第一章
初めまして、月澤嵐之助と申します。
この度はこちらを開いてくださってありがとうございます。
書き方とかあまり上手くないのですが楽しんで読んでいただけるとうれしいです。
誤字、脱字等ありましたらすみません。
(同じ作品をpixivに載せております。そちらからは何人かキャラクターも描いてもらっています。
)
桜といえば春を連想する人もおおいだろう。今自分がいる山には桜が沢山咲いている。そして、その春の学校行事といえば最初に始業式や入学式を思う人が多いはずだ。
「この辺りであっているはずなんだが…。」
見慣れない土地の誰か知らない人物に呼ばれて「とある学校」へ今向かっている。バスで5時間くらい揺られたせいか気分が悪い。その上、1時間くらいは歩いたせいで俺の体力はかなり限界を迎えていた。その学校には中学校では珍しく全寮制らしく、そこに住み込むそうで少量の服を大きめのボストンバッグに入れて歩いていた。せめてこの荷物がなければ…とも思うがあるものはしかたない。
俺は普通の男子中学生だ。普通すぎる見た目とか普通すぎる名前とか言われて揶揄われていたのだが、今思えばそんなこと言ってたあいつらはなんって奴だったかな。そんな「普通」の学生の元へ届いた一通の手紙。白い封筒に俺の名前が書いてある。そこまではなにも変わったことはない普通の手紙であった。しかし、送り主の名前が書いてなかった。その時点でイタズラかと思ったが封筒をあけて手紙を読むだけなら、と思い手紙を開いてみた。内容は…内容…。これがどうしたものか手紙の内容がどうも思い出せない。それでも、なにか手紙に惹かれることが書いてあったのかどうしても気になって送り主のもとへ行くことになったのだ。
昔、俺がまだ幼い頃だ。俺の両親は交通事故にあっている。車はかなり破損した状態で見つかりその車内に母親の死体はあったものの一緒に乗っていたはずの父親が見つかっていない。そのため父親が母親を殺したのではないかとか、あるはずがない噂がたっていた。一人残された俺はおじさんの家に引き取られた。おじさんは毎日俺の顔を見る度嫌そうな顔をしてくる。話かけようものなら無視されてしまう。おばちゃんも俺の前ではいい人だったけど、本音は知らない。きっと俺のことを…。
「…おーい、君ぃぃぃぃ!!!おーい!!!」
なんか叫んでる人がいる。近づいても遠くを見ていたので呼ばれているのは俺ではないと思い通りすぎようとしたら、その男性に肩を掴まれる。
「君だよ!!君!!」
どうやらよばれていたのは俺だったらしい。その人は白衣を着ていて黒縁メガネが特徴的だった。人違いだと思って
「なっ、なんですか…?俺急いでるんですけど。」
と、手をどかそうとしたがかなりがっしり掴まれている
「君を探していたんだ、相田司クン。」
この人はやはり俺を呼んでいたらしい。「ほら行くよ。」とその人に手を掴まれて連行されそうになる。
「自分で歩けますから。」と言って手を解いた。
「あの…桜田学園の先生ですか?」
「まぁ、一応そうだよと言っておこう。」
中々曖昧な返答をされてしまう。ここは遠回しに聞くと余計に面倒くさそうなのでストレートに聞いてみることにした。
「一応ってことは臨時教師とかですか?」
「んー、それは全然違うかな。なんというか…すこーし説明がしにくいんだよねぇ。」
「(なんだそれ…)」
先生?はそう言うと少し早歩きになってしまう。なにか隠したいことでもあるのかな。
「あぁ、ごめんね。自己紹介をしてなかった。」
先を歩いていたその人は急に立ち止まる。振り返ると、
「僕は山城圭人。どうぞよろしく。」
