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第1戦 全ては祖国のために(あらすじと一緒です)
全ては祖国のために―――。
10年前、領土拡大を目論むミデア帝国は隣国サイコーム共和国へ侵攻した。 共和国は抵抗するも劣勢を強いられ、王都陥落は時間の問題となる。
国家は禁忌を選んだ。 動物の能力を人間に融合させる生物兵器――改造人間「適合兵」の開発である。 有志の名のもとに学徒が集められ、人体実験の末、一般動物と融合した適合兵が誕生した。
適合兵になった者たちは、誰もが英雄になりたかったわけではない。
金のために売られた者がいた。 家族を養うため、借金を返すため、あるいはただ生き延びるために、書類に署名した者たちだ。 国家はそれを「志願」と呼んだが、選択肢は最初から一つしかなかった。
孤児で、行き場を失っていた者もいた。 守る家も、帰る場所もない。 それならばせめて、祖国のために死のうと、適合兵に志願した。
誰一人として、戦争を望んでいたわけではない。 誰一人として、怪物になることを望んでいたわけでもない。
それでも彼らは、戦場に立った。




