第三章
こんにちは。月澤嵐之助です。
第三章になりました。ちょっとだけ戦闘シーン(?)あります。
表現とか下手くそで申し訳ないです。
誤字、脱字あったらすみません。
【司】
鍛錬場に向かうと女の子二人がフェンス越しに何かを見ていた。それはかなり驚きの光景だった。陽向くんと加藤くんが模擬戦をしていた。どちらかというと加藤くんが一方的に攻撃をしていて陽向くんはそれを躱しているだけだった。
「あら、あなた方も見にいらしたの?」
頭に大きなリボンをつけている子、集会の時に陽向くんと一緒にいた子だ。隣の女の子は制服の上にジャージを着ていて、更にその上にエプロンをつけている。手にはバットにカップケーキらしきものを乗せているのだが何か紫の煙が出ている。
「どうも、園山令嬢。また華弥様のストーカーですか?」
「ち、違いましてよ!!わたくしはただ華弥様の応援に来ただけですのよ!?」
なんか焦っているようだった。
「あ、初めまして!私岡本杏樹っていいます。カップケーキ食べる?」
「初めまして、相田司です。カップケーキは…い、今はいいかな…。」
横にいる源を見た。首を横に振っていた。更に横にいる和也を見た。口パクで「いらない」と言っていた。
そうしている間も、陽向くんはずっと加藤くんの攻撃を避けていた。
「…ここだっ!」
急に陽向くんが刀を持ち変えると加藤くんの横腹目掛けて日本刀を下から振り上げていた。そして横腹に当たるところで寸止めしていた。
「この勝負もらったよ。」
「…。」
少し悔しそうにしていた加藤くんは槍を持ち直すと近くのベンチまで行き座っていた。
「やっぱり君は強いね。君に勝てるのは谷下さんに何かあった時だけだよ。」
軽々しく話していた加藤くん。すると加藤くんに木刀を突きつける陽向くん。あれはキレているのか?
「…君に何がわかるんだい。唯亜のことを話さないでくれ。」
「ふーん、やっぱり噂は本当なんだね。」
互いに睨み合う二人。それを切り裂いたのは園山さんの叫び?だった。
「華弥様〜!!やはり華弥様が勝たれるに決まってますわ!」
刀を納めてこっちを振り向くとこっちに向かって礼をする陽向くん。とても礼儀正しかった。
「きゃー!華弥様がこっちを見ていらしてよ!」
「というかなぜ陽向と加藤は戦っているんだ?」
騒いでいる園山さんと立てかけてあった木刀を振りながら疑問を投げかけてくる和也。
「それはね…。」
【杏樹 回想】
みんなに食べてもらうためにカップケーキを焼いてみた。とりあえず試食してくれる人を探して鍛錬場まで来てしまった。すると加藤くんが槍を回していた。食べてくれないかなぁ。
「加藤くーん。カップケーキいらないー?」
「いらないよー。今食べると腹くだしそうだからー。」
断られてしまった。まぁ、無理に食べさせるのもあれだしな。次当たるか。すると、知らない間に横に誰か立っていた。二組の陽向くんだ。彼は正直何を考えているかわからなくて怖い。
「岡本さん、彼に今突撃したらどうなると思う?」
「え?」
何を言われるかと思ったらあまりに衝撃すぎてびっくりした。思わず言葉が固まってしまった。持っていた刀をベンチのところに置いて練習用の木刀を手に取る陽向くん。
「本気なの?そんなことしたら…。」
私の言葉は聞かずに突進していく。
「…君、何しに来たの。」
「少しむしゃくしゃしたことがあってね、君なら相手になってくれるんじゃないかと思って。」
槍で木刀の攻撃を受け止める加藤くん。次の瞬間、陽向くんを押し返すと突き攻撃を仕掛ける加藤くん。
「それは奇遇だね。俺もあんまり気分上がらなくてさぁ!!」
二人が戦っているところにまた誰かきた。恋ちゃんだ。
「華弥様、集会後どこかに行ったと思いましたら、こんなところに!」
どうやら陽向くんを追ってきたらしい。そうだ。
「恋ちゃん…。」
「あら、そ、それは…!」