と、自己紹介をしてきた。風に白衣が靡いたせいか、とっても爽やかに見えてしまった。だがふとした瞬間、「司くんはさぁ、どんな女の子が好みなの?」と馴れ馴れしく肩を組んできた。先程の爽やかさはどこへいったのやら…。あんまり本音は言いたくないのでとりあえず「可愛い子です。」とだけ言ってあとはスルーしといた。
「はーい、今から森の中に入るよ。転ばないように気をつけてね。」
「こっ、ここに入るんですか?」
そこは整備された道ではなく草木が生い茂っていて少しばかり森特有の匂いがしていた。
先生の後ろを着いて歩くが以外に早い。なんとか追いついたと思いスペースを落とすとまた距離が離れてしまう。森に入ってから数分歩いたところに池があった。とても綺麗とは言いきれないがなにかそこに惹かれるものがあった。それは池の畔に小さな祠があり、狐の置物が何体か置いてあった。そのうち一番奥にいる狐がものすごく気になっていたが、先生に「ほら、行くよ。」と言われたのでまたいい時に見てみようと思った。
かなり歩いた。約15分くらいかな。
「先生、少し休みませんか?」
「その必要はないよ。」
細い道を抜けると目の前には学校であるだろう校舎が建っていた。先生は振り返ってこう言った。
「ここが桜田学園だよ。」
「この桜田学園はね…。」
その先生は歩きながらこの学園のことについて話し始める。
「この学園は実質三年しかいない。…あぁ、言いたいことはわかる。司クン、君は二年生だったね。まぁ大丈夫だすぐ慣れるさ。彼らも案外すぐ慣れたからね。あとクラスは五組まであるけど司クンは…何組だったかな。あとで確かめてみるよ。あと…。」色々と話しているが、他の学校とはなにか少し変わっていて俺は混乱している。園舎の中に入って靴を変えようとすると「この学園は土足だから」と言われたので「あぁ、はい…。」としか言いようがない。正直、この人が一方的に話していてわかってもいないのにどんどん次の話に移される。
歩いて少し、案内されたのは職員室だった。
「とりあえずここが職員室だからなんかあったらほかの先生…」
と、何故か話している途中でなにかを悩み出すと、
「やめだ、やめ!!ほら、こっち!!」
その人は俺の腕を掴むと職員室の真正面にある部屋の前まで連れてくると、
「たぶん、君みたいな子は職員室よりも保健室に来た方がイイよ!!」
「…それどういうことですか??」
なんだ、この人はそんなに俺が怪我しそうと言うのか?
「…まぁ、いつかわかるよ!!」
高笑いしながらドアをガラッと開けて中に入ろうとした時、ドンッと重い音と「痛っ」という女の子の声が聞こえる。
「おぉ!!これはこれは!!唯亜くん大丈夫かい?」
部屋の入口のところに女の子が倒れてる。この横にいる先生はなにもしそうになかったので「大丈夫ですか??」と手を差し伸べると「…はい。」と、か弱い声で返事した。その子は俺の手を取ると立ち上がり「ありがとう。」と言い俺の顔を見た。先程まで黒くて長い髪で顔が見えなかったけど、その時見えていた顔は可愛いらしい女の子の顔だった。たぶんこの子はモテるんだろうな…。とその子を見ていた。その子も俺を見ていたが急になにを思ったか目を逸らされる。
「ほら!唯亜くん!!浮気したらダメじゃないか!!」
「そ、そんな!!浮気なんてしてません!」
この二人はそういう関係なのだろうとその時は思っていた。だが話を聞く限り「彼に言っちゃうよ!?」と言っているので第三者がいるのだと思い直した。
「とりあえず二人とも。今日は朝礼があるから体育館へ行ってくれ。唯亜クン、司クンを体育館まで案内してくれ。司クン後で話があるからまた朝礼終わったら話すね。」
よろしくとだけ言うと保健室に入って行ってしまう。
「「…。」」
あんまり女の子と二人で話したことの無い俺。そして人見知りなのか喋らなくなってしまった唯亜さんという女の子。
「…あの、俺相田司っていいます。よろ…しくお願いします。」
