと今日始まったばかりだというのにお客が行列をつくっていた。

占いってこんなにブームだったけ?「あら、あんたが知らなかっただけよ。最近では占いだけに一年で100万円かける人もいるんだって。」おいおい、さすがに100万円はないだろうと思ったが、確かに最近家のポストにも、そんなたぐいのものが色々と来るようになっていた。なるほど俺が知らなかっただけで意外にブームなんだな占いって。

「それにしても混んでるな。これもお前が遅かったからだぞ。」西枝をは涼しい顔をして「ふん、私達が来る前からすでにこの状態だったはずよ、確か朝の3時に開くんだから1時にはもう並んでるんじゃなかったかな。」1時って・・・・もはやその占い師人間じゃないのではと思ったが聞くのはやめた。

「さて、おれは帰らせてもらうぞ。」やっと仕事が終わったと思って帰ろうとしたが

「ちょっと信仁、あんた送っただけで帰れると思ってんの。」後ろから西枝に呼び止められムカッときたが仕方なく戻った「いったい、何だっての」西枝はニヤッと笑って目で周りを見ろと合図した。周りを見てみると何やらカップルばっかり、そのうえおれの方をじろじろ見ている人が多い。「私達をカップルだと思っていた人が多いのよ、それにここは2人1組じゃないと受けることが出来ないのよ。」「つまり今帰ると、付近の人に変な目で見られるし俺が西枝と組まなければ占いを受けることが出来ない、そういうことになるんだな。」西枝は頷いた。こうなったら仕方無い、親には午後までかかると言ってあるし付き合うしかないか、と気持ちを切り替えた、この切り替えの早さは親父からの遺伝だろうがこれが長所でもあり短所でもある。

そうこうしている間には列は進んでいき、待つこと3時間半、太陽が真上に上って来たころにやっと番が回ってきた。「あーあ、やっとだな。」大きく伸びをしてさっさと中に入ろうとした俺を西枝が止めた「まって、ここでパラレル様に祈らなきゃ。」祈るってそれじゃまるで神様に祈るようじゃないか。「パラレル様、パラレル様、どうかわたしをお許しください」とこれだけ言って西枝はさっさと中に入っていた。

おいおい、あれがお祈りかよと思いつつ一応、おれも祈りをしてから中に入った。

仲は思っていたより明るく中央に2つのいすが用意されていた。西枝はもう座っている。

その正面には黒いローブをかぶった人影があった。

あれが「パラレル様」か、それにしても暗い人だなと思いながら俺もイスに座った。

「何が聞きたいんだね。」パラレルの声が聞こえたので「いやそれは西枝に聞いてください」と答えるとパラレルは黙ってしまった。なんだよこいつと思っていたら急に西枝が

「はい、パラレル様にお伺いします。私は将来どんな女性になりますか。」俺には何も聞こえてこなかった、「そうだな、まず、これに名前を書いておくれ。」女なのだろう。

全身をローブで包んでいるため年はわからないが、若い女の声に聞こえた。

西枝gあパラレルの差し出した紙に自分の名前を書いて差し出すと、パラレルは、何やらぶ厚そうな本を取り出して紙と見比べながら何かを始めた。

「何してるんだろうね?」「水晶玉とか使うのが占い師じゃないのか?」おれの頭にあった『占い師』はそれだった。「もしかしたら、数秘術かも。」西枝はこういう専門的な事柄にはとても詳しい。『数秘術ってのは古代ユダヤの人たちが考え出した占いの方法でね、対象となる人の名前や生年月日からその人の運命を予言するっていう話だけど・・・そんなの当てになるのかな?」名前や生年月日から運命が分かるって言うんならわざわざ、こんなところに来なくても自分の家で十分やれると思うのだが。来ている以上仕方ない。

「まさか!そんなバカな・・・」俺と西枝の会話はパラレルの突然大声で途切れた。

「どうしたんですか。パラレル様?」西枝が心配そうに呼びかけるがパラレルは上の空で聞こえているかも怪しかった。

「セレナが、セレナが、セレナが・・・・・」セレナ?何のことかはわからないがとにかく起こさないといけない「しっかりしてください、パラレルさん!」必死にパラレルを揺すると、やっとパラレルは正気に戻ったらしく頭をあげてこっちを見た。驚いた、一瞬ローブの下の顔が見えたが若い女の人だ。普通占い師といったら中年のおばさんを想像しないか?。そんな事を思いつつ俺はパラレルに話しかけた。