「…食べてくれる!?」
きっと恋ちゃんなら食べてくれる!!そう思っていた。
「い、いや、今はいらなくてよ…。先ほど食堂でケーキを買いましたの。おほほ…。」
断られてしまった。
【司】
陽向くんがこっちに来た。
「園山様、応援に来てくれたんですね。どうも、ありがとうございます。」
「当たり前ですわ!いつでも応援に行かせてもらいますわ!!」
園山さんはとてもキラキラした目で陽向くんを見ていた。そんな園山さんをそのままにして、こっちに話しかける陽向くん。
「…君、その剣にしたの??」
彼を見るたび思うのだが目が怖い。何か嫌悪感を感じる。とりあえず無言で頷くと一瞬無表情になった陽向くん。すぐに元の笑顔に戻ると俺の目の前に立った。そしてこう言われた。
「やはり、君とは仲良くなれなさそうだ…。残念だよ。」
何を根拠にこんなことを言われたかわからなくて怖くなった。すると、源が陽向くんとの間に入ってくれた。
「華弥、そのくらいにしてくれないか。君がこの剣を見て落ち着かないのはわかるけど司を巻き込まないであげて。」
源は明るい時が多いみたいだが、時々冷静になる時があるみたいだ。
「源、君ならわかるだろう。あの時何があったか。許せる訳ないだろう。」
陽向くんは珍しくわかりやすく怒っていた。少し悔しそうにも思えた。
「とにかく、君たちにはわからないよ。助けれなかった、何もできなかった。なのにあいつだけ…!!」
誰のことを思っているのか。陽向くんが声を荒げている。怖い、とても話せる状況ではなかった。するとベンチの方から暗い声が聞こえてきた。加藤くんだ。
「彼は悪くないよ。まず彼がいなければ魔女のこともわからないままだったし。もちろん君の好きな彼女も助からなかったかもね。」
「…君、正気で言ってるの??君こそ長のくせに何もしてないじゃないか。あ、そうか当時は違ったからね。今もそんな力はないのだろう。」
ベンチに座っていた加藤くん。槍を手に持つとこちらまで来ると陽向くんに槍を突きつけた。
「…本戦しようか?」
互いに睨み合っている。先ほどよりも強い殺気が感じられる。
「や、やめてよ…二人とも。」
「華弥様…。」
女の子二人もちょっと怖がっていた。もちろん俺らも入る隙がない。
「…冗談だよ。君と戦っても俺が負けて死ぬだけだから。まぁ、ここに死という要素があるかわからないけどね。」
槍を下ろすと俺たちの横を通って鍛錬場から出ていった加藤くん。追いかけるように岡本さんも出ていった。陽向くんもちょっと落ち着くとこちらを見ずに出ていった。園山さんも追いかけていった。
「なんかすごいところ見ちゃったね。気にしなくてもいいよ、司。」
「う、うん…。」
「まぁ、長たちは大体が仲悪いしな。」
加藤くんも長と言っていたけどもなんのことなのだろう。
「長って…?」
「あぁ、司には話してなかったか。長っていうのはそれぞれのクラス、つまりエネルギーが一番強い奴のことだ。うちのクラスだと美和だな。他のクラスは、陽向とか水樹とかだな。さっきいた加藤はちょっとイレギュラーなんだよな。あと五組、闇エネルギーは谷下だ。あいつも色々あったけど結局は上に出る奴がいないからなぁ。」
「ねぇ、思ったけどさ…和也。なんで木刀ずっと持ってるの?武器変えるの?」
説明してくれた和也はなぜか木刀をずっと持っている。和也は木でできた弓をいつも持っている。ついでに源はライフル銃を持っている。
「いや、変えようとは思っていないんだが本当は刀持ちたかったんだ。」
「へぇ〜、初めて聞いた。なんで弓にしたの?」
「昔弓道習ってたんだ。だから先生に弓にしてくれって言われて。」
「だから最初から上手かったのか!俺なんか最初的に当たらなくて一回和也に当たりそうになったもんな。」
「本当にお前許さないからな…!!」
やっぱりこの二人は仲良いや。俺がいて大丈夫かな?