自己紹介してない事を思い出した俺はとりあえずぎこちない感じで自己紹介をした。
「えっと…私は谷下唯亜といいます。よろしくお願いします…。」
案内されながらたどり着いたのは体育館だった。数人生徒が来ていて、それぞれ他の生徒と話したり、集団で話していたり、壁に寄りかかって寝ている生徒もいる。他の生徒がいる一番後ろの方で唯亜さんと突っ立っているのだが、どこの学校とも変わらないこの体育館で俺は嫌な気配を感じていた。それは生徒全員が武器を持っているからだ。普通にありえないこの光景をどうしたらよいかわからず、内心あせりながらも隣に唯亜さんに聞いてみることにした。でもそういえば唯亜さんは何も持っていないな…。
「唯亜さん…あの…。」
「どうしましたか?」
唯亜さんにどうして他の生徒が武器を持っているか聞いてもよいのだろうか。このままではいけない、少し冷静になろう。
「一旦外へでてもいいですか?」
「大丈夫ですが、あまり遠くには行かないでください。」
許可をもらったところで正直冷静にはなれなかった。その時頭に思い浮かんだのは"ここから逃げる"ということだった。何のために武器を持った集団の中にはいらないといけないんだ、ここは学校ではないのか!?という考えから抜け出せなくなっている。方向的に入ってきた入口とは逆方向に向かい出られそうな窓から飛んで出ることにした。1階だった為なんとか出られた。学園はすぐ飛び越えれそうなフェンスで囲まれている。
「なんとかこれなら出られそうだ…。」
「え?なにが?」
思わず独り言を呟いていたら後ろに誰かいて反動で転んでしまった。
「あれ、君一人?」
赤髪の彼に大丈夫?と聞かれたがやはり彼も槍のようなものを持っていた。
「そういや山城のセンセーが言ってたけど転校生来るって言ってたな。もしかして君がその転校生?」
俺は首を縦に振ると彼は大きなため息を吐きながら槍を抱き抱えるように持つとしゃがんで「女の子がよかったなぁ~。」とショックを受けていた。
内心、女子じゃなくて悪かったな。と思っていたが今はそれどころじゃないと思い出す。
「で、君はここでなにしてんの?」
「…ここから抜け出す。」
「え、何?」
「だから、ここから抜け出すんだよ!」
焦りや不安が重なって思わず大声をだしてしまった。彼は目をカッと開いていて驚いている。だが、それは一瞬だけで彼は呆れたようにこう言った。
「やめといたら。」
彼は何故か小さい石をひとつ持つとフェンスの外に投げる。普通ならなんもなく石が落ちるはずなのだが、なにか壁のようなものにあたり跳ね返ってくる。そこにはよく見ないと見えない壁のようなものがあった。
「なんだよ、これ…。」
「これは魔女の内結界と言って敵達がこの学園に入ってこないようにするためだよ。ほんとめんどくさいよね。」
と結界をコンコンとノックしていた。震える足でなんとか立ち上がると興味本位なのか結界に触れてみた。それはまるで壁であった。
「とりあえずここから出られるのは魔物狩りのときだけだよ。」
「魔物…狩り…?」
赤髪の彼は少し驚いた表情になると「聞いてないの?」と聞いてきたのでまた首を縦に振った。
「…ったく、山城のセンセーは一体どこまで話したんだか。」
呆れている彼を見ながら頭で色々なことを整理している。要するにここは学園というよりも魔物狩りをするところということか?そんな所ではなかったはず。しっかりこの学園について調べてきたはずだし。まず魔物って本当に存在するのか?でもそうしたら生徒が武器を持っていたのは魔物を倒すためということなのか…。
自分の頭の中を整理していたときに赤髪の彼が急に槍を回し始めた。そして槍を構えると結界に槍を突き刺した。ひび割れる音とともに結界にひびが入る。しかし結界はそのひびを修復しはじめて一瞬でなにもなかったのようになっていた。
