平凡な終わりと異常な始まり
「みーつけた!」広い公園に女の子の声が響く、「信仁弱い~もう三度目だよ?下手すぎない?」「うっせえ、そうゆうお前だって同じようなもんだろう!」「信仁照れてるー」「うるさい!」彼女はいつもこうだ、小さい頃からの幼馴染だが体は大きくなっても中身はちっとも変ってない。「悔しかったら捕まえてごらん~。」本当に女のくせに男勝りなやつで幼いころから数多くの武勇伝を作り上げている。「本当に元気だな。」いつの間にきていたのか大男が立っていた、その巨体に比べて優しい目をしているこの男はなにを隠そうおれの父親だ。
「親父~近くに来ているんなら声ぐらいかけろよ。」「そんなの人の勝手だろうがお前が口出すもんじゃない。」 ムカつくが今は親父にはかなわない、話を変えることにした「親父は仕事の方はどうなんだよ、またクビになったんじゃないかないか?」親父の顔が渋くなった、おやじは体は巨体で力仕事には向いているのだが 今は事務的な会社に勤めている、不器用な方なのでもう3回もクビにされている。
「そう言うお前こそテストはどうだったんだ?」にやにやしながら親父が反撃してきた「お前は俺よりやばいんじゃないのか?体力でも学力でもあの子に負けてるしな。」親父の執拗な反撃が続く「特に爆笑できるのが小学生のときだな、お前がションベンしてる時にあの子が見ててお前のあそこは自分にないから偽物だと言って・・・」 「ウガー!」 親父を追っかけまわしたが捕まえれるはずもなく数分であきらめた、まったく最近の俺と来たら! 気がつくとなみだがでてきていた 。
「お帰りなさい。」家では母さんが既に夕飯をつくって待っていた、さっきからの出来事で気分が悪くてとても食べられる気分じゃないが明日までに餓死したら困る 仕方なく食べることにした。「信仁、またお父さんとなにか話してたんでしょ。」びっくりして思わず箸を落としてしまった「そのくらいお見通しよ、お母さんは何でも知っているんだからね。」母さんは自分のことを必ず「お母さん」と呼ぶもう息子が中三なんだから 呼び方を変えてもいいと思うが毎回この調子だ。「それのどこが悪いんだよ!」母さんにたいして反論した、おれの悪いくせは拒否されると必ず反論してしまう事だる「当たり前よ!仕事もロクにしないで飛び回っているあんな男と会っちゃいけません!」母さんの悪口をこれ以上聞く気にもなれず「ごちそうさま。」と言って二階に上がった「まだご飯たべてないでしょ!~。」下から母さんの声が聞こえたが無視した 「はああ~」溜息をついてベットに寝転がった、毎日がこんな調子であしたもこうなるのかと思うと嫌になってくる。
だがこれも仕方ないことだと思い目を閉じた、そんなに眠れないと思っていたが10分もたたないうち深い眠りにおちていった。
今朝はずいぶんと早く起きてしまった、時計を見るとまだ5時時ぐらいだった。
今からではどうせ眠れないのでジョギングすることにした。体力をつけようと思って
始めたのだが今では一か月に三回程度しかやっていない、今日は休みなのでゆっくりと景色を眺めながら走ろうと思ったのだが・・・・「信仁~なにがんばってるのよ。」
やっぱり来た、西枝が走ってきた西枝はスポーツに関しては積極的で俺とは全く違う、。
だからこうゆう時にはよく会ってしまうのである
ちなみに彼女の名前は西枝美紀、俺はたいがい西枝と呼ぶ 。まともに名前を言い合う仲じゃないからな。
「うっせえな所詮おれは体力はありませんよ~だ。」一瞬西枝の顔が険しくなったがすぐもとの顔に戻って行った。「信仁きょうひま?」 彼女にしては珍しく人を誘ったので感心しながら答えた 「べつに暇だけどどっかいくの?」ニヤッとして西枝はある広告を見せたそこにはこんな風なことが書かれていた『占い館パラレル本日オープン、初回限定無料サービス。』「なにこれ?」西枝があきれ顔で言った「見りゃわかるでしょう、新しくできた占い館の広告よ。」俺はつくずくその広告を見つめた「それで、その店に行きたいっての?」西枝は頷いた「そう私も始めて行くからちょっと心配なのよね。」西枝~いつから占いに興味を持つようになったんだ?しかも恋人と間違えられたら・・・・・・って何考えてんだ!「分ったよとりあえず家に帰って準備するよ、どこに行けばいい?」西枝はすこし考えて「わたしの家の前のバス停まできて。」と言った「OK。」と答えおれは家に向かって全力で走った。
30分後俺は西枝の家の前のバス停にいた、小さい頃は無賃乗車して西枝と一緒に町中
まわったがさすがに中学生ともなるとそんなことはしない、しかし家を出る時は大変だった「テスト期間中は外に出ちゃいけません!」と母さんが猛反対したからだ、なんとか
図書館で勉強すると偽って家を出たが大変だった。
「信仁おまたせ~」やっと西枝が出てきた・・・・・って何だあの恰好は!上はお経が書き込まれた服をきて下は十字架の絵が描きこんであるズボンを履いている、「どうしたんだ?・・・・・その服装。」そう言うのがやっとだった。「あ、これ?本調べてたらこの恰好で占い館に行くのが一番いいって書いてあったんで前々から準備してあったの。」
俺はつくずくあきれ果てるしかなかった、彼女が占いに興味をもっているのは前から知っていたがここまでやるとはこりすぎだろう。意見を言う気も失せちょうど来たバスに乗り込んで俺は占い館に向かった。