「はぁ、まぁ源のことだしな。ところで司、どのくらい体力あるんだ?今日ここに来たばかりなんだ無理はするなよ。」
「え、えっと…、あんまり自信はないかな。」
確かにこの山に登り森の中に入り学園まで歩くだけで少々疲れてしまった。前の学校で運動部には入っていたもののあんまり体力はなかった。
「とりあえず基礎からしようか。」
そこから俺と源、和也は鍛錬場で走ったり腕立て伏せとか腹筋とか基礎体力を上げることをしていた。とても疲れた。
お昼過ぎに昼食を食べに食堂に来た。源と和也はちょっと用事をしてから行くと言っていたので一人できた。すると食堂の前にロボットがいた。さっきまではいなかったのに。どこかの映画で見たロボットに似ている。体は赤く腕があり、顔は目元が映像で変わるようになっていた。近づくとこちらを見るとなんと話かけてきたのだ。
「あなたは相田司様、転校生様ですね。私は食堂ロボ、Miuと申します。どうもよろしくお願いします。」
声は機械音の女の人の声だった。機械音だけどとても聴き心地が良かった。目の部分がニコニコした表情になっている。
「相田司様、昼食のお時間です。」
ロボットがそう言うと隣にある扉がついた機械が動き出した。見た目は電子レンジの少し大きいものに似ている。中は見えないけど何かいい匂いがした。ポンっと言う音が鳴ると自動で扉が開いた。そこにはハンバーグ定食があった。
「相田司様、初めのここでのご飯ということで人気のあるハンバーグにさせてもらいました。どうぞお取りください。」
「ありがとう…。美味しそうだね。」
「ここではその人にあった食事を考えております。気に入ったのであれば幸いでございます。」
ロボットに一礼すると食堂の扉が開いた。そこにいたのは源と仲良くしていた綺麗な顔の男の子だった。目が合った。
「…あの!!」
「何?」
声をかけてしまった。彼は素っ気なかった。
「ちょっと気になって…。さっき陽向くんと喧嘩?してたから。」
「転校生、君には関係ない。」
それだけ言うと立ち去ろうとしていた。しかし、振り向くとこう聞かれた。
「今から昼食か?」
「あ、はい…。あ、俺相田司って言います。まだクラスとか決まってないからもしかしたら同じクラスになるかもしれないです。」
「…水樹祐斗だ。三組にいる。まぁ、よろしく。」
それから何か言いたそうに口を開いた。
「食堂で食べるのか?なら一番奥の席をお勧めする。」
「う、うん…。」
それだけ言うと去っていった。
それから食堂に入るとほとんどの席がガラガラだった。すると、手前の方に誰か座っていた。それは唯亜さんだった。唯亜さんも俺に気がついたようで手を振ってくれた。水樹くんがお勧めしてくれた席はまた来た時に空いていたら座ってみよう。
「相田くん、こんにちは。」
「唯亜さん、さっきはありがとう。前座ってもいい?」
「はい、いいですよ。」
俺は唯亜さんの向かい側に座った。唯亜さんも昼食を食べていた。
「唯亜さんはうどんなんですね。俺もうどんには卵入れますよ。」
「奇遇ですね!わかめも入れると美味しいんですよ。食堂のロボちゃんはいつも食べたいものがわかるみたいです。たまに食べさせてはくれないんですけどね。」
嬉しそうにしたり、トホホ…とちょっと苦笑いしているところもある唯亜さん。最初に会った時より表情がわかりやすくなった。俺もなぜか唯亜さんとは少し話しやすい。
「相田くんはハンバーグなんですね!ここのハンバーグ美味しいんですよね。あと肉じゃがも美味しいですよ。」
「そうなんですね。昔母さんが作ってくれたことあったんですけどお肉買い忘れていて野菜煮込んだだけになってたんですよ。」
ちょっと失敗談を話ただけだった。だが母さんというワードを出した瞬間に唯亜さんの手が止まった。それだけではなく目の光が消えているようにも見えた。
「唯亜さん…?」
名前を呼んでも反応がない。どうした良いのだろうか。するとハッとしたように動き出した唯亜さん。
「あ、えっと…。」
「ごめんなさい、相田くん…。」
唯亜さんは立ち上がり俺に一礼すると食器を片付けて食堂から出ていった。入れ替わるように食堂に誰か入ってくる。源と和也だった。
「司…。谷下さんに何したのさ。」
「あ、えっと…。」
今起きたことを二人に話た。すると、なるほどと言った表情になっていた。
「それは地雷を踏んだね、司。」
「あぁ、谷下に母親の話はきついかもな。まぁ司は知らなかったから仕方ないな。」
知らなかったとはいえ地雷を踏んでしまったのか。大変申し訳ないことをしてしまった。
「まぁ、谷下の母親といえばいわゆる毒親というやつだ。たまに学園の方にも乗り込んできてたしな。」
「そうだったんだ。知らなかった…。」
「仕方ないよ、司は転校生なんだから。まぁ、彼女は母親のことさえ話さなければとってもいい子だから。まぁ、だからこそ付き纏われてるのかな…。」