「魔物狩りのときだけなぜかこの結界は通れるんだよ。普段はこのようにいくら攻撃しても入るのはほんの僅かなひびだけだしすぐに修復されてしまう。」
彼は少しばかり寂しそうにしているように見えた。それもあってか手元が若干震えている。彼だけではなく他の生徒もこんな感じなのかな。そんな事を考えたが、彼はまた呆れたような顔をしていた。
「ったく、面倒な話だよね。なんで鳥籠の鳥のような生活をして、どこかのRPGかのように魔物を倒す。今の俺達にはこれしかできない。」
槍をブンブン華麗に回しながら彼はそういうと座っている俺へと向けてきた。
「君は結局どうしたいのさ。」
先程のヘラヘラしたような顔つきではなくとても真面目な顔をしていた。確かに俺はなにしにこの学園へ来たのか忘れていた。この日常を変えたくてここに来たのかもしれない。正直自分でもよくわからないのだ。
「俺は…今はやりたいことがよくわからない。だけど何故かここに来たら少しは今の自分を変えれる思った。」
「ふーん、そうなんだ。まぁ、ならせめて自分探しにここに居たら?まぁ、どう足掻いても外にはでられないんだけどね。」
槍を下げてそう言うと彼は校舎の方へ歩いていった。ドアを開けて入ろうとすると止まって、
「そういや、自己紹介をしてなかった。俺は加藤風雅。四組のエネルギーの長だ。」
とりあえず体育館に戻ってみることにした。まだ集会は始まってないみたいだった。
「相田くん、おかえりなさい。」
と、声を掛けてきたのは唯亜さんだった。
「あぁ、急に抜け出してごめ…。」
「やぁ、唯亜。おはよう。」
俺の話を遮るように話に誰か入ってきた。いや重要なのはそこではない。全く気配がなかった。俺の真後ろから声をかけてきたその人の目はキリッとしていてまるで俺を獲物のように見ていて少し怖かった。白髪の青年は俺を通り過ぎると唯亜さんの目の前に立った。
「…お、おはよう…ございます。陽向くん。」
唯亜さんは何かを怖がっているようだった。
「「陽向くん」じゃなくて華弥でいいってば。」
「いや、でも…。」
あれ、そういえば山城先生が彼がなんとかっていってたな…。まさかこの人が…。それなら俺が何か言わない方がいい。
「まぁいいや。それで君はどこのどなた?」
白髪の青年はさっきと変わらない目で俺を見ていた。笑顔ではあるが目が笑ってないのは確かだ。その上、目と同じ色の刀を持っているので反射的に後ずさりしてしまう。
「そう怖がらないでくれ、俺は陽向華弥。どこからきた客人かは知らないけどまぁよろしく。」
と言うと手を差し伸べる青年。こういう場合、とりあえずは仲良くした方がいいのだろう。
「…相田司です。よろしく。」
「相田くんは転校生です…山城先生が言ってました。」
「へぇ、こんなところにも転校生くるんだね。珍しい。」
その時、掴んだ手が潰されるかと思うくらい強く手を握られる。我慢はしたがあまりにも痛かったので手を引っ込めてしまった。
「痛っ。」
手を引っ込めた先に誰かいた。頭に大きなリボンを付けた子に当たってしまったらしい。
「なんて無礼なのかしら!本当に失礼な方!さぁ、華弥様こんな方々などほっときましょう。」
華弥という人の腕をとって体育館の端の方に行ってしまった。
「気にしないでください、あれは気にしてはいけません。」
ふと唯亜さんを見たらなにか少し疲れているようだった。
その後も沢山生徒が体育館に入ってきて、その度に「誰?」と言われているような気がして少しきつかった。唯亜さんは僕の後ろに少し隠れていたがたまに入ってきた人に手を振ったりしていた。
数分してからみんなの前に女の子が立っていた。どうやら集会をまとめる役らしい。
「ほらー。みんな静かにしてー。」