「『セレナ』っていうのは誰なんですか?」俺の問いにパラレルはローブの奥から響くような声で答えた。

「セレナは、かつてイギリスの魔女裁判で死刑を宣告されて、絞首刑にされた女だよ。村の人間か『パラレル』とよばれておったそうじゃが。彼女は村の女の恋人の命を魔術で奪った魔女とした裁判にかけられた。そして裁判で死刑を宣告されたのだが・・・・」

パラレルは中途半端の所で黙ってしまった。「そのセレナが何かをしたんですか?!」

西枝の声に押されるようにパラレルは話しはじめた「彼女、セレナは死ぬ前に二つの予言を残したのだよ。1つ目は自分を訴えたものは永遠に地獄の苦しみを味わうだろうという予言。2つ目は自分は600年後に蘇るという予言だった・・・・」パラレルはそこで一息つき俺達をまっすぐ見た「その予言のうち、すでに1の予言は現実に起こっている。」 永遠に地獄の苦しみを味わうって・・・・いったいどんなばつのことをセレナは言ったのだろう?

「彼女を訴えた女が受けた呪い、それは永遠に生き続けるという呪いだったのさ。」

逆にそれってラッキーじゃねえ?そう思って西枝を見ると西枝も不思議そうな顔をしている。

「それってラッキーなんじゃないかと思っているね?」パラレルがおかしそうに言った

「なんでわかるんですか?!」西枝が驚いて言うと「お前さんがたの顔を見ればわかるよ、ははははは!」 パラレルはひとしきり笑った後で俺達に説明を始めた

「永遠に生きるということは、周りの人が死んで行っても自分は死ねないということなのさ、愛する人が年をとり死んでいっても、自分だけは残される。たとえ自分の国が滅びても自分は滅びることはない。たとえこの世の人類が全滅したとしても自分だけは生きつづける。彼女の苦しみは彼女に呪いをかけた張本人であるセレナが死ななければ解かれることはないのさ。」幕屋の中は冷房がかかっておらず、扇風機もないため、蒸し暑いはずなのだが、おれにはどうも肌寒く感じた。西枝に至っては微妙に震えているようにすら見える。

「あれ、でも、それっておかしくありません?」震えていた西枝がふと思い出したように言った「セレナさんは死刑にされたのでしょう?死刑台に上がる時にその予言をしたのだったら呪いは無効になるんじゃないですか?」言われてみれば確かにその通りで

すでにセレナは死んでいるのだ、死ぬことにより呪いが解かれるなら、とっくに呪いは解かれているはずである。「それはな・・・・」パラレルが話しだそうとしたその時「いつまで、パラレル様と話をしているのよ!」「後ろつっかえてんだよ、早くしろ!」外から

男女の怒鳴り声が・・・・そう言えば、まだ俺達の後に大勢いたんだっけ、

パラレルはやれやれという表情で肩をすくめ俺と西枝に一枚づづ名刺を渡した。

「そこに書いてある住所が私のいるところだ、あんたさんたちには話したいことがまだあるし、私自身、お前たちのことを少し知りたいんでね。また別の日にそこへおいで。」

パラレルは声をひそめてもう一つ付け加えた「裏口からおいき、外の人たちの恨みを買いたかないだろう?」「ありがとうございます。パラレル様!」西枝は嬉しそうにスキップしながら裏口から出て行った「ああ、言い忘れてたそこの男、名を何といったかな?」

パラレルは記憶力がないのかと思いながら俺は答えた「烈火信仁ですけど」パラレルは

頷きながら何かを俺に向かって投げた「うん?これは何ですか?」投げられたものをよく見てみると小さな袋のようだった「お守りだよ。何かあった時に役に立つ」中を開けてみると中には20個ほどのビー玉ぐらいの大きさの銀色をした鉄の球が入っていた「パラレル、これは・・・・」言いかけて俺はパラレルが他の客の相手をしているのに気づき、聞くのはやめた、

そして西枝の後を追って裏口から外に出た。


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