また唯亜さんに会ったら謝ろう。いや、話してはいけないのなら楽しい話でもしよう。
「それより司。机にこんなの入ってたけど…なんか思い当たることある?」
源が出してきたのは「果たし状」と書いてある手紙だった。
「いや、中を見ようかと思ったんだけど裏に宛名書いてあるしやめといた。…大丈夫か?」
「誰だろう…。」
三人で果たし状を開けてみた。
「ー相田司さんへ。
本日夜十時一棟屋上にて待つ。
他の生徒は連れてこないこと。
約束はちゃんと守って。
貴方を疑うものよりー」
「これって…。」
「美和だね。」
「美和だな、これ。」
二人はこの短い文章だけでわかったらしい。美和さんと言ったらあのギャルって感じの女の子か…。何されるんだろうか。
「美和のことだから何するかわからないな。お前も一緒に行けよ、源。」
「いや、ここに誰も連れてくるなって書いてあるじゃん。それに俺は夜の学校嫌いなんだよ。本当に天使がいるかもしれないだろ?」
「天使?」
魔女といい天使といい空想的な人物が多いな。…いや人物ではないか。
「天使ってのはこの桜田学園に伝わる都市伝説の一つだよ。夜の学園に現れるという白い服を着て白の羽の生えた人だからみんなからは天使って言われているんだ。会うと次寝た時に悪夢を見るらしい。他にも有名なのは職員室のことかな。先生ってこの世界には山城先生しかいないんだ。それで職員室はあるけど鍵がかかってて開かないんだ。もしかしたら職員室に先生たちが閉じ込められてるとか色々と噂はあるよ。」
職員室は前に山城先生が連れて行ってくれなかったことだ。見ないとは思っていたがまさか他の先生がいないとは。それに天使か…。夜の学校に現れる存在ではないけどもちょっと怖いな。
「ふん、源はそんなのが怖いのか。お子様だな。」
「和也は会ったことないの??本当に真っ白な服着ていて肌も白いし羽生えてるよ。悪夢は結局見なかったけどもあれ以来夜の学園には行ってないよ。」
「…は?お前天使に会ったのか?」
「うん、見たよ。」
和也の顔色がどんどん悪くなっていった。そんな和也を見ながらちょっと笑っている源。俺と後ろを見てこう話した。
「いや、本当は見たことないんだけどね。和也ってばあぁいう反応が面白くてさ。あ、でも夜の学園に行かないのは本当だよ。」
源はちょっと揶揄うところがあるみたいだ。天使の話をしているからか小悪魔の様だった。
「で、話は戻るけど司は美和の呼び出しに行くの?」
「うん…、ちょっと不安だけど行ってみようと思う。疑われたままだとなぁ…。」
「そっか、まぁ美和も本当は悪いやつじゃないからちゃんと話をすればきっとわかってくれるよ。」
それから午後は源と和也と教室でずっと話していた。夕方になり寮に帰った。寮は学園の横、つまり結界内にあり男子寮、女子寮があり一人一部屋ずつで分かれている。二階建てのその建物は元々はなかったらしく、この世界に来てからできていたらしい。なかなか綺麗な建物で設備も充実だ。部屋は一階の一番奥の部屋だった。部屋に入ると机とベットがあり、今日あまりにも色々な出来事があって疲れてしまってベットに横になったら眠ってしまった。
「司…大きくなったな。」
「えぇ、知らないうちに私と身長同じね。もう少ししたら身長高くなって私を、もしかしたらお父さんも超えちゃうかもね。」
「それは大変だな。まぁ、子が大きくなるのはいいことだ。司はどちらかというとママに似ているからな。きっと美人さんになるぞ。」
「いやね、お父さんったら。あら、司ちゃんってば大変なことになってるわね。」
「本当だな。俺もだが司はもっと大変なことになってるな。まぁ、司なら大丈夫だ。俺の子だからな。きっと一緒に抜け出せる。頑張れよ、司。」
ハッとなって起きた。夢だったんだ。母さんと父さんの夢を見ていた。俺の目からは涙が出ていた。涙を拭いて時計を見たら九時半だった。そろそろ行かなくてはと学ランを着て部屋を出た。すると隣の部屋のドアがちょうど開いた。
「あっ…。」
「えっ、誰…。」
黒いパーカーを着てフードもかぶっていた彼は赤い目を擦っていた。
「あ、俺…!!」
自己紹介をしようとしたらバタンと扉を閉じられてしまった。部屋の扉の上には名前が書いてありその彼の名前は「佐野幸村」というこ子らしい。どこのクラスの子なのだろうか。
とりあえず俺は学園の屋上に向かった。屋上に上がると少し肌寒かった。今日はいい天気で星が見え月は満月だった。すると屋上の扉が開いた。そこにいたのは…。
「ほんとにきてくれたんだ。君、臆病そうだから来ないかと思った。」
どうでしたでしょうか。
今回の話は長の話とか天使の話とかありますね。これから重要になっていくところです。
また近いうちに第四章も載せます。