その子がそういうと案外すぐにみんな静かになった。
「じゃあ、集会始めるねー。今日はこの私、尾畑夢子が司会です!」
白いベレー帽に灰色のパーカーを着たその子はとてもはきはきしていた。俺とは全然違う。
「今日の主なお知らせは、なんと!この学園に転校生がきてるらしいよ!じゃあ、さっそく挨拶してもらおうか。」
というと、その子は全生徒のど真ん中をかき分けるように後方へやってくると俺の袖をがしっと掴み無理矢理前方へ連れていかれる。生徒達の前に立つとやはり緊張する。「ほら、挨拶。」と司会の子に小声で言われ背中を押される。
「えっと…、相田司です…。よ、よろしく…お願いします。」
少し沈黙したあとなぜかざわつきはじめる。ここに転校生なんてこれるの?とか何故今更?と話し声が聞こえていた。そのざわつきをかき消した人がいた。
「ほらー、みんな静かにー!」
山城先生だった。先生は前にでてくると俺の横に立った。
「彼はどうやら"魔女"に認められたみたいなんだよ。」
その"魔女"という単語が出た時に、またざわつき始める。そういうと加藤くんも"魔女"の結界の話をしてたな。そんな中生徒の一人が手を上げてこう言った。
「"魔女"に認められたってつまりどういうことですか?」
「彼女がこの学園に呼んだのは一部卒業生徒と僕、それと転校生である彼だけだ。君たち同様、彼もこの不思議な学園に呼ばれた一生徒であるということだ。」
よくわからない。正直ここまで言われてもあまり納得はできない。夢ならば早く覚めて欲しいものだ。
「それと先生は一体"魔女"の何を知っているんですか?」
先程の生徒が少しこわばった表情で先生に聞くと先生はこう答えた。
「僕はあんまり彼女のことは知らないよ。ただ他の生徒の証言から君たちが敵対しているのが"魔女"ということだ。ただ、それだけだよ。」
質問していた生徒は「そうですか。」とだけ言って静かになった。
「そういや、先生。」
次は司会の子が先生に話しかけると「どうしたんだい?」という先生。
「いや、彼、相田司くんのクラスはどこです?渡された紙のどこにも書いてなくて。」
先生はギクッとすると、何か悩み始めた。「言うべきか、言わないべきか…。」と独り言を呟いているほどだ。大体の人はそう言われると気になるだろう。
「いや、先生言ってくださいよ。」
司会の子がじとーっとした目で訴えかけると仕方なさそうにこう言った。
「いやね、この学園はそれぞれ持っているエネルギーによってクラスが決まっているんだけど、司クン、君はどうやらどこにも当てはまらないらしいんだよ。」
体育館内がざわつきはじめた。
「とりあえず司クンこれ持って。」
真っ白なスカーフを渡される。持った瞬間スカーフが眩しく光りはじめた。そしてその光が消える。だが何も変わってなかった。
「んー、やっぱおかしいなぁ。このスカーフは持っているエネルギーで色が変わるんだけど司クンのスカーフは何も変わらないね…。」
「どうしようか。」と山城先生は悩んでいた。すると1人の生徒が「先生。」と手を挙げていた。それは陽向くんだった。
「どうした、華弥クン。」
前いた生徒を避けながら生徒たちの前に来ていた。
「司くん、彼にはエネルギーがないのではないですか。今までそんなことはなかったけど転校生が来るという異例のことが起こってますし、可能性はゼロではないと思います。まぁ、だからと言って放ってはおけませんね。そこで一つ提案なのですがとりあえず全クラス回ってみて彼にあったクラスにするのはどうですか。」
「うーん。まぁ決まらないからそれで様子を見てみようかな…。」
なんてこの先生はテキトーなんだとつい思ってしまった。陽向くんは「では。」と言って生徒たちのもとへ戻ろうとしていたら何か思い出したかのように俺のもとへ来て俺にだけ聞こえるようにこう言った。
