表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
からくりすごろく-将軍の覚醒-  作者: 水前寺鯉太郎
バトルシティ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/43

第27話「新生、メタルブラックベア」

第27話「新生、メタルブラックベア」


 路地裏を埋め尽くす、漆黒の殺気。《黒龍》の瞳が赤く輝き、レアハンターの《サイレント・リーパー》を噛み砕こうと顎を開く。

 その牙がレアハンターに届く直前——片倉の自我が、狂気の淵で踏みとどまった。

 (……待て。食い殺しちゃ、俺はあいつらと同じになっちまう)

 美咲の顔が浮かんだ。あの子の前に、胸を張って戻れない。それだけは、嫌だった。

 (龍よ。お前が飢えてるのは分かった。だったら、俺の凡骨の魂を燃料にして——その飢えをねじ伏せてやるッ!!)

 自我を代償にすることを拒んだ。

 代わりに、レバーを握りしめた。泥を啜った全ての一歩を思い出しながら。密林の戦いも、黄兄弟の盤面も、アヌビスの爆風も——全部、この機体と共に歩んできた履歴だ。その全てを、《黒龍》の中枢へと流し込む。

 《黒龍》の咆哮が、驚きを含んだ音へと変わった。

 砕け散ったアイアン・ベアの重厚な装甲が、磁力に引かれるように黒龍の骨格へと吸い付いていく。呪いの黒きマブイが、鈍色の装甲を黒染めにし、硬度と重さを与えていく。《黒龍》の狂暴な出力を、アイアン・ベアの重厚な外骨格が受け止め、安定させる。

 土煙の中から現れたのは、龍でも重機でもなかった。

 漆黒の鏡面装甲。

 背中には、龍の翼を模した巨大な蒸気スラスター。

 右腕には、真鍮の巨大な爪。

 異形の、黒き熊。

 「馬鹿な……。呪いの機体を、ガラクタと融合させて——制御しただと……!?」

 レアハンターの三つのレンズが、同時に割れた。

 その黒き熊が一歩踏み出した瞬間、路地裏のアスファルトが同心円状に砕けた。

 出目は——計測不能。

 「……凡骨の意地、たっぷり味わいやがれッ!!」

 巨大な爪が、レアハンターの「詰みの盤面」ごと、紙のように切り裂いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