「頼むから闇組へは入らないでくれよ。それと俺のクラスもね。」
耳元で囁かれたからなのか背中がゾゾっとした。彼は少し離れると真っ赤な瞳でこちらをじっと見つめていた。俺は彼に相当嫌われているらしいのであまり見ないようにした。陽向くんが生徒たちのところへ戻ると先生がパンっと手を叩いた。
「そういや学園内の案内しないとね。誰かしてくれる子いるかい?」
シーンとしていたが一人生徒が手を挙げていた。
「僕やりますよ!是非!」
金髪の髪に白いピンをさしている生徒が元気よく立候補してくれていた。彼が前に来ると同じくらいの身長だった。彼はまっすぐこちらを向いている、とてもニコニコしていて俺とは違うなと思ってしまった。
「僕は鏡屋源。気軽に源でもなんでも呼んでくれ!」
「よし、案内役も決まったし解散するか。よし、解散!」
と先生が言うと体育館からみんな出ていこうとしていた。
「あっ、和也!和也も一緒にくるよね!!?」
源くんが誰か呼んでいた。すると体育館から出ていきそうなところで折り返してく人がいる。丸メガネをかけていて早足でこちらに向かって来る。目の前までくると源くんに指を刺してキレていた。
「なんでお前はいつもいつも俺を呼んで来るんだ!?案内すると言ったのはお前だろ!?俺を巻き込むな!」
「悪かったって。でも和也がいてくれた方がきっと楽しいだろ?こういうのはみんなで回ったほうが楽しいじゃん。」
更になにか言いたそうにしているメガネの子と怒鳴られていたのに楽しそうにしている源くん。相当仲良しみたいだ。
「…わかったよ。行けばいいんだろ、行けば!?」
はぁ、とため息をついて一旦息を整えていた彼は俺を見てまたため息をついていた。
「こいつは和也、日和和也だよ。不器用なところもあるけど仲良くしてあげてね。」
「まぁよろしく頼む、転校生。」
「じゃあ、早速行こうか!どこから行く?」
二人が歩き出したのでついて行こうとしたら手をガッと掴まれたのでびっくりした。掴んできたのは山城先生だった。
「ごめんね、びっくりさせたね。ちょっと用事があって。二人は先に体育館から出といてくれ。」
案内役の二人は頷いて体育館から出ていった。
「司クン、君はどうしてこの場所に来たの?他の生徒たちは自分の意思とは関係なくここに来たんだ。君は違った。何か理由でもあるのかい?」
俺はここに来た理由を正直に話した。自分の親の話、おじさんに引き取られた話、謎の手紙の話。先生は「それは大変だったね。」と俺の肩に手を乗せてきた。
「この学園は変わってはいるけどもとてもいいところだから。司クンも頑張ってね!」
本当に思う。この人結構テキトーなんだと。
「話は変わるけど君が使う武器に関してだけど、やっぱみんな使いたいとか馴染みやすいとかあるから案内終わったら武器庫に来てくれ。武器は魔物を倒すのに使うから決して仲間に向けては行けないよ。一応これ。」
と渡されたのは短剣だった。持ち手の部分に龍の模様が付いていてちょっとカッコよかった。だが本物の武器みたいなのでちょっと重かった。
「一応護身用ね。何かあったらいけないから。」
「…ありがとうございます。」
「じゃあ、武器庫で待ってるからね。」
早足で体育館から出て行ってしまった。俺も二人を待たせてるから行かないと。
体育館を出ると曲がり角で止まっている源くんと和也くんがいた。何か見ているようだった。
「何見てるの?」
声をかけると源くんがなぜか首を横に振っていた。見ていた先には陽向くんともう一人金髪の青年がお互い武器を構えていた。
読んでいただきありがとうございます。
これから主人公がどうなっていくのかが見どころだと思っています。
他のキャラクターも活躍していきますのでまたよろしくお願いします